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花冠祭
25.教義のことは聖職者に問え
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朝、侍女に、王都の教会へ向かうので、あまり華美な服装はしたくないこと、というか出来れば町娘が着る程度の服を着たいと伝える。侍女は驚いていたが、直ぐに承諾してくれた。
何かするんですか、なんて、少しだけ楽しげに問われた言葉に、同じく笑って返す。何かする、つもりではある。それが上手くいくかどうかは、別として。
町娘が着る程度の衣服については、以前ユリウスが渡してくれた衣類があったので、それを着用することになった。髪や目の色は、そこまで目立つ色でもないので、あまり手を加えずとも良いだろうとのことで、軽く結い上げる程度にしている。
タリオンおじさまには昨日の夜に、王都へ出かけることを伝えて、許可を得ていた。一緒に騎士を一人連れていってくれたら、問題無い――とのことである。
後は、危ない場所へ行かないこと、そして変な人にはついていかないこと。それだけを守ってくれたら良い、と言われたので、しっかりと約束をした。
ここから王都まで、馬車を飛ばしても数時間かかるから、朝の礼拝には間に合わないだろう。本来なら昨日の夜から馬車をかっ飛ばして行くべきだったかもしれないが、流石に夜道は危ないので止めた。事故になる可能性は一ミリたりとも残すわけにはいかない。
――ということで、朝から準備万端にして、馬車の止まっている表まで向かったわけ、なのだが。
「なんで居るの?」
「メルの考えそうなことくらい、わかる」
馬車には既にリュジが座っていた。以前、共に王都へ向かったときと同じ服装をしている。
リュジには、王都へ行くことを知らせてはいなかったはずである。そもそも教会には、リュジが苦手とするトゥーリッキ夫人がいるかもしれないのだ。そんな場所に、連れて行くわけにはいかない。だから、誘わなかったのだけれど。
リュジは僅かに眉根を寄せると、「そんなに俺が信頼出来ないのか?」と、険のこもった声を出す。
「メルが、一緒に手伝って欲しい、って言ったのに。それなのに、俺のことを置いて、どこへ行くつもりなんだよ。俺なんかには頼れないって?」
「そ、そういうことは思ってないよ。ただ、今から行く場所は……」
「――教会、だろ」
言葉を口ごもると、その先を告げるようにリュジが言葉を重ねた。面白くなさそうな顔をして、「化け物とは一緒に教会になんて行きたくない、わけ?」とだけ続ける。
な、なんだそれ。そんなこと思ってもいない。慌てて首を振る。
「ち、違うよ! そんなこと思ってない。ただ、リュジにとったら、辛いかもって……」
「どうして。別に、教会には何の思い入れもない。気遣いは不要だし、それに――」
リュジはちら、と私を見る。そうして、少しだけ言いにくそうに、「馬車、一人だと、寂しいだろ」とだけ続けた。
小さく息を飲む。――今までの馬車には、いつもリュジがついてきてくれていた。それに何の疑問も持たず、私は受け入れていたけれど、実際は――リュジが配慮してくれていた、のだろうか。
馬車で両親を亡くした私が、一人で馬車に乗ることが無いように。
喉が僅かにきゅうっと萎むような心地を覚える。正直に言えば、馬車は、少しだけ怖い。やはり事故に遭ったことが、鮮烈に記憶に焼き付いているから、だろう。
けれど、誰かと一緒なら、恐怖を紛らわせることが出来た。
「……リュジは優しいね。沢山甘えてばっかりだ、私」
「今更。……それに、そのくらいのこと、甘えだなんて、言わない」
リュジは微かに息を吐く。「ほら、行こう」と、彼は言葉を続けた。私は頷いて返す。向かいに座った彼が、私が腰を下ろすと同時に手を伸ばしてきた。優しく、指先が触れて、きゅうっと握り絞められる。
