上 下
28 / 61
花冠祭

28.路地裏

しおりを挟む
犬がかわいそうな目に遭う描写があります

///

 声はまだ絶え間なく響いてきていて、動物の鳴き声の他に、人の罵声ばせいのようなものが混ざり始める。
 それらが発せられている場所に着いたのは、直ぐだった。路地裏の、少しだけ入り組んだ場所。そこに、一匹の――亜麻色の犬と、その犬を蹴りつける男性が立っていた。

 男性はとにかく激昂しているようで、私とリュジがやってきたにもかかわらず、犬をゴムまりのように蹴りつけている。散々なぶられたのだろう、犬は僅かに高い声で鳴くと、その場でぐったりと体を横たえていた。
 ――と、とんでもない状況に出くわしてしまった。
 思わず口の中が乾く。体が緊張でこわばる。目の前の状況を上手く理解出来なくて、恐怖が忍び寄るように私の心をかたまらせるのがわかった。
 何を言うべきか、僅かに逡巡しゅんじゅんをした瞬間、私を守るようにリュジが私の前に立った。

「何をされているんですか?」

 静かな問いかけだった。男性はリュジの声に、ハッと意識を取り戻したように目を見開く。そうして、私とリュジを見つめた。

「……お嬢ちゃんにお坊ちゃん、どうしてこんなところへ?」

 値踏みするような目線だ。暴行の直後で興奮しているのか、目だけがらんらんと輝いている。
 少しだけ居心地の悪さを感じながら、「犬の声が聞こえたの」と、子どもっぽさを装って私は言葉を続ける。

「その犬、どうしたの? かわいそう……」
「この犬、この犬は……この犬……」

 男性は興奮をあらわにしたまま、僅かに首を振る。もしこちらが変なことでも言えば、直ぐにでも襲いかかってきそうな、そんな張り詰めた緊張感めいたものが、私たちと男性の間にあった。
 だが、男性は、犬にしているようなことを私たちにするつもりはなかったのだろう。何度も囁くように犬は、犬は、と続けた後、ゆっくりと呼吸をした。

「この犬は……おじちゃんが売っている花を、台無しにしたんだ。だからこうなっても仕方ないだろう? ほら、お母さん達が心配しているよ。帰りなさい」

 柔らかな声だったが、視線は犬から剥がれない。恐らく、私たちがいるから一瞬行動を止めただけであり、居なくなればまた、犬に対する暴力を再開するのだろうと思われた。
 恐らく、犬が、死ぬまで。
 犬が私を見る。――視線が合った、気がした。その目が如実に、助けてくれ、と訴えているように見えた。

 リュジが僅かに視線を逸らす。その視線を追うように見つめると、犬の傍に――先ほど見た、エトルリリーが数本、落ちているのが見えた。店先にあったものは華やかに花弁を広げていたが、落ちているものは、暴力によってか、それとも何かしらの要因によってか、萎れて、花びらが路地裏に点々と落ちている。

「それとも、なにかな。もしかしてこの犬はお嬢ちゃん達の飼い犬なのかな?」
「――いえ、違います」

 リュジが間髪入れずに否定をする。「エトルリリーを、盗まれたんですか?」と、リュジは言葉を続けた。

「そうだよ。エトルリリーを、こんな――こんなに! これはもう売り物にならない! 高かったんだ、高いんだよ、エトルリリーは! こんな犬、こんな犬に盗まれて――!」
「エトルリリーを、犬が……」

 リュジは少し考え込むような仕草をする。地面に散らばったエトルリリーの本数は、確かに多い。恐らく飾ってある花瓶ごと、犬に取られたのだろう。
 どうして犬がそんなことをしたのかは、ともかくとして。
 ――落ちているエトルリリーを見つめる。十本以下だ。店主は、これらが犬によって奪われ、しかもぞんざいに扱われて売り物にならなくなったから、怒っている。

 それなら、状況を収めるのは、たやすい。

「おじさま、萎れているエトルリリーが元に戻ったら、犬のこと、もういじめないでくれる?」
「……あ、ァ? どういうことだい?」
「おい、メル」

 リュジが僅かに怒ったように声を上げる。例えば、賠償出来る金額を持っていたら、お金を払っていただろう。けれど、私の手元には、エトルリリーを一本買ったらそれでもう、どうしようもない程度の金額しかないのだ。落ちているものを全て買取り、店主の機嫌を取って、苦しめられている犬を助ける――だなんて大団円は、演じることが出来ない。

