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五歳編
五十四話 襲撃④ (肇)
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あちこちで銃声が響き渡り、眩い閃光が迸る。戦場と成り果てた風祭家の敷地には、数えきれないほどの死体が転がっていた。肇の部下と宗家の従者がぶつかり合い、激しい抗争が始まっていた。もはや、誰にも止めることはできなかった。
数では肇の一派に分があるものの、大半が魔術を扱えない者が占めていた。だが、それも理解した上での行動だった。魔術を使えない者は互いをフォローしながら、懸命に戦っていた。あちこちで人が入り乱れ、乱戦となっていた。
「今すぐに争いを止めなさい。こんなこと許されないわ」
「我々には進むべき道がある。このまま死んでくれ」
香苗の悲痛の叫びが響き渡るが、誰も耳を傾けることはなかった。ゴーレムの肩の上で呆然とする香苗に接近すると、勢いのままに拳を振り上げた。血で争う以外に解決の道など存在しない。初めから話し合う気などなかった。肇は渾身の一撃を見舞う。しかし、香苗の頬に拳が触れる寸前に、水の濁流が襲い掛かった。
香苗を庇うように水の濁流が襲い掛かり、肇を呑み込もうとしていた。反射的に回避に回った肇は、空中で回転しながら辺りを見渡した。ゴレームの足元には響子がおり、隙を見せると魔術で攻撃を仕掛けてきた。やはり二人同時に相手にすることは、肇であっても厳しい状況だ。僅かなやり取りで戦力差を把握し、冷静に分析する。
肇の能力では二人同時に戦うことは厳しいのが現実だった。だが、恐れている場合ではない。我々には後がない。肇は覚悟を決めると、氣を全力で解放した。眩い光が肇の身体を覆い、暴風が吹き荒れた。肌を斬り裂くような鋭い風が辺り一帯を覆い尽くし、螺旋を描くように渦巻いた。
まるで大型のハリケーンのように風が密集し、瓦礫の山となった風祭家の屋敷を丸ごと吹き飛ばした。暴風の勢いは尚も止まらず、車や戦車までも吹き飛ばした。しばらくすると空に積乱雲が現れ、突然と雷雨が降り注いだ。
急速に天候が変わり、台風が直撃したのではないかと錯覚するような超常現象だった。積乱雲からいくつもの閃光が走り、宗家の従者のみをピンポイントで雷が襲う。人間に躱せる訳がなかった。自然の力を前に宗家の者は手も足もでなかった。
次々と宗家の者が雷に打たれ、倒れていく。視界を遮るような豪雨が降り注ぎ、じわじわと体力を奪っていった。天災に見舞われたかのようだった。もはや、肇に手加減をしている余裕などなかった。本気で戦わなければ不要な犠牲を出してしまう。
「さぁ、掛かって来い。風祭響子、そして西条香苗」
「何を言っても無駄のようね。良いわ。貴方の気が済むまで戦いましょう。香苗、私をサポートしなさい。私が前衛を務めます」
「しかし、それでは響子様の負担に……」
「気にすることはないわ。どうやら敵は香苗の魔術を事前に対策しているようです。この豪雨ではゴーレムの特性を最大限に活かすことはできないわ。貴方は後衛からサポートよ。良いわね?共に戦いましょう」
「……はい」
響子の有無を言わせぬ態度に、香苗は何も言えなかった。放出系は属性によって相性が存在する。香苗は放出系であり、土の属性に特化した魔術師だ。如何にゴーレムが強力な魔術であっても、この豪雨では存在を保つのが精一杯だった。
「喋っている暇があるなら戦え」
肇は身体に風を纏いながら、響子に接近する。まるで空から急降下する鳥のように移動し、拳を振り落とした。肇の拳が大地を貫き、轟音が鳴り響いた。砕けた岩が周囲に飛び散り、巨大なクレーターが生じる。威力は申し分ないが、綺麗に躱された。
飛び散った石礫が響子に襲い掛かるが、急いで展開した結界によって防がれたようだ。やはり生半可な攻撃は通用しない。肇は警戒心を強めた。このまま長期戦に持ち込まれると、肇が不利になる。クレーターの中心で思考を巡らせ、辺りを見渡した。
気付いた時にはゴーレムに囲まれていた。その数、四体にも及んだ。前後左右を塞がれ、隙を見せることもできない状況に陥った。その上、離れた場所からは響子が大規模な魔術を展開させていた。響子の周囲には幾何学模様が浮かび上がり、禍々しい氣で溢れていた。思考する間もないまま、ゴーレームが拳を振り落とした。
