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61.前世
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★ ★ ★
三歳で記憶が戻ったとき、マイナは屋敷中に響き渡るほど大声で泣き叫んだ。
祖父とお妙さんが刺された場面を思い出してしまったからだ。
三歳の心と体では受け止めることができず、父はすぐにマイナを連れてシャンタルの元を訪れた。
祖父とお妙さんを失ったときの記憶を封印するために差し出した対価は、父との思い出であったらしい。
娘に忘れられる苦しみはいかほどだったかと思うが、他に手立てがなかった。
父は最初、自分の記憶から対価としての記憶を抜くように言った。
しかし、父親が娘のことを忘れたら誰がこの子を守るんだとシャンタルに説教され、苦渋の決断を強いられた。
ぼんやりとではあるが、その場面を思い出すことができる。
シャンタルの術は、想いや、想い出、その人自身の特殊な能力を媒体に発動するらしい。
それは今回のような解毒薬の製作においても変わらない。
封印できる記憶の量や薬の効きは対価に相当する。
ただし、その人自身、もしくはその人を強く想う人の想いや想い出しか対価にできないのだとか。
三年分の父との思い出で封印できたのは、三年間だけだった。
その三年の間に、マイナは前世の言葉や料理を思い出していた。
父はそれを決して否定せず、むしろ自由にさせてくれた。
それもまた父の度量の広さを思わせる。
そのおかげか、マイナは前世の記憶があることを後ろめたく感じることなく成長することができた。
そして、このころのマイナは非常にカンがよかった。
いわゆる第六感というものに目覚めており、影に潜むヨアンを見つけてしまった。
ヨアンは王家の影としてべイエレン公爵家を探っていたのだ。
娘のマイナがどんな様子であるか、妃として使えそうか。
マイナは最初はマノロ殿下の妃候補だったらしい。
三歳児を十八歳の息子の婚約者にしようと思うぐらい、当時の陛下は追い詰められていたらしい。もちろんそれは父に阻まれたのだが――
「そこに居るお前、出て来なさい!!」
マイナに存在がバレたヨアンは父が開けた窓から入って来た。
影として失格であったが、潜む場所を当てたマイナにヨアンは痺れた。
当時のヨアンは影として自分を殺しながら生きる日々に、喜びや希望が見いだせなくなっていたという。
自分という存在がこの世に居ない、誰にも見つけてもらえない、そんな焦燥があったらしい。
あとから聞けば「うーん。たぶん、思春期だったんだと思います―」と間の抜けた返事しか返ってこなかったが。
当時十五歳だったヨアンにしてみれば深刻な悩みだったようだ。
「君に出会えたからもういいや。人生に悔いはないよ。満足」
そう言って自害しようとしたヨアンをマイナが止めた。
「死ぬぐらいなら、わたくしのために生きなさい」
前世を思い出したマイナは、三歳の子どもの口調ではなかった。
この頃のほうが公爵令嬢らしく、前世二十五歳のときよりも大人びていたともいえる。
無意識に人を惹きつけ、従える能力に長けていた。
ヨアンはその後、父が陛下と何らかの交渉をしてくれたお陰でマイナの護衛になった。
そして記憶が封印され、ある意味で穏やかな三年を過ごした後。
六歳のとき、今度は祖父やお妙さんがなぜ刺されてしまったのか、その顛末まで思い出すこととなる。
祖父は私の付き合っていた男を警戒し、会ってもくれなかった。
初めから怪しい、そんな男とは別れろと繰り返し言われていた。
祖父の読み通り、男はろくでもない人物だった。
盗品などを闇市で売買して金を稼いでいたらしい。
組織的だったのか、それとも個人だったのか、詳しいことはわからなかった。
それを私に漏らすほど間抜けではなかったからだ。
男は自分に惚れさせ、自ら祖父の作品を盗み出すような女に育てているつもりだったらしい。
