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「一生、離さないよ」
「は、あ――な、なん、なんで……っ、ごめんなさい、許して」
「どうして? 何を許すことがあるの? 何も無いよ。冬里、冬里は凄いね、水に入れても崩れなくて、キスをしても壊れなくて、僕の名前を呼んでくれる。冬里、ようやく、冬里の中にはいることが出来る」
ちゅ、と加賀が冬里の頬にキスをする。そうして、冬里の体に、指先が触れた。ぞわ、とした感覚が背筋を駆け上っていく。冬里の体が、加賀を受け入れるために、淡く解けて行く。必死に押し込めていた熱が、とぐろを巻くように体の中をぐるぐると巡り始める。呼吸が熱くなり、冬里は必死に首を振った。
「あ、あ、おねが、おねがい、お嫁さんには、なれ……ない、から……っ」
「なれるよ。冬里なら」
「なんで私なの……っ」
泣きそうな声が零れる。加賀が冬里の首元にキスをした。それだけで腰が砕けそうになるほど、快楽が伝播していく。服の上から触れる指先が、冬里の快楽を開いていく。気持ちよさに喉が震えて、加賀と繋がることだけが脳裏を占めそうになる中で、冬里は必死になって問いかけた。
だって、あまりにも――あまりにも、おかしい。子どもの頃、手をひいただけだ。それだけなのに。どうして。どうして、冬里のことばかり執拗に狙うのだろう。
加賀は冬里の言葉に瞬く。そうしてから「冬里の手が温かかったから」と、まるで夢を見るように言葉を続けた。
「冬里の指が僕に触れて、おいで、と言ってくれた時のことを、忘れない。冬里からしたら、きっと、そんなこと、なんだろう。けれど僕にとっては、これまでの全てがゴミのように思えるくらい衝撃で、嬉しかったんだ」
それだけで。冬里は小さく息を詰まらせる。――そうしてから、すぐ、冬里はなんだか、苦しくなった。
それだけで。――指先が触れただけで、運命を信じてしまうような。相手が己の番となると、認識してしまうような。
そんな日々を、加賀は送ってきたのだ。
これまでの日々がゴミのように思えた、というのは、多分比喩ではない。本当に、加賀にとっては、そうなのだろう。
初めて触れた熱に浮かされて、それだけが欲しいと、強く願ってしまったのだ。
「……加賀くん、は……、っ」
きっと、人の熱に飢えている。ずっと、ずっと、何百年も、千年以上、前から。
「ねえ、冬里、大好きだよ。冬里と出会ってから、ずっとずっと、冬里のことだけを考えていた。一緒に過ごそう。家族になろう」
服の上から胸を優しく揉まれる。手の平を使ってぐるぐるとなぞるように動かし、そのまま加賀は冬里にキスをしてきた。ぐ、と唇を必死になって引き結ぶが、いつのまにか唇を割り、歯の隙間を縫って、加賀の舌先が冬里の舌に絡みついてくる。そうなってしまうと、もう抵抗することも出来ない。唾液を吸うように舌を吸われ、そのまま上顎をなぞるように舌が動く。冬里の喉がきゅう、と窄まって、快楽に腰が震えた。
「ん、ん、や、だ、やだ……っ、まって、やめて、とめ、あ、あ、やぁ……っ」
「冬里、可愛い。えっちな匂いがする。沢山沢山焦らしたから、ここが、早く中にいれて、って、疼いてるみたいに、震えてる」
下腹部に触れられる。腹の上から子宮がある部分に触れられて、ノックをされて、軽く押されるだけで、びくびくと太ももが震えた。加賀によって快楽を仕込まれた体は、たやすく濡れてしまう。
「あっ、あっ、ん、うぅ――~~ッ」
「ふふ。イっちゃった? 声が少しだけ高くなった。お腹押されるだけでイっちゃうなら、中に入ったら、どうなるんだろうね」
「おね、が、やめ、やめて」
「ごめんね。やめられない。だって、ずっと、待っていたんだ」
今日を、と囁くように加賀が続ける。服をたくし上げられて、直に皮膚と皮膚が触れあう。胸元の先端を愛撫するように指先が動いた。軽くはじかれたり、押されたり、かと思えば焦らすように先端の縁を撫でるように加賀の指が動く。その度に腹部が痙攣するように震え、思考がぱちぱちと弾けるような感覚があった。背筋を、快楽の蛇が這いずり回っているようだ。
キスをされて、唾液を飲まされる度に、思考がじわじわと犯されていく。クロッチの部分が完全に色を変えてしまった下着を、加賀は丁寧に丁寧に撫でる。こねるように指を使って動かされる度に、ぐち、ぐち、と溢れてきた愛液がそのまま淫猥な音を立てる。
「や、あ、あ、っ、こね、ないで……っ」
「これ、気持ちよさそうなのに。顔がとろんってして、目も……気持ち良くて仕方無いって、潤んでる。ねえ、ほら、敏感なところ、すりすりって撫でてあげるね」