上空に跳躍することで回避するが、そこに水の濁流が襲い掛かった。大規模な津波は味方である筈のゴレームごと呑み込んだ。さすがの響子もなりふり構っていられない状況だと悟ったのであろう。先程までの攻撃とは一線を画す攻撃だった。
肇は風を巧みに操り、暴風を巻き起こした。津波と暴風が勢いのままに衝突し、轟音が鳴り響いた。両者の力は拮抗し、気の抜けない状況に陥った。そこにゴレームが背後から接近し、巨大な腕を振り落とした。肇に回避することはできなかった。
豪快に吹き飛ばされた肇は、地面を跳ねるように転がった。衝撃で鬼の面が割れ、素顔が露わになる。肇の素顔を見た響子と香苗は固まり、唖然としていた。黒髪の短髪に、鋭い双眸。顎髭が薄っすらと生え、見覚えのある顔だった。
「貴方は……啓二さんのところの……」
「顔を見られたか。だが、この場で殺してしまえば問題はない」
「何故なのです?何故、貴方が……?」
「何故だと?やはり貴様らには理解もできないか……」
肇は血を吐き出すと、前を見据えた。豪雨が降り注いでいるため、視界が悪かった。急速に気温が下がり、真冬の夜のようだ。みるみるうちに体温を奪われ、体力を消耗していく。だが、それは響子や香苗も同じこと。集中力が削がれ、思考が鈍る。
厳しい状況下でも耐えるしかない。それが戦いというもの。弱音を吐いた者から死んでいく。立地、天候、気温。全ての条件が揃った。響子と契約している精霊を炙り出すには条件がある。水を司る精霊は冷たい気温と雨を好む傾向がある。
あとは響子の身柄を拘束するだけだ。あと少しで儀式を始めることができる。念願の精霊。何としても精霊を啓二のもとに届けなくてはならない。全ては仲間達のため。貧しい生活を送っている者達の生活を少しでも豊かにするため。
そのための犠牲ならば、いくらでも払う。肇は辺りを見渡しながら、怪しい笑みを浮かべた。未だに周囲では激しい攻防が続いていた。銃声と悲鳴が響き渡り、次々と人が倒れていった。どうやら肇の部下達が押し始めたようだった。
「風太、炎樹、樹季、陽子。戦線離脱して、所定の位置に配置してくれ。訓練通りにやれば問題はないはずだ。これから儀式を始める。繰り返す。風太は北に向かえ、炎樹は東に。樹季は南だ。陽子は西に配置しろ!迅速に行動してくれ」
「はい」
「分かりました」
「ええ、すぐにでも向かいます」
「了解」
肇の指示に従い、十代前半と思われる少年、少女達が大きな声で返事をした。白い着物を着込み、天狗の面を被っている少年、少女達は素早く戦線離脱し、移動し始めた。風太は北に、炎樹は東に、樹季は南に、陽子は西に向かい、氣を解放した。
四人の少年、少女達の身体から氣が溢れ、地面に幾何学模様が浮かび上がった。複雑な模様を描き、眩い光が辺りを照らした。大規模な幾何学模様を見て、さすがの響子も焦りの表情を浮かべる。嫌な予感を感じ、動揺を隠せなかった。
「これは……不味いわ。香苗、今すぐ魔法陣から離れなさい!!」
「間に合いません。響子様だけでも逃げて下さい」
「クッ……」
その時、四人の少年、少女達の胸から鎖が顕現し、響子の手足を絡め捕った。鎖に両手足を拘束された響子は身動きが取れなかった。その上、魔術を展開しようとすると、急速に氣を吸われていく感覚に襲われ、魔術を展開できなかった。
「この魔術は……貴方達、正気なの?」
「我々は正気だとも」
「今すぐ魔術を止めなさい。この魔術のデメリットを知らないの?」
「理解した上での行動だ。今さら臆する訳がない」
響子には目の前の出来事が信じられなかった。四人の少年、少女達が繰り出そうとしている魔術は、魂を生贄にすることで可能とする魔術だ。響子と契約している精霊に子供達の魂を捧げ、精霊を誘き出そうとしていると悟った。
「風太、炎樹、樹季、陽子。良くやった。みなの犠牲は無駄にはしない。必ずや精霊を手に入れ、平和な世界を実現させると約束する。だから全てが終わったら安らかに眠ってくれ。本当に済まない……これから儀式を始める。良いな?」
肇は涙ぐんでいた。響子の中で眠る精霊を起し、強制的に引き摺り出すには生贄が必要なのだ。平和な世の中を実現させるには必要な犠牲。肇は歯を喰いしばりながらも、冷静を努めた。もう立ち止まることはできないのだ。
「はい。肇さん、今までありがとうございました。僕達は肇さん達のお蔭で今まで生きることができました。心から感謝を申し上げます」
「では、始めろ」
「はい」
