燦々と青がいた 〜3人のオメガが幸せな運命と出会うまで〜

鳴き砂

文字の大きさ
上 下
69 / 82
第一章

シャツの下に秘め事 2

しおりを挟む
世の中にはさ、自分の家族に対する愚痴とかが溢れてるけど、確かに親兄弟姉妹については自分で選べないけど、<自分で選んだ結婚相手>については、その人を選んだ自分にも責任があるんだからね? 子供にとっての親とは全然違うよ?

それでどうして、

『自分を敬ってくれない! 労ってくれない!』

と一方的に被害者ぶることができるんだろうね。誰かに勝手に決められた結婚相手だったら別だけどさ。

とにかく相手ばっかりが一方的に悪いみたいな感じになってるよね。そういう愚痴を見てると。でも、そうやって相手ばかりに責任があると考えるような人だからこそ、相手も同じように、

『自分は悪くない!』

みたいな感じになるんじゃないの? 

ただ、だからって、イジメと同じで法に触れるような行いが正当化されるわけじゃないのも事実だからさ。DVとかについては、

<そういう相手を選んだ責任と報い>

については被害を受けた時点でもう受けてるわけだからまあ、相手の犯罪が正当化されるわけじゃないのは当然としても、犯罪とも言えないような範囲についてはさすがに一方的に被害者ぶるのは違うと思うけどね。

そうやって自分に<その人を選んだ責任>があることについてさえ自分でそれを負うこともできない人だから、それこそもう本当に一方的に身勝手にこの世に送り出した子供に対しても、

『自分の勝手でこの世に送り出したという事実さえ認められない』

なんてことになるんじゃないの? 私はなぜそれが認められないのかが不思議で仕方ないんだよ。自分が子供を勝手にこの世に送り出したという、何をどうしたって覆すことのできない明確な事実を認めることの何がそんなに怖いの? 

それを認めたって、別に子供の奴隷になったりはしないよ? むしろ子供を自分とは違う一人の人間なんだって素直に認められるようになって、そう接していたら子供からもちゃんと一人の人間なんだって思って接してもらえるようになったしさ。私のしてることが私に返ってきてるんだよ。

ってことは、

『自分が子供を勝手にこの世に送り出したことを認めてしまったら、自分は子供の奴隷になってしまうかもしれない』

なんて感じるのは、自分が子供を<奴隷>だと思ってるからじゃないの? 自分が好き勝手に扱うことのできる、<隷属すべき存在>だとさ。そう思ってそう扱ってるから、それが自分に返ってくると不安になっちゃうんじゃないの?

確かに子供が小さいうちは、なかなか大変だったりするよ。こっちの言ってることは理解してくれないしさ。だけどそれは、人間としてどう振る舞えばいいのかを学んでいる真っ最中だからだよ。

ちゃんと教われば、だいたい同じようにできるんだけどなあ。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜

ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。 そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。 幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。 もう二度と同じ轍は踏まない。 そう決心したアリスの戦いが始まる。

【完結】幼馴染から離れたい。

June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。 βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。 番外編 伊賀崎朔視点もあります。 (12月:改正版) 読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭 1/27 1000❤️ありがとうございます😭 3/6 2000❤️ありがとうございます😭

トップアイドルα様は平凡βを運命にする

新羽梅衣
BL
ありきたりなベータらしい人生を送ってきた平凡な大学生・春崎陽は深夜のコンビニでアルバイトをしている。 ある夜、コンビニに訪れた男と目が合った瞬間、まるで炭酸が弾けるような胸の高鳴りを感じてしまう。どこかで見たことのある彼はトップアイドル・sui(深山翠)だった。 翠と陽の距離は急接近するが、ふたりはアルファとベータ。翠が運命の番に憧れて相手を探すために芸能界に入ったと知った陽は、どう足掻いても番にはなれない関係に思い悩む。そんなとき、翠のマネージャーに声をかけられた陽はある決心をする。 運命の番を探すトップアイドルα×自分に自信がない平凡βの切ない恋のお話。

さよならの向こう側

よんど
BL
''Ωのまま死ぬくらいなら自由に生きようと思った'' 僕の人生が変わったのは高校生の時。 たまたまαと密室で二人きりになり、自分の予期せぬ発情に当てられた相手がうなじを噛んだのが事の始まりだった。相手はクラスメイトで特に話した事もない顔の整った寡黙な青年だった。 時は流れて大学生になったが、僕達は相も変わらず一緒にいた。番になった際に特に解消する理由がなかった為放置していたが、ある日自身が病に掛かってしまい事は一変する。 死のカウントダウンを知らされ、どうせ死ぬならΩである事に縛られず自由に生きたいと思うようになり、ようやくこのタイミングで番の解消を提案するが... 運命で結ばれた訳じゃない二人が、不器用ながらに関係を重ねて少しずつ寄り添っていく溺愛ラブストーリー。 (※) 過激表現のある章に付けています。 *** 攻め視点 ※当作品がフィクションである事を理解して頂いた上で何でもOKな方のみ拝読お願いします。 ※2026年春庭にて本編の書き下ろし番外編を無配で配る予定です。BOOTHで販売(予定)の際にも付けます。 扉絵  YOHJI@yohji_fanart様

初心者オメガは執着アルファの腕のなか

深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。 オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。 オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。 穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

【完結】選ばれない僕の生きる道

谷絵 ちぐり
BL
三度、婚約解消された僕。 選ばれない僕が幸せを選ぶ話。 ※地名などは架空(と作者が思ってる)のものです ※設定は独自のものです

捨てられオメガの幸せは

ホロロン
BL
家族に愛されていると思っていたが実はそうではない事実を知ってもなお家族と仲良くしたいがためにずっと好きだった人と喧嘩別れしてしまった。 幸せになれると思ったのに…番になる前に捨てられて行き場をなくした時に会ったのは、あの大好きな彼だった。

白い部屋で愛を囁いて

氷魚彰人
BL
幼馴染でありお腹の子の父親であるαの雪路に「赤ちゃんができた」と告げるが、不機嫌に「誰の子だ」と問われ、ショックのあまりもう一人の幼馴染の名前を出し嘘を吐いた葵だったが……。 シリアスな内容です。Hはないのでお求めの方、すみません。 ※某BL小説投稿サイトのオメガバースコンテストにて入賞した作品です。

処理中です...