44 / 44
44(最終話)
しおりを挟む
無事に式も披露パーティーも終わり、私はガチガチになっていた。
「妃殿下、こちらをお召しください」
ダリが手に持っていた服とは到底言えない薄っぺらい布を見て、隠すべき所を隠す気があるのかと真剣に悩んだ。
「ダリ、これ…防御力ゼロじゃない?」
「防御したらダメですよ、初夜ですよ?」
「しょ…初夜…」
ぼっと熱が上がる。
今日のビッグイベントがまだ残されているのだ。
お互いにもう見ていない所がない程、肌を晒しているが、めでたくその先に進む権利を得た。
となれば必ず、ジャスティンは私を食らい尽くすだろう。
むしろよくここまで我慢したものだと思う。
「さ、妃殿下。殿下がお待ちですよ」
「そうね、もうずっと待ってたものね」
「ふふ…そうですね」
ダリに送り出された私は、そっと夫婦の寝室に入る。
すでにジャスティンはそこにいて、置かれていたお酒を飲んでいた。
「ミリオネアも飲むか?」
「き、今日は要らない…」
「ふぅん、緊張してると思ったのに」
「緊張はしてるわよ、でも…」
これは罠だと私の直感が言っている。
緊張のあまり飲んだ方がきっと解れるのはわかっているけど。
「ちょっとならいいだろ、ほら」
ワイングラスをそっと渡され、魔獣討伐の時のワインを思い出した。
うっかりジャスティンの杯で飲んでしまって慌てたのを覚えている。
「じゃあ…ちょっとだけ…」
「うん」
喉を少し潤すくらいなら大丈夫なはず…と思ったけど、このワイン…強めのお酒だ。
やはりジャスティンは狙ってやっていると気付いた時には遅かった。
「ミリオネア…こっちにおいで?」
「うん」
ジャスティンが妖艶に笑う。
月明かりに照らされたジャスティンはとても綺麗で。
「やっと俺のに出来る…」
「ふふ…そうね…」
適度に上がった体温が、私を素直にさせていく。
「第二の誓約って、もう結ばれてるの?」
「まだだ。ここに、俺の子種が流し込まれたら完成する」
「こ、子種…」
そっと撫でられた下腹部がじわりと熱くなった気がして。
ぶわぁっと真っ赤になる頬を見られたくなくて、さりげなく顔の向きを変える。
最後の一線を、今夜越えるのだと思ったらなおさら羞恥に身体が震える。
「ミリオネア…震えてる…。怖い?」
「怖くはないわ…は、恥ずかしくて…」
「あぁ…可愛いな…。前に俺が言った事覚えてるか?」
「え…何の話?」
ありすぎてわからない。
私が考えていると、ぎゅっと抱き締められて「本当の初夜は寝かせない…忘れてた?」と耳にちゅっとキスされた。
「んっ…」
びくりとなる私の耳から首、首から胸へとジャスティンの唇は移動をしていく。
「あっ…」
ちゅ、と胸の頂を吸われれば、慣れた身体が抵抗なく快楽を拾い上げる。
私よりもジャスティンの方が知っている性感帯を、一つずつ…けれども確実に刺激していて。
「この夜着……興奮する…」
胸の膨らみにぢゅっと跡を残しながら、見上げてくるジャスティンの熱のこもった視線と、私の溶けそうな視線が交差する。
「あんまり見ないで…」
初夜という名を付けるだけで、触れ合う事がこんなに恥ずかしさの極みになるのかと居た堪れなくなって、ふいと横を向いてしまった。
「見ないって選択肢はないかな」
「…もう…」
「こっち向いて、ミリオネア」
「や、やだ…」
絶対情けない顔になってるもの…無理よ…!
ジャスティンは私の考えなんてお見通しなんだろう。
「全部見たい、見せて?可愛い俺の奥さん」
「なっ…!!」
思わずジャスティンを凝視してしまった。
お、お、奥さん…!!
奥さんですって…!?
