君に▓▓を伝えたい

第三幕:期待なんてしないほうがいい

「お、生きていてくれたの？」
と零が前と同じ場所に座って言う
だが前とは違って少しおしゃれをしているように見える
「ああ、誰かさんのおかげでな」
「そりゃどうも」
「そういえば昨日…」
いやこれを聞くのは野暮やぼではないか？
やめとこう…
「なぁに？」
「いや、何でも」
と言うとむっすーと頬を膨らませる途中で言うのをやめたから
その先を聞かせろということなんだろう
「いつか聞かせる」
「いつか～！？あ、５日いつかに聞かせてくれるの！？」
「日の方のいつかじゃねぇよ！」
「君、そのツッコミ…漫才師になれるよ」
「やかましい！」
はぁ…何でこんな人に止められてしまったのやら…
肌は白く髪は茶色寄り性格は見た目の真反対だなこれがあれか
人は見た目によらずと言うことか
「まぁ、そんなことはそこら辺の草むらの中に放り投げてもらって」
「不法投棄ダメ絶対！」
あぁ、駄目だ…こいつと話していると口から勝手にツッコミが出てきてしまう。
こんなにポンポンツッコミが出てくるのはおそらく初めて…
省略して言わせてもらうといちいち言うことがふざけている！
「ここからはまともな話…君はまだ死にたいのか？」
いきなり神妙な顔をするため、少し驚いてしまった…

実は昨日、家に帰ってから色々考えてみた…
零の言葉を無視し、家で自殺を図るか明日も生きるか。
正直言うと今も悩み中だが…
「あぁ、もちろんだ」
まだ決まっていないがこんな社会のゴミな俺が消えたほうが世界にはいいのだから
死にたくなくなったというよりはマシだろう。
だが心が揺らいでしまっているのは確かだ生きたいとまだ死にたくないと思ってしまっている…
そして零が大きく息を吸って言う
「じゃあ…………喫茶店いこう」
は？
「えぇっと…それは…ただ行きたいだけじゃないのか？」
「そうだよ」
おい即答かよ
突拍子もなくて流石にビビッた…何でいきなり喫茶店なんだよ。
まともな話って言っていなかったか？
いや、まだ会って二日目だがこいつの性格的には…ある
零はニコニコしながら言っているがこちらとしては迷惑極まりない
「てか、彼氏とか居ないのか？」
グサァッ！！と零に何かが刺さる音がする
「ぐ、ぐぐぐ…」
と顔を下に下げうめき声を上げる
するといきなり顔を上げて言う
「はいはい！そうですよ私は彼氏とか一度も作ったこともありませんとも！だからせっかくだから暇そうな君を誘ってあげてるんだ！君の奢りだからね！」
と指を指しながら言う立ち直ったしさらっと俺が奢ることになっているし
「はぁ…わかったわかった奢ってやるから何で喫茶店なのかを教えろ」
にこにこしながら零は答える
「え？最近できた喫茶店のコーヒーカボチャサイダーが大人気だからだよ、え？知らなかったの？」
しょうもな…そして不味そう最後に人を見下すような言動…
どう考えても奢って貰う人に言う台詞じゃねぇ…
手を上げて定員さんを呼ぶ
「コーヒーを一つと」
「コーヒーカボチャサイダーを一つ！」
「え゙、」
今「え゙、」って言った…こう言うのって不味い物を注文されて引くときの反応じゃん
「あの…お客様、少々失礼ですがこのコーヒーカボチャサイダーは人を選ぶ味となっておりますが…大丈夫でしょうか？」
「大丈夫です！」
即答！？駄目なやつだって！
人を選ぶ味＝イコール不味いって言うのは定番だろうが！
あぁあ～大丈夫なのか…？
「承りました｡」
と定員さんが去っていく
「頼んだものが来るまで少し話をしようか～！」
「あぁ、そういえば昨日も聞いた気がするが、何で俺なんかに話しかけたんだ？」
「んーえぇっと…今にも死にそうな顔をしてたのと…」
そりゃどうも！今にも死にそうな顔ですよ！
「あと…君なら思い留まってくれそうだったから…かなぁ？」
まぁ…確かに昨日は思いとどまった…だが本当にこのままでいいのか…
俺が生きてることで零を傷つけてしまうのなら…俺は死んだほうがいい
「私は君には生きてほしいから」
「なかなか嬉しい事を言ってくれるな」
「えへへ～」
と照れる
『言葉は人を傷つける』
ドクンと心臓がなるまるで心に何kgもある錘おもりを乗せられた気分になる
「あれ？どうしたの？青色悪いよ？」
にこっと笑顔を作って言う
「だ、大丈夫だ」
気づいてほしいなんて…思っちゃ駄目だ期待は裏切られるだけだ
だから

期待なんてしないほうがいい…