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05 大魔女さんと火吹山
火吹山の地獄蒸しと温泉卵 前編
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「わー……本当に洞窟の中に街がある。しかも、雪の都に負けず劣らずの大きな街なんだ……!?」
鉱人坑道を抜けたあとに目に飛び込んできたのは、大空洞と呼べるくらいの大きな空間だった。
洞窟内だけど光苔で明るいその場所には、しっかりと立派な街並みが広がっていた。洞窟の壁を利用して作られた家々もあるのが特徴的だ。
洞窟都市フラフニル。名前どおりまさにファンタジーの世界っぽい、すごい街みたいだ。
「フラフニルの中心のお城やお店はとっても大きいんだけど、ドワーフたちの街だから普通の住居はやや背が低めなの。ドワーフは人間や森人と比べて背が低くてがっしりした体格だからね」
「へえー……。ドワーフって言うと、器用で武器とか作るのが上手で、ヒゲ生やしてるって言うのが僕の世界のイメージなんだけど、この世界でもそんな感じなのかな?」
「大体その通りっすよ! あとドワーフたちとエルフたちはあまり気が合わないのも特徴といえば特徴っすねえ」
フラフニルの街に以前も来た経験があるトッティとルジェが説明してくれた。
なるほど、僕が映画や物語の中で見たドワーフの知識はどうやらそのまま適用しても大丈夫そうだ。
街の作りは、サイズ感はちょっと違う部分もあるけど、あまり雪の都と変わらないみたいだ。
街を歩いているのはやっぱりドワーフが多いけど、人間や
獣人の姿も時々見かける。
キョロキョロしながら大通りを進んでいくと、やがていちばん立派な館の前まで着いた。このくらい立派な館だとお城と呼んだ方が適切かもしれない。
「さて! これからみんなで、ドワーフを統べる『鋼の太守』に会うわ。魔法で先に連絡しておいたの」
「つまりドワーフの王様なんだね?」
「ええ。話は私がするから、みんなはのんびり見ていてくれて大丈夫だからね」
入口のすぐそばで身支度を整えたあとに、精巧な細工の施された扉を通り抜ける。
鋼の太守がいたのは、意外なことに謁見の間ではなくて長いテーブルのある食堂だった。
席に着くように勧められて座ると、すぐに料理が運ばれてきた。
木のビアマグに入ったエール、ぶどう酒、こんがりと焼けた塊肉は苔豚に詰め物をして焼いたものらしい。それにグリルされた野菜が添えてある。チーズやハムもたっぷりあり、珍しい果物もたくさん並んでいる。
「よくぞはるばる洞窟都市までやってきたな、氷青の大魔女トッティと仲間たちよ。まずはともに食べて飲もう。長旅の疲れを癒すが良いぞ」
「ご厚意いたみいります、太守様」
どうやら歓迎してもらっているみたいだ。
トッティに合わせて僕たちも太守に頭を下げる。
太守は浅黒い肌で、長くてフサフサのヒゲをしたドワーフのおじさんだった。僕たちに食事を進めてくれる態度は柔らかくて気風が良い感じだけど、眼光は鋭くてちゃんと威厳みたいなものを感じる。
一緒に食事をしながら旅の話をしたあと、本題――つまり
蝕と魔王の話に入った。
「すでに連絡を差し上げましたとおり、私どもは蝕の影響と再臨した魔王への対策を打つために旅をしております。我々は、魔王がすでに各地にその魔手を伸ばし始めていると考えています。そこで炎赤の大地の現状を太守様からお聞きしたいのです」
「うむ。実際に貴殿の考えは的中しておる。すなわち、魔王はこの大陸でも活発な動きを見せているようなのだ。蝕の影響もさることながら、恐らく魔王の暗躍と思われる害がいくつか始まっていてな」
深刻な話題が始まると、鋼の太守の太い眉がしかめられ顔がぐっと険しくなる。
自然とみんなの食事の手も止まっていた。
「まず我々がもっとも懸念しているのは、火吹山のことよ」
「火吹山に何が異変が? 火口の祭壇には火の大精霊がおられるはずですが……」
「うむ。しかし普段は白いはずの火山の噴煙が黒くなり、活動も活発化しておる。大精霊からの啓示によれば、どうやら魔物が悪さをしておるそうなのだ。ちょうど討伐部隊の準備を進めていたところで、貴殿らが到着したのだ」