じわじわと湧き上がる婚姻の実感が、私の思考力を奪っていく。
「ほら、夫の俺にキスするのは妻の特権だろ?」
幸せそうに笑うジャスティンにつられて、私の口角も自然と上がる。
「やっと妻に出来た君を抱きたい」
「愛してるわ、旦那様」
どちらからともなく重なる唇がどうしようもなく愛おしい。
溢れ出る気持ちが大きくなるにつれて、キスも深さを増していく。
「ん…」
混ざり合った二人の唾液が口の端から流れる事も気にならなかった。
キスだけで簡単に火がつく私は、ジャスティンが仕込んだワインのお陰で思考力が低下して、いつもより素直になってしまう。
やわやわな口はぽろりぽろりと本音を溢す。
「ジャスティンの奥さんになれて良かった…。私…初めて見た時からずっと…好きだったの…」
「…ミリオネア……俺も…同じだ」
「んっ…」
首筋に舌を這わされ、掠れた声で囁かれるとふるりと腰が揺れる。
待ちきれないとでも言うみたいに。
「あぁ…もう濡れてるな…」
ゆっくりと下着の上からなぞられる感覚に、私の身体が期待で揺れる。
いつもより時間をたっぷりかけて愛撫してくる彼の指が恨めしい。
「あっ…ジャスティン…焦らさないで…」
「ちゃんと解さないとな」
くちくちと音を出してわざと煽ってくるこの男をぎゃふんと言わせるのはどうすればいいのか、と頭の片隅で思った瞬間。
「ひぃああっ…!!」
ぐちゅんっ!と一番感じる場所を指で擦られ、同時に秘豆までぢゅう、と吸われた。
「違う事を考えさせる為にゆっくりと解しているわけじゃないからな、ミリオネア」
にこり、と笑う美麗な顔には「俺の事だけ考えろ」とはっきりと書いてあって。
そこからはいつも通り、いや…いつも以上に私の余裕を根こそぎ奪うような指使いとなった。
「あぁっ…あ…も…イッ…んあああ!!」
ぴんと伸びた足はガクガクと震え出す。
もう何度もこうして登り詰めさせられているのかわからない。
「も…ジャスティン…無理ぃ…」
「無理?今からが幕開けだが?」
「んん…意地悪…」
「ミリオネア、お前のナカに入っても…いいか?」
ぐっと寄せられたジャスティンの眉間が、もう限界だと教えてくれる。
私はそっと彼自身に手を伸ばし、ゆっくりとその形を確かめた。
「は…」
「おっきい…」
「煽るな…」
ソレはピンと天に向かって反り返り、今まで触っていた時よりも大きく思えた。
私のお腹の奥がきゅんとなるのは、きっとこれを受け入れたいと合図しているんだと自然に思える。
たらたらと先端から流れる透明の液体が私の指を濡らしていく。
「ん…」
「っ!!?」
無意識に私は自分の指についた液体を舐めとっていた。ジャスティンの濃紺色の瞳が驚きに見開かれた後、どろりと欲を孕んで揺れた。
「欲しい…ジャスティン…」
「くそっ…こっちは必死に我慢してるのに…!」
「もうずっと我慢してたのに…これ以上しなくていい…」
「…煽った責任取れよ、愛しい奥さん…」
ぴたりと当てられるジャスティンの熱いソレは、ゆっくりと私のナカに侵入を開始する。
「んっ…痛っ…」
「やめてやれないからな…」
「ん、大丈夫…ジャスティンと繋がる為なら…あっ!?」
「だから煽るなって…」
ぐっとまた質量が増した気がしたが、気のせいでは無いと知る。
狭い所を押し広げながら、ゆっくりと…けれど確実に奥に向かって進むソレは私の敏感な壁をぐりぐりと擦りながら痛みと快楽を与えてきた。
「あぁっ…」
「くっ…狭…」
ぐっと進むにつれて痛みは増し、メリメリと引きつれるような感覚にぎゅっと目を閉じる。
それでももっと、もっと奥に欲しいと身体からの要望があるのも事実で。
「ん…んっ…ジャスティン…もう…一気に…いれて…?」
「…この天然煽り妻が…っ!」
そう言うと、ジャスティンはぐっと両足を持ち、迷いなく腰を押し付ける。
びりっとした痛みが走った後、待ち望んだ場所にどん!と先端が当たったのがわかった。
「んあああっ!!」
「ぐっ…締めんなっ…!」
苦しげなジャスティンの表情が妙に艶かしくて、私の脳が溶けそうだ。
暫くじっとしていたジャスティンがゆるゆると抽送を始めると、ずりずりとナカが擦られて痛みを上回る気持ちよさに支配される。
「あっあっあっ…」
動きに合わせて声が止まらない。
聞いた事のないような甘い声が自分の口が出ていると私自身が信じられない。
「その声、堪らない…」
「あぁっ…」
隙間なく埋められた熱杭は、徐々に動きを早くしていく。
