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第一章 病弱皇女と血のつながった他人
病弱たる皇女は痛みが分からない
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「……っ」
「……術院長。遠慮なくおっしゃってください」
エマが連れて来た光精霊術師は術師の中の術師と呼ばれ、病院と同じ役割をしている精霊術院の院長たるフェルマだった。国から憎まれているアリスティアの診察をする人間はおらず、それを知っているアリスティアは病弱であるのにも関わらず、術師を態々呼ぶこともない。その為、呼ぶときには必ず術院の最高責任者であるフェルマが来る。因みにアリスティアが術師を呼ぶのは実に5年ぶりである。
そんなフェルマがアリスティアの診察をした後、口に何かが詰まったように、何度も何度も唇を開いたり閉じたりした後、言いにくそうに噛み締めながら震える声でそれを言う。
「っ精霊の悪戯、に、ございます」
「あぁっ!!なんてこと……っ」
スピリトゥスマルム。精霊の悪戯と呼ばれるこの病は治療法もなく精霊の力を借りることもできない不治の病である。
この病を発病する年齢は様々だが、発病してからきっかり5年で命を落とす。初めに咳、次に吐血し、吐血の間隔は日が経つにつれ短くなり、毎日吐血するようになった頃肌にひび割れが起こる。そして、最終的に心臓大の精霊石を残し、塵となってスピリトゥスマルム患者は消える。
この病は特大の精霊石を残し発病者が亡くなることから精霊の気まぐれで精霊石の種を埋め込んだのが原因とされ、精霊の悪戯、スピリトゥスマルムと呼ばれている。
因みにこの病は常に体中が痛み、時が経る毎に心臓の痛みも増す為、その痛みに耐えられなくなった者が多く、5年を経たずに自死する者が殆どである。
そのこともありこの病の資料は非常に少なく、その研究も進んではいない。単純に発病者が約50年に一人くらいしかいないのもあるが。
アリスティアがフェルマからこの診断を聞いた時、一番最初に思ったことは「まぁそうだろうな」だった。三日前、吐血した段階で何となくスピリトゥスマルムだろうなとぼんやり思っていた。
不幸中の幸いなのが、日本人の有栖川雫ともう一人のアリスティアの最後の記憶を思い出したアリスティアは無意識に痛みに対して拒絶をしていることだ。つまり、アリスティアは無痛症に近い人間になっているのである。
「エマ……そんなに泣いてしまったら目が溶けてしまうわ。私なら大丈夫だから泣かないで」
ベットに腰掛けフェルマの診察を受けていたアリスティアは目の前で泣き崩れたエマに近付き膝をついてエマの顔を上げ目元を拭う。
「ティア様っ!!アリスティア様!!」
アリスティアの言葉を聞き、エマは先程よりも泣いてしまった。あら…逆効果だったかしらとアリスティアは思ったが、暫く泣き止まないだろうとあたりをつけ、エマの頭を撫でながら、何故かこちらを見て固まっているフェルマに意識を向ける。
「とりあえず、術院長。申し訳ないのですが、皇帝陛下にこのことを報告してくださいますか?エマがこの状態ですし、私自身が皇帝陛下に会うことは許されていないので……」
「っ御意に……」
言葉に詰まった後、フェルマは返事をし、アリスティアはフェルマが部屋から出るのをエマの背をさすりながらそれを見送る。
「エマ、大丈夫よ、私は大丈夫」
エマがこれ以上泣かないようにアリスティアは安心させるようにエマを慰める。事実アリスティアは他のスピリトゥスマルム患者とは違い、体や心臓に刺すような痛みはないため、本当に大丈夫なのだが、聞きようによっては自分自身に言い聞かせているようにも聞こえる。
「あぁっ、アリスティア様っ。申し訳ありません……!一番お辛いのはアリスティア様ですのに!私ばかりがっ!!本当に、本当に泣きたいのはティア様自身ですのに……!!もうし、わけございません!!」
あら、なんか思ってた反応と違うわ……。
アリスティアはエマの反応が若干思ってたのと違うことに首を傾げつつ、泣き崩れているエマを支えソファに座らせ、落ち着けるように何か温かい飲み物を飲ませようとエマに一言言って部屋を出る。出る直前、エマが慌ててアリスティアを引き留めようとしてきたが座っててとジェスチャーをする。
「無難にホットチョコレートがいいかしら……」