 私は花びらが抜け落ち、茎が折れてしまったエトルリリーを拾う。その姿を、男性と――そして倒れ伏した犬が、じっと見つめてくるのがわかった。
 いつものようにやるだけだ。問題無い。私は小さく息を吐いて、ゆっくりとエトルリリーに魔力を注ぎ込む。癒術の、開始だ。

 折れてしまった場所は修復して、元気の無い場所には魔力を流し込む。少しずつ少しずつ、怪我した部分を補完するように、ゆっくりと。花の生命力が解れた部分は指先で直し、穴が空いてしまった部分には埋め込むように魔力を流す。そうすると、エトルリリーは少しずつ、咲き誇り始める。

 癒術を使うとき独特の光が、じんわりと手の平から零れていく。それを逃さないように、一つ一つ丁寧に修復をしてから、私は小さく息を吐いた。
 男性に、完全に修復したエトルリリーを手渡す。男性はエトルリリーを、まるで幻影か何かを見つめるような目で見つめていた。

「これで良い?」
「――あ、――ああ、これなら売り物になる。全然問題無い」
「もう犬のこと、いじめない?」
「もちろん! 君たちの方で好きにするといい」

 出会ったばかりの獰猛さは消え失せ、男性は私からエトルリリーを奪うように取ると、そのまま走り去っていく。リュジが「メル」と、少しだけ怒ったような声を上げた。

「癒術士としての力を軽々に使うなよ」
「でも、必要だったよ。お金も無かったし」
「……確かに、足りなかったけど。花冠祭の時期は暴力が禁止されているとか、皇帝のお膝元で、しかも建国を祝う祭が近いのに動物を殺そうとするだなんて騎士団に捕まるだとか、そういうのをでっち上げて言えば良かったんだ。疲れるのに、癒術をする必要は無かった」

 言い方は大変つんけんとしているけれど、私のことを心配してくれていたのは確かなのだろう。少しだけ笑って、私はリュジのことをぎゅうっと抱きしめる。最高、見てくれ、私の推しを! という気持ちを込めてぎゅうぎゅうと抱きついてから、ゆっくりと体を離す。
 リュジは呆けた顔をしていたが、すぐに眦を赤くさせると「メル。外!」と怒ったような声を上げる。

「ごめん。でも嬉しくて。リュジが私のことを心配してくれたのが! ありがとう!」

 ここで沢山のお説教を聞くことは出来るが、流石にその時間は無い。私は推しを堪能する時間を直ぐに済ませて、即座に犬の傍に駆け寄る。
 人間による攻撃で傷を負った犬だから、近づいたら少し嫌がられたりするだろうかと思ったが、どうにも大人しい。もしかしたら、反応する気力すらも無いのかもしれない。
 いくつか傷口があるのが見られた。――まだ、魔力は残っている。父母の魔力を受け継いだ私の中には、有り余るほどのそれが存在するのだ。

 だから、治せる。――けれど。今まで花ばかりで練習してきた手前、急に生き物を治す、となるとどうしても緊張してしまう。父母からの魔力を受け継ぐ前は、普通に出来ていたことなのに、それでも、だ。
 喉が震える。――今までは出来ていた。魔力が増えてから、沢山、練習をした。目の前には、傷を負った犬が居る。
 することは一つだった。

 そっと指先をかざす。リュジが「メル?」と私の名前を呼んだ。そっと視線を向けると、彼は直ぐに私の傍に座り込む。先ほどの少しだけ怒ったような感情はどこかへ消え、今は気遣わしげな感情が瞳に滲んでいる。

「……大丈夫なのか?」
「わ、わからない……けど、治さなきゃ。お願い、傍に居てくれる?」
「言われなくとも、メルの傍には居るつもりだった。……俺は癒術には詳しくないけど、何かあったら、メルのこと、絶対に守るから」

 リュジが私の背にそっと触れてくる。私は頷いて、自分の手の平と、犬に集中をした。
 怪我を負った場所が、へこみやほつれとして、私の視界に現れる。それら一つ一つを丁寧に補修していく作業。簡単だ――大丈夫、出来る。花でも沢山やったことだった。

 魔力を注ぎ込んで、生命力を活発化させる。犬の体の中に、黒いもやがあった。これは病気のしるし。大丈夫、父母から取り除く方法は聞いている。――知っている。
 癒術はまるで裁縫に似ているのだと、思ったことがある。相手の体の中の生命力、魔力、様々な生きるために動くものたち。それらは線のようで、私はそれを補修するためだけに魔力を注ぎ、修復し、ほつれを結ぶだけなのだ。

