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06 大魔女さんと世界樹の森
月のしずくのポタージュ 前編
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キラキラと輝く白い大地。
でもそれはこの世界ですっかり見慣れた雪景色とはちょっと違っていた。
そこには森もなければ、木すらも生えていない。時々ほんの少しだけ、背の低い茂みとサボテンが見かけられるくらいなのだ。
「ここがガラスの砂漠っす! この砂漠を越えると、森人の住む世界樹の森があるんすよ」
「雪と氷の世界だと思ってたけど、砂漠なんてあるんだねえ……」
洞窟都市フラフニルを出発した僕たちは、炎赤の大地を西へ進んだ。
大陸鳥に揺られた数日の旅のあと、たどり着いたのがこのガラスの砂漠だったのだ。
「この白い砂って、もしかして本当にガラスのかけらなの?」
「んー、正確にはちょっと違うわね。魔法力が結晶化した粗い塊なの。しろがね雪原にも結晶化した氷晶樹ってあったでしょ。あれは風の精霊の魔法力の働きが関係してああなってるんだけど、この場所は火の精霊の力が強いからこんな感じになるの。ガラスみたいに刺さったりはしないから安心して」
「うーん、わかったようなわからないような……。ともあれエルフの国に行くにはこの砂漠を渡らないといけないんだね」
ガラスの砂漠は僕の知っている砂漠とは違って、そんなに暑くはなさそうだ。
でも他の場所と違って雪や氷は全然なくて、足元の砂は太陽の光を乱反射させていてすごく眩しい。
何より今のところ地平線までずっと砂漠が続いているように見える。ということは結構難所なのかもしれない。
「楽な旅じゃないっすせど、砂漠の中にも目印は色々あるんで、それを頼りにガンガン突っ切って行くっす。まずはドクロ岩を目指すっす!」
「目印があるのはありがたいけど、なんか物騒な名前だなあ……」
どうやらルジェはこの砂漠のこともよく知っているようで、すごく頼もしい。
ふと気づいたのだけど、もしかしてハーフエルフのルジェの故郷は世界樹の森……なんてことも有り得るのだろうか?
だとしたら、以前に聞いたように故郷にはあんまり良い思い出がないんじゃないかって、心配になってしまうけど……。彼女の表情や態度に変化はないし、考えすぎかな……。
ともあれ、引き続き彼女に先頭を任せることにして、僕たちは旅を再開した。
砂漠の旅路は、風と日差しとの戦いでもあった。
風が吹いたら砂が盛大に舞うので、吸い込んだり顔に当たったりしないようにしないといけない。それに強い日差しにも注意が必要なので、いつも以上にしっかりフードをかぶった。
移動するうちに、そんな手強い太陽もようやく傾いてきた。空には白い月が薄く現れ始めている。
ただ道中はサボテンや岩場が時々あるくらいで、風景にはあまり変化がない。
そんな中で珍しい物を目にして、僕は思わず二度見した。
「あれっ! 今、砂の中からヒレみたいなのが見えなかった!?」
「見えましたあ! ヒレってことはお魚なんですう?」
驚いたことに、砂の中からは時々灰色の背びれが見え隠れしているのだ。まるでパニックもののサメ映画みたいだ。
ヒレは複数見えるので、どうやら魚? は群れを作って泳ぎ回っているらしい。
この世界には砂の中を泳ぐ魚、なんてものもいるんだろうか?