奥をぐりっと抉られた瞬間、目の前が真っ白になって深い絶頂を得る。
「あぁっ…ジャスティ…イッてる…も…イッてるからぁっ…!!」
「締まるっ…!」
ぎゅうっと締め上げたジャスティンが、びくりと身体を揺らして奥に子種を放出した。
同時に私とジャスティンの下腹部に誓約が締結した紋様が浮かび上がった。
「あっ…光って…」
「綺麗な紋様だな…初代国王が文献に残していたのと同じだ…」
薄いピンク色に浮かび上がる模様は、確かに文献で見た事がある。
この紋様は初代国王様と王妃様以降、誰も刻まれていなかった。
「これで、誓約は締結したわね。ふふ…お互いにもう浮気出来ないわね」
「させないし、しない。叶うなら心も縛りたい所だ」
「束縛男は嫌われるわよ」
「ミリオネアが俺だけ見てれば済む話だろ」
「あら、傲慢」
クスクスと笑いながら、そっと寄り添う。
目が合えばキスをして、再び触れ合って。
火がついたジャスティンは、容赦なく私を抱き続け見事に夜が明けてしまった。
白んだ空が私達の未来を指し示すように、明るく道を照らしてくれる。
今度こそ、歪む事のない愛をあなたに。
終
「妃殿下、こちらをお召しください」
ダリが手に持っていた服とは到底言えない薄っぺらい布を見て、隠すべき所を隠す気があるのかと真剣に悩んだ。
「ダリ、これ…防御力ゼロじゃない?」
「防御したらダメですよ、初夜ですよ?」
「しょ…初夜…」
ぼっと熱が上がる。
今日のビッグイベントがまだ残されているのだ。
お互いにもう見ていない所がない程、肌を晒しているが、めでたくその先に進む権利を得た。
となれば必ず、ジャスティンは私を食らい尽くすだろう。
むしろよくここまで我慢したものだと思う。
「さ、妃殿下。殿下がお待ちですよ」
「そうね、もうずっと待ってたものね」
「ふふ…そうですね」
ダリに送り出された私は、そっと夫婦の寝室に入る。
すでにジャスティンはそこにいて、置かれていたお酒を飲んでいた。
「ミリオネアも飲むか?」
「き、今日は要らない…」
「ふぅん、緊張してると思ったのに」
「緊張はしてるわよ、でも…」
これは罠だと私の直感が言っている。
緊張のあまり飲んだ方がきっと解れるのはわかっているけど。
「ちょっとならいいだろ、ほら」
ワイングラスをそっと渡され、魔獣討伐の時のワインを思い出した。
うっかりジャスティンの杯で飲んでしまって慌てたのを覚えている。
「じゃあ…ちょっとだけ…」
「うん」
喉を少し潤すくらいなら大丈夫なはず…と思ったけど、このワイン…強めのお酒だ。
やはりジャスティンは狙ってやっていると気付いた時には遅かった。
「ミリオネア…こっちにおいで?」
「うん」
ジャスティンが妖艶に笑う。
月明かりに照らされたジャスティンはとても綺麗で。
「やっと俺のに出来る…」
「ふふ…そうね…」
適度に上がった体温が、私を素直にさせていく。
「第二の誓約って、もう結ばれてるの?」
「まだだ。ここに、俺の子種が流し込まれたら完成する」
「こ、子種…」
そっと撫でられた下腹部がじわりと熱くなった気がして。
ぶわぁっと真っ赤になる頬を見られたくなくて、さりげなく顔の向きを変える。
最後の一線を、今夜越えるのだと思ったらなおさら羞恥に身体が震える。
「ミリオネア…震えてる…。怖い?」
「怖くはないわ…は、恥ずかしくて…」
「あぁ…可愛いな…。前に俺が言った事覚えてるか?」
「え…何の話?」
ありすぎてわからない。
私が考えていると、ぎゅっと抱き締められて「本当の初夜は寝かせない…忘れてた?」と耳にちゅっとキスされた。
「んっ…」
びくりとなる私の耳から首、首から胸へとジャスティンの唇は移動をしていく。
「あっ…」
ちゅ、と胸の頂を吸われれば、慣れた身体が抵抗なく快楽を拾い上げる。
私よりもジャスティンの方が知っている性感帯を、一つずつ…けれども確実に刺激していて。
「この夜着……興奮する…」
胸の膨らみにぢゅっと跡を残しながら、見上げてくるジャスティンの熱のこもった視線と、私の溶けそうな視線が交差する。
「あんまり見ないで…」
初夜という名を付けるだけで、触れ合う事がこんなに恥ずかしさの極みになるのかと居た堪れなくなって、ふいと横を向いてしまった。
「見ないって選択肢はないかな」
「…もう…」
「こっち向いて、ミリオネア」
「や、やだ…」
絶対情けない顔になってるもの…無理よ…!