その時だった。四人の少年、少女達の身体が輝き、視界を覆い尽くした。東西南北に配置した少年、少女達の胸から新たな鎖が顕現し、響子の胸を貫いた。
「響子様っ……」
「きゃぁぁぁぁぁぁ……」
数では肇の一派に分があるものの、大半が魔術を扱えない者が占めていた。だが、それも理解した上での行動だった。魔術を使えない者は互いをフォローしながら、懸命に戦っていた。あちこちで人が入り乱れ、乱戦となっていた。
「今すぐに争いを止めなさい。こんなこと許されないわ」
「我々には進むべき道がある。このまま死んでくれ」
香苗の悲痛の叫びが響き渡るが、誰も耳を傾けることはなかった。ゴーレムの肩の上で呆然とする香苗に接近すると、勢いのままに拳を振り上げた。血で争う以外に解決の道など存在しない。初めから話し合う気などなかった。肇は渾身の一撃を見舞う。しかし、香苗の頬に拳が触れる寸前に、水の濁流が襲い掛かった。
香苗を庇うように水の濁流が襲い掛かり、肇を呑み込もうとしていた。反射的に回避に回った肇は、空中で回転しながら辺りを見渡した。ゴレームの足元には響子がおり、隙を見せると魔術で攻撃を仕掛けてきた。やはり二人同時に相手にすることは、肇であっても厳しい状況だ。僅かなやり取りで戦力差を把握し、冷静に分析する。
肇の能力では二人同時に戦うことは厳しいのが現実だった。だが、恐れている場合ではない。我々には後がない。肇は覚悟を決めると、氣を全力で解放した。眩い光が肇の身体を覆い、暴風が吹き荒れた。肌を斬り裂くような鋭い風が辺り一帯を覆い尽くし、螺旋を描くように渦巻いた。
まるで大型のハリケーンのように風が密集し、瓦礫の山となった風祭家の屋敷を丸ごと吹き飛ばした。暴風の勢いは尚も止まらず、車や戦車までも吹き飛ばした。しばらくすると空に積乱雲が現れ、突然と雷雨が降り注いだ。
急速に天候が変わり、台風が直撃したのではないかと錯覚するような超常現象だった。積乱雲からいくつもの閃光が走り、宗家の従者のみをピンポイントで雷が襲う。人間に躱せる訳がなかった。自然の力を前に宗家の者は手も足もでなかった。
次々と宗家の者が雷に打たれ、倒れていく。視界を遮るような豪雨が降り注ぎ、じわじわと体力を奪っていった。天災に見舞われたかのようだった。もはや、肇に手加減をしている余裕などなかった。本気で戦わなければ不要な犠牲を出してしまう。
「さぁ、掛かって来い。風祭響子、そして西条香苗」
「何を言っても無駄のようね。良いわ。貴方の気が済むまで戦いましょう。香苗、私をサポートしなさい。私が前衛を務めます」
「しかし、それでは響子様の負担に……」
「気にすることはないわ。どうやら敵は香苗の魔術を事前に対策しているようです。この豪雨ではゴーレムの特性を最大限に活かすことはできないわ。貴方は後衛からサポートよ。良いわね?共に戦いましょう」
「……はい」
響子の有無を言わせぬ態度に、香苗は何も言えなかった。放出系は属性によって相性が存在する。香苗は放出系であり、土の属性に特化した魔術師だ。如何にゴーレムが強力な魔術であっても、この豪雨では存在を保つのが精一杯だった。
「喋っている暇があるなら戦え」
肇は身体に風を纏いながら、響子に接近する。まるで空から急降下する鳥のように移動し、拳を振り落とした。肇の拳が大地を貫き、轟音が鳴り響いた。砕けた岩が周囲に飛び散り、巨大なクレーターが生じる。威力は申し分ないが、綺麗に躱された。
飛び散った石礫が響子に襲い掛かるが、急いで展開した結界によって防がれたようだ。やはり生半可な攻撃は通用しない。肇は警戒心を強めた。このまま長期戦に持ち込まれると、肇が不利になる。クレーターの中心で思考を巡らせ、辺りを見渡した。
気付いた時にはゴーレムに囲まれていた。その数、四体にも及んだ。前後左右を塞がれ、隙を見せることもできない状況に陥った。その上、離れた場所からは響子が大規模な魔術を展開させていた。響子の周囲には幾何学模様が浮かび上がり、禍々しい氣で溢れていた。思考する間もないまま、ゴーレームが拳を振り落とした。
上空に跳躍することで回避するが、そこに水の濁流が襲い掛かった。大規模な津波は味方である筈のゴレームごと呑み込んだ。さすがの響子もなりふり構っていられない状況だと悟ったのであろう。先程までの攻撃とは一線を画す攻撃だった。
