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「たまたまよ、たまたま」
「ちなみにヴィーの一番好みは?」
「んー、ラルフ?」
「お、お嬢様!!俺でよければ…いや!もっと強くなってから…」
「おい、お前俺と手合わせしろ」
「ハルト!?ダメよ!?」
うっかり答えてしまって慌てたがもう遅かった。ハルトの顔が完全に喧嘩を売る時のそれだ。
ダメダメ!!ラルフはまだ発展途上なんだから!!
ここで潰されてたまるもんですか!!
「何でだよ、悪い虫は早めに潰しとかないと」
「潰したらダメよ!これから育つんだから!!」
「はぁ?だからダメなんだろうが!」
「騎士として育つのよ!!私が育てるの!!」
「お前に育てられんのかよ、剣とか振った事すらねーだろ!」
「あ…うぅん、そ、そうね?」
危ない!!思わずあるわよ!と言いそうになったわ。
ハルトには言えないわ、いくらなんでも。
いつも熊を狩ってます、なんて。
淑女じゃないもの!淑女は熊狩らないもの!!
マリアが物凄く微妙な顔してる!!
わかるわ、その気持ち!!私が1番わかるわ!!
「れ、練習メニューなんかをちょっとね…?」
「お嬢のメニューは鬼畜もがもがっ!」
「ラビ?どうしたのかしら?え?何?木苺が食べたい?後でデザートにつけるわね」
「っ!!…うん…」
私に口を塞がれ、ギラリと光った視線にラビはビクリとして、目を逸らした。
「ヴィー、手離せ」
「え?」
「手、離 せ 。」
「あ、はい」
「手、貸せ」
「ん?ひゃあっ!!」
ハルトは私の手を自分の口元に持っていき、手のひらをペロリと舐めた。
私は一瞬でリンゴみたいに真っ赤になり、口をパクパクしながら固まっている。
「な、な、な、何……」
「ん?消毒?」
「しょ、消毒…?」
「他の男触ったから浮気?」
「違う、何でも浮気にするな!!」
「婚約者として寄り添っててくれるんじゃなかったのか?」
「あー…ソウデシタネ…」
言ってたわ、確かに。
私はそっと腕を組んでみた。ハルトの雰囲気がちょっとだけ柔らかくなる。
「あ、ヴィー、訓練所見たい。俺も何か参考になるかもだし」
「あっちにあるよ。アダル見ても大丈夫?」
「はい!今日はAコースだけなので、血溜まりなんかはありません!」
「あぁ、良かった。じゃあ、行きましょ」
「ヴィー、訓練所に血溜まり出来るのか?」
「たまにね、血を流す人もいたりするのよ」
まったくねー。ちょっと切ったくらいで血がぼたぼた落ちるとかね。どうやれば怪我しませんか!って聞かれた事あるけど、愚問よね?武器に当たらなければいいのよ。
「割とキツめなメニューなのか?」
「んー、皆、最初は、キツイって言うけどそのうち慣れて何も言わなくなるわね」
「ちなみに、どんな事するんだ?」
「あぁ、無造作に投げられる小刀避けたりとか。降り注ぐ矢を払い落とすとか?」
「まぁ、やれば出来そうなメニューだな」
ふぅん、とハルトが、興味深そうに言う。体験できた方がいいのかしら?私はアダルに合図を出し、訓練用の物品を用意させた。
「小刀はどんな風に投げられるんだ?」
「え?こんな風に」
ヒュッと10本の小刀が上から降ってくる。私はすっと後ろに避けた。
「うわっ!!」
トス、トス…とハルトの周りに小刀が降り注ぐ。
ハルトは器用に避けていたが、最後の1本が腕を掠めてシャツの袖が切れた。
「あっぶな!!」
「コツを掴めばすぐ避けられるようになるの」
「なかなかヤバい訓練かもな」
「ハルトのシャツ破けちゃった。替えを用意させるわ」
「おう。着替えさせてくれんの?」
「ば、馬鹿!!」
不意打ちでそんな事言うから、慌てて小刀投げるとこだった!危なかった!!!
