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第五章
貴方に全てを知られても 2
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嘉月はベッドからゆっくりと抜け出すと、彼の前で一糸纏わぬ姿で全てを曝け出した。
「左腕のここ、青痣がずっとあるのは俺が実験体として生きてきた証拠。・・・・色んな薬剤を何年も投与されていたら消えなくなった。・・・・でも、俺の存在が有ったから、今のオメガはうんと生きやすくなったと思ってる。・・・・きっと、ね。」
そう言って自身の内肘に残った硬い痣をなぞった。もっとマシな手当てをしていたら、こんな風に残ることもなかったかもしれない。そう思いながら、あの日、過去の出来事を嘉月は思い出していた。
◇◇◇
「何故ですか?!・・・・学校に行かせてくれると約束してくれたじゃないですか?!」
嘉月は、珍しく実験室へと訪れた父に対して怒りをぶつけた。家庭教師を付けられて、充分なスコアを出せるようになったにも関わらず、高校への入学を許されなかったからである。
「たかが実験体でしかないオメガが進学したところで、何になる?・・・・おまえはもう知見を広められただろう?」
父は無機質なベッドの上で、管に繋がれた嘉月を見ながら嘲笑った。
「嫌だ・・・・!外に出たい!こんな所に居たくない!」
思わず声になった嘉月の本音に、父は不愉快そうに眉根を寄せた。
「そんな事だろうと思っていたよ。」
それから吐き捨てるように言うと、父は実験室を立ち去った。嘉月はその背中を見続ける事ができなかった。ぼろぼろと制御のできない雫が溢れ出し、喉の奥から細く嗚咽が漏れた。
暫くそうして泣いていたら、無性にここに居てはいけないという怒りが湧き上がってきた。嘉月は力任せに点滴の管を引き抜くと、裸足のまま実験室の扉へと駆け出した。扉の前には、嘉月を犯した男がいつも通り控えている。力では勝てないのは分かりきっていた。それでも、怒りのまま男へと突進して行った。
しかし、嘉月が想像していた衝撃はいつまで経ってもやっては来なかった。ただ、逞しい腕の中にいつまでも収められている、そんな心地しかなかった。
「京さん。」
初めて誰かに名前を呼ばれる。はっと顔を上げれば、それは自分を今抱きすくめ、自分をこれまで見張り続け、自分の初めてを奪った、名前も知らない男だった。
「逃げてください。」
男は低い声で囁くと、しっかりと嘉月の掌に何かを握らせた。
「この場所に行けば、あなたは夢を叶えられるかもしれない。」
「・・・・どうしてっ!どうして今更っ!」
嘉月は精一杯の力で、男の分厚い胸板に拳を叩きつけた。
「自分にだって分かりません。」
男は一言告げると、少しだけ微笑んだ。そうして、半ば突き飛ばされる形で嘉月は研究所を抜け出したのだった。
暗闇の中、紙に書かれた住所を目指して嘉月は駆け回った。地理すら分からないまま、どうにか辿り着いた先は、見たこともない豪邸だった。
嘉月は震える指先で、門の横に取り付けられたチャイムを鳴らす。暫くして出て来た男は、既に30代半ばくらいの年齢に見えたが、アルファ然とした気品を備えていた。男は泥まみれの自分を見ても、顔を顰めることはなかった。むしろ、「ああ、きみが私の運命か。」と満足気に笑みを浮かべたのであった。
それが、御神との出会いだった。
それから今まで、吐き気がするくらいの百合の花の香りに包まれながら、嘉月は御神と生活を共にした。御神は事あるごとに、嘉月からも同じ香りがすると言ったが、何故だか嘉月はその香りを受け入れる事ができなかった。けれどもその香りが、着実に御神と自分を破滅への道へと導いていたのは確かだった。
嘉月が歳を重ねるごとに、御神の性的な要求はエスカレートしていき、嘉月もまた、それを当たり前の日々として受け入れていた。
