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五歳編
五話 系統検査② (響)
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「……響様……何か勘違いをされていませんか?陰性反応を示す特異体質は研究が進んでいないだけなのです。世間で言われているような無能者ではありません。誤解されています」
「しかし、陰性の特異体質の場合、どのような能力にすれば良いのか分かりません。全く想定していませんでした。無能者である可能性も疑いましたが、まさか陰性の特異体質だったなんて……」
特異体質は二種類あり、両方とも希少な系統と認知されている。陽性反応を示す特異体質は百万人に一人の割合で生まれてくると言われている珍しい系統だ。この国の現在の総人口は、およそ一億三千万人と言われている。
つまりこの国には陽性反応を示す特異体質の系統を持って生まれた人間が百三十人いる計算になる。それだけでも稀であることに変わりはないが、さらに希少と言われているのが陰性反応を示す特異体質であった。
陰性反応を示す特異体質の人間は千万人に一人の割合で生まれてくると言われている。数字だけで判断するならば、この国には十三人いる計算になる。だが、正確なデータがない状況であり、陰性反応を示す特異体質のことについては謎が多いのだ。
「それは仕方ありません。生まれ持った系統は変えることもできません。ご自身で選ぶことすらもできません。ただ、陰性の特異体質でも鍛錬次第では扱い熟せるかもしれません。響様はどのような能力を望んでいたのですか?」
「……本当に使い熟せるのでしょうか?僕は強化系を望んでいました」
「大丈夫です。武術を活かした能力が欲しかった訳ですね?」
「はい、そうです……」
「まだ可能性が潰えた訳ではありません。希望を捨てないで下さい」
系統は生まれついてのものであり、完全な決定事項である。しかし、能力は自身で考え、選ぶことができるのだ。系統に沿った上で自身に合った能力を見い出すことで最善の能力となる。知恵を絞れば響が望む能力を扱うことができる筈なのだ。
それに自身の系統に反した系統から能力を生み出すことも可能だ。色々な条件に縛られるが、不適正魔術で能力を作り出している人間もいるにはいる。だが、殆どの人間が使い熟せていない。不適正魔術は扱いにくく、効果が半減してしまう。
つまり能力とは最初の設定が極めて重要になる。設定を失敗すると使えない能力となる傾向にある。けして響の希望する能力が扱えない訳ではない。能力に対する理解と厳しい鍛錬を繰り返せば武術を活かした能力を身に付けることも可能な筈。
だが、問題もある。陰性反応を示す特異体質の難しいところは、強化系、操作系、具現化系、放出系の四つの系統が扱えないことだ。どのような設定を行えば能力を扱えるようになるのか、未だに研究が進んでいない状態なのだ。
全くと言っても良いほどに手探りに近い状態で調査する必要があった。果たして鍛錬を積み重ねて魔術を扱えるようになるのか、源十郎でさえも疑問を感じずにはいられなかった。響が不安を漏らすのも致し方ないことだと思わずにはいられなかった。
「強化系の場合は水晶がどのような反応を示したのですか?」
響が望んでいた系統は強化系であり、そう簡単に諦めることができなかった。これでは何のために厳しい鍛錬を乗り越えてきたのか分からない。目標を見失った。響が行ってきた鍛錬を存分に活かすのであれば強化系が理想だったのだ。
「そうですね。まずはそこから説明する必要がありますね。強化系の場合は氣を送り込むことで水晶の中に入っている水が膨張するのです。操作系の場合は氣を送り込むことで水晶の中の水が生き物のように縦横無尽に動く傾向にあります」
源十郎の説明によると、氣を流し込むことで水晶の中に入っている水に変化が起きるとのことだった。人によって変化は異なり、良く観察しないと見過ごしてしまう場合もある。また氣を操れない子供でも他者の氣を纏うことで検査は可能だ。
他者の氣を纏うことで自身の体内を循環している氣を活発化させ、水晶を反応させることで系統を調べることができる。最初に水晶の水が漆黒に変色したのは、源十郎の氣に反応したからである。響の本来の系統を調べるには時間が掛かった。
「放出系と具現化系はどのような反応を示したのですか?」
「放出系の場合は各属性に合わせた色に変色します。具現化系の場合は氣を流し込むことで不純物が生じるようです。特異体質の場合は人によって異なる反応を示すために、共通の反応を示しません。特異体質の反応は千差万別と覚えて下さい」
「特異体質……僕はどうすれば良いのですか?」
「響様、落ち着いて下さい。響様はまだ五歳です。能力については諦めずに、そして慌てずに模索していきましょう。それよりも重要なことは発勁と纏衣です。まずはこの二点を習得することから始めなけばなりません」