乙女ゲームが主軸のこの世界は日本人だった頃の世界の食材とあまり変わらない。チョコレートはあるし、チーズや小麦粉、野菜もあの世界と変わらない。まぁ、文化が違うからか、醬油、味噌、お米といった日本人にとって欠かせない物はないが。
牛乳を適量鍋に入れ、温める。牛乳が温まるまでにチョコレートを細かく刻む。包丁で切ってもいいが、洗い物が増えるのは何となく嫌なので、少し行儀が悪いが手で直接割る。チョコレートが割り終えると丁度牛乳が温め終わったため、一旦火を止め、細かく割ったチョコレートをざっと入れ、チョコレートが溶けるまで混ぜる。溶けたのを確認すると再度火にかけ、温める。程よく温めたホットチョコレートをコップの中に入れる。この時マシュマロがあれば浮かべるが、残念ながら今日はないのでこのままエマに出すことにする。
ちゃっかり自分の分のホットチョコレートを用意したアリスティアは2つのコップを持ち厨房から出る。
この間およそ5分ほど。
因みに皇女たるアリスティアが手慣れた手付きで料理ができるのはお察しである。
部屋に戻ると、先程よりもエマは落ち着いた様子で座っていた。相変わらず涙は止まっていないが。
「ティア様……」
「ただいま。とりあえず、ホットチョコレートを飲んで落ち着きましょう」
「……ホットチョコレート?」
「えぇ。チョコレートを牛乳に溶かした甘い飲み物よ」
「チョコレート!?そんな高価なものを……!!」
「ふふ、高価なものだからこそよ。特別な時のために買っておいたの。私の大切なエマが泣いてる時に使わないでどうするの」
「あ゛り゛か゛と゛う゛そ゛ん゛し゛ま゛す゛」
情緒不安定かしら……。
それもそのはず。自分の死を2度も経験し、かつその死を鮮明に覚えているアリスティアは些か自分の死を軽んじてるきらいがある。言っては何だが、自分の死をアリスティアは何とも思っていない。あ、私後5年で死ぬんだ、へぇーくらいしか思ってない。たち悪いのがアリスティアは無意識にそう思っているため、エマとの温度差が激しいのだ。
エマにとってアリスティアは自分の何物にも耐えがたい大切な大切な主人。その主人の人生が後5年もないなんて……情緒不安定にもなる。しょうがない。
「っ!?ティア様!このホットチョコレート?おいしゅうございます!!」
「良かった……」
ホットチョコレートの美味しさに目を輝かせるエマを見てアリスティアは優しく微笑む。その笑顔の裏でアリスティアは「え、うちの子(エマ)可愛すぎない??大丈夫??誘拐されない??え、むしろ私が誘拐するわ」と記憶を思い出す前のアリスティアだったら絶対に思わないことを微笑みながら思っていた。エマはアリスティアよりも少しだけ年上なのだがそれは気にしない。
日本人の記憶に影響され過ぎている。いい意味で。
ある程度落ち着いたところで、アリスティアはこれからのことについて話し始める。
「スピリトゥスマルムは知っての通り不治の病。皇帝陛下も流石にこればかりは『そうか』の一言だけではないと思うわ。恐らく近いうちに私は皇帝陛下に呼び出される。そこで私は皇位継承権の破棄を願い出るつもり」
「皇位継承の破棄!そ、そんなことをすればっ!!」
「そうね。国にとって利用価値が無くなった私はきっと皇宮から追い出されるでしょう。でも、この場所で死を待つよりかは良いわ。ねぇ、エマ。私精一杯生きるから、私と一緒に生きてくれるかしら?」
「勿論にございます!!」
「ありがとう……」
この数日後、アリスティアは皇帝に呼び出された。
_______________
本編には入らなかった用語説明
精霊石
日常の様々な所や道具に使われている精霊の力を宿した石。こちらも各属性や下位、中位、高位といった階級がある。
精霊石は限られた山で採掘される物が殆どだが、高位精霊の契約者が精霊の力を凝縮し生成された物もある。後者の場合その生成時間は凡そ半年。効率は頗る悪いが、精霊石を生成するのは高位精霊契約者の義務。
といっても、無理矢理休みなく生成させるわけでなく、一個生成したら半年休みと決められている。つまり、精霊石は一年に一個。ブラック、ダメ、ゼッタイ。
こそこそ話(不定期)
2話『病弱たる皇女は死を知っている』でアリスティアはいつものように咳をしていた。そして、精霊の悪戯の初期症状は咳。
さて、アリスティアは一体いつから精霊の悪戯を発病していたのか。
アリスティアは後どれくらい生きていられるのだろうか。
