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第11話 虚像の護衛
依頼 Episode:12
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だいたいこんな言い方したくないけど、基準外れてるルーフェは別として、あたしたちじゃ正規の部隊なんかと比べ物にならないし。
それどころか、かえって危険が増しちゃうくらい。
「ちゃんと護衛、いるんでしょ? なのにどうして、あたしたちみたいな見習いが、護衛になっちゃうの?」
それを言うと、殿下ったら苦笑した。
「これも儀式のスタイルでな。故事に則って、同年代数名で行く決まりだ」
なんかよくわかんないけど、伝統ってだけあって、やっぱりいろいろ面倒みたい。
殿下がさらに続ける。
「じつを言えば今までは、有力貴族の師弟で編成していたのだがな、いつも終わった後、泥沼の権力争いに発展する。
だから今回思い切って、外部に委託することにした」
この話聞いてちょっと殿下が、気の毒になったかも。
ただ前例のないことする気になったのは、ルーフェも理由のひとつだろうなぁ、なんて思ったり。
なにしろ殿下、ルーフェにはすっごく甘いもん。
「でも殿下、ホントにだいじょぶなのかい?」
ちょっと斜な感じで、でも真剣に聞いてたシーモアが、尋ねた。
「今まであの貴族連中から人出してたのを、急にあたしらみたいな部外者にしたら、もっと問題になると思うんだけどね」
「それは承知の上だ。だがすべてを勘案した上で、この方がいいと僕は判断した」
きっぱり言い切る殿下。けっこう覚悟はありそう。
まぁ今まで前例のないことしようっていうんだから、このくらいの覚悟は要るのかも。
こんなわずらわしい事がたくさんあるなんて、王族なんかに生まれたの、やっぱりちょっと可哀想かな?と思ったり。
そこへ今まで黙ってたイマドが、口を開いた。
「……ホントにそんだけです?」
いいかげんオンリーの彼にしては、すっごく鋭い視線。
「それだけ、とは何だ?」
返した殿下も、どこか怖い表情。二人の間で火花でも散りそう。
――そりゃそうよね。
今回の話が学院へ来たのは、どう考えたって殿下が、ルーフェを連れ出したかったから。
なのにルーフェったら、そういうの分かんない子なわけで。
それどころか、かえって危険が増しちゃうくらい。
「ちゃんと護衛、いるんでしょ? なのにどうして、あたしたちみたいな見習いが、護衛になっちゃうの?」
それを言うと、殿下ったら苦笑した。
「これも儀式のスタイルでな。故事に則って、同年代数名で行く決まりだ」
なんかよくわかんないけど、伝統ってだけあって、やっぱりいろいろ面倒みたい。
殿下がさらに続ける。
「じつを言えば今までは、有力貴族の師弟で編成していたのだがな、いつも終わった後、泥沼の権力争いに発展する。
だから今回思い切って、外部に委託することにした」
この話聞いてちょっと殿下が、気の毒になったかも。
ただ前例のないことする気になったのは、ルーフェも理由のひとつだろうなぁ、なんて思ったり。
なにしろ殿下、ルーフェにはすっごく甘いもん。
「でも殿下、ホントにだいじょぶなのかい?」
ちょっと斜な感じで、でも真剣に聞いてたシーモアが、尋ねた。
「今まであの貴族連中から人出してたのを、急にあたしらみたいな部外者にしたら、もっと問題になると思うんだけどね」
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