会ったばかりの素性のわからない男に、好きだ、愛してると言われ、付き合ってしまった。
体の関係は持てないと拒めば、男はあっさりと引き下がった。
私は、そこまでしなくとも愛しているという安い台詞だけで思い通りになる女だと思われていたのだ。
男の言う通りに祖父の作品を盗み手渡す。そうすれば、あくまでも盗んだのは私。
便利な男の金を生み出す道具になったことだろう。
不作として祖父が弾いたものを持ってくればいいと抱きしめられ、耳元で「愛してる」と囁かれ続けた。
ところが、駒にできると思っていた私が、書き損じとはいえ祖父の作品を盗むなんてことはできないと、それが目的なら別れると言い出したのだ。
電話では埒が明かないと、祖父が留守の間にやってきた男は、私を抱きしめると、再び耳元で愛してると囁き、押し倒した。
ようやくここで体から陥落させるという手段に出たようだ。
筋金入りの箱入り娘だった私は、全力で抵抗した。
次第に男は声を荒げるようになり、服を破られ、殴る蹴るの暴行を受けた。
殴られている間にふとよぎったことがある。
男は祖父の居ない時間や曜日を熟知してる、ということに。
祖父に会わせて欲しいと何度も口にしていたが、最初から祖父に会う気などなかったのだ。
そのことに、もっと早く気付くべきだった――――
そして、なぜかこの日は、夕方まで帰宅しないはずだった祖父とお妙さんが急に帰宅してしまった。
祖父はぐったりした私を見ると駆け出し、男と揉み合いになっていた。
動けずにいた私は、男がポケットからナイフを取り出したのを見て、声にならない声を上げた。
ナイフのきらめきが、脳裏にこびりつく。
最初は祖父が。その後お妙さんが。
二人は男に刺されてしまった。
お爺ちゃん、お妙さん、私のせいで、ごめんなさい――――
目を閉じ、生きることを諦めた私の意識はそこで途絶えた。
張り裂けそうな痛みが、六歳のマイナの心を深く抉った。
思い出したことを父に言えなかった。
自分の愚かさのせいで祖父やお妙さんが刺されてしまったことを知ってしまったからだ。
震えるマイナを見た母は、最初は風邪だと思ったらしい。
医者を屋敷に呼び、診察を受けさせたものの処方された薬を飲んでもマイナの震えは止まらない。
その後、様子を見に来た父の前で平気な顔をしなければと、必死にマイナらしく振舞おうとすることで、かえって父にバレることとなった。
聞けば数日前から、マイナらしからぬ行動が増えていたらしい。
夢は一度に全てを見せるわけではない。徐々に紐が解けるかのように記憶が蘇ってくる。
「隠さなくていい。前世で起こったことは、決してマイナのせいではない。マイナが今、生きているこの世界では、何も起こっていない。何も、だ」
そう言って父に力強く抱きしめられ、マイナはわんわん泣いた。
泣いたことでようやく心が落ち着き、シャンタルの元へ行きたいとマイナは願った。
惨劇の記憶を封印するための二度目の対価は、三歳のときに発現したマイナの第六感であった。
シャンタルが、それが一番負担が少ないだろうと言ったからだ。
強く術をかけられ、思った以上に鈍くなってしまったが、そのぐらいは父の元にいれば問題なかった。
しかし、いつ惨劇を再び思い出すのか、第六感という曖昧な対価による期間までは誰にもわからなかった。
★ ★ ★
揺られている感覚に目を開けると、すぐ近くにヨアンの顔があった。
横抱きにされ、セラフィーナで運ばれているようだ。
「ヨアン……」
「お嬢、前回よりはずいぶん顔色がいいですよ」
「そう? よかった。夜明けまでには間に合いそう?」
マイナの問いに、ヨアンが頷く。
セラフィーナは静かに、だが確実に歩を進めていた。
ヴィヴィアン殿下とレイを救うためにシャンタルの元を訪れ、解毒薬を手に入れたところまではしっかりと思い出せる。
一回目も二回目も、シャンタルのことは思い出せなかった。
それを考えれば、今回欠けた記憶は最小限なのだろう。
