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雲一つない快晴の良き日、領地の畑を荒らす悪い子ちゃんをめっ!ってする為やって来ました。
村民曰くかなり大きな個体で、農作物がほとんどダメになったとの被害届がだされました。
つきましては、将来きっとここに住むであろうヴィオレット・キャンベルが自ら村を守る所存でございます。
「ヴィオレット様!準備完了しました!」
「はーい、じゃあ、皆さん!先に注意ですが、対象の熊が子連れだった場合は親熊、子熊は生捕りよ!気絶させて、森の奥の奥まで運びます」
「「「「「はっ!!」」」」」
「はいじゃあ、各自気をつけて行くわよ!」
私達チームは、私を入れて6人で討伐に向かった。
馬を走らせ、20分程の所に新しい足跡がある。この辺にいるはず。
「ヴィオレット様、我々は各自捜索を開始します」
「私も好きに動くわ」
「お気を付けて!」
はーい、と返事をしながら辺りを歩き出す。
「この先に川があったなぁ、そこかなー」
テクテクと歩いていくと、巨大な熊が水を飲んでいた。
子熊はいない。あれはきっとオスだ。
あとは、畑を荒らした熊かどうか…。
「その熊には額に十字の模様がある……あるわ」
はっきりと模様があり、確認を終えると熊が私に気付いた。
「ぐるるるぅっ!!」
「あらあら、怒ってるわね」
私はすらりと剣を抜いて、構える。
こちらに向かって走ってくる熊の首を目掛けて斜め上に剣を振り抜いた。
けたたましい鳴き声と、びしゃりと飛び散る血が辺りを濡らす。ドサリとその場に倒れた熊に、そっと近付き息絶えたのを確認した。
「ごめんね、人間の都合ばっかりで」
するりと頭を撫でて、首を完全に落とした。
あっけない幕引きだが、まだ終わりではない。
狩った動物は、その後ちゃんと食べる。
今日は村のみんなで熊鍋だ。
「ヴィオレット様!!熊の叫び声が…あー、お疲れ様でした」
「解体して持って帰るよ~」
「お嬢様、返り血浴びてその呑気な喋り方やめて下さい。力抜ける」
「うわ!一太刀とか。ホント鬼神っすね!」
「ん?誰が鬼神だって?」
「わああっ!お嬢様!!小刀投げないで!!」
わぁわぁと言いながら解体も終わり、村に到達する頃には夕方になっていた。
村の人達に感謝されながら、みんなで鍋をつつき私達は帰路に就く。
邸宅に着いたのは日付も変わろうかと言う時。
明日のマリアに持って行くお弁当の下拵えをして、ようやく眠った。
「おはよ、マリア」
「おはよ、ヴィオ」
学園の校門でマリアに会い、歩きながら校舎に向かっていると、目の前にリリア・ノックスさんが現れた。
「ヴィオレット様おはようございます」
「おはようございます、ノックスさん」
「昨日、ジークにお弁当強請られたんですけどぉ、すっごく美味しいって言ってくれたんです!」
「良かったですね、これからも作ってさしあげたら?」
「そんな事したらヴィオレット様のお弁当いらなくなっちゃいますよぉ?」
「ではよろしくお願いします」
「え?」
「ふふふ、今度はぜひ私にも作って下さいね」
「え?あ、はい」
「楽しみにしていますわ」
ぽかんとしているノックスさんと別れ、校舎に向かう。
村民曰くかなり大きな個体で、農作物がほとんどダメになったとの被害届がだされました。
つきましては、将来きっとここに住むであろうヴィオレット・キャンベルが自ら村を守る所存でございます。
「ヴィオレット様!準備完了しました!」
「はーい、じゃあ、皆さん!先に注意ですが、対象の熊が子連れだった場合は親熊、子熊は生捕りよ!気絶させて、森の奥の奥まで運びます」
「「「「「はっ!!」」」」」
「はいじゃあ、各自気をつけて行くわよ!」
私達チームは、私を入れて6人で討伐に向かった。
馬を走らせ、20分程の所に新しい足跡がある。この辺にいるはず。
「ヴィオレット様、我々は各自捜索を開始します」
「私も好きに動くわ」
「お気を付けて!」
はーい、と返事をしながら辺りを歩き出す。
「この先に川があったなぁ、そこかなー」
テクテクと歩いていくと、巨大な熊が水を飲んでいた。
子熊はいない。あれはきっとオスだ。
あとは、畑を荒らした熊かどうか…。
「その熊には額に十字の模様がある……あるわ」
はっきりと模様があり、確認を終えると熊が私に気付いた。
「ぐるるるぅっ!!」
「あらあら、怒ってるわね」
私はすらりと剣を抜いて、構える。
こちらに向かって走ってくる熊の首を目掛けて斜め上に剣を振り抜いた。
けたたましい鳴き声と、びしゃりと飛び散る血が辺りを濡らす。ドサリとその場に倒れた熊に、そっと近付き息絶えたのを確認した。
「ごめんね、人間の都合ばっかりで」
するりと頭を撫でて、首を完全に落とした。
あっけない幕引きだが、まだ終わりではない。
狩った動物は、その後ちゃんと食べる。
今日は村のみんなで熊鍋だ。
「ヴィオレット様!!熊の叫び声が…あー、お疲れ様でした」
「解体して持って帰るよ~」
「お嬢様、返り血浴びてその呑気な喋り方やめて下さい。力抜ける」
「うわ!一太刀とか。ホント鬼神っすね!」
「ん?誰が鬼神だって?」
「わああっ!お嬢様!!小刀投げないで!!」
わぁわぁと言いながら解体も終わり、村に到達する頃には夕方になっていた。
村の人達に感謝されながら、みんなで鍋をつつき私達は帰路に就く。
邸宅に着いたのは日付も変わろうかと言う時。
明日のマリアに持って行くお弁当の下拵えをして、ようやく眠った。
「おはよ、マリア」
「おはよ、ヴィオ」
学園の校門でマリアに会い、歩きながら校舎に向かっていると、目の前にリリア・ノックスさんが現れた。
「ヴィオレット様おはようございます」
「おはようございます、ノックスさん」
「昨日、ジークにお弁当強請られたんですけどぉ、すっごく美味しいって言ってくれたんです!」
「良かったですね、これからも作ってさしあげたら?」
「そんな事したらヴィオレット様のお弁当いらなくなっちゃいますよぉ?」
「ではよろしくお願いします」
「え?」
「ふふふ、今度はぜひ私にも作って下さいね」
「え?あ、はい」
「楽しみにしていますわ」
ぽかんとしているノックスさんと別れ、校舎に向かう。
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