ジャスティンは私の考えなんてお見通しなんだろう。
「全部見たい、見せて?可愛い俺の奥さん」
「なっ…!!」
思わずジャスティンを凝視してしまった。
お、お、奥さん…!!
奥さんですって…!?
じわじわと湧き上がる婚姻の実感が、私の思考力を奪っていく。
「ほら、夫の俺にキスするのは妻の特権だろ?」
幸せそうに笑うジャスティンにつられて、私の口角も自然と上がる。
「やっと妻に出来た君を抱きたい」
「愛してるわ、旦那様」
どちらからともなく重なる唇がどうしようもなく愛おしい。
溢れ出る気持ちが大きくなるにつれて、キスも深さを増していく。
「ん…」
混ざり合った二人の唾液が口の端から流れる事も気にならなかった。
キスだけで簡単に火がつく私は、ジャスティンが仕込んだワインのお陰で思考力が低下して、いつもより素直になってしまう。
やわやわな口はぽろりぽろりと本音を溢す。
「ジャスティンの奥さんになれて良かった…。私…初めて見た時からずっと…好きだったの…」
「…ミリオネア……俺も…同じだ」
「んっ…」
首筋に舌を這わされ、掠れた声で囁かれるとふるりと腰が揺れる。
待ちきれないとでも言うみたいに。
「あぁ…もう濡れてるな…」
ゆっくりと下着の上からなぞられる感覚に、私の身体が期待で揺れる。
いつもより時間をたっぷりかけて愛撫してくる彼の指が恨めしい。
「あっ…ジャスティン…焦らさないで…」
「ちゃんと解さないとな」
くちくちと音を出してわざと煽ってくるこの男をぎゃふんと言わせるのはどうすればいいのか、と頭の片隅で思った瞬間。
「ひぃああっ…!!」
ぐちゅんっ!と一番感じる場所を指で擦られ、同時に秘豆までぢゅう、と吸われた。
「違う事を考えさせる為にゆっくりと解しているわけじゃないからな、ミリオネア」
にこり、と笑う美麗な顔には「俺の事だけ考えろ」とはっきりと書いてあって。
そこからはいつも通り、いや…いつも以上に私の余裕を根こそぎ奪うような指使いとなった。
「あぁっ…あ…も…イッ…んあああ!!」
ぴんと伸びた足はガクガクと震え出す。
もう何度もこうして登り詰めさせられているのかわからない。
「も…ジャスティン…無理ぃ…」
「無理?今からが幕開けだが?」
「んん…意地悪…」
「ミリオネア、お前のナカに入っても…いいか?」
ぐっと寄せられたジャスティンの眉間が、もう限界だと教えてくれる。
私はそっと彼自身に手を伸ばし、ゆっくりとその形を確かめた。
「は…」
「おっきい…」
「煽るな…」
ソレはピンと天に向かって反り返り、今まで触っていた時よりも大きく思えた。
私のお腹の奥がきゅんとなるのは、きっとこれを受け入れたいと合図しているんだと自然に思える。
たらたらと先端から流れる透明の液体が私の指を濡らしていく。
「ん…」
「っ!!?」
無意識に私は自分の指についた液体を舐めとっていた。ジャスティンの濃紺色の瞳が驚きに見開かれた後、どろりと欲を孕んで揺れた。
「欲しい…ジャスティン…」
「くそっ…こっちは必死に我慢してるのに…!」
「もうずっと我慢してたのに…これ以上しなくていい…」
「…煽った責任取れよ、愛しい奥さん…」
ぴたりと当てられるジャスティンの熱いソレは、ゆっくりと私のナカに侵入を開始する。
「んっ…痛っ…」
「やめてやれないからな…」
「ん、大丈夫…ジャスティンと繋がる為なら…あっ!?」
「だから煽るなって…」
ぐっとまた質量が増した気がしたが、気のせいでは無いと知る。
狭い所を押し広げながら、ゆっくりと…けれど確実に奥に向かって進むソレは私の敏感な壁をぐりぐりと擦りながら痛みと快楽を与えてきた。
「あぁっ…」
「くっ…狭…」
ぐっと進むにつれて痛みは増し、メリメリと引きつれるような感覚にぎゅっと目を閉じる。
それでももっと、もっと奥に欲しいと身体からの要望があるのも事実で。
「ん…んっ…ジャスティン…もう…一気に…いれて…?」
「…この天然煽り妻が…っ!」
そう言うと、ジャスティンはぐっと両足を持ち、迷いなく腰を押し付ける。