加賀が優しく指先で敏感な部分に触れる。花の芽に似た形をしたそこが、加賀の指によって良いように形を変えられていく。こちゅこちゅと指で摘まんで扱かれると、痛みの方が強いはずなのに、快楽の方ばかり拾いあげてしまって、冬里は体を痙攣させた。
腰がはねて、加賀の手に押しつけるようにして達する。浅い呼吸を繰り返して、下品な声が出そうになるのを必死に飲み下した。
何度もイっている。体がその度に敏感になっていく。本当なら痛みを感じそうなくらい、イかされているのに、全然その痛みを感じない。底なしの沼にハマってしまったように、気持ちよさだけが脳髄にたたき込まれていくのだ。
「あっ、ん、ぐ、あ、あ、や、も、ら、だめ、イくと、へ、へんにゃっ、声、出るぅ……っ、からぁ」
「可愛い声だよ。沢山、沢山、気持ち良さそうな声。ここ、はくはくって、イくたびに口を開いたり、閉じたりしてる」
加賀の指が、下着を取り払う。外気に晒された秘部が、加賀の目の前に露わになった。恥ずかしくて足を閉じようとするが、許されない。加賀の指が胸元に伸びて、先端をくちくちと指先ではじくように動きながら、もう片方の手がゆっくり、露わになった秘部に触れる。輪郭を辿るように指の腹でくるりと動かしたり、挿入する部分を、指先ですりすりと撫でるように往復する。
そうして随分焦らした後、加賀の指がゆっくりと中に侵入した。冬里の気持ち良いところを探るように動くのがわかった。内部が収縮して、加賀の指を強く締め付ける。浅い部分を擦るように撫でられると、体がとろけてしまいそうな心地を覚える。
「ひ、あ、ァっ、ん、ん、んぅう……!」
「触れる度に腰びくびくってして、ふふ、足がびくん、って、痙攣しながら腰上げてるの、可愛い。僕に押しつけてきているみたい。ねえ、いれたいな。僕も、冬里の中を、感じたい」
言いながら、加賀は前をくつろげた。初めて見る加賀の陰部に、冬里の目が奪われる。血管の浮き出たそれは、脈動するようにひくひくと震えている。先端からとろとろと液体が溢れて、零れているのが見えた。あれで中を抉られたらどうなってしまうのか、冬里には想像が出来ない。
「だ、だめ……っ、だめ……」
「駄目? 本当に?」
「は、あ――な、なん、なんで……っ、ごめんなさい、許して」
「どうして? 何を許すことがあるの? 何も無いよ。冬里、冬里は凄いね、水に入れても崩れなくて、キスをしても壊れなくて、僕の名前を呼んでくれる。冬里、ようやく、冬里の中にはいることが出来る」
ちゅ、と加賀が冬里の頬にキスをする。そうして、冬里の体に、指先が触れた。ぞわ、とした感覚が背筋を駆け上っていく。冬里の体が、加賀を受け入れるために、淡く解けて行く。必死に押し込めていた熱が、とぐろを巻くように体の中をぐるぐると巡り始める。呼吸が熱くなり、冬里は必死に首を振った。
「あ、あ、おねが、おねがい、お嫁さんには、なれ……ない、から……っ」
「なれるよ。冬里なら」
「なんで私なの……っ」
泣きそうな声が零れる。加賀が冬里の首元にキスをした。それだけで腰が砕けそうになるほど、快楽が伝播していく。服の上から触れる指先が、冬里の快楽を開いていく。気持ちよさに喉が震えて、加賀と繋がることだけが脳裏を占めそうになる中で、冬里は必死になって問いかけた。
だって、あまりにも――あまりにも、おかしい。子どもの頃、手をひいただけだ。それだけなのに。どうして。どうして、冬里のことばかり執拗に狙うのだろう。
加賀は冬里の言葉に瞬く。そうしてから「冬里の手が温かかったから」と、まるで夢を見るように言葉を続けた。
「冬里の指が僕に触れて、おいで、と言ってくれた時のことを、忘れない。冬里からしたら、きっと、そんなこと、なんだろう。けれど僕にとっては、これまでの全てがゴミのように思えるくらい衝撃で、嬉しかったんだ」
それだけで。冬里は小さく息を詰まらせる。――そうしてから、すぐ、冬里はなんだか、苦しくなった。
それだけで。――指先が触れただけで、運命を信じてしまうような。相手が己の番となると、認識してしまうような。
そんな日々を、加賀は送ってきたのだ。
これまでの日々がゴミのように思えた、というのは、多分比喩ではない。本当に、加賀にとっては、そうなのだろう。
初めて触れた熱に浮かされて、それだけが欲しいと、強く願ってしまったのだ。
「……加賀くん、は……、っ」
きっと、人の熱に飢えている。ずっと、ずっと、何百年も、千年以上、前から。
