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2:あなたに惑星(ほし)の押し売りを
Episode:13
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席に座って、宇宙蝶の映像をぼんやりと見ながら待つ。
ネメイエスには時間がない。どれだけの人口を抱えているかは知らないが、それが全員退去して移住となれば、七年という時間は短すぎるだろう。
いくら木星が似ていても、ある程度は惑星改造しなければ住めないし、ドーム都市のようなものをとりあえず建設するにも、今すぐ始めてギリギリ間に合う程度だ。
さらに一日遅れるたびに、事態は悪化していく。
そうなればネメイエス人の助かる率はどんどん下がる。これは極力避けるだろう。
だとすれば自分たちが出したこの木星の話に乗るはず、それがエルヴィラの見立てで、さらにそれはかなり早いと判断していた。
根拠は単純で、この話がダメだった場合、ネメイエスは次の惑星を探さなくてはならないからだ。
そしてその考えは、的中した。
「星系外交部から……通信が入りました」
寂しがりだからだろう、エルヴィラについてきて副操縦席に座っていた姪っ子が、少し驚いたように告げた。
「来た来た、繋いで」
「はい」
イノーラが操作すると、前回と同じように合成映像が映る。相変わらず破格の扱いだ。
「回答、遅くなりまして申し訳ありません」
「いえ、当然だと思いますよ。星系の命運を決めるような、一大事ですから」
商売ではお決まりの、相手を思いやるようなやり取りをしながら、本題に入る。
「それで、お話は例の木星の件だとは思うのですが。何か進展がありましたか?」
聞くまでもないことだが、それをあえて言って水を向けるのも交渉のうちだ。
相手もうなずいて乗ってくる。
「その件ですが、とりあえず打診だけでも、地球側にしていただけないでしょうか? 私どもより同種の方のほうが、話を持っていくには適していると思いますので」
読み通りだ。それに対してにこやかに答える。
「前に言ったとおり、交渉は私たちが受け持ちます。地球はいろいろ、難しいですし」
「ええ。その辺は我々には、なんとも分かりませんので」
当然だろう。銀河系中を探したって、未開の惑星なのに銀河文明と接点があって、尚且つ子供が売りに出される星など、地球くらいだ。
こんなややこしい背景を持つ相手と上手くやるのは、並大抵のことではない。
同郷の商人が間に立つというなら、任せるのが賢明だ。
そんなことを思いながら、エルヴィラは持ちかけた。
ネメイエスには時間がない。どれだけの人口を抱えているかは知らないが、それが全員退去して移住となれば、七年という時間は短すぎるだろう。
いくら木星が似ていても、ある程度は惑星改造しなければ住めないし、ドーム都市のようなものをとりあえず建設するにも、今すぐ始めてギリギリ間に合う程度だ。
さらに一日遅れるたびに、事態は悪化していく。
そうなればネメイエス人の助かる率はどんどん下がる。これは極力避けるだろう。
だとすれば自分たちが出したこの木星の話に乗るはず、それがエルヴィラの見立てで、さらにそれはかなり早いと判断していた。
根拠は単純で、この話がダメだった場合、ネメイエスは次の惑星を探さなくてはならないからだ。
そしてその考えは、的中した。
「星系外交部から……通信が入りました」
寂しがりだからだろう、エルヴィラについてきて副操縦席に座っていた姪っ子が、少し驚いたように告げた。
「来た来た、繋いで」
「はい」
イノーラが操作すると、前回と同じように合成映像が映る。相変わらず破格の扱いだ。
「回答、遅くなりまして申し訳ありません」
「いえ、当然だと思いますよ。星系の命運を決めるような、一大事ですから」
商売ではお決まりの、相手を思いやるようなやり取りをしながら、本題に入る。
「それで、お話は例の木星の件だとは思うのですが。何か進展がありましたか?」
聞くまでもないことだが、それをあえて言って水を向けるのも交渉のうちだ。
相手もうなずいて乗ってくる。
「その件ですが、とりあえず打診だけでも、地球側にしていただけないでしょうか? 私どもより同種の方のほうが、話を持っていくには適していると思いますので」
読み通りだ。それに対してにこやかに答える。
「前に言ったとおり、交渉は私たちが受け持ちます。地球はいろいろ、難しいですし」
「ええ。その辺は我々には、なんとも分かりませんので」
当然だろう。銀河系中を探したって、未開の惑星なのに銀河文明と接点があって、尚且つ子供が売りに出される星など、地球くらいだ。
こんなややこしい背景を持つ相手と上手くやるのは、並大抵のことではない。
同郷の商人が間に立つというなら、任せるのが賢明だ。
そんなことを思いながら、エルヴィラは持ちかけた。
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