メビウスの乙女たち ~二人のダスラ~
公爵令嬢ナーシャこと、ナーサティヤ・ラーセン。
婚約者のアシュヴィン殿下殺害未遂と、殿下の浮気相手であるスーリヤ伯爵令嬢への乱暴狼藉の罪で処刑されることに‼
どちらも私、身に覚えがないのですけど⁉
でもラーセン家は爵位剥奪、家人たちは露頭に迷う…それどころか連座で罰せられるなんて、牢獄にて無慈悲な司法取引を持ちかけられた。いわく、
「罪を認めれば、家人たちの身の安全は保証しよう」
私は、首を縦に振るしかなかった。最期まで私の冤罪を信じてくれた友人たちを、裏切った。
そして処刑前夜、牢獄の前に姿を現したのは私付きメイドのダスラだった。
「この悲しいメビウスの環を、断ち切ってさしあげたかった」
そう言ってダスラは私の救出に尽力してくれようとしたけど、失敗してその場で殺されてしまう。
その翌日私も、断頭台で散った。
ダスラ、あなたは犬死にだったのです……。
そして再び次の人生で十六歳になったとき不意に前世を思い出した……私、ダスラなんですけど⁉
ああそうかダスラ…あなたもまた、お嬢様だったんだね。そしてあなたにとってのダスラも、また。
神の悪戯としか思えない私たちの断ち切れない関係が、また続くのならば。
お嬢様が十六歳になったら、処刑されてしまう(ついでに私も死ぬ)、ううん今度こそ止めてみせる。
私、新・ダスラがお嬢様を助けてみせます‼
これは運命が表裏一体となった悪役令嬢とメイドの、終わらない物語――。
---
「小説家になろう」「カクヨム」さんでも読めます。
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