肇は風を巧みに操り、暴風を巻き起こした。津波と暴風が勢いのままに衝突し、轟音が鳴り響いた。両者の力は拮抗し、気の抜けない状況に陥った。そこにゴレームが背後から接近し、巨大な腕を振り落とした。肇に回避することはできなかった。
豪快に吹き飛ばされた肇は、地面を跳ねるように転がった。衝撃で鬼の面が割れ、素顔が露わになる。肇の素顔を見た響子と香苗は固まり、唖然としていた。黒髪の短髪に、鋭い双眸。顎髭が薄っすらと生え、見覚えのある顔だった。
「貴方は……啓二さんのところの……」
「顔を見られたか。だが、この場で殺してしまえば問題はない」
「何故なのです?何故、貴方が……?」
「何故だと?やはり貴様らには理解もできないか……」
肇は血を吐き出すと、前を見据えた。豪雨が降り注いでいるため、視界が悪かった。急速に気温が下がり、真冬の夜のようだ。みるみるうちに体温を奪われ、体力を消耗していく。だが、それは響子や香苗も同じこと。集中力が削がれ、思考が鈍る。
厳しい状況下でも耐えるしかない。それが戦いというもの。弱音を吐いた者から死んでいく。立地、天候、気温。全ての条件が揃った。響子と契約している精霊を炙り出すには条件がある。水を司る精霊は冷たい気温と雨を好む傾向がある。
あとは響子の身柄を拘束するだけだ。あと少しで儀式を始めることができる。念願の精霊。何としても精霊を啓二のもとに届けなくてはならない。全ては仲間達のため。貧しい生活を送っている者達の生活を少しでも豊かにするため。
そのための犠牲ならば、いくらでも払う。肇は辺りを見渡しながら、怪しい笑みを浮かべた。未だに周囲では激しい攻防が続いていた。銃声と悲鳴が響き渡り、次々と人が倒れていった。どうやら肇の部下達が押し始めたようだった。
「風太、炎樹、樹季、陽子。戦線離脱して、所定の位置に配置してくれ。訓練通りにやれば問題はないはずだ。これから儀式を始める。繰り返す。風太は北に向かえ、炎樹は東に。樹季は南だ。陽子は西に配置しろ!迅速に行動してくれ」
「はい」
「分かりました」
「ええ、すぐにでも向かいます」
「了解」
肇の指示に従い、十代前半と思われる少年、少女達が大きな声で返事をした。白い着物を着込み、天狗の面を被っている少年、少女達は素早く戦線離脱し、移動し始めた。風太は北に、炎樹は東に、樹季は南に、陽子は西に向かい、氣を解放した。
四人の少年、少女達の身体から氣が溢れ、地面に幾何学模様が浮かび上がった。複雑な模様を描き、眩い光が辺りを照らした。大規模な幾何学模様を見て、さすがの響子も焦りの表情を浮かべる。嫌な予感を感じ、動揺を隠せなかった。
「これは……不味いわ。香苗、今すぐ魔法陣から離れなさい!!」
「間に合いません。響子様だけでも逃げて下さい」
「クッ……」
その時、四人の少年、少女達の胸から鎖が顕現し、響子の手足を絡め捕った。鎖に両手足を拘束された響子は身動きが取れなかった。その上、魔術を展開しようとすると、急速に氣を吸われていく感覚に襲われ、魔術を展開できなかった。
「この魔術は……貴方達、正気なの?」
「我々は正気だとも」
「今すぐ魔術を止めなさい。この魔術のデメリットを知らないの?」
「理解した上での行動だ。今さら臆する訳がない」
響子には目の前の出来事が信じられなかった。四人の少年、少女達が繰り出そうとしている魔術は、魂を生贄にすることで可能とする魔術だ。響子と契約している精霊に子供達の魂を捧げ、精霊を誘き出そうとしていると悟った。
「風太、炎樹、樹季、陽子。良くやった。みなの犠牲は無駄にはしない。必ずや精霊を手に入れ、平和な世界を実現させると約束する。だから全てが終わったら安らかに眠ってくれ。本当に済まない……これから儀式を始める。良いな?」
肇は涙ぐんでいた。響子の中で眠る精霊を起し、強制的に引き摺り出すには生贄が必要なのだ。平和な世の中を実現させるには必要な犠牲。肇は歯を喰いしばりながらも、冷静を努めた。もう立ち止まることはできないのだ。
「はい。肇さん、今までありがとうございました。僕達は肇さん達のお蔭で今まで生きることができました。心から感謝を申し上げます」
「では、始めろ」
「はい」
その時だった。四人の少年、少女達の身体が輝き、視界を覆い尽くした。東西南北に配置した少年、少女達の胸から新たな鎖が顕現し、響子の胸を貫いた。
「響子様っ……」
「きゃぁぁぁぁぁぁ……」
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