砂漠のダンサー

とりひこ

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第1章 ジナ

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1-1 神話

♪昔々 そのまた昔 
♪人は 地球の王 だった 

♪動物 植物 犠牲にして 
♪逆さまになる ピラミッド 

♪母なる大地が枯れる頃 
♪光速の矢が 貫いて 
♪人は 力を 失った 

♪僅かな恵みを 求めては 
♪日月またいで 東奔西走 

♪踊り続ける 砂漠のダンサー 
♪踊り続ける 砂漠のダンサー


1-1、問い

「…これは、知っての通り、オアシス神話にある歌だ。 

『光速の矢で貫く』とは、遺伝子変化の早さを表すのだろう。
我々は早く大人になり、早く死ぬようになったとか。

人は生まれてすぐ歩き、10才で結婚。30才を越えれば老人。
昔は60を越えて老人になったらしいがな。

半分に縮んだらしい。
 太陽が膨張をして暑くなったからか、
地球自体の自転が早まったかは知らない。

 『頭を失った』は、
環境を無視した人間の暴走を言うのだろう。 

自然の力が自身の力を遥かに凌駕する時、精神は、屈服か、親和するに、落ち着く。 

ジナよ。

 戦いの果てに、世界は失われたのだ。 

そうと知っても、お前は行くのか。 
この廃村だって、充分生きてけるじゃないか」

 白髪混じりの男・アーマナが、小屋の入り口で、訊ねる。 

武器倉庫らしい小屋の中には男が居た。 
ジナと呼ばれた彼は答えず、武装を続ける。

13才になったジナは、中肉中背であるものの、よく筋肉がついている。

 この時代で言えば、立派な青年だ。 
麻の長袖の上から鎧を着け、 ボサボサの髪を、半球の金具の兜で固める。 

まだ何ごとか言うアーマナに、ジナは振り返る。

 「皆を頼んだぜ」 

アーマナを避けて、ジナは小屋を出た。

外に似たよう格好の男達が出迎えると、
そのまま全員で村を出ていく。

夕闇が迫っていたー。



1-2、潜伏


エデン-。 

砂漠の真ん中に存在する、巨大な泉を中心とした、オアシス。 

古来から、ここを奪おうと多くの戦が起きた。 

その度に、そこに住む屈強のエデン族が、土地を守ってきたのだ。 

しかし、ある夜。
遂にエデンは奪われた。

奪ったのは化け物だった。

彼らは素早く、空を飛んだ。 

赤い光線を出し、人々に火傷を負わせた。 

目撃証言は「犬」、「子供」、「丸かった」等、バラバラ。 
しかし、真っ黒であったのは一致した。 

負けたエデン族は、命からがら近くの廃村に辿り着く。 

幸い、まだ新しく、水や食料が残ってた。 
村人は、慌ただしく逃げ出したのだろう。 

何に襲われたかは、知る術もない-。 

精鋭10人の男達を従え、ジナはエデンへ向かう。

朝に奇襲をかけるために。 
これは夜襲われた教訓である。 

ジナは、敵は夜強く、朝弱い、夜行性動物と見た。 

「暗闇に紛れる性質なら、朝だと動きが緩慢か、休息してるだろう」

砂の下に潜り、蛇のように匍匐前進する。


 夜にエデンに着いたジナ達は、 入口付近の、罠用の穴に潜む。 

匂いを消すため、 泥や草汁を体に染み込ましてるため、 苦い空気が充満した。 

幸い、敵は気づいてない。 

しかし、活発に動き回っているようだ。

シュワー----。 
シュワーーーーー。 

移動音のような音が、横切ってゆく。

遠くで聞こえる、人間の高い裏声、低い裏声みたいな鳴き声。

 「ジュモモモモモ…」

 「ヘパ--------、ドゴバリン」
 
「………………ピンッ………………ピンッ」 

時おり、その声は一つになり、 大声になると、小さな地震が起きた。

 男達は、 不安と興奮でアレコレ話し合う。

 しかし、 今ここで何を言ってもしょうがない事が分かり、順次眠りについた。 


1-3、死角

朝方ー。 

家が密集する中央に、黒い球体が浮いていた。 

無音。 

ゆっくり近づくと、それは茶色い葉が生い茂るカカオモドキの木の上だった。

 止まってると思ったけど、実際は静かに回転している。 

「寝てるのかな…」 

そう見えた。

なら、攻撃は今だ。 

どうでるか分からなくても、動き回ってるより良い。 

先手必勝! 全員銃を構え、撃った。

 「ニーーーーーーーーーッ」 

耳障りな高音だった。

 しかし、昨夜の声を聞き、ジナ達は耳栓済である。 鳴き声に気を取られず、撃ちまくる。 

乱射。

 中央に核があるだろうから、そこを狙う。

飛び散るカケラは、 水滴のように、プワプワ浮かんでる。

 核に戻りたいけど、撃たれる衝撃で戻れず。 近づいて飛ばされるを繰り返しながら。

 「ぶち殺せ」 

男達が嬉々として撃つなか、ジナは違和感を覚える。 


勝って…いるのか?