それは「運命」が「呪い」へと変化した瞬間だったのかもしれない。
◇◇◇
「俺たちは白百合なんかじゃなくて、黒百合みたいな運命だったんだ。・・・・それでも、これまで抑制剤やらを過剰に投与され続けた俺のヒートは重くてさ・・・・御神はすぐに番になって、俺の苦しみを和らげてくれた。・・・・それに、医者になる夢を叶える為の金銭的援助もしてくれた。俺の居場所であった事は確かだったんだ。だけど、その代償は・・・・」
嘉月は後ろを向いて、頸を隠す髪をかき上げた。自分では良く見えないけれど、彼にはしっかりと見えているのだろう。背後で息を呑む音が聞こえた。
「これは、全て・・・・?」
「うん。御神のものだよ。あいつは独占欲が強かったから、俺を抱く時はいつも頸を執拗に噛むんだ。・・・・その様子だと、俺が思っている以上にあるのかもね。」
「・・・・痛みますか?」
「ううん。でも、この跡も消えないだろうな。」
青木がそっと嘉月を引き寄せて、ベッドへと腰を掛けさせてくれた。
「あまり、顔色が良くないから・・・・」
彼は小さく呟くと、ゆっくりと嘉月の背中をさすった。それは、手当てのように暖かくて泣きそうになってしまった。思えば、彼はいつだって手当てを自分にしてくれていた。
「ありがとう。・・・・それから極め付けはこれかなあ。」
嘉月は下腹部に出来た小さな引き攣れを指でなぞる。それは、隆文によって丁寧に縫合されたものだったが、それでも跡は残った。
「こんな、醜い俺でも、愛せる?」
こうやって何度も自分で自分を貶めては、試すように彼へと訊ねてしまうのは、未だ抜けきらない嘉月の悪癖だった。
「言ったでしょう?・・・・貴方が俺の傍にいてくれるのならば、貴方の身体がどんな形に変わっても、俺は貴方の傷ごと愛します。」
やっぱり彼に、自分の全てを知ってもらって良かった。
嘉月は、青木の腕の中でほっと息を吐いた。
最後に青木は、嘉月を抱き締めて密やかに泣いた。それはまるで、嘉月の傷口に長年溜まり続けていた膿を取り除くような、優しい涙だった。
それから青木と嘉月は、二人きりで流れる日々の中で、幾つかの花と幾つかの花瓶をリビングに置いていった。
小さな流線型の花瓶に金木犀が飾られたのは、それから一年ほど先のことだった。
◇◇◇
「うん。経過は順調ですね。」
アオの子宮は徐々に回復の傾向が見え始めていた。このまま行けば無事に妊娠ができる兆しが見えていた。嘉月の目の前に座っている青年は、控えめに、しかしほんのりと頬を染めて喜んでいた。
「嘉月先生に丁寧に向き合っていただけたおかげです。ありがとうございます。」
謙虚で優しい彼の言葉に、嘉月の心も救われる。
「いいえ。これはアオくんと佐伯さんがお互いを思いやって生活なさった結果ですよ。」
「この前、やっと雅史さんに不妊治療をすることを打ち明けられて。その日は僕の誕生日だったんですけれど、大人げないけれど沢山泣いて。最近は、ようやく精神的にも落ち着けた気がします。」
やはり、アオが初めて妊娠できるかを受診しに来た日は、佐伯に迎えには来てもらったが打ち明けることは難しかったのだろう。けれどもその困難も今は無事に解決できたようで、嘉月はほっと息を吐いた。
「今後も、何か不安があるようでしたら佐伯さんになるべく相談できるといいですね。少し、厳しかったら、私に相談してくださいね。」
きっと今後は、そういった事態には発展しないだろうが医師として念のため伝えておく。
診察を終え律儀に頭を下げて席を立った彼に「そう言えば、佐伯さんからはどんなプレゼントを贈ってもらったんですか?」と問えば「パスタマシンでした。」とはにかみながら教えてもらった。「それは料理が得意なアオくんにはうってつけですね。」と応えて彼の背中を嘉月は見送った。
ところで、パスタマシンって何だろう?
