68 / 96
センチメンタル、いちごミルク
しおりを挟む
夕焼けの帰り道は、なんだか心がそわつくものだ。
言い表すなら、ノスタルジーとか、センチメンタルとか、そういう言葉が相応しいのかも。
この時期ならではの、薄ピンクの花びらでトンネルのようになった桜並木を抜けている最中となれば、なおさらだ。満開の桜並木。日本に住んでいて良かったなあとまで思う。
おっと、今日のわたしは後輩の綾瀬さんと一緒だった。ぼんやりしている場合ではない。
「先輩? 今、ちょっとセンチメンタルジャーニーに出てましたよねっ?」
「あ、顔に出てたかな……?」
「お見通しなんですう」
「でも、綾瀬さんもなんだかちょっと寂しそうだった気がするよ?」
「そうですねぇ。あんまり桜が綺麗で、夕日も綺麗だから浸っちゃいましたね」
得意顔で言った後に、少しの寂しさを浮かべる。綾瀬さんは色々変わったところもある子だけど、結局可愛くて憎めない。
夕焼けと桜のコラボレーション。
あまり優秀とは言えないわたしは、新人時代はこの時間にはとても帰れなくて、ほとんど見てなかったかもしれない。
でもやっと少し仕事が出来るようになった時に見られた。その風景は、今と同じで何処か懐かしく、輝いていたと思う。
春の匂いとともに、思い出の景色だった。
と。
たわいない話をしながら歩いていると、不意に見覚えのある姿に気づいた。
並木の先。二人連れで歩く老夫婦。
わたしはあの人たちに会ったことがある。まれぼし菓子店で。
そしてあの二人は一見普通に見えるけど、いつもタルトフレーズを二人分買って、その後消えてしまうという幽霊なのだ。
幽霊と言って、何をする訳でもない。ただ彼らは彼らの時間を楽しんでいるだけに、私には見えているが。
それにしてもお店で見ることはあっても、こんな所にいるのを見るのは初めてだ。二人は仲良さそうに桜を見ていたが、やがて歩き出した。
方角はわたしたちと一緒。まれぼし菓子店の方へである。
「……先輩ってぇ幽霊とか信じます?」
「えっ!? 急にどうしたの?」
「あたしが見えるタイプの人って言っても、先輩なら笑いませんよね」
急に綾瀬さんが真剣な顔をして、真剣な声でそう呟いた。
もしやと思ったが、その視線の先はあの二人だ。
それきり彼女は押し黙ってしまった。わたしたちも二人でまれぼし菓子店へと足を向ける。
まれぼし菓子店の入口のランプの下まで来た所で、綾瀬さんが立ち止まった。
「すみませぇん、先輩、さっきの話なんですけど、あたしたちの秘密にしておいてもらえませんか?」
「うん、いいけど」
「変な子って思われちゃう……」
そう言った綾瀬さんの顔は珍しく明らかに浮かなくて、彼女にも色々あったんだろうか……と思ってしまうものだった。
「大丈夫だよ。それよりほら、今日も綾瀬さんの大好きなイチゴのスイーツ食べるんでしょ。それに今日は手嶌さんもいるはずの日だし!」
「ん、そうですね。ふふ、先輩、ありがとうございます」
彼女は再びご機嫌になってスキップするようにお店の中に入っていった。
お店の中にはわたしたちより先に着いた幽霊の二人組と手嶌さんがいた。
「いらっしゃいませ。今日も、ありがとうございます」
わたしと綾瀬さんに笑いかける手嶌さん。綾瀬さんも、もうすっかり常連になってるなあ。
「今日は特別なメニューがあるんですよ」
「特別? 気になります!」
「イチゴですかぁ?!」
俄然食いついたわたしたちに、手嶌さんはおかしそうにわらいながら答えてくれる。
「はい。〝思い出の〟いちごミルクです」
「思い出……」
わたしと綾瀬さんはなんとなく顔を見合せた。
そして視線はつい、先客であるあの二人のテーブルに行ってしまう。彼らのテーブルには、タルトフレーズ。それと優しいピンクの液体……いちごミルクがおかれていたのだ。
誰の思い出なんだろう?
何の思い出なんだろう?