 幸いというべきか、犬には重篤じゅうとくな怪我は無かった様子だった。少しだけ多く出し過ぎた癒術の光に、捕まえた黒いもやを流し込んで手の平の中でぽん、と破裂させる。これで問題無く、施術せじゅつは終わった。

 小さく息を吐く。終わったよ、と口にすると、犬は私の方を見つめた。まるで言葉がわかっているかのような、様子だった。
 犬は私の様子をじっと見つめた後、軽く感謝でも述べるように小さく鳴いて、手の平を舐めてきた。少しだけくすぐったい。

「もうエトルリリーを盗んじゃ駄目だよ。あれは高価だから、もう……本当に、大変なことになるんだからね!」

 軽くいさめるように言葉を口にすると、犬はもう一度わん、と鳴く。だが、ちらちらとその目がエトルリリーの散らばった花弁を見つめているのが見えた。どうしてこんなにエトルリリーに執着するのだろうか。
 落ちていた花弁を拾い上げる。少しだけしなびたそれに、癒術の光を僅かに注ぎ込むと、直ぐに見違えたように花弁にみずみずしさが蘇った。

「これが欲しいの?」

 犬が鳴く。ぐるぐるとその場で回り始めた。

「……花弁かぁ……」
「メル、犬にエトルリリーは毒なんだ」
「えっ。そ、そうなの?」
「そう――茎を口にくわえるだけでも、徐々に犬の命を奪っていく。花弁なんてもってのほか、犬が触れるだけでも死に至ることもあるくらいで」

 そんなに危ないものなら、流石に渡すわけにはいかない。そもそも、口にくわえるだけでも命を盗むものなのに、どうしてここまで運べたのだろうか。思わずおののいていると、犬が小さく呻くようにリュジに対して吠えだす。完全にリュジを敵認定したかのような声音だった。

「……とにかく、エトルリリーは犬には渡せない」
「そ、そうなんだ。ごめんね。これは君には危ないんだって」

 落ちていたエトルリリーの花弁を拾い集める。犬が間違って拾ったらとんでもないことになってしまうから――という理由での行動だったのだが、犬からしたら取ってきた獲物を私が奪うように見えたのだろう。きゅんきゅんと喉を鳴らすように高い声で鳴き、犬は私の衣服を引っ張った。

「ちょ、ちょっと、ごめん、本当に駄目なんだよ……」

 そこまでして、どうしてエトルリリーに執着するのだろうか。だがここで渡したら、犬に待っているのは死のみである。流石に譲歩は出来ない。
 犬と私でほとんど引っ張り合いっこのようなことをしていると、リュジが僅かに息を吐いて、「……メル、ハンカチ、あるか?」とだけ口にした。

 もちろんある。「持って来てるよ」と言うと、「貸してくれ」と直ぐに続けられた。
 花弁を持っていない手で、ハンカチを取りだして渡す。リュジは小さく息を零すと、軽く手を振った。瞬間、杖が現れる。

「えっ、すごい」
「収納魔法の一環だから、便利だし覚えておくと良い」
「今度教えて……」

 リュジが小さく笑いながら、杖を振る。柔らかな金色の光が杖の先端に灯った。それを、リュジはハンカチにこするようにしてつける。瞬間、ハンカチが波打つように震え、すぐにそれが治まった。

「ハンカチに防護膜を施した」
「ぼ、防護膜……って……?」
「包んだものの香りや、特性を、外に出さないようにしたんだ」

 言いながらリュジはハンカチを広げる。花びらをここに、と言うので、私は拾っていた花びらをハンカチに置いた。リュジがそれをくるくると巻く。そうして、犬の傍に座り、前足の部分に器用に結びつけるのが見えた。

 そうか、花弁に触れたら危ないわけだから、ハンカチ、しかも魔法のかけられたもので包んでおけば、犬にも問題無く花弁が運べる、ということである。

「これでいいだろ」
「すごいリュジ……惚れ直してしまう……」
「惚れ直すって。そもそも最初から惚れてもないくせに」
「惚れてるよ! 大好きだよ!」

 リュジは微かに眉根を寄せると、そうかよ、とだけ続ける。そうして犬の背を軽く撫でると、「もう二度と盗むなよ」とだけ続けた。
 犬が小さく鳴いて、鼻先をリュジの靴先にくっつける。まるで感謝を示すように、頭を垂れるかのような――そんな行為だった。

 犬はぐるぐると私とリュジの周囲を回ると、わん、と高らかに鳴いて、その場を走り去っていく。その背を眺めながら、私とリュジは一息ついた。

「大通りに戻ろう。それと、さっきの店主の店を探す」
「えっ。どうして」
「動物に暴力するような奴にエトルリリーは似合わないだろ?」

 つまりもう卸さない、ということだろうか。わあ。先ほどの男性店主のこれからに心中で合掌しながら、私はリュジと共に、大通りへ戻った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