帰ったら青木さんに聞いてみよう。
「左腕のここ、青痣がずっとあるのは俺が実験体として生きてきた証拠。・・・・色んな薬剤を何年も投与されていたら消えなくなった。・・・・でも、俺の存在が有ったから、今のオメガはうんと生きやすくなったと思ってる。・・・・きっと、ね。」
そう言って自身の内肘に残った硬い痣をなぞった。もっとマシな手当てをしていたら、こんな風に残ることもなかったかもしれない。そう思いながら、あの日、過去の出来事を嘉月は思い出していた。
◇◇◇
「何故ですか?!・・・・学校に行かせてくれると約束してくれたじゃないですか?!」
嘉月は、珍しく実験室へと訪れた父に対して怒りをぶつけた。家庭教師を付けられて、充分なスコアを出せるようになったにも関わらず、高校への入学を許されなかったからである。
「たかが実験体でしかないオメガが進学したところで、何になる?・・・・おまえはもう知見を広められただろう?」
父は無機質なベッドの上で、管に繋がれた嘉月を見ながら嘲笑った。
「嫌だ・・・・!外に出たい!こんな所に居たくない!」
思わず声になった嘉月の本音に、父は不愉快そうに眉根を寄せた。
「そんな事だろうと思っていたよ。」
それから吐き捨てるように言うと、父は実験室を立ち去った。嘉月はその背中を見続ける事ができなかった。ぼろぼろと制御のできない雫が溢れ出し、喉の奥から細く嗚咽が漏れた。
暫くそうして泣いていたら、無性にここに居てはいけないという怒りが湧き上がってきた。嘉月は力任せに点滴の管を引き抜くと、裸足のまま実験室の扉へと駆け出した。扉の前には、嘉月を犯した男がいつも通り控えている。力では勝てないのは分かりきっていた。それでも、怒りのまま男へと突進して行った。
しかし、嘉月が想像していた衝撃はいつまで経ってもやっては来なかった。ただ、逞しい腕の中にいつまでも収められている、そんな心地しかなかった。
「京さん。」
初めて誰かに名前を呼ばれる。はっと顔を上げれば、それは自分を今抱きすくめ、自分をこれまで見張り続け、自分の初めてを奪った、名前も知らない男だった。
「逃げてください。」
男は低い声で囁くと、しっかりと嘉月の掌に何かを握らせた。
「この場所に行けば、あなたは夢を叶えられるかもしれない。」
「・・・・どうしてっ!どうして今更っ!」
嘉月は精一杯の力で、男の分厚い胸板に拳を叩きつけた。
「自分にだって分かりません。」
男は一言告げると、少しだけ微笑んだ。そうして、半ば突き飛ばされる形で嘉月は研究所を抜け出したのだった。
暗闇の中、紙に書かれた住所を目指して嘉月は駆け回った。地理すら分からないまま、どうにか辿り着いた先は、見たこともない豪邸だった。
嘉月は震える指先で、門の横に取り付けられたチャイムを鳴らす。暫くして出て来た男は、既に30代半ばくらいの年齢に見えたが、アルファ然とした気品を備えていた。男は泥まみれの自分を見ても、顔を顰めることはなかった。むしろ、「ああ、きみが私の運命か。」と満足気に笑みを浮かべたのであった。
それが、御神との出会いだった。
それから今まで、吐き気がするくらいの百合の花の香りに包まれながら、嘉月は御神と生活を共にした。御神は事あるごとに、嘉月からも同じ香りがすると言ったが、何故だか嘉月はその香りを受け入れる事ができなかった。けれどもその香りが、着実に御神と自分を破滅への道へと導いていたのは確かだった。
嘉月が歳を重ねるごとに、御神の性的な要求はエスカレートしていき、嘉月もまた、それを当たり前の日々として受け入れていた。
それは「運命」が「呪い」へと変化した瞬間だったのかもしれない。
◇◇◇