たくさんの疑問符を浮かべながら、わたしたちはいちごミルクを注文するのだった。
ほどなくして、丸いフォルムの可愛いグラスにストローをさして、縁にはいちごが飾られたいちごミルクが運ばれてくる。
ころんとして可愛くて、ピンクがまた良い。上に生クリームが少し乗せられているのも可愛らしい。
「可愛いですう!」
「うんうん……美味しそうでもあるよね」
見た目からしてテンションがあがってくる。
少し混ぜてやってから、ストローに口をつけて、ひとすすり。
すると……思ったより甘くない。いちごの風合いを生かして、甘酸っぱさがすごく強調されている。
だからといって飲みにくい訳では無い。ミルクと生クリームが、柔らかく酸味を包み込んでいる。
時折いちごの果実のつぶつぶ感。この食感が楽しいのだ。
「うーん、おいしいです!」
「ドリンクも美味しいのってこの店の良さだねー」
後輩と二人て舌鼓をうっていたときにふと気づいた。
あ。先客のおふたり様の姿が消えている。
手嶌さんがその視線に気づいて、お水のおかわりをつぎながら、話してくれる。
先程のわたしの疑問に答えてくれるように。
「一番最初にあのお二人が当店にいらしてくださった際に、召し上がられたのがタルトフレーズといちごミルクだったんです。当店、最初の常連のお客様となりました」
優しい眼差しで。懐かしむ……という言葉が本当に相応しい表情だった。
「いちごが本当にお好きな、大の甘党でいらして。それで……今でも、時々こうしていらっしゃるんですよ。お店の中で召し上がるのは悪いっておっしゃるんですけど、今日はあの方々の結婚記念日なので。アニバーサリーのプレートで出させていただいたんです。仲の良いお二人でいらっしゃいました」
窓からは夕焼けが射し込んで、席に残されたグラスを照らし出している。
夕焼けの欠片が店内にちらばっているようだった。
手嶌さんはにっこりとわたしたちに笑いかけて言った。
「様々なお客様がいらっしゃいます。当店には。ありがたいことです」
「そこがまれぼし菓子店のすごいところだと、思います……それをありがたいって言えるのも」
「そっかあ……あたしみたいないちご好きな幽霊さんもいるんですね……」
当たり前のように幽霊のことを話す手嶌さんに、綾瀬さんは少なからず驚いたようだが、その後はしきりに納得している様子だった。
帰り道。
綾瀬さんはうーんと背伸びをするとぼやいた。
「また、手嶌さんのぉ、謎が増えました……」
「そうだねえ……あの人の謎はほんとに解けないね」
「それに、先輩の謎も」
「わたし?」
「先輩も幽霊見えてるし……それになんか先輩って、不思議と皆のこと安心させてくれるじゃないですかぁ。普通なのに普通じゃない感じ、謎です」
「わたしが幽霊とか見えるのは、まれぼし菓子店にいるとき限定だと思うよ」
「そうかなあ。まあ、それはおいておいても、手嶌さんのこともっと好きになりましたよ。……先輩のことも」
「ありがとう」
改めて面と向かって好きって言われると照れるな。でも手嶌さんだったら多分しれってしてるんだろうなあ。
しかし普通なのに普通じゃない。というのはわたしにはどうもピンと来なかった。いたって普通なのがある種わたしの取り柄だとも思っていたからだ。
夜桜。
夕焼けがひいた後の朧月に照らされて、少し白く見える桜の花。いよいよ美しい。
ふと、老夫婦のことを思い出す。
わたしは、あの二人みたいにまれぼし菓子店にとっての思い出になっているだろうか?