びりっとした痛みが走った後、待ち望んだ場所にどん!と先端が当たったのがわかった。
「んあああっ!!」
「ぐっ…締めんなっ…!」
苦しげなジャスティンの表情が妙に艶かしくて、私の脳が溶けそうだ。
暫くじっとしていたジャスティンがゆるゆると抽送を始めると、ずりずりとナカが擦られて痛みを上回る気持ちよさに支配される。
「あっあっあっ…」
動きに合わせて声が止まらない。
聞いた事のないような甘い声が自分の口が出ていると私自身が信じられない。
「その声、堪らない…」
「あぁっ…」
隙間なく埋められた熱杭は、徐々に動きを早くしていく。
奥をぐりっと抉られた瞬間、目の前が真っ白になって深い絶頂を得る。
「あぁっ…ジャスティ…イッてる…も…イッてるからぁっ…!!」
「締まるっ…!」
ぎゅうっと締め上げたジャスティンが、びくりと身体を揺らして奥に子種を放出した。
同時に私とジャスティンの下腹部に誓約が締結した紋様が浮かび上がった。
「あっ…光って…」
「綺麗な紋様だな…初代国王が文献に残していたのと同じだ…」
薄いピンク色に浮かび上がる模様は、確かに文献で見た事がある。
この紋様は初代国王様と王妃様以降、誰も刻まれていなかった。
「これで、誓約は締結したわね。ふふ…お互いにもう浮気出来ないわね」
「させないし、しない。叶うなら心も縛りたい所だ」
「束縛男は嫌われるわよ」
「ミリオネアが俺だけ見てれば済む話だろ」
「あら、傲慢」
クスクスと笑いながら、そっと寄り添う。
目が合えばキスをして、再び触れ合って。
火がついたジャスティンは、容赦なく私を抱き続け見事に夜が明けてしまった。
白んだ空が私達の未来を指し示すように、明るく道を照らしてくれる。
今度こそ、歪む事のない愛をあなたに。
終
904
お気に入りに追加
1,547
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(39件)
あなたにおすすめの小説
王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?
いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、
たまたま付き人と、
「婚約者のことが好きなわけじゃないー
王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」
と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。
私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、
「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」
なんで執着するんてすか??
策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー
基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。
子育てが落ち着いた20年目の結婚記念日……「離縁よ!離縁!」私は屋敷を飛び出しました。
さくしゃ
恋愛
アーリントン王国の片隅にあるバーンズ男爵領では、6人の子育てが落ち着いた領主夫人のエミリアと領主のヴァーンズは20回目の結婚記念日を迎えていた。
忙しい子育てと政務にすれ違いの生活を送っていた二人は、久しぶりに二人だけで食事をすることに。
「はぁ……盛り上がりすぎて7人目なんて言われたらどうしよう……いいえ!いっそのことあと5人くらい!」
気合いを入れるエミリアは侍女の案内でヴァーンズが待つ食堂へ。しかし、
「信じられない!離縁よ!離縁!」
深夜2時、エミリアは怒りを露わに屋敷を飛び出していった。自室に「実家へ帰らせていただきます!」という書き置きを残して。
結婚20年目にして離婚の危機……果たしてその結末は!?