「あれは白砂鮫っすね。砂漠を棲家にしてる魚で、ああやって砂の中を行き来して虫とか食べてるらしいっすよ」
「ちなみにあれって食べられるよね?」
「食べられるっすね」
僕とルジェが顔を見合せていると、傍らのトッティが僕たちにイタズラな笑顔を向けてきた。
「白砂鮫かあ。じゃあここでひとつ、漁でもしちゃおうかしらね?」
「良いと思うっす! 白砂鮫は人に慣れてなくて結構ビビりなんで、衝撃とかには敏感に反応するっすね」
「よし。じゃあ早速――簡略式! 風の槌よ!」
トッティが唱えると、ドン! と大きな音を立てて、砂の大地を衝撃波が叩いた。
すると砂の中に潜んでいた白砂鮫は、たまらないとばかりに砂の上に飛び出してきた。ビチビチと暴れている白砂鮫は、陸に打ち上げられた魚と同じで慌てて砂の中に戻ろうとしている。
そこを逃さず、ルジェが騎乗したまま槍を引っ提げて走っていった。器用に魚を突いては、僕たちの方にひょいひょいと放り投げてくれる。
あっという間に、三十センチくらいはある魚たちを、十分すぎるくらい手に入れることができた。
「鮫って言っても案外小さいんだなあ。でもおかげで捌きやすそうだ。今日の夕飯に頂こうか」
「ええ、そうね。それに日が落ちる前に夜を明かす準備もしないといけないわね」
「そっすね! もうすぐドクロ岩に着くんっすけど、岩の近くには洞窟があるっす。そこで野営するのが良いと思うっすよ」
そこからルジェの言うドクロ岩まではそんなに時間はかからなかった。
それでも着く頃には、空には大きな満月がはっきり顔を出すくらいの時間になっていた。
手分けして洞窟の中で野営の準備を整えていると、ふとトッティの姿がないことに気づいた。
あれ? と思ってキョロキョロすると、洞窟の外に立っているのが見える。
「トッティ? どうしたの?」
「今日は見事な満月だし、ガラスの砂漠のおかげで大気中の魔法力も高まっているから、『月のしずく』を手に入れておこうと思って」
「月のしずく?」
「ええ。すぐ終わるから、ちょっと見ていて」
なにかを唱えたトッティは、満月に向かっていつもの魔法杖を掲げる。
すると杖に向かってなにかキラキラとほのかに輝くものが降ってきて、バレーボールくらいの大きさの丸い形にまとまったのだ。
まとまったとは言うものの、柔らかい材質なのかふよふよと水風船のように波打っている。
「これが月のしずくよ。魔法の触媒に使える強力な素材なんだけど、お料理にも使えると思うわ。良かったらこれでも何か作ってくれない? そうすると私たちの魔法力を底上げする効果も出ると思うから」
「なるほど! 薬膳料理みたいな感じか。体に良いやつなんだね。わかった、作ってみるよ」
白砂鮫に月のしずく。実にファンタジーらしい不思議な素材が、突然二種類も手に入ってしまった。
これは料理番としては腕のふるいどころだ。
今夜の夕飯はなかなか豪華になるんじゃないだろうか。
砂漠を越えた先のエルフたちの森では、どんな危険が待っているかわからない。
みんなのために、飛びっきりの料理を作ろう。
僕は鼻歌を歌いながら腕まくりしたのだった。
でもそれはこの世界ですっかり見慣れた雪景色とはちょっと違っていた。
そこには森もなければ、木すらも生えていない。時々ほんの少しだけ、背の低い茂みとサボテンが見かけられるくらいなのだ。
「ここがガラスの砂漠っす! この砂漠を越えると、森人の住む世界樹の森があるんすよ」
「雪と氷の世界だと思ってたけど、砂漠なんてあるんだねえ……」
洞窟都市フラフニルを出発した僕たちは、炎赤の大地を西へ進んだ。
大陸鳥に揺られた数日の旅のあと、たどり着いたのがこのガラスの砂漠だったのだ。
「この白い砂って、もしかして本当にガラスのかけらなの?」
「んー、正確にはちょっと違うわね。魔法力が結晶化した粗い塊なの。しろがね雪原にも結晶化した氷晶樹ってあったでしょ。あれは風の精霊の魔法力の働きが関係してああなってるんだけど、この場所は火の精霊の力が強いからこんな感じになるの。ガラスみたいに刺さったりはしないから安心して」
「うーん、わかったようなわからないような……。ともあれエルフの国に行くにはこの砂漠を渡らないといけないんだね」
ガラスの砂漠は僕の知っている砂漠とは違って、そんなに暑くはなさそうだ。
でも他の場所と違って雪や氷は全然なくて、足元の砂は太陽の光を乱反射させていてすごく眩しい。
何より今のところ地平線までずっと砂漠が続いているように見える。ということは結構難所なのかもしれない。
「楽な旅じゃないっすせど、砂漠の中にも目印は色々あるんで、それを頼りにガンガン突っ切って行くっす。まずはドクロ岩を目指すっす!」
「目印があるのはありがたいけど、なんか物騒な名前だなあ……」
どうやらルジェはこの砂漠のこともよく知っているようで、すごく頼もしい。
ふと気づいたのだけど、もしかしてハーフエルフのルジェの故郷は世界樹の森……なんてことも有り得るのだろうか?