その温かさに、なんだか少しだけ泣きそうになる。――優しいばかりのリュジに、私は甘えてばかりだ。
いつ、この優しさに、報いることが出来るのだろう。
王都には昼頃に到着した。貴族御用達、少しだけ速めに到着する馬車であってもこの速度なのだから、平民の馬車であれば、更に時間がかかるものだろう。
馬車から降りて、王都の門をくぐる。中は大変な盛況ぶりだった。至る所に花が飾り付けられて、バルーンのようなものが空を飛んでいる。魔法で作られた美しい花びらが絶えず空を舞い、地面に落ちてはふっとかき消えるように消えていく。
「凄い……。ミュートス領とはまた、なんていうかまた違う……というか、盛大な盛り上がり方だね」
「皇帝のお膝元の街だぞ。ミュートス領とは、違うに決まってる」
花びらが舞い落ちてくる。それを一枚掴むと、僅かな時間をおいて、しゅわ、とほどけるように消えてしまった。リュジも同じように花びらを掴んで、消えていくそれを見つめている。
出来る限り、貴族であるということがバレないように潜入したいので、騎士には馬車夫の格好をして貰い、平民に溶け込むようにお願いをしてある。馬車を運転してきたのも、彼である。少し後ろを見ると、つかず離れずの距離に見知った顔を見つけることが出来た。視線が合うと、僅かに目礼を返される。私も同じように目礼をして、そうしてからゆっくりと足を動かし始めた。
教会は王城から少し離れた場所にあるようだった。エトルをまつる場所ということもあって、花冠祭の最中はここも人が多いようである。
雑多にひしめく人々の隙間を縫うように、庭園を歩き、中へ入る。
教会内部は、美しい形をしていた。向かって正面、遠くの上方にステンドグラスでいくつかの絵が象られていて、それがカーペットの上に美しい彩りを落としている。見たこともないくらい大きなピアノのような楽器があって、中央には像のようなものもあった。あれがエトル、なのだろう。
まるでそこに生きているかのように鎮座する像は、見ていると圧倒される。だが、少し親近感のようなものを感じるのは――その像が、まさしく、カイネと似ていたからに他ならないのだろう。
エトルの像と知らなければ、どうしてこんなに大きなカイネの像が教会に!? と思うくらい、そっくりである。
思わず小さく息を吐く。私の傍で、リュジがなんとも言えず、視線を下げるのが見えた。
カイネと比べられ続けてきたリュジにとって、教会はやはり、どうしようもなく辛い所なのだろう。震える指先が見える。たまらず、その指先に手を伸ばして、そっと握り絞めた。
リュジがはっとしたような顔をして、私を見る。そうして、直ぐに照れたように視線を逸らした。
「……なんだよ、急に」
「手を繋ぎたくなったの。ごめんね。良い?」
「嫌……って言っても、どうせ、離さないくせに」
確かに。小さく笑うと、リュジは首を振った。そうして、細く息を吐いて、「別に。好きにしたらいい」とだけ続けて、顔を上げた。
リュジの赤色の瞳が、じっと像を見つめる。彼は何かを振り払うように瞬きを数度して、「行こう」と言葉を続けた。
カーペットを踏みしめて、ゆっくりと歩き出す。朝の礼拝は終わっているだろうに、壇上をのぞむ椅子にはちらほらと人が座っているのが見えて、思い思いに祈ったり、話したりしているようだった。
その中に、一人――教典を持った男性を見つける。ゆったりとしたロープに似た衣類を身につけており、胸元にはエトルを示す星を象った紋章のネックレスをつけている。礼拝者に話しかけられている所を見るに、恐らくこの教会でも結構な偉い人なのではないだろうか。穏やかな顔つきに、老成した清廉な仕草。見るからに優しそうな人である。
――よし。決めた。
私はリュジの手を引いて、男性の元に向かう。ちょうど、男性の元から人が消えた瞬間を狙って、私は「はじめまして」とそっと声をかけた。