作者の一言(不定期)
ホットチョコレートは料理!!異論は認めない。
「……術院長。遠慮なくおっしゃってください」
エマが連れて来た光精霊術師は術師の中の術師と呼ばれ、病院と同じ役割をしている精霊術院の院長たるフェルマだった。国から憎まれているアリスティアの診察をする人間はおらず、それを知っているアリスティアは病弱であるのにも関わらず、術師を態々呼ぶこともない。その為、呼ぶときには必ず術院の最高責任者であるフェルマが来る。因みにアリスティアが術師を呼ぶのは実に5年ぶりである。
そんなフェルマがアリスティアの診察をした後、口に何かが詰まったように、何度も何度も唇を開いたり閉じたりした後、言いにくそうに噛み締めながら震える声でそれを言う。
「っ精霊の悪戯、に、ございます」
「あぁっ!!なんてこと……っ」
スピリトゥスマルム。精霊の悪戯と呼ばれるこの病は治療法もなく精霊の力を借りることもできない不治の病である。
この病を発病する年齢は様々だが、発病してからきっかり5年で命を落とす。初めに咳、次に吐血し、吐血の間隔は日が経つにつれ短くなり、毎日吐血するようになった頃肌にひび割れが起こる。そして、最終的に心臓大の精霊石を残し、塵となってスピリトゥスマルム患者は消える。
この病は特大の精霊石を残し発病者が亡くなることから精霊の気まぐれで精霊石の種を埋め込んだのが原因とされ、精霊の悪戯、スピリトゥスマルムと呼ばれている。
因みにこの病は常に体中が痛み、時が経る毎に心臓の痛みも増す為、その痛みに耐えられなくなった者が多く、5年を経たずに自死する者が殆どである。
そのこともありこの病の資料は非常に少なく、その研究も進んではいない。単純に発病者が約50年に一人くらいしかいないのもあるが。
アリスティアがフェルマからこの診断を聞いた時、一番最初に思ったことは「まぁそうだろうな」だった。三日前、吐血した段階で何となくスピリトゥスマルムだろうなとぼんやり思っていた。
不幸中の幸いなのが、日本人の有栖川雫ともう一人のアリスティアの最後の記憶を思い出したアリスティアは無意識に痛みに対して拒絶をしていることだ。つまり、アリスティアは無痛症に近い人間になっているのである。
「エマ……そんなに泣いてしまったら目が溶けてしまうわ。私なら大丈夫だから泣かないで」
ベットに腰掛けフェルマの診察を受けていたアリスティアは目の前で泣き崩れたエマに近付き膝をついてエマの顔を上げ目元を拭う。
「ティア様っ!!アリスティア様!!」
アリスティアの言葉を聞き、エマは先程よりも泣いてしまった。あら…逆効果だったかしらとアリスティアは思ったが、暫く泣き止まないだろうとあたりをつけ、エマの頭を撫でながら、何故かこちらを見て固まっているフェルマに意識を向ける。
「とりあえず、術院長。申し訳ないのですが、皇帝陛下にこのことを報告してくださいますか?エマがこの状態ですし、私自身が皇帝陛下に会うことは許されていないので……」
「っ御意に……」
言葉に詰まった後、フェルマは返事をし、アリスティアはフェルマが部屋から出るのをエマの背をさすりながらそれを見送る。
「エマ、大丈夫よ、私は大丈夫」
エマがこれ以上泣かないようにアリスティアは安心させるようにエマを慰める。事実アリスティアは他のスピリトゥスマルム患者とは違い、体や心臓に刺すような痛みはないため、本当に大丈夫なのだが、聞きようによっては自分自身に言い聞かせているようにも聞こえる。
「あぁっ、アリスティア様っ。申し訳ありません……!一番お辛いのはアリスティア様ですのに!私ばかりがっ!!本当に、本当に泣きたいのはティア様自身ですのに……!!もうし、わけございません!!」
あら、なんか思ってた反応と違うわ……。
アリスティアはエマの反応が若干思ってたのと違うことに首を傾げつつ、泣き崩れているエマを支えソファに座らせ、落ち着けるように何か温かい飲み物を飲ませようとエマに一言言って部屋を出る。出る直前、エマが慌ててアリスティアを引き留めようとしてきたが座っててとジェスチャーをする。
「無難にホットチョコレートがいいかしら……」
乙女ゲームが主軸のこの世界は日本人だった頃の世界の食材とあまり変わらない。チョコレートはあるし、チーズや小麦粉、野菜もあの世界と変わらない。まぁ、文化が違うからか、醬油、味噌、お米といった日本人にとって欠かせない物はないが。