体内を循環している氣を感じ、体外に放つことを発勁と言う。そして、体外に放った氣を身体に纏うことを纏衣と言う。発勁も纏衣も魔術の基礎であり、能力の設定を行う前には使い熟せるようになっていなければならない。
通常は一歳から五歳までの間に発勁と纏衣を使い熟せるようになる。どんなに遅くても六歳までと定められている。だが、響は五歳になっても未だに発勁と纏衣をできない状態だった。それどころか体内を循環する氣すら感じることができない。
「……はい。分かりました」
「良い返事です。何があっても諦めてはいけません」
源十郎は響が生まれた時から世話をしている。だからこそどのような結果になったとしても響を見捨てないと心に決めていた。鍛錬や勉強の時は厳しく接しているが、全ては響の将来を考えてのことである。生半可な教育をするつもりはない。
「……はい。源十郎さん、ありがとうございます」
「響様……今日のお勉強はここまでにしましょう。明日もやらなくてはならないことが沢山あります。今日は早めにお休みになって下さい。明日は魔術の鍛錬を行いたいと思います。明朝の五時に、お庭の方でお待ちしております」
「はい、分かりました。今日はありがとうございました。また明日も宜しくお願い致します」
「ええ。では失礼致します」
源十郎は丁寧に挨拶をすると、室内から出て行った。響は未だに系統検査の結果を受け入れることができずに、固まっていた。正直なところ、陰性反応を示す特異体質だったことは予想外であり、響は家族に知られることを恐れていた。
果たして家族は系統検査の結果を受け入れてくれるのであろうか。無能者として扱われ、見捨てられる可能性もあった。系統検査の結果を知った両親の反応が脳裏に浮かんだ。怒り、哀れみ、同情など様々な感情を向けられる想像をしていた。
響はベッドに横になると、瞼を閉じて思考に集中した。思考すればするほど負の思考が脳裏で繰り返された。五歳になっても未だに発勁と纏衣を行うことができない。いくら鍛錬を繰り返しても成果を出せない。不安に押し潰されそうだった。
時刻は深夜を回っていたが、眠ることができなかった。目が完全に冴えてしまい、ストレスで眩暈がした。響の悩みは尽きることがない。誠一は既に適正魔術だけではなく、不適正魔術すらも扱えるようになっている。
さらに紅葉は新たな魔術を生み出すという偉業を成し遂げていた。誠一は神童と呼ばれ、紅葉は麒麟児と言われていた。二人の兄姉にどんどん離されていく。どんなに努力を繰り返して足掻いても手が届かない。気付けば涙が零れた。
何故、僕だけが苦しい思いをしなければならないのであろうか。本当に血の繋がった家族なのであろうか。それとも努力が足りないのであろうか。様々な思いが脳裏を駆け巡った。ベッドの上で泣き腫らすことしかできなかった。
「しかし、陰性の特異体質の場合、どのような能力にすれば良いのか分かりません。全く想定していませんでした。無能者である可能性も疑いましたが、まさか陰性の特異体質だったなんて……」
特異体質は二種類あり、両方とも希少な系統と認知されている。陽性反応を示す特異体質は百万人に一人の割合で生まれてくると言われている珍しい系統だ。この国の現在の総人口は、およそ一億三千万人と言われている。
つまりこの国には陽性反応を示す特異体質の系統を持って生まれた人間が百三十人いる計算になる。それだけでも稀であることに変わりはないが、さらに希少と言われているのが陰性反応を示す特異体質であった。
陰性反応を示す特異体質の人間は千万人に一人の割合で生まれてくると言われている。数字だけで判断するならば、この国には十三人いる計算になる。だが、正確なデータがない状況であり、陰性反応を示す特異体質のことについては謎が多いのだ。
「それは仕方ありません。生まれ持った系統は変えることもできません。ご自身で選ぶことすらもできません。ただ、陰性の特異体質でも鍛錬次第では扱い熟せるかもしれません。響様はどのような能力を望んでいたのですか?」
「……本当に使い熟せるのでしょうか?僕は強化系を望んでいました」
「大丈夫です。武術を活かした能力が欲しかった訳ですね?」
「はい、そうです……」
「まだ可能性が潰えた訳ではありません。希望を捨てないで下さい」
系統は生まれついてのものであり、完全な決定事項である。しかし、能力は自身で考え、選ぶことができるのだ。系統に沿った上で自身に合った能力を見い出すことで最善の能力となる。知恵を絞れば響が望む能力を扱うことができる筈なのだ。
それに自身の系統に反した系統から能力を生み出すことも可能だ。色々な条件に縛られるが、不適正魔術で能力を作り出している人間もいるにはいる。だが、殆どの人間が使い熟せていない。不適正魔術は扱いにくく、効果が半減してしまう。
つまり能力とは最初の設定が極めて重要になる。設定を失敗すると使えない能力となる傾向にある。けして響の希望する能力が扱えない訳ではない。能力に対する理解と厳しい鍛錬を繰り返せば武術を活かした能力を身に付けることも可能な筈。
