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5-7.
しおりを挟む「朱南···、すまん····違うんだっ、お怒ったか??ああ、あれは、その、ほんとにただの観賞用でっ」
「·····」
「わ、わかった!!ちゃんと話す!!話すからちょっと待て!!じじじ実は、」
先輩はバタバタとリビングに駆けていき、またすぐに玄関へと戻ってきた。
····なんか、凄いものを腕に抱えて。。
「こここれを見てくれ···!あ、朱南の、
等身大抱き枕だ!」
「······」
「ここ、この、ほら···、朱南の尻の部分見てみろ···ふっ···ちゃんと指が入るよう穴が開いてるんだぞ?」
···ねえ先輩、なんで爆弾に爆弾投下したの?
その抱き枕はトイレの壁紙と同じ、裸の私が後ろ姿でお尻をつき出す格好をしていて、お尻の部分にはひっそりと隙間ができていた。
それを見て玄関から動けなくなってしまった私。私は金縛りにあっていた。
「だ、抱き枕だけじゃないんだ···!マウスパッドもあって、ちょうど尻部分がプックリ膨れててふふっ···ほら、これだ。見てみろ。
この間にな?親指が第一間接まで入るんだ。
あとはティッシュケースもあって、朱南の尻からティッシュが出てくる」
「尻尻尻尻さっきから五月蝿い。」
「あ、す、すまん···。」
さすがにキレた私が先輩の言葉を遮った。
···嫌だ。せめて普通に"前"が良かった。いや全然良くないけど。
だって、尻って何っ?!私、女だよ??あるんだよ??ちゃんと"前"が。
それでも尚且"尻"を選ぶって、それなら男の尻でいいじゃん。何でわざわざ女である私の尻なの??
そんな無駄使い止めて。
玄関から動けなくなった私を前に、先輩は土下座をし始めた。
「朱南···俺には朱南しかいないんだ···!朱南の尻には手を出さないから、だから俺の前からいなくならないでくれっ!!」
赤ちゃん返りされるだけでも散々なのに、尻にまで手を出されたら、私はすぐに学校を辞めて、マスコミに蓮見先輩の実態を垂れ込む。
「初めて会った日···朱南の後ろ姿を見て、朱南の尻に一目惚れしたんだ····。」
だからさ···、なんで前じゃなく後ろなの?!それは女として自信を持つべきかどうかわからないよ。
「朱南の尻ばかりを見つめるうちに、いつしか触れてみたいと、そして入れてみたいと思うようになったんだ····。」
「先輩····、どれだけ自分がひどい変態ぶりをさらけ出してるか自覚してます?」
「····俺にはたまに、お前の顔も尻に見えてくることがある。」
「重症ですね。」
「ああ重症だ。」
何同意してんだ。人様の顔が尻とか失礼すぎだろ。死にたいのか。
「先輩···そんなにお尻が好きなら、別に私じゃなくてもよくないですか??心陽君とか、もっと手頃なのがいるでしょう。」
「いや···あいつの尻は、もはや尻じゃない···。」
「·········」
「朱南の尻には、神秘が隠されている。」
先輩は天井に向かって大きく深呼吸すると、恍惚の表情で急に饒舌になった。
「朱南の程よく肉づいたふるりと震える尻は、神の最高傑作····いや、神そのものといっても過言ではないだろう。」
それは過言だろ。
「わかるか?お前が走る度にプルンプルンと揺れるんだぞ?」
「それはつまり···巨乳の人が走ると胸が揺れる、みたいな感じですか??」
「お前にないものを持ち出すな!今は尻の話をしている!」
私は肩にかけていた鞄から分厚いテキストを取り出すと、先輩目掛け、縦に勢いよく投げつけた。
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