「おや。見ない顔……ですね。初めまして」
「私……あの。メルって言います。こんにちは」
少しだけつたなさを意識して、それだけ言葉を続ける。リュジがぎょっとしたような顔をしたのが見えたが、すぐに視界から外した。何をする気なのか、と赤色の瞳が問いかけてきていたような気がする。
男性はゆっくりと頷いて「私はユースと申します」と頭を下げた。
「ユースさま……」
「ユース、で結構ですよ。どうかされましたか?」
「あの。あのね……。相談したいことがあるの」
私は首を振る。そうして、私の行動を静観していたリュジの方をちら、と見つめた。目が合う。すぐに逸らして、もじもじと恥ずかしそうにすると、ユースは少しだけ目を瞬かせて、「秘密のお話ですか?」とだけ続ける。
私はこっくりと頷いて、「あのね……お耳を貸してほしいの」と続ける。
ユースはすぐに軽く膝を曲げ、私に耳を寄せた。その耳元に、私は口元を近づける。
「私……好きな人が居てね」
「おや。それは素敵ですね。エトル神も、お喜びになり、祝福されることでしょう」
「本当? でもね。お母さんが、好きな人、作っちゃ駄目よって言うの」
声を震わせる。うん――、良い感じだ。自分でも結構しっかりとした演技が出来ていると思う。
ユースは僅かに首を傾げて、私の言葉を待つ。私は躊躇いを置いてから、涙声を意識して出す。
「エトル様にも、好きな人が居ないのに、人間である貴方が好きな人を作ってはいけないでしょって言うの」
ユースはゆっくりと顔を上げた。そうして、「そんなことを……?」と、僅かに悲痛を帯びた声を出す。
私はこっくりと頷いて返す。リュジがさっきから何言ってるんだこいつ、と言いたげな顔で見てくるのが見えるが、これも作戦なので、あまり気にしないで欲しい。そう――。
「私、人を好きになったらいけないの……? エトル様が誰かを好きになったお話があったら、お母さんも、許してくれると思うの。おじさま、お願い、教えて」
名付けて、海のことは漁師に問え――ならぬ、教義のことは聖職者に問え作戦、でもある。
何かするんですか、なんて、少しだけ楽しげに問われた言葉に、同じく笑って返す。何かする、つもりではある。それが上手くいくかどうかは、別として。
町娘が着る程度の衣服については、以前ユリウスが渡してくれた衣類があったので、それを着用することになった。髪や目の色は、そこまで目立つ色でもないので、あまり手を加えずとも良いだろうとのことで、軽く結い上げる程度にしている。
タリオンおじさまには昨日の夜に、王都へ出かけることを伝えて、許可を得ていた。一緒に騎士を一人連れていってくれたら、問題無い――とのことである。
後は、危ない場所へ行かないこと、そして変な人にはついていかないこと。それだけを守ってくれたら良い、と言われたので、しっかりと約束をした。
ここから王都まで、馬車を飛ばしても数時間かかるから、朝の礼拝には間に合わないだろう。本来なら昨日の夜から馬車をかっ飛ばして行くべきだったかもしれないが、流石に夜道は危ないので止めた。事故になる可能性は一ミリたりとも残すわけにはいかない。
――ということで、朝から準備万端にして、馬車の止まっている表まで向かったわけ、なのだが。
「なんで居るの?」
「メルの考えそうなことくらい、わかる」
馬車には既にリュジが座っていた。以前、共に王都へ向かったときと同じ服装をしている。
リュジには、王都へ行くことを知らせてはいなかったはずである。そもそも教会には、リュジが苦手とするトゥーリッキ夫人がいるかもしれないのだ。そんな場所に、連れて行くわけにはいかない。だから、誘わなかったのだけれど。
リュジは僅かに眉根を寄せると、「そんなに俺が信頼出来ないのか?」と、険のこもった声を出す。