だが、問題もある。陰性反応を示す特異体質の難しいところは、強化系、操作系、具現化系、放出系の四つの系統が扱えないことだ。どのような設定を行えば能力を扱えるようになるのか、未だに研究が進んでいない状態なのだ。
全くと言っても良いほどに手探りに近い状態で調査する必要があった。果たして鍛錬を積み重ねて魔術を扱えるようになるのか、源十郎でさえも疑問を感じずにはいられなかった。響が不安を漏らすのも致し方ないことだと思わずにはいられなかった。
「強化系の場合は水晶がどのような反応を示したのですか?」
響が望んでいた系統は強化系であり、そう簡単に諦めることができなかった。これでは何のために厳しい鍛錬を乗り越えてきたのか分からない。目標を見失った。響が行ってきた鍛錬を存分に活かすのであれば強化系が理想だったのだ。
「そうですね。まずはそこから説明する必要がありますね。強化系の場合は氣を送り込むことで水晶の中に入っている水が膨張するのです。操作系の場合は氣を送り込むことで水晶の中の水が生き物のように縦横無尽に動く傾向にあります」
源十郎の説明によると、氣を流し込むことで水晶の中に入っている水に変化が起きるとのことだった。人によって変化は異なり、良く観察しないと見過ごしてしまう場合もある。また氣を操れない子供でも他者の氣を纏うことで検査は可能だ。
他者の氣を纏うことで自身の体内を循環している氣を活発化させ、水晶を反応させることで系統を調べることができる。最初に水晶の水が漆黒に変色したのは、源十郎の氣に反応したからである。響の本来の系統を調べるには時間が掛かった。
「放出系と具現化系はどのような反応を示したのですか?」
「放出系の場合は各属性に合わせた色に変色します。具現化系の場合は氣を流し込むことで不純物が生じるようです。特異体質の場合は人によって異なる反応を示すために、共通の反応を示しません。特異体質の反応は千差万別と覚えて下さい」
「特異体質……僕はどうすれば良いのですか?」
「響様、落ち着いて下さい。響様はまだ五歳です。能力については諦めずに、そして慌てずに模索していきましょう。それよりも重要なことは発勁と纏衣です。まずはこの二点を習得することから始めなけばなりません」
体内を循環している氣を感じ、体外に放つことを発勁と言う。そして、体外に放った氣を身体に纏うことを纏衣と言う。発勁も纏衣も魔術の基礎であり、能力の設定を行う前には使い熟せるようになっていなければならない。
通常は一歳から五歳までの間に発勁と纏衣を使い熟せるようになる。どんなに遅くても六歳までと定められている。だが、響は五歳になっても未だに発勁と纏衣をできない状態だった。それどころか体内を循環する氣すら感じることができない。
「……はい。分かりました」
「良い返事です。何があっても諦めてはいけません」
源十郎は響が生まれた時から世話をしている。だからこそどのような結果になったとしても響を見捨てないと心に決めていた。鍛錬や勉強の時は厳しく接しているが、全ては響の将来を考えてのことである。生半可な教育をするつもりはない。
「……はい。源十郎さん、ありがとうございます」
「響様……今日のお勉強はここまでにしましょう。明日もやらなくてはならないことが沢山あります。今日は早めにお休みになって下さい。明日は魔術の鍛錬を行いたいと思います。明朝の五時に、お庭の方でお待ちしております」
「はい、分かりました。今日はありがとうございました。また明日も宜しくお願い致します」
「ええ。では失礼致します」
源十郎は丁寧に挨拶をすると、室内から出て行った。響は未だに系統検査の結果を受け入れることができずに、固まっていた。正直なところ、陰性反応を示す特異体質だったことは予想外であり、響は家族に知られることを恐れていた。
果たして家族は系統検査の結果を受け入れてくれるのであろうか。無能者として扱われ、見捨てられる可能性もあった。系統検査の結果を知った両親の反応が脳裏に浮かんだ。怒り、哀れみ、同情など様々な感情を向けられる想像をしていた。
響はベッドに横になると、瞼を閉じて思考に集中した。思考すればするほど負の思考が脳裏で繰り返された。五歳になっても未だに発勁と纏衣を行うことができない。いくら鍛錬を繰り返しても成果を出せない。不安に押し潰されそうだった。
時刻は深夜を回っていたが、眠ることができなかった。目が完全に冴えてしまい、ストレスで眩暈がした。響の悩みは尽きることがない。誠一は既に適正魔術だけではなく、不適正魔術すらも扱えるようになっている。
さらに紅葉は新たな魔術を生み出すという偉業を成し遂げていた。誠一は神童と呼ばれ、紅葉は麒麟児と言われていた。二人の兄姉にどんどん離されていく。どんなに努力を繰り返して足掻いても手が届かない。気付けば涙が零れた。
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