だとしたら、以前に聞いたように故郷にはあんまり良い思い出がないんじゃないかって、心配になってしまうけど……。彼女の表情や態度に変化はないし、考えすぎかな……。
ともあれ、引き続き彼女に先頭を任せることにして、僕たちは旅を再開した。
砂漠の旅路は、風と日差しとの戦いでもあった。
風が吹いたら砂が盛大に舞うので、吸い込んだり顔に当たったりしないようにしないといけない。それに強い日差しにも注意が必要なので、いつも以上にしっかりフードをかぶった。
移動するうちに、そんな手強い太陽もようやく傾いてきた。空には白い月が薄く現れ始めている。
ただ道中はサボテンや岩場が時々あるくらいで、風景にはあまり変化がない。
そんな中で珍しい物を目にして、僕は思わず二度見した。
「あれっ! 今、砂の中からヒレみたいなのが見えなかった!?」
「見えましたあ! ヒレってことはお魚なんですう?」
驚いたことに、砂の中からは時々灰色の背びれが見え隠れしているのだ。まるでパニックもののサメ映画みたいだ。
ヒレは複数見えるので、どうやら魚? は群れを作って泳ぎ回っているらしい。
この世界には砂の中を泳ぐ魚、なんてものもいるんだろうか?
「あれは白砂鮫っすね。砂漠を棲家にしてる魚で、ああやって砂の中を行き来して虫とか食べてるらしいっすよ」
「ちなみにあれって食べられるよね?」
「食べられるっすね」
僕とルジェが顔を見合せていると、傍らのトッティが僕たちにイタズラな笑顔を向けてきた。
「白砂鮫かあ。じゃあここでひとつ、漁でもしちゃおうかしらね?」
「良いと思うっす! 白砂鮫は人に慣れてなくて結構ビビりなんで、衝撃とかには敏感に反応するっすね」
「よし。じゃあ早速――簡略式! 風の槌よ!」
トッティが唱えると、ドン! と大きな音を立てて、砂の大地を衝撃波が叩いた。
すると砂の中に潜んでいた白砂鮫は、たまらないとばかりに砂の上に飛び出してきた。ビチビチと暴れている白砂鮫は、陸に打ち上げられた魚と同じで慌てて砂の中に戻ろうとしている。
そこを逃さず、ルジェが騎乗したまま槍を引っ提げて走っていった。器用に魚を突いては、僕たちの方にひょいひょいと放り投げてくれる。
あっという間に、三十センチくらいはある魚たちを、十分すぎるくらい手に入れることができた。
「鮫って言っても案外小さいんだなあ。でもおかげで捌きやすそうだ。今日の夕飯に頂こうか」
「ええ、そうね。それに日が落ちる前に夜を明かす準備もしないといけないわね」
「そっすね! もうすぐドクロ岩に着くんっすけど、岩の近くには洞窟があるっす。そこで野営するのが良いと思うっすよ」
そこからルジェの言うドクロ岩まではそんなに時間はかからなかった。
それでも着く頃には、空には大きな満月がはっきり顔を出すくらいの時間になっていた。
手分けして洞窟の中で野営の準備を整えていると、ふとトッティの姿がないことに気づいた。
あれ? と思ってキョロキョロすると、洞窟の外に立っているのが見える。
「トッティ? どうしたの?」
「今日は見事な満月だし、ガラスの砂漠のおかげで大気中の魔法力も高まっているから、『月のしずく』を手に入れておこうと思って」
「月のしずく?」
「ええ。すぐ終わるから、ちょっと見ていて」
なにかを唱えたトッティは、満月に向かっていつもの魔法杖を掲げる。
すると杖に向かってなにかキラキラとほのかに輝くものが降ってきて、バレーボールくらいの大きさの丸い形にまとまったのだ。
まとまったとは言うものの、柔らかい材質なのかふよふよと水風船のように波打っている。
「これが月のしずくよ。魔法の触媒に使える強力な素材なんだけど、お料理にも使えると思うわ。良かったらこれでも何か作ってくれない? そうすると私たちの魔法力を底上げする効果も出ると思うから」
「なるほど! 薬膳料理みたいな感じか。体に良いやつなんだね。わかった、作ってみるよ」
白砂鮫に月のしずく。実にファンタジーらしい不思議な素材が、突然二種類も手に入ってしまった。
これは料理番としては腕のふるいどころだ。
今夜の夕飯はなかなか豪華になるんじゃないだろうか。
砂漠を越えた先のエルフたちの森では、どんな危険が待っているかわからない。
みんなのために、飛びっきりの料理を作ろう。
僕は鼻歌を歌いながら腕まくりしたのだった。
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