「ねえ、冬里、大好きだよ。冬里と出会ってから、ずっとずっと、冬里のことだけを考えていた。一緒に過ごそう。家族になろう」
服の上から胸を優しく揉まれる。手の平を使ってぐるぐるとなぞるように動かし、そのまま加賀は冬里にキスをしてきた。ぐ、と唇を必死になって引き結ぶが、いつのまにか唇を割り、歯の隙間を縫って、加賀の舌先が冬里の舌に絡みついてくる。そうなってしまうと、もう抵抗することも出来ない。唾液を吸うように舌を吸われ、そのまま上顎をなぞるように舌が動く。冬里の喉がきゅう、と窄まって、快楽に腰が震えた。
「ん、ん、や、だ、やだ……っ、まって、やめて、とめ、あ、あ、やぁ……っ」
「冬里、可愛い。えっちな匂いがする。沢山沢山焦らしたから、ここが、早く中にいれて、って、疼いてるみたいに、震えてる」
下腹部に触れられる。腹の上から子宮がある部分に触れられて、ノックをされて、軽く押されるだけで、びくびくと太ももが震えた。加賀によって快楽を仕込まれた体は、たやすく濡れてしまう。
「あっ、あっ、ん、うぅ――~~ッ」
「ふふ。イっちゃった? 声が少しだけ高くなった。お腹押されるだけでイっちゃうなら、中に入ったら、どうなるんだろうね」
「おね、が、やめ、やめて」
「ごめんね。やめられない。だって、ずっと、待っていたんだ」
今日を、と囁くように加賀が続ける。服をたくし上げられて、直に皮膚と皮膚が触れあう。胸元の先端を愛撫するように指先が動いた。軽くはじかれたり、押されたり、かと思えば焦らすように先端の縁を撫でるように加賀の指が動く。その度に腹部が痙攣するように震え、思考がぱちぱちと弾けるような感覚があった。背筋を、快楽の蛇が這いずり回っているようだ。
キスをされて、唾液を飲まされる度に、思考がじわじわと犯されていく。クロッチの部分が完全に色を変えてしまった下着を、加賀は丁寧に丁寧に撫でる。こねるように指を使って動かされる度に、ぐち、ぐち、と溢れてきた愛液がそのまま淫猥な音を立てる。
「や、あ、あ、っ、こね、ないで……っ」
「これ、気持ちよさそうなのに。顔がとろんってして、目も……気持ち良くて仕方無いって、潤んでる。ねえ、ほら、敏感なところ、すりすりって撫でてあげるね」
加賀が優しく指先で敏感な部分に触れる。花の芽に似た形をしたそこが、加賀の指によって良いように形を変えられていく。こちゅこちゅと指で摘まんで扱かれると、痛みの方が強いはずなのに、快楽の方ばかり拾いあげてしまって、冬里は体を痙攣させた。
腰がはねて、加賀の手に押しつけるようにして達する。浅い呼吸を繰り返して、下品な声が出そうになるのを必死に飲み下した。
何度もイっている。体がその度に敏感になっていく。本当なら痛みを感じそうなくらい、イかされているのに、全然その痛みを感じない。底なしの沼にハマってしまったように、気持ちよさだけが脳髄にたたき込まれていくのだ。
「あっ、ん、ぐ、あ、あ、や、も、ら、だめ、イくと、へ、へんにゃっ、声、出るぅ……っ、からぁ」
「可愛い声だよ。沢山、沢山、気持ち良さそうな声。ここ、はくはくって、イくたびに口を開いたり、閉じたりしてる」
加賀の指が、下着を取り払う。外気に晒された秘部が、加賀の目の前に露わになった。恥ずかしくて足を閉じようとするが、許されない。加賀の指が胸元に伸びて、先端をくちくちと指先ではじくように動きながら、もう片方の手がゆっくり、露わになった秘部に触れる。輪郭を辿るように指の腹でくるりと動かしたり、挿入する部分を、指先ですりすりと撫でるように往復する。
そうして随分焦らした後、加賀の指がゆっくりと中に侵入した。冬里の気持ち良いところを探るように動くのがわかった。内部が収縮して、加賀の指を強く締め付ける。浅い部分を擦るように撫でられると、体がとろけてしまいそうな心地を覚える。
「ひ、あ、ァっ、ん、ん、んぅう……!」
「触れる度に腰びくびくってして、ふふ、足がびくん、って、痙攣しながら腰上げてるの、可愛い。僕に押しつけてきているみたい。ねえ、いれたいな。僕も、冬里の中を、感じたい」
言いながら、加賀は前をくつろげた。初めて見る加賀の陰部に、冬里の目が奪われる。血管の浮き出たそれは、脈動するようにひくひくと震えている。先端からとろとろと液体が溢れて、零れているのが見えた。あれで中を抉られたらどうなってしまうのか、冬里には想像が出来ない。
「だ、だめ……っ、だめ……」
「駄目? 本当に?」
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