そして、まれぼし菓子店はわたしにとって……。
色んなことがあった気がする。
たくさんの人と知り合いもした。
わたしにとってまれぼし菓子店は掛け替えのない場所だ。今も、そしてこれからも。
「先輩~。またセンチメンタルジャーニーに旅立ってますよぉ」
「あっ! ごめん!」
「も~! ほら行きますよぉ」
綾瀬さんに手を引かれて、わたしは歩き出した。
今くらい、センチメンタルに浸ってやれ! と思いながら。
ザワ、と春の風が吹いて桜の木を揺らす。
花びらがひとひら、風に吹かれて空に舞い上がって行った。
言い表すなら、ノスタルジーとか、センチメンタルとか、そういう言葉が相応しいのかも。
この時期ならではの、薄ピンクの花びらでトンネルのようになった桜並木を抜けている最中となれば、なおさらだ。満開の桜並木。日本に住んでいて良かったなあとまで思う。
おっと、今日のわたしは後輩の綾瀬さんと一緒だった。ぼんやりしている場合ではない。
「先輩? 今、ちょっとセンチメンタルジャーニーに出てましたよねっ?」
「あ、顔に出てたかな……?」
「お見通しなんですう」
「でも、綾瀬さんもなんだかちょっと寂しそうだった気がするよ?」
「そうですねぇ。あんまり桜が綺麗で、夕日も綺麗だから浸っちゃいましたね」
得意顔で言った後に、少しの寂しさを浮かべる。綾瀬さんは色々変わったところもある子だけど、結局可愛くて憎めない。
夕焼けと桜のコラボレーション。
あまり優秀とは言えないわたしは、新人時代はこの時間にはとても帰れなくて、ほとんど見てなかったかもしれない。
でもやっと少し仕事が出来るようになった時に見られた。その風景は、今と同じで何処か懐かしく、輝いていたと思う。
春の匂いとともに、思い出の景色だった。
と。
たわいない話をしながら歩いていると、不意に見覚えのある姿に気づいた。
並木の先。二人連れで歩く老夫婦。
わたしはあの人たちに会ったことがある。まれぼし菓子店で。
そしてあの二人は一見普通に見えるけど、いつもタルトフレーズを二人分買って、その後消えてしまうという幽霊なのだ。
幽霊と言って、何をする訳でもない。ただ彼らは彼らの時間を楽しんでいるだけに、私には見えているが。
それにしてもお店で見ることはあっても、こんな所にいるのを見るのは初めてだ。二人は仲良さそうに桜を見ていたが、やがて歩き出した。
方角はわたしたちと一緒。まれぼし菓子店の方へである。
「……先輩ってぇ幽霊とか信じます?」
「えっ!? 急にどうしたの?」
「あたしが見えるタイプの人って言っても、先輩なら笑いませんよね」
急に綾瀬さんが真剣な顔をして、真剣な声でそう呟いた。
もしやと思ったが、その視線の先はあの二人だ。
それきり彼女は押し黙ってしまった。わたしたちも二人でまれぼし菓子店へと足を向ける。
まれぼし菓子店の入口のランプの下まで来た所で、綾瀬さんが立ち止まった。
「すみませぇん、先輩、さっきの話なんですけど、あたしたちの秘密にしておいてもらえませんか?」
「うん、いいけど」
「変な子って思われちゃう……」
そう言った綾瀬さんの顔は珍しく明らかに浮かなくて、彼女にも色々あったんだろうか……と思ってしまうものだった。
「大丈夫だよ。それよりほら、今日も綾瀬さんの大好きなイチゴのスイーツ食べるんでしょ。それに今日は手嶌さんもいるはずの日だし!」
「ん、そうですね。ふふ、先輩、ありがとうございます」
彼女は再びご機嫌になってスキップするようにお店の中に入っていった。
お店の中にはわたしたちより先に着いた幽霊の二人組と手嶌さんがいた。
「いらっしゃいませ。今日も、ありがとうございます」
わたしと綾瀬さんに笑いかける手嶌さん。綾瀬さんも、もうすっかり常連になってるなあ。
「今日は特別なメニューがあるんですよ」
「特別? 気になります!」
「イチゴですかぁ?!」
俄然食いついたわたしたちに、手嶌さんはおかしそうにわらいながら答えてくれる。
「はい。〝思い出の〟いちごミルクです」
「思い出……」
わたしと綾瀬さんはなんとなく顔を見合せた。
そして視線はつい、先客であるあの二人のテーブルに行ってしまう。彼らのテーブルには、タルトフレーズ。それと優しいピンクの液体……いちごミルクがおかれていたのだ。
誰の思い出なんだろう?
何の思い出なんだろう?