浮いていた黒い塊が墜ちた。

駆け寄る男達。 

黒いジェル状の物体はアメーバーのように、蠢めいている。 
小さな黒い目玉のような球体が5つ、 筒状のモノが4本。 他に、人差し指ほどの、 赤い螺旋状の貝殻みたいなモノ。 

炎を出してた臓器か。 

…1つだけ?

 「ジ…ジ…」 セミの鳴き声のような、小さな声。 しかし、狙ってた核のようなモノはない。

 男達が塊を取り囲み、調べる。


 一瞬、鋭い殺気を感じたジナは鳥肌を立てた。 弾き飛ぶように、その場から離れた。

「散れっ!散れーーー!!」 

ジナの声に反応できたのは、二人。

 残り8人は、動いた瞬間に炎の矢に心臓を貫かれた。 

火達磨になる男達を、仲間が助ける。
炎は、グミの木から発せられた。 

木の葉の中で、何かが動く。

(「黒」は、おびき寄せめるための、エサだったか…クソッ!) 

「出てこい!卑怯者」

 ジナが怒声を発すると、笑い声が聞こえた。 耳ではなく、頭の中に。 

そして葉の中から、男が飛び降り、現れた。 


1-4、戦闘


肌の白い、長身の痩男。 

黒と茶の数珠の首飾り。
ピアス、腕輪。

装飾の数、おびただしい。

ズボンの上から、
豪華な唐草模様の布を巻く。 

目は細長い。



どこぞの貴族のような出で立ちは、
背の低い褐色の肌のジナ達とは正反対だ。 

火のついた仲間を助けるため、無傷の者は村の中央の泉へ向かう。 

ジナは一人で、この異形の男と向いあった。 

白い悪魔。

涼しい顔は、無言で笑い、首を回してる。


火を出す力。テレパシー。 
それが、奴の力なら…。
ジナは敗北がちらついた。 

(だが…、いや、考えてはいけない。 読まれる) ジナは覚悟を決めた。 

雄叫びを上げ、ジナは白男に殴りかかった。 だが、

「ヒラリ」。 白男は跳んでかわした。 

白男の足を掴んだジナは、振り回し投げ飛ばす。
 
民家に激突する白男を、ジナは、休ませない。 寝てる白男の腹に、全体重をかけた膝落とし。 

馬乗りになり、顔面を連続殴打。 
腰のナイフを出し、男の右の首すじを走る血管「大動脈」を、渾身の力を込め切断。 

真っ赤な血が吹き出す。

その勢いでジナはのけ反った。 
急いで離れるジナ。 


白男は動かない。 


血は止めどなく流れていき、
砂漠を染めていく。
 白い肌に赤い血のコントラスト。

その美しさも、     
白男が動かないのも、 
ジナには不気味だった。

 ジナは唾を呑み込むと、近づこうとして、気付いた。 (………「罠」だ!)

 《ソノトウリ》

 頭の中で声がした瞬間、ジナの体は縛られた。 


イバラの蔓草。

草というには頑強すぎる、強度だった。
 おまけに大きなトゲが密集し、ジナの体に食い込む。 苦痛の叫びをあげる、トゲはジナの血液を吸いとっている。 

ジナは振り払おうとしても、ビクともしない。 動くほどに絡み付くようだった。 



次第に、血まみれの白男が、ゆっくり起き上がった。 

《タイシタ シュンパツリョク ダナ。 サスガ エデンノセンシ。》 

異国の人間の、カタコトのアラビア語。 

《オレハ 「ラート」ト イウ。
 ドウブツヲタベル ショクブツ ツカイ デネ。 ソノ クロノカタマリ モ、 オレガ アヤツッテタノサ。 ソウソウ、 イズミ ニ ムカッタ 、 キミのナカマハ 、コノ イバラデ、 ゼンイン コロシタヨ》 

ジナの体から、幾筋の赤い血。意識が消えかかる。 立ったままイバラに覆われ、死に行くジナに、ラートは近付く。 

《ツカイ トイウカ、キョウセイ ダナ。 
オレガ シニカケレバ、 コウシテ タスケテクレルンダ》  

   


(仲間と俺の血を、コイツに…) 

ジナは、もう目もあけてられな位だった。 


《キミ ハ ユウカン ダッタ》 


(ほ…ざくな…。クソ野郎…) 