「ちなみにヴィーの一番好みは?」
「んー、ラルフ?」
「お、お嬢様!!俺でよければ…いや!もっと強くなってから…」
「おい、お前俺と手合わせしろ」
「ハルト!?ダメよ!?」
うっかり答えてしまって慌てたがもう遅かった。ハルトの顔が完全に喧嘩を売る時のそれだ。
ダメダメ!!ラルフはまだ発展途上なんだから!!
ここで潰されてたまるもんですか!!
「何でだよ、悪い虫は早めに潰しとかないと」
「潰したらダメよ!これから育つんだから!!」
「はぁ?だからダメなんだろうが!」
「騎士として育つのよ!!私が育てるの!!」
「お前に育てられんのかよ、剣とか振った事すらねーだろ!」
「あ…うぅん、そ、そうね?」
危ない!!思わずあるわよ!と言いそうになったわ。
ハルトには言えないわ、いくらなんでも。
いつも熊を狩ってます、なんて。
淑女じゃないもの!淑女は熊狩らないもの!!
マリアが物凄く微妙な顔してる!!
わかるわ、その気持ち!!私が1番わかるわ!!
「れ、練習メニューなんかをちょっとね…?」
「お嬢のメニューは鬼畜もがもがっ!」
「ラビ?どうしたのかしら?え?何?木苺が食べたい?後でデザートにつけるわね」
「っ!!…うん…」
私に口を塞がれ、ギラリと光った視線にラビはビクリとして、目を逸らした。
「ヴィー、手離せ」
「え?」
「手、離 せ 。」
「あ、はい」
「手、貸せ」
「ん?ひゃあっ!!」
ハルトは私の手を自分の口元に持っていき、手のひらをペロリと舐めた。
私は一瞬でリンゴみたいに真っ赤になり、口をパクパクしながら固まっている。
「な、な、な、何……」
「ん?消毒?」
「しょ、消毒…?」
「他の男触ったから浮気?」
「違う、何でも浮気にするな!!」
「婚約者として寄り添っててくれるんじゃなかったのか?」
「あー…ソウデシタネ…」
言ってたわ、確かに。
私はそっと腕を組んでみた。ハルトの雰囲気がちょっとだけ柔らかくなる。
「あ、ヴィー、訓練所見たい。俺も何か参考になるかもだし」
「あっちにあるよ。アダル見ても大丈夫?」
「はい!今日はAコースだけなので、血溜まりなんかはありません!」
「あぁ、良かった。じゃあ、行きましょ」
「ヴィー、訓練所に血溜まり出来るのか?」
「たまにね、血を流す人もいたりするのよ」
まったくねー。ちょっと切ったくらいで血がぼたぼた落ちるとかね。どうやれば怪我しませんか!って聞かれた事あるけど、愚問よね?武器に当たらなければいいのよ。
「割とキツめなメニューなのか?」
「んー、皆、最初は、キツイって言うけどそのうち慣れて何も言わなくなるわね」
「ちなみに、どんな事するんだ?」
「あぁ、無造作に投げられる小刀避けたりとか。降り注ぐ矢を払い落とすとか?」
「まぁ、やれば出来そうなメニューだな」
ふぅん、とハルトが、興味深そうに言う。体験できた方がいいのかしら?私はアダルに合図を出し、訓練用の物品を用意させた。
「小刀はどんな風に投げられるんだ?」
「え?こんな風に」
ヒュッと10本の小刀が上から降ってくる。私はすっと後ろに避けた。
「うわっ!!」
トス、トス…とハルトの周りに小刀が降り注ぐ。
ハルトは器用に避けていたが、最後の1本が腕を掠めてシャツの袖が切れた。
「あっぶな!!」
「コツを掴めばすぐ避けられるようになるの」
「なかなかヤバい訓練かもな」
「ハルトのシャツ破けちゃった。替えを用意させるわ」
「おう。着替えさせてくれんの?」
「ば、馬鹿!!」
不意打ちでそんな事言うから、慌てて小刀投げるとこだった!危なかった!!!
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