追随する記憶や、その周辺ごとごっそり取られてしまうのは仕方がないと思っていたのだが。
(よかった。これなら目的を見失わずに済むわ)
けれども。
何を対価にして解毒薬を手に入れたのかは、屋敷に到着しても思い出せなかった。
三歳で記憶が戻ったとき、マイナは屋敷中に響き渡るほど大声で泣き叫んだ。
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祖父とお妙さんを失ったときの記憶を封印するために差し出した対価は、父との思い出であったらしい。
娘に忘れられる苦しみはいかほどだったかと思うが、他に手立てがなかった。
父は最初、自分の記憶から対価としての記憶を抜くように言った。
しかし、父親が娘のことを忘れたら誰がこの子を守るんだとシャンタルに説教され、苦渋の決断を強いられた。
ぼんやりとではあるが、その場面を思い出すことができる。
シャンタルの術は、想いや、想い出、その人自身の特殊な能力を媒体に発動するらしい。
それは今回のような解毒薬の製作においても変わらない。
封印できる記憶の量や薬の効きは対価に相当する。
ただし、その人自身、もしくはその人を強く想う人の想いや想い出しか対価にできないのだとか。
三年分の父との思い出で封印できたのは、三年間だけだった。
その三年の間に、マイナは前世の言葉や料理を思い出していた。
父はそれを決して否定せず、むしろ自由にさせてくれた。
それもまた父の度量の広さを思わせる。
そのおかげか、マイナは前世の記憶があることを後ろめたく感じることなく成長することができた。
そして、このころのマイナは非常にカンがよかった。
いわゆる第六感というものに目覚めており、影に潜むヨアンを見つけてしまった。
ヨアンは王家の影としてべイエレン公爵家を探っていたのだ。
娘のマイナがどんな様子であるか、妃として使えそうか。
マイナは最初はマノロ殿下の妃候補だったらしい。
三歳児を十八歳の息子の婚約者にしようと思うぐらい、当時の陛下は追い詰められていたらしい。もちろんそれは父に阻まれたのだが――
「そこに居るお前、出て来なさい!!」
マイナに存在がバレたヨアンは父が開けた窓から入って来た。
影として失格であったが、潜む場所を当てたマイナにヨアンは痺れた。
当時のヨアンは影として自分を殺しながら生きる日々に、喜びや希望が見いだせなくなっていたという。
自分という存在がこの世に居ない、誰にも見つけてもらえない、そんな焦燥があったらしい。
あとから聞けば「うーん。たぶん、思春期だったんだと思います―」と間の抜けた返事しか返ってこなかったが。
当時十五歳だったヨアンにしてみれば深刻な悩みだったようだ。
「君に出会えたからもういいや。人生に悔いはないよ。満足」
そう言って自害しようとしたヨアンをマイナが止めた。
「死ぬぐらいなら、わたくしのために生きなさい」
前世を思い出したマイナは、三歳の子どもの口調ではなかった。
この頃のほうが公爵令嬢らしく、前世二十五歳のときよりも大人びていたともいえる。
無意識に人を惹きつけ、従える能力に長けていた。
ヨアンはその後、父が陛下と何らかの交渉をしてくれたお陰でマイナの護衛になった。
そして記憶が封印され、ある意味で穏やかな三年を過ごした後。
六歳のとき、今度は祖父やお妙さんがなぜ刺されてしまったのか、その顛末まで思い出すこととなる。
祖父は私の付き合っていた男を警戒し、会ってもくれなかった。
初めから怪しい、そんな男とは別れろと繰り返し言われていた。
祖父の読み通り、男はろくでもない人物だった。
盗品などを闇市で売買して金を稼いでいたらしい。
組織的だったのか、それとも個人だったのか、詳しいことはわからなかった。
それを私に漏らすほど間抜けではなかったからだ。
男は自分に惚れさせ、自ら祖父の作品を盗み出すような女に育てているつもりだったらしい。
会ったばかりの素性のわからない男に、好きだ、愛してると言われ、付き合ってしまった。