「メルが、一緒に手伝って欲しい、って言ったのに。それなのに、俺のことを置いて、どこへ行くつもりなんだよ。俺なんかには頼れないって?」
「そ、そういうことは思ってないよ。ただ、今から行く場所は……」
「――教会、だろ」
言葉を口ごもると、その先を告げるようにリュジが言葉を重ねた。面白くなさそうな顔をして、「化け物とは一緒に教会になんて行きたくない、わけ?」とだけ続ける。
な、なんだそれ。そんなこと思ってもいない。慌てて首を振る。
「ち、違うよ! そんなこと思ってない。ただ、リュジにとったら、辛いかもって……」
「どうして。別に、教会には何の思い入れもない。気遣いは不要だし、それに――」
リュジはちら、と私を見る。そうして、少しだけ言いにくそうに、「馬車、一人だと、寂しいだろ」とだけ続けた。
小さく息を飲む。――今までの馬車には、いつもリュジがついてきてくれていた。それに何の疑問も持たず、私は受け入れていたけれど、実際は――リュジが配慮してくれていた、のだろうか。
馬車で両親を亡くした私が、一人で馬車に乗ることが無いように。
喉が僅かにきゅうっと萎むような心地を覚える。正直に言えば、馬車は、少しだけ怖い。やはり事故に遭ったことが、鮮烈に記憶に焼き付いているから、だろう。
けれど、誰かと一緒なら、恐怖を紛らわせることが出来た。
「……リュジは優しいね。沢山甘えてばっかりだ、私」
「今更。……それに、そのくらいのこと、甘えだなんて、言わない」
リュジは微かに息を吐く。「ほら、行こう」と、彼は言葉を続けた。私は頷いて返す。向かいに座った彼が、私が腰を下ろすと同時に手を伸ばしてきた。優しく、指先が触れて、きゅうっと握り絞められる。
その温かさに、なんだか少しだけ泣きそうになる。――優しいばかりのリュジに、私は甘えてばかりだ。
いつ、この優しさに、報いることが出来るのだろう。
王都には昼頃に到着した。貴族御用達、少しだけ速めに到着する馬車であってもこの速度なのだから、平民の馬車であれば、更に時間がかかるものだろう。
馬車から降りて、王都の門をくぐる。中は大変な盛況ぶりだった。至る所に花が飾り付けられて、バルーンのようなものが空を飛んでいる。魔法で作られた美しい花びらが絶えず空を舞い、地面に落ちてはふっとかき消えるように消えていく。
「凄い……。ミュートス領とはまた、なんていうかまた違う……というか、盛大な盛り上がり方だね」
「皇帝のお膝元の街だぞ。ミュートス領とは、違うに決まってる」
花びらが舞い落ちてくる。それを一枚掴むと、僅かな時間をおいて、しゅわ、とほどけるように消えてしまった。リュジも同じように花びらを掴んで、消えていくそれを見つめている。
出来る限り、貴族であるということがバレないように潜入したいので、騎士には馬車夫の格好をして貰い、平民に溶け込むようにお願いをしてある。馬車を運転してきたのも、彼である。少し後ろを見ると、つかず離れずの距離に見知った顔を見つけることが出来た。視線が合うと、僅かに目礼を返される。私も同じように目礼をして、そうしてからゆっくりと足を動かし始めた。
教会は王城から少し離れた場所にあるようだった。エトルをまつる場所ということもあって、花冠祭の最中はここも人が多いようである。
雑多にひしめく人々の隙間を縫うように、庭園を歩き、中へ入る。
教会内部は、美しい形をしていた。向かって正面、遠くの上方にステンドグラスでいくつかの絵が象られていて、それがカーペットの上に美しい彩りを落としている。見たこともないくらい大きなピアノのような楽器があって、中央には像のようなものもあった。あれがエトル、なのだろう。
まるでそこに生きているかのように鎮座する像は、見ていると圧倒される。だが、少し親近感のようなものを感じるのは――その像が、まさしく、カイネと似ていたからに他ならないのだろう。