目が覚めたら夫と子供がいました

青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。 1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。 「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」 「…あなた誰?」 16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。 シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。 そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。 なろう様でも同時掲載しています。

記憶を失くした代わりに攻略対象の婚約者だったことを思い出しました

冬野月子
恋愛
ある日目覚めると記憶をなくしていた伯爵令嬢のアレクシア。 家族の事も思い出せず、けれどアレクシアではない別の人物らしき記憶がうっすらと残っている。 過保護な弟と仲が悪かったはずの婚約者に大事にされながら、やがて戻った学園である少女と出会い、ここが前世で遊んでいた「乙女ゲーム」の世界だと思い出し、自分は攻略対象の婚約者でありながらゲームにはほとんど出てこないモブだと知る。 関係のないはずのゲームとの関わり、そして自身への疑問。 記憶と共に隠された真実とは——— ※小説家になろうでも投稿しています。

【完結】身を引いたつもりが逆効果でした

風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。 一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。 平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません! というか、婚約者にされそうです!

至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます

下菊みこと
恋愛
至って普通の女子高生でありながら事故に巻き込まれ(というか自分から首を突っ込み)転生した天宮めぐ。転生した先はよく知った大好きな恋愛小説の世界。でも主人公ではなくほぼ登場しない脇役姫に転生してしまった。姉姫は優しくて朗らかで誰からも愛されて、両親である国王、王妃に愛され貴公子達からもモテモテ。一方自分は妾の子で陰鬱で誰からも愛されておらず王位継承権もあってないに等しいお姫様になる予定。こんな待遇満足できるか!羨ましさこそあれど恨みはない姉姫さまを守りつつ、目指せ隣国の王太子ルート!小説家になろう様でも「主人公気質なわけでもなく恋愛フラグもなければ死亡フラグに満ち溢れているわけでもない至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます」というタイトルで掲載しています。

「あなたのことはもう忘れることにします。 探さないでください」〜 お飾りの妻だなんてまっぴらごめんです!

友坂 悠
恋愛
あなたのことはもう忘れることにします。 探さないでください。 そう置き手紙を残して妻セリーヌは姿を消した。 政略結婚で結ばれた公爵令嬢セリーヌと、公爵であるパトリック。 しかし婚姻の初夜で語られたのは「私は君を愛することができない」という夫パトリックの言葉。 それでも、いつかは穏やかな夫婦になれるとそう信じてきたのに。 よりにもよって妹マリアンネとの浮気現場を目撃してしまったセリーヌは。 泣き崩れ寝て転生前の記憶を夢に見た拍子に自分が生前日本人であったという意識が蘇り。 もう何もかも捨てて家出をする決意をするのです。 全てを捨てて家を出て、まったり自由に生きようと頑張るセリーヌ。 そんな彼女が新しい恋を見つけて幸せになるまでの物語。

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈 
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

当て馬の悪役令嬢に転生したけど、王子達の婚約破棄ルートから脱出できました。推しのモブに溺愛されて、自由気ままに暮らします。

可児 うさこ
恋愛
生前にやりこんだ乙女ゲームの悪役令嬢に転生した。しかも全ルートで王子達に婚約破棄されて処刑される、当て馬令嬢だった。王子達と遭遇しないためにイベントを回避して引きこもっていたが、ある日、王子達が結婚したと聞いた。「よっしゃ!さよなら、クソゲー!」私は家を出て、向かいに住む推しのモブに会いに行った。モブは私を溺愛してくれて、何でも願いを叶えてくれた。幸せな日々を過ごす中、姉が書いた攻略本を見つけてしまった。モブは最強の魔術師だったらしい。え、裏ルートなんてあったの?あと、なぜか王子達が押し寄せてくるんですけど!?

転生先が羞恥心的な意味で地獄なんだけどっ!!

高福あさひ
恋愛
とある日、自分が乙女ゲームの世界に転生したことを知ってしまったユーフェミア。そこは前世でハマっていたとはいえ、実際に生きるのにはとんでもなく痛々しい設定がモリモリな世界で羞恥心的な意味で地獄だった!!そんな世界で羞恥心さえ我慢すればモブとして平穏無事に生活できると思っていたのだけれど…?※カクヨム様、ムーンライトノベルズ様でも公開しています。不定期更新です。タイトル回収はだいぶ後半になると思います。前半はただのシリアスです。

処理中です...