醜い傷ありと蔑まれてきた私の顔に刻まれていたのは、選ばれし者の証である聖痕でした。今更、態度を改められても許せません。
木山楽斗
恋愛
エルーナの顔には、生まれつき大きな痣がある。
その痣のせいで、彼女は醜い傷ありと蔑まれて生きてきた。父親や姉達から嫌われて、婚約者からは婚約破棄されて、彼女は、痣のせいで色々と辛い人生を送っていたのである。
ある時、彼女の痣に関してとある事実が判明した。
彼女の痣は、聖痕と呼ばれる選ばれし者の証だったのだ。
その事実が判明して、彼女の周囲の人々の態度は変わった。父親や姉達からは媚を売られて、元婚約者からは復縁を迫られて、今までの態度とは正反対の態度を取ってきたのだ。
流石に、エルーナもその態度は頭にきた。
今更、態度を改めても許せない。それが彼女の素直な気持ちだったのだ。
※5話目の投稿で、間違って別の作品の5話を投稿してしまいました。申し訳ありませんでした。既に修正済みです。

皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

田舎娘をバカにした令嬢の末路
冬吹せいら
恋愛
オーロラ・レンジ―は、小国の産まれでありながらも、名門バッテンデン学園に、首席で合格した。
それを不快に思った、令嬢のディアナ・カルホーンは、オーロラが試験官を買収したと嘘をつく。
――あんな田舎娘に、私が負けるわけないじゃない。
田舎娘をバカにした令嬢の末路は……。

女騎士と文官男子は婚約して10年の月日が流れた
宮野 楓
恋愛
幼馴染のエリック・リウェンとの婚約が家同士に整えられて早10年。 リサは25の誕生日である日に誕生日プレゼントも届かず、婚約に終わりを告げる事決める。 だがエリックはリサの事を……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
感想ありがとう安心してミュートできる
やなし様
感想ありがとうございました。
安心してミュートして下さい👍
作品の感想ではないので、王冠さんに閲覧いただければ満足です。
ファンレターと受け取っていただけると有難いです。
初めの頃は”ざまぁ“のタグあり作品を好んで読んでいたのですが…
“ざまぁ”にも色々あるというか、
家族、使用人、婚約者、浮気相手…
孤立無援の状態で周囲より執拗に虐められ、悲惨、凄絶な死…主に処刑、結果死に戻り
主人公が高位貴族で不自由なく恵まれているのが妬ましい、淑女の鑑と呼ばれていて気に入らない、何でも持っていてズルい等
本人に非がない理由で悪意の標的になり、貶められ結果 冤罪にて絶命
婚約者も主人公の話より、浮気相手の意見のみで断罪
ジャスティンと違い、使用済み多数
死に戻り前の主人公の不遇が長く、虐げ内容が詳細過ぎると読んでいてしんどくなります。
作品によってはここまでする??って内容のものもありました。
主人公がハッピーエンドを迎えても、結末がハッピーエンドでも、ざまぁを受ける側の処遇に不満が遺るもの、罪と罰が釣り合わないというか…ざまぁが杜撰だと、読後すっきりしないと申しますか、消化不良になります。
この作品のように、死に戻り前の描写にも救いがあり、死に戻り前に清算済み(男爵令嬢は始末済)で、死に戻り後に尾を引いていない…婚約者同士の問題であり、それを乗り越えた展開はざまぁではなくとも読後すっきり爽快感がありました。
ざまぁでなくとも、
この作品、とても素敵です。
王冠さんの作品をこれからも楽しみにしております。
天花様
ありがとうございます😊
そう言って頂けると非常にやる気が出ます。
また新しい物が書けたら投稿しますので、遊びに来てくださいね🐾
タグで警告しているので、苦手な物はお控えくださればありがたいです🐈⬛
ファンレターありがとうございました✨✨
とても面白かったです。
不貞、浮気の不快感、嫌悪感を使用済みって表現に感嘆しました。
男爵令嬢アイラと死に戻り後に絡みがなかった事、婚約者候補の2人が婚約者決定後に悪足掻きしなかった事、ミランダが謝罪している事、登場女性に悪辣が過ぎる性格がいなくて読みやすかったです。
女神様のキャラも好きです。
思い付いた嫌がらせが自死というミリオネアの想いも重いのかもしれませんが、
死に戻り前、クズはクズでも、一途は一途だったジャスティンが、その想いを通わせ和えて良かったです。
死に戻り前より、ミリオネアの持つ強さ、潔さ、他者への優しさ、魅力ある主人公像も良かったです。
素敵な作品をありがとうございました。
天花様
感想ありがとうございます😊
読んで頂いただけでも感謝の飴なのに、褒めて頂けるなんて、もう砂糖菓子が空から降り注いでいます🧁
ミリオネアは未使用(一途)を望んでいます✨
私、ざまぁってうまく書けないんですよね…書きたいんですけど。
ミリオネアには末長く幸せになってほしいですね!自分より他人を優先させちゃうので😫
最後まで読んで頂き、ありがとうございました🐈⬛
またのご来店をお待ちしておりますっ🐾