エトルの像と知らなければ、どうしてこんなに大きなカイネの像が教会に!? と思うくらい、そっくりである。
思わず小さく息を吐く。私の傍で、リュジがなんとも言えず、視線を下げるのが見えた。
カイネと比べられ続けてきたリュジにとって、教会はやはり、どうしようもなく辛い所なのだろう。震える指先が見える。たまらず、その指先に手を伸ばして、そっと握り絞めた。
リュジがはっとしたような顔をして、私を見る。そうして、直ぐに照れたように視線を逸らした。
「……なんだよ、急に」
「手を繋ぎたくなったの。ごめんね。良い?」
「嫌……って言っても、どうせ、離さないくせに」
確かに。小さく笑うと、リュジは首を振った。そうして、細く息を吐いて、「別に。好きにしたらいい」とだけ続けて、顔を上げた。
リュジの赤色の瞳が、じっと像を見つめる。彼は何かを振り払うように瞬きを数度して、「行こう」と言葉を続けた。
カーペットを踏みしめて、ゆっくりと歩き出す。朝の礼拝は終わっているだろうに、壇上をのぞむ椅子にはちらほらと人が座っているのが見えて、思い思いに祈ったり、話したりしているようだった。
その中に、一人――教典を持った男性を見つける。ゆったりとしたロープに似た衣類を身につけており、胸元にはエトルを示す星を象った紋章のネックレスをつけている。礼拝者に話しかけられている所を見るに、恐らくこの教会でも結構な偉い人なのではないだろうか。穏やかな顔つきに、老成した清廉な仕草。見るからに優しそうな人である。
――よし。決めた。
私はリュジの手を引いて、男性の元に向かう。ちょうど、男性の元から人が消えた瞬間を狙って、私は「はじめまして」とそっと声をかけた。
「おや。見ない顔……ですね。初めまして」
「私……あの。メルって言います。こんにちは」
少しだけつたなさを意識して、それだけ言葉を続ける。リュジがぎょっとしたような顔をしたのが見えたが、すぐに視界から外した。何をする気なのか、と赤色の瞳が問いかけてきていたような気がする。
男性はゆっくりと頷いて「私はユースと申します」と頭を下げた。
「ユースさま……」
「ユース、で結構ですよ。どうかされましたか?」
「あの。あのね……。相談したいことがあるの」
私は首を振る。そうして、私の行動を静観していたリュジの方をちら、と見つめた。目が合う。すぐに逸らして、もじもじと恥ずかしそうにすると、ユースは少しだけ目を瞬かせて、「秘密のお話ですか?」とだけ続ける。
私はこっくりと頷いて、「あのね……お耳を貸してほしいの」と続ける。
ユースはすぐに軽く膝を曲げ、私に耳を寄せた。その耳元に、私は口元を近づける。
「私……好きな人が居てね」
「おや。それは素敵ですね。エトル神も、お喜びになり、祝福されることでしょう」
「本当? でもね。お母さんが、好きな人、作っちゃ駄目よって言うの」
声を震わせる。うん――、良い感じだ。自分でも結構しっかりとした演技が出来ていると思う。
ユースは僅かに首を傾げて、私の言葉を待つ。私は躊躇いを置いてから、涙声を意識して出す。
「エトル様にも、好きな人が居ないのに、人間である貴方が好きな人を作ってはいけないでしょって言うの」
ユースはゆっくりと顔を上げた。そうして、「そんなことを……?」と、僅かに悲痛を帯びた声を出す。
私はこっくりと頷いて返す。リュジがさっきから何言ってるんだこいつ、と言いたげな顔で見てくるのが見えるが、これも作戦なので、あまり気にしないで欲しい。そう――。
「私、人を好きになったらいけないの……? エトル様が誰かを好きになったお話があったら、お母さんも、許してくれると思うの。おじさま、お願い、教えて」
名付けて、海のことは漁師に問え――ならぬ、教義のことは聖職者に問え作戦、でもある。
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