「なるほど。では討伐部隊に先駆けて、私たちが様子を見に参りますわ」
火吹山に異変が起きている。それはたぶん魔物のせいだけというわけでなく、おそらくは魔王の差し金なのだろう。
あれだけ大きな火山がもし噴火でもしたら大変だ。僕たちは身軽だし、大部隊より先に行って素早く様子を見るのは確かに理にかなってるかも。
鋼の太守は感謝の言葉を述べながら、僕たちに火吹山探索を任せてくれた。
それと、と話はもう少し続く。
「加えて、エルフたちの崇める世界樹にも、何やら異常が起きていると聞いておる。詳細は定かではないが……」
「ありがたい情報です。火吹山の件を無事解決へと導けたら、エルフたちの元へも向かってみますわ」
「頼む。炎赤の大地の異変が早く治まるに越したことはない。エルフの連中のことはいけ好かんと言ってもな」
鋼の太守は、火吹山までの地図と、活動の拠点として館をひとつ貸し与えてくれた。
これからできるだけ早く火吹山に向かわなければならないけど、今日くらいは太守の貸してくれた館でゆっくりと休息しよう。
館に向かいながら、みんなで話をする。
「やっぱり魔王の影響があるんだね。火吹山に、世界樹か……。ちょっと緊張してきたな」
「気が早いわよ、カイ。それにどんなことが待っているかは現地に行ってみるまでわからないけど、まだチャンスはあるわ。この短い期間で、もう手の施しようがないくらい大変な事態になっているとは思えないから」
「魔王の手下もまたいるんですかねえ? 前戦った時は怖かったですう! いないといいなー!」
「トッティさんもいるし、大丈夫っすよ。いよいよ魔族と戦えるのかと思うと腕が鳴るっすね! カイさん、しっかり守るっすからね!」
この先もきっと前途多難なんだろうけど、抱く思いはそれぞれみたいだ。
ともあれ三人が三人ともみんな頼もしいし、僕もいたずらに緊張していても仕方ない気がしてきていた。
この日はドワーフの街の市場で食料などの買い足しをした。
新しい調味料や珍しい特産品などを中心に揃えてみた。中でも火山地鶏のたまごは、普通の鶏卵より大きくて食べてみるのがかなり楽しみな素材だ。
あとはスタンダードな野菜やベーコンなどを買っておく。
それから久しぶりのふかふかのベッドでは、しっかりたっぷり休んで、体力を回復させておく。
そして翌日。
火吹山に向けて再開した旅の途中で、僕たちは思いがけないモノに出会うことになるのだった。
鉱人坑道を抜けたあとに目に飛び込んできたのは、大空洞と呼べるくらいの大きな空間だった。
洞窟内だけど光苔で明るいその場所には、しっかりと立派な街並みが広がっていた。洞窟の壁を利用して作られた家々もあるのが特徴的だ。
洞窟都市フラフニル。名前どおりまさにファンタジーの世界っぽい、すごい街みたいだ。
「フラフニルの中心のお城やお店はとっても大きいんだけど、ドワーフたちの街だから普通の住居はやや背が低めなの。ドワーフは人間や森人と比べて背が低くてがっしりした体格だからね」
「へえー……。ドワーフって言うと、器用で武器とか作るのが上手で、ヒゲ生やしてるって言うのが僕の世界のイメージなんだけど、この世界でもそんな感じなのかな?」
「大体その通りっすよ! あとドワーフたちとエルフたちはあまり気が合わないのも特徴といえば特徴っすねえ」
フラフニルの街に以前も来た経験があるトッティとルジェが説明してくれた。
なるほど、僕が映画や物語の中で見たドワーフの知識はどうやらそのまま適用しても大丈夫そうだ。
街の作りは、サイズ感はちょっと違う部分もあるけど、あまり雪の都と変わらないみたいだ。
街を歩いているのはやっぱりドワーフが多いけど、人間や
獣人の姿も時々見かける。
キョロキョロしながら大通りを進んでいくと、やがていちばん立派な館の前まで着いた。このくらい立派な館だとお城と呼んだ方が適切かもしれない。
「さて! これからみんなで、ドワーフを統べる『鋼の太守』に会うわ。魔法で先に連絡しておいたの」
「つまりドワーフの王様なんだね?」
「ええ。話は私がするから、みんなはのんびり見ていてくれて大丈夫だからね」
入口のすぐそばで身支度を整えたあとに、精巧な細工の施された扉を通り抜ける。
鋼の太守がいたのは、意外なことに謁見の間ではなくて長いテーブルのある食堂だった。
席に着くように勧められて座ると、すぐに料理が運ばれてきた。
木のビアマグに入ったエール、ぶどう酒、こんがりと焼けた塊肉は苔豚に詰め物をして焼いたものらしい。それにグリルされた野菜が添えてある。チーズやハムもたっぷりあり、珍しい果物もたくさん並んでいる。
「よくぞはるばる洞窟都市までやってきたな、氷青の大魔女トッティと仲間たちよ。まずはともに食べて飲もう。長旅の疲れを癒すが良いぞ」
「ご厚意いたみいります、太守様」
どうやら歓迎してもらっているみたいだ。
トッティに合わせて僕たちも太守に頭を下げる。
太守は浅黒い肌で、長くてフサフサのヒゲをしたドワーフのおじさんだった。僕たちに食事を進めてくれる態度は柔らかくて気風が良い感じだけど、眼光は鋭くてちゃんと威厳みたいなものを感じる。
一緒に食事をしながら旅の話をしたあと、本題――つまり
蝕と魔王の話に入った。
「すでに連絡を差し上げましたとおり、私どもは蝕の影響と再臨した魔王への対策を打つために旅をしております。我々は、魔王がすでに各地にその魔手を伸ばし始めていると考えています。そこで炎赤の大地の現状を太守様からお聞きしたいのです」
「うむ。実際に貴殿の考えは的中しておる。すなわち、魔王はこの大陸でも活発な動きを見せているようなのだ。蝕の影響もさることながら、恐らく魔王の暗躍と思われる害がいくつか始まっていてな」
深刻な話題が始まると、鋼の太守の太い眉がしかめられ顔がぐっと険しくなる。
自然とみんなの食事の手も止まっていた。
「まず我々がもっとも懸念しているのは、火吹山のことよ」
「火吹山に何が異変が? 火口の祭壇には火の大精霊がおられるはずですが……」
「うむ。しかし普段は白いはずの火山の噴煙が黒くなり、活動も活発化しておる。大精霊からの啓示によれば、どうやら魔物が悪さをしておるそうなのだ。ちょうど討伐部隊の準備を進めていたところで、貴殿らが到着したのだ」
「なるほど。では討伐部隊に先駆けて、私たちが様子を見に参りますわ」
火吹山に異変が起きている。それはたぶん魔物のせいだけというわけでなく、おそらくは魔王の差し金なのだろう。
あれだけ大きな火山がもし噴火でもしたら大変だ。僕たちは身軽だし、大部隊より先に行って素早く様子を見るのは確かに理にかなってるかも。
鋼の太守は感謝の言葉を述べながら、僕たちに火吹山探索を任せてくれた。
それと、と話はもう少し続く。
「加えて、エルフたちの崇める世界樹にも、何やら異常が起きていると聞いておる。詳細は定かではないが……」
「ありがたい情報です。火吹山の件を無事解決へと導けたら、エルフたちの元へも向かってみますわ」
「頼む。炎赤の大地の異変が早く治まるに越したことはない。エルフの連中のことはいけ好かんと言ってもな」
鋼の太守は、火吹山までの地図と、活動の拠点として館をひとつ貸し与えてくれた。
これからできるだけ早く火吹山に向かわなければならないけど、今日くらいは太守の貸してくれた館でゆっくりと休息しよう。
館に向かいながら、みんなで話をする。
「やっぱり魔王の影響があるんだね。火吹山に、世界樹か……。ちょっと緊張してきたな」
「気が早いわよ、カイ。それにどんなことが待っているかは現地に行ってみるまでわからないけど、まだチャンスはあるわ。この短い期間で、もう手の施しようがないくらい大変な事態になっているとは思えないから」
「魔王の手下もまたいるんですかねえ? 前戦った時は怖かったですう! いないといいなー!」
「トッティさんもいるし、大丈夫っすよ。いよいよ魔族と戦えるのかと思うと腕が鳴るっすね! カイさん、しっかり守るっすからね!」
この先もきっと前途多難なんだろうけど、抱く思いはそれぞれみたいだ。
ともあれ三人が三人ともみんな頼もしいし、僕もいたずらに緊張していても仕方ない気がしてきていた。
この日はドワーフの街の市場で食料などの買い足しをした。
新しい調味料や珍しい特産品などを中心に揃えてみた。中でも火山地鶏のたまごは、普通の鶏卵より大きくて食べてみるのがかなり楽しみな素材だ。
あとはスタンダードな野菜やベーコンなどを買っておく。
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