《オレハ キミヲ タタエルヨ》


 頭も上げてられないジナが、視線だけでラートを見上げた。 暑すぎる太陽を背に、影になってるラートの慈悲深い目。 

さっきの言葉に嘘はないのだろう。

 ジナはそれを見て…、笑った。

突然大口を開くと、ジナはラートの首に噛みついた。

不意の出来事に驚いたラートは、振り払う。 ジナはラートの僅かな肉片を食べ、呑み込む。

そうしてジナはガックリと頭を垂れて、
動かなくなった。


ラートは、今のは最後の反抗だろうと考えた。 ジナに絡み付いていたオオイバラは、そろそろとラートに近づき、傷口に触れた。

 木陰に腰をかけ、回復を待つ。
しかし、オオイバラは戸惑ってるようである。回復の治療をしないのだ。

 他のイバラも、ジナを振り解くと、そろそろとラートに近付く。 

様子がおかしい。


怪しんだラートが、立ち上がと、オオイバラは、全てラートに襲いかかった。

イバラはラートの体に深く食い込み、養分を吸いとった。 
ラートは訳がわからず、もがく。 そして、ジナの最後の行為を思い出した。    


《アイツガ、オレヲタベタカラ。
イバラ タチガ、オレヲ ヨウブン ダト オモッテ…!? 

アイツ、シッテイタノカ、 ソノ ショクセイヲ…。 

マサカ。 

カケニ デタンダ。 

タスカラナイト オモッテ。

オレマデ マキゾイニデキルカモ ト。

 …チクショウ!!》 


怒りの中、ラートも死んでいった。


そのあとオオイバラは、黒い塊の死骸も食べる。

巨大な複数の蛇のように、紫の茎とトゲを持つオオイバラ。 

本来は単独生物で、蛇のように巻き付き、タガメのように養分を吸いとる。 

何でも食べる、恐るべき肉食植物。 

うねうねと動き、入り口へ向かう、オオイバラ。 



そこで、オオイバラは、奇妙な変化を遂げた。



1-5、おとぎ話


エデンの夜ー。 


「ジイジ、お父さんの話を聴かせて」

 「モークシャ、それはもう100回聞いただろう」

 「暗唱できるじゃん!」 

「僕は聞きたいの!あと一回だけ」

 モークシャは、駄々をこねると、 隣の女の子・スワーが、突っ込む。 

「その、あと1回!もう100回目」 


老人と子供達が、どっと笑った。


大人達は、後片付けや、明日の農作業の準備に追われてる。 

皆で夕食を食べた後、子供達とアーマナはよく話をした。 

ジナが出るとき、語りかけた初老のアーマナは、今や白髪の杖を持つ老人になっていた。 

夜は、子供達が、今日は何して遊んだかを話したり、
最長老であるアーマナは、 村の話や神話を聞かせるのである。

 砂の上にゴザを敷いて、焚き火を囲み、冷える砂漠の夜を、こうして楽しむ。

 アーマナは、ジナの息子・モークシャの言う通り、ジナの戦いを話した。 

「…このエデンを悪魔に奪われたとき、村の戦士ジナ達が立ち向かった。 
悪魔は強く、戦士達は死に、
ジナは一人で戦った。

 悪魔の武器、 〈ムラサキオオイバラ〉が、ジナの胸を貫いたとき、遂に倒れてしまう。

 動物食の〈ムラサキオオイバラ〉は、血や体液を養分とする。

ジナの養分を吸収すると、ジナを殺してしまった。 しかしジナの、自分を犠牲にしても村を守ろうとする誠実な血が、動物食のムラサキオオイバラに入ると、
突然金に輝いた。 


〈ムラサキオオイバラ〉は、
〈キンノオオイバラ〉に変わったのだ。 

そうして悪魔を倒してしまった。



それ以来、〈キンノオオイバラ〉は、エデンの外壁を取り囲み、敵の侵入を防いでおる。 


〈キンノオオイバラ〉は、
普段は僅かな水と日光しか摂らないのに、敵が来ると自ら動き、攻撃し、我々に教えてくれる。

トゲには、強力な毒があり、それを抽出しても武器になる。 

その木は、我等には従順であり、壁の内側にトゲはない。 優秀な木材で、家にも、家具にも、農具にもなる。 

彼は〈キンノオオイバラ〉に生まれかわったのだ。 永遠に村人を守り続ける為に 。

 子供達よ、わかるね。
 誠に人を愛し、守る者は英雄である。

 例え肉体が滅んでも、彼の行為から生れた功績は永遠に生きるのだ、と。」 


砂漠の夜空は、冷たく澄んでいた。

空の星と、金のイバラに包まれた、豊穣の園エデン。 

村人は、今日も幸せに眠るのだった。



 第1章 終わり
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