体の関係は持てないと拒めば、男はあっさりと引き下がった。
私は、そこまでしなくとも愛しているという安い台詞だけで思い通りになる女だと思われていたのだ。
男の言う通りに祖父の作品を盗み手渡す。そうすれば、あくまでも盗んだのは私。
便利な男の金を生み出す道具になったことだろう。
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ようやくここで体から陥落させるという手段に出たようだ。
筋金入りの箱入り娘だった私は、全力で抵抗した。
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殴られている間にふとよぎったことがある。
男は祖父の居ない時間や曜日を熟知してる、ということに。
祖父に会わせて欲しいと何度も口にしていたが、最初から祖父に会う気などなかったのだ。
そのことに、もっと早く気付くべきだった――――
そして、なぜかこの日は、夕方まで帰宅しないはずだった祖父とお妙さんが急に帰宅してしまった。
祖父はぐったりした私を見ると駆け出し、男と揉み合いになっていた。
動けずにいた私は、男がポケットからナイフを取り出したのを見て、声にならない声を上げた。
ナイフのきらめきが、脳裏にこびりつく。
最初は祖父が。その後お妙さんが。
二人は男に刺されてしまった。
お爺ちゃん、お妙さん、私のせいで、ごめんなさい――――
目を閉じ、生きることを諦めた私の意識はそこで途絶えた。
張り裂けそうな痛みが、六歳のマイナの心を深く抉った。
思い出したことを父に言えなかった。
自分の愚かさのせいで祖父やお妙さんが刺されてしまったことを知ってしまったからだ。
震えるマイナを見た母は、最初は風邪だと思ったらしい。
医者を屋敷に呼び、診察を受けさせたものの処方された薬を飲んでもマイナの震えは止まらない。
その後、様子を見に来た父の前で平気な顔をしなければと、必死にマイナらしく振舞おうとすることで、かえって父にバレることとなった。
聞けば数日前から、マイナらしからぬ行動が増えていたらしい。
夢は一度に全てを見せるわけではない。徐々に紐が解けるかのように記憶が蘇ってくる。
「隠さなくていい。前世で起こったことは、決してマイナのせいではない。マイナが今、生きているこの世界では、何も起こっていない。何も、だ」
そう言って父に力強く抱きしめられ、マイナはわんわん泣いた。
泣いたことでようやく心が落ち着き、シャンタルの元へ行きたいとマイナは願った。
惨劇の記憶を封印するための二度目の対価は、三歳のときに発現したマイナの第六感であった。
シャンタルが、それが一番負担が少ないだろうと言ったからだ。
強く術をかけられ、思った以上に鈍くなってしまったが、そのぐらいは父の元にいれば問題なかった。
しかし、いつ惨劇を再び思い出すのか、第六感という曖昧な対価による期間までは誰にもわからなかった。
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揺られている感覚に目を開けると、すぐ近くにヨアンの顔があった。
横抱きにされ、セラフィーナで運ばれているようだ。
「ヨアン……」
「お嬢、前回よりはずいぶん顔色がいいですよ」
「そう? よかった。夜明けまでには間に合いそう?」
マイナの問いに、ヨアンが頷く。
セラフィーナは静かに、だが確実に歩を進めていた。
ヴィヴィアン殿下とレイを救うためにシャンタルの元を訪れ、解毒薬を手に入れたところまではしっかりと思い出せる。
一回目も二回目も、シャンタルのことは思い出せなかった。
それを考えれば、今回欠けた記憶は最小限なのだろう。
追随する記憶や、その周辺ごとごっそり取られてしまうのは仕方がないと思っていたのだが。
(よかった。これなら目的を見失わずに済むわ)
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