「俺たちは白百合なんかじゃなくて、黒百合みたいな運命だったんだ。・・・・それでも、これまで抑制剤やらを過剰に投与され続けた俺のヒートは重くてさ・・・・御神はすぐに番になって、俺の苦しみを和らげてくれた。・・・・それに、医者になる夢を叶える為の金銭的援助もしてくれた。俺の居場所であった事は確かだったんだ。だけど、その代償は・・・・」
嘉月は後ろを向いて、頸を隠す髪をかき上げた。自分では良く見えないけれど、彼にはしっかりと見えているのだろう。背後で息を呑む音が聞こえた。
「これは、全て・・・・?」
「うん。御神のものだよ。あいつは独占欲が強かったから、俺を抱く時はいつも頸を執拗に噛むんだ。・・・・その様子だと、俺が思っている以上にあるのかもね。」
「・・・・痛みますか?」
「ううん。でも、この跡も消えないだろうな。」
青木がそっと嘉月を引き寄せて、ベッドへと腰を掛けさせてくれた。
「あまり、顔色が良くないから・・・・」
彼は小さく呟くと、ゆっくりと嘉月の背中をさすった。それは、手当てのように暖かくて泣きそうになってしまった。思えば、彼はいつだって手当てを自分にしてくれていた。
「ありがとう。・・・・それから極め付けはこれかなあ。」
嘉月は下腹部に出来た小さな引き攣れを指でなぞる。それは、隆文によって丁寧に縫合されたものだったが、それでも跡は残った。
「こんな、醜い俺でも、愛せる?」
こうやって何度も自分で自分を貶めては、試すように彼へと訊ねてしまうのは、未だ抜けきらない嘉月の悪癖だった。
「言ったでしょう?・・・・貴方が俺の傍にいてくれるのならば、貴方の身体がどんな形に変わっても、俺は貴方の傷ごと愛します。」
やっぱり彼に、自分の全てを知ってもらって良かった。
嘉月は、青木の腕の中でほっと息を吐いた。
最後に青木は、嘉月を抱き締めて密やかに泣いた。それはまるで、嘉月の傷口に長年溜まり続けていた膿を取り除くような、優しい涙だった。
それから青木と嘉月は、二人きりで流れる日々の中で、幾つかの花と幾つかの花瓶をリビングに置いていった。
小さな流線型の花瓶に金木犀が飾られたのは、それから一年ほど先のことだった。
◇◇◇
「うん。経過は順調ですね。」
アオの子宮は徐々に回復の傾向が見え始めていた。このまま行けば無事に妊娠ができる兆しが見えていた。嘉月の目の前に座っている青年は、控えめに、しかしほんのりと頬を染めて喜んでいた。
「嘉月先生に丁寧に向き合っていただけたおかげです。ありがとうございます。」
謙虚で優しい彼の言葉に、嘉月の心も救われる。
「いいえ。これはアオくんと佐伯さんがお互いを思いやって生活なさった結果ですよ。」
「この前、やっと雅史さんに不妊治療をすることを打ち明けられて。その日は僕の誕生日だったんですけれど、大人げないけれど沢山泣いて。最近は、ようやく精神的にも落ち着けた気がします。」
やはり、アオが初めて妊娠できるかを受診しに来た日は、佐伯に迎えには来てもらったが打ち明けることは難しかったのだろう。けれどもその困難も今は無事に解決できたようで、嘉月はほっと息を吐いた。
「今後も、何か不安があるようでしたら佐伯さんになるべく相談できるといいですね。少し、厳しかったら、私に相談してくださいね。」
きっと今後は、そういった事態には発展しないだろうが医師として念のため伝えておく。
診察を終え律儀に頭を下げて席を立った彼に「そう言えば、佐伯さんからはどんなプレゼントを贈ってもらったんですか?」と問えば「パスタマシンでした。」とはにかみながら教えてもらった。「それは料理が得意なアオくんにはうってつけですね。」と応えて彼の背中を嘉月は見送った。
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