牛乳を適量鍋に入れ、温める。牛乳が温まるまでにチョコレートを細かく刻む。包丁で切ってもいいが、洗い物が増えるのは何となく嫌なので、少し行儀が悪いが手で直接割る。チョコレートが割り終えると丁度牛乳が温め終わったため、一旦火を止め、細かく割ったチョコレートをざっと入れ、チョコレートが溶けるまで混ぜる。溶けたのを確認すると再度火にかけ、温める。程よく温めたホットチョコレートをコップの中に入れる。この時マシュマロがあれば浮かべるが、残念ながら今日はないのでこのままエマに出すことにする。
ちゃっかり自分の分のホットチョコレートを用意したアリスティアは2つのコップを持ち厨房から出る。
この間およそ5分ほど。
因みに皇女たるアリスティアが手慣れた手付きで料理ができるのはお察しである。
部屋に戻ると、先程よりもエマは落ち着いた様子で座っていた。相変わらず涙は止まっていないが。
「ティア様……」
「ただいま。とりあえず、ホットチョコレートを飲んで落ち着きましょう」
「……ホットチョコレート?」
「えぇ。チョコレートを牛乳に溶かした甘い飲み物よ」
「チョコレート!?そんな高価なものを……!!」
「ふふ、高価なものだからこそよ。特別な時のために買っておいたの。私の大切なエマが泣いてる時に使わないでどうするの」
「あ゛り゛か゛と゛う゛そ゛ん゛し゛ま゛す゛」
情緒不安定かしら……。
それもそのはず。自分の死を2度も経験し、かつその死を鮮明に覚えているアリスティアは些か自分の死を軽んじてるきらいがある。言っては何だが、自分の死をアリスティアは何とも思っていない。あ、私後5年で死ぬんだ、へぇーくらいしか思ってない。たち悪いのがアリスティアは無意識にそう思っているため、エマとの温度差が激しいのだ。
エマにとってアリスティアは自分の何物にも耐えがたい大切な大切な主人。その主人の人生が後5年もないなんて……情緒不安定にもなる。しょうがない。
「っ!?ティア様!このホットチョコレート?おいしゅうございます!!」
「良かった……」
ホットチョコレートの美味しさに目を輝かせるエマを見てアリスティアは優しく微笑む。その笑顔の裏でアリスティアは「え、うちの子(エマ)可愛すぎない??大丈夫??誘拐されない??え、むしろ私が誘拐するわ」と記憶を思い出す前のアリスティアだったら絶対に思わないことを微笑みながら思っていた。エマはアリスティアよりも少しだけ年上なのだがそれは気にしない。
日本人の記憶に影響され過ぎている。いい意味で。
ある程度落ち着いたところで、アリスティアはこれからのことについて話し始める。
「スピリトゥスマルムは知っての通り不治の病。皇帝陛下も流石にこればかりは『そうか』の一言だけではないと思うわ。恐らく近いうちに私は皇帝陛下に呼び出される。そこで私は皇位継承権の破棄を願い出るつもり」
「皇位継承の破棄!そ、そんなことをすればっ!!」
「そうね。国にとって利用価値が無くなった私はきっと皇宮から追い出されるでしょう。でも、この場所で死を待つよりかは良いわ。ねぇ、エマ。私精一杯生きるから、私と一緒に生きてくれるかしら?」
「勿論にございます!!」
「ありがとう……」
この数日後、アリスティアは皇帝に呼び出された。
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本編には入らなかった用語説明
精霊石
日常の様々な所や道具に使われている精霊の力を宿した石。こちらも各属性や下位、中位、高位といった階級がある。
精霊石は限られた山で採掘される物が殆どだが、高位精霊の契約者が精霊の力を凝縮し生成された物もある。後者の場合その生成時間は凡そ半年。効率は頗る悪いが、精霊石を生成するのは高位精霊契約者の義務。
といっても、無理矢理休みなく生成させるわけでなく、一個生成したら半年休みと決められている。つまり、精霊石は一年に一個。ブラック、ダメ、ゼッタイ。
こそこそ話(不定期)
2話『病弱たる皇女は死を知っている』でアリスティアはいつものように咳をしていた。そして、精霊の悪戯の初期症状は咳。
さて、アリスティアは一体いつから精霊の悪戯を発病していたのか。
アリスティアは後どれくらい生きていられるのだろうか。
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