たくさんの疑問符を浮かべながら、わたしたちはいちごミルクを注文するのだった。
ほどなくして、丸いフォルムの可愛いグラスにストローをさして、縁にはいちごが飾られたいちごミルクが運ばれてくる。
ころんとして可愛くて、ピンクがまた良い。上に生クリームが少し乗せられているのも可愛らしい。
「可愛いですう!」
「うんうん……美味しそうでもあるよね」
見た目からしてテンションがあがってくる。
少し混ぜてやってから、ストローに口をつけて、ひとすすり。
すると……思ったより甘くない。いちごの風合いを生かして、甘酸っぱさがすごく強調されている。
だからといって飲みにくい訳では無い。ミルクと生クリームが、柔らかく酸味を包み込んでいる。
時折いちごの果実のつぶつぶ感。この食感が楽しいのだ。
「うーん、おいしいです!」
「ドリンクも美味しいのってこの店の良さだねー」
後輩と二人て舌鼓をうっていたときにふと気づいた。
あ。先客のおふたり様の姿が消えている。
手嶌さんがその視線に気づいて、お水のおかわりをつぎながら、話してくれる。
先程のわたしの疑問に答えてくれるように。
「一番最初にあのお二人が当店にいらしてくださった際に、召し上がられたのがタルトフレーズといちごミルクだったんです。当店、最初の常連のお客様となりました」
優しい眼差しで。懐かしむ……という言葉が本当に相応しい表情だった。
「いちごが本当にお好きな、大の甘党でいらして。それで……今でも、時々こうしていらっしゃるんですよ。お店の中で召し上がるのは悪いっておっしゃるんですけど、今日はあの方々の結婚記念日なので。アニバーサリーのプレートで出させていただいたんです。仲の良いお二人でいらっしゃいました」
窓からは夕焼けが射し込んで、席に残されたグラスを照らし出している。
夕焼けの欠片が店内にちらばっているようだった。
手嶌さんはにっこりとわたしたちに笑いかけて言った。
「様々なお客様がいらっしゃいます。当店には。ありがたいことです」
「そこがまれぼし菓子店のすごいところだと、思います……それをありがたいって言えるのも」
「そっかあ……あたしみたいないちご好きな幽霊さんもいるんですね……」
当たり前のように幽霊のことを話す手嶌さんに、綾瀬さんは少なからず驚いたようだが、その後はしきりに納得している様子だった。
帰り道。
綾瀬さんはうーんと背伸びをするとぼやいた。
「また、手嶌さんのぉ、謎が増えました……」
「そうだねえ……あの人の謎はほんとに解けないね」
「それに、先輩の謎も」
「わたし?」
「先輩も幽霊見えてるし……それになんか先輩って、不思議と皆のこと安心させてくれるじゃないですかぁ。普通なのに普通じゃない感じ、謎です」
「わたしが幽霊とか見えるのは、まれぼし菓子店にいるとき限定だと思うよ」
「そうかなあ。まあ、それはおいておいても、手嶌さんのこともっと好きになりましたよ。……先輩のことも」
「ありがとう」
改めて面と向かって好きって言われると照れるな。でも手嶌さんだったら多分しれってしてるんだろうなあ。
しかし普通なのに普通じゃない。というのはわたしにはどうもピンと来なかった。いたって普通なのがある種わたしの取り柄だとも思っていたからだ。
夜桜。
夕焼けがひいた後の朧月に照らされて、少し白く見える桜の花。いよいよ美しい。
ふと、老夫婦のことを思い出す。
わたしは、あの二人みたいにまれぼし菓子店にとっての思い出になっているだろうか?
そして、まれぼし菓子店はわたしにとって……。
色んなことがあった気がする。
たくさんの人と知り合いもした。
わたしにとってまれぼし菓子店は掛け替えのない場所だ。今も、そしてこれからも。
「先輩~。またセンチメンタルジャーニーに旅立ってますよぉ」
「あっ! ごめん!」
「も~! ほら行きますよぉ」
綾瀬さんに手を引かれて、わたしは歩き出した。
今くらい、センチメンタルに浸ってやれ! と思いながら。
ザワ、と春の風が吹いて桜の木を揺らす。
花びらがひとひら、風に吹かれて空に舞い上がって行った。
27
お気に入りに追加
110
あなたにおすすめの小説
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】転生少女は異世界で理想のお店を始めたい 猫すぎる神獣と一緒に、自由気ままにがんばります!
梅丸みかん
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。※書籍化に伴い「転生少女は異世界でお店を始めたい」から「転生少女は異世界で理想のお店を始めたい 猫すぎる神獣と一緒に、自由気ままにがんばります!」に改題いたしました。
美味しい料理で村を再建!アリシャ宿屋はじめます
今野綾
ファンタジー
住んでいた村が襲われ家族も住む場所も失ったアリシャ。助けてくれた村に住むことに決めた。
アリシャはいつの間にか宿っていた力に次第に気づいて……
表紙 チルヲさん
出てくる料理は架空のものです
造語もあります11/9
参考にしている本
中世ヨーロッパの農村の生活
中世ヨーロッパを生きる
中世ヨーロッパの都市の生活
中世ヨーロッパの暮らし
中世ヨーロッパのレシピ
wikipediaなど
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる