燦々と青がいた 〜3人のオメガが幸せな運命と出会うまで〜

鳴き砂

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第三章

二人寄り添って

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 佐伯とアオの家で夕飯まで一緒に囲んで、二人の棲家へと辿り着いたのは深夜だった。

「相変わらずアオは料理が上手だよなぁ。」

「透も充分上手いと思うけどな。」

リビングのソファで寄り添いながら、止めど無い話を隆文と透はする。

「アオは、すごいよね。あんなにつらい事があったのに、もうちゃんと前を向いている。」

隆文が淹れた甘くないコーヒーをちびちびと飲みながら、透の口からぽつりと言葉が漏れた。

「・・・・透?」

「僕はさ、自分が親になる自信はないよ。」

 マグカップを包み込んだ両手に力が入る。すると、隆文がそっと透を抱きしめた。それから、優しく背中を摩ってもらう。じんわりと彼の体温が透の中に入り込んでくるようだった。

「いいよ。無理に親になろうとしなくていい。」

「でも、隆文さんは子ども、欲しくないの?」

 じわっと涙が滲んで、目の前が霞む。耐えきれなくて零れた雫を優しい指先が拭ってくれた。

「莫迦だなぁ、俺はおまえが傍にいれば、他はなんだっていいんだよ。」

鮮明になった視界の先で、柔らかく微笑む愛しい人がいた。

◇◇◇

 それからは、何だかお互いに離れ難くてずっとくっついていた。触れ合うだけのキスをしたり、意味もなく抱きしめあったりしていた。「風呂にでも入るか。」となった時には、既に夜中の一時をまわった頃であった。

「透、万歳して。」

「ん。」

 透は脱衣所で衣服をどんどん隆文に剥かれていった。なんだか子どもみたいで少し恥ずかしい。そんな事を思っていたら、あっという間に生まれたままの姿になっていた。慌てて隆文のシャツに手をかける。けれども、いつものように上手くいかなくて指先が絡れてしまう。頭上からクスッと笑い声が聞こえた。

「ゆっくりでいいから、脱がして。」

甘いバリトンに囁かれて、初めてでもないのにドキドキしてしまう。そして、いつもより時間をかけて、ようやく彼の素肌を見つけた。

 ほっとしたのも束の間、すぐに唇を奪われた。さっきまでしていたキスと違って、それは深く情熱的で性感を煽るものだった。大きな舌が透の舌を絡めとり裏筋をなぞっていく。それにつられて、緩やかな快感が昇ってきた。拙いけれど、自分も応えるように彼の舌先をチュっと吸った。そしたら、お返しのように下唇を甘噛みされた。

「んっ、あっ・・・・!」

 キスに夢中になっていると、突然隆文の手が透の内腿を撫であげた。もどかしい刺激が何度も繰り返され、弱いところを擽る。やがてその手は蕾の縁をくるりと撫でたり、緩く立ち上がった透の茎の先端を指の腹で擦ったりと、悪戯を仕掛け始めてきた。

「ぁ、いやぁ、たかふみ、さん・・・・」

「何が嫌なの?」

隆文のその顔は悪戯っ子そのものだ。

「ん、い、いじわる・・・・!」

せめてもの反抗心で、彼の淡い突起にかぷっと噛み付いて吸ってみる。

「あははっ。俺はまだ、そこでは感じないかな。」

「ふ、え?・・・・あぁっ!!」

ぽかんとしていたら、きゅっと自身の乳首が摘まれて、そのまま優しく先端を弾かれた。

微弱な快感はもどかしいだけなのに、自分のものはすっかり勃ち上がってしまっていた。

 そのまま縺れるようにバスルームへと移動して、熱いシャワーが降り注ぐ中、二人はお互いの身体を一つひとつ丁寧に確かめるみたいに、じっくりと愛撫した。

悔しいけれど、先に根を上げたのは透だった。

「隆文さん、も、ほしい・・・・」

「後ろ、向けるか?」

「・・・・うん」

「壁に手をついて」

バスルームに常備されたローションを纏った指が、つぷりと透の中に入ってくる。

「はぁ、あっ・・・・」

 隆文の指の動きに合わせて、中が収縮してしまう。まるで、もっと、と欲しがっているように身体が熱くなる。指を三本含む事ができるようになった時には、彼の大きなもので奥まで埋めて欲しくて堪らない気持ちでいっぱいになっていた。

「お、ねがい、まえ、前から抱いて・・・・顔、見えないの、いやだぁ・・・・」

思わず子どものように愚図ってしまう。そんな透を落ち着かせるためなのか、背後からきゅっと隆文に手を握られた。

「うん、俺も透の顔が見たい。」

 けれどもそれは、了承の意味だった。
くるりと反転されて、壁に背中がぴったりとくっ付いた。そして、ずっと欲しかった熱が一気に奥まで挿し込まれる。

 自分のものとは思えない、甘い嬌声がバスルームに反響した。

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