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第8話 言葉ではなく
追跡 Episode:13
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レニーサが続ける。
「多分連中、ヤク売る日は部屋借りて、いろいろやりとりしてるんじゃないかしら」
「敵もさるものってワケね」
あらやだ。
ルーフェイアったら露骨に「わかってるのか」って顔で見なくたっていいじゃない。
「でもつきとめた先がホテルじゃ、それ以上はたどれなさそうね」
レニーサがふぅと息を吐いた。
「そうですよね……」
ルーフェイアも神妙な顔になっちゃうし。
けどその中、さすがディアス。面白そうに笑ってる。
――これはきっと、なんか楽しいことが待ち構えてるわね♪
思ってるうちに表の扉を叩く音が聞こえた。
「――レニーサ、荷物引き取ってくれるか?」
「あ、はいはい」
配達屋?の声に、レニーサが慌てて出てく。
「まったく、こんな時に荷物なんて……ちょっと、何よこれ」
「なぁに、どしたのよ~♪」
いきなり深海みたいに冷たくなった声に、あたしも見に行ってみたりして。
「あら、これは確かに変わったものが届いたわねぇ?」
あたしのとこにもいろんなとこから届け物来るけど、こういうのは見たことないもの。
「変わったもの……?」
気になったのか、ルーフェイアたちも見に来る。
「なんなのさ、これ?」
「人……じゃない?」
「んなのは見りゃ分かるさ。そうじゃなくて、どうしてこんなもんが届いたんだ?」
「俺に訊くなよ」
子供たちがみんなして、首をかしげる。
――まぁ、そうでしょうね。
届いたのは気を失ったうえに縛り上げられた男性が三人っていう、かなり珍しい物。
「こういうの、届け物って言うの……?」
ルーフェイアったら悩んでるし。
「届いたんだから届け物でしょ?」
「けど……」
せっかく説明してあげたけどこの子、いまいち納得できないみたい。
「ともかくこんなもの、引き取れないわよ!
ったく、誰がこんな悪趣味な冗談――」
「――俺だ」
レニーサが叫んだところへ、絶妙のタイミングでディアスが答える。
「え……ディアス、あなたが?」
「あ、なるほどね。ホテルにいた連中、ディアスってば叩きのめしてきたんだ」
さすがあたしのダンナ♪
けどただ尾けるだけじゃ、芸ないものね。
見ればディアス、してやったりって顔してるし。
「んじゃ、これがそのファミリーの一味ですか?」
「そしたらこいつらに、口割らせれば……」
みんなの瞳がなんだか輝き出す。
――分かる分かる。
こーゆーの、楽しいものね。
「多分連中、ヤク売る日は部屋借りて、いろいろやりとりしてるんじゃないかしら」
「敵もさるものってワケね」
あらやだ。
ルーフェイアったら露骨に「わかってるのか」って顔で見なくたっていいじゃない。
「でもつきとめた先がホテルじゃ、それ以上はたどれなさそうね」
レニーサがふぅと息を吐いた。
「そうですよね……」
ルーフェイアも神妙な顔になっちゃうし。
けどその中、さすがディアス。面白そうに笑ってる。
――これはきっと、なんか楽しいことが待ち構えてるわね♪
思ってるうちに表の扉を叩く音が聞こえた。
「――レニーサ、荷物引き取ってくれるか?」
「あ、はいはい」
配達屋?の声に、レニーサが慌てて出てく。
「まったく、こんな時に荷物なんて……ちょっと、何よこれ」
「なぁに、どしたのよ~♪」
いきなり深海みたいに冷たくなった声に、あたしも見に行ってみたりして。
「あら、これは確かに変わったものが届いたわねぇ?」
あたしのとこにもいろんなとこから届け物来るけど、こういうのは見たことないもの。
「変わったもの……?」
気になったのか、ルーフェイアたちも見に来る。
「なんなのさ、これ?」
「人……じゃない?」
「んなのは見りゃ分かるさ。そうじゃなくて、どうしてこんなもんが届いたんだ?」
「俺に訊くなよ」
子供たちがみんなして、首をかしげる。
――まぁ、そうでしょうね。
届いたのは気を失ったうえに縛り上げられた男性が三人っていう、かなり珍しい物。
「こういうの、届け物って言うの……?」
ルーフェイアったら悩んでるし。
「届いたんだから届け物でしょ?」
「けど……」
せっかく説明してあげたけどこの子、いまいち納得できないみたい。
「ともかくこんなもの、引き取れないわよ!
ったく、誰がこんな悪趣味な冗談――」
「――俺だ」
レニーサが叫んだところへ、絶妙のタイミングでディアスが答える。
「え……ディアス、あなたが?」
「あ、なるほどね。ホテルにいた連中、ディアスってば叩きのめしてきたんだ」
さすがあたしのダンナ♪
けどただ尾けるだけじゃ、芸ないものね。
見ればディアス、してやったりって顔してるし。
「んじゃ、これがそのファミリーの一味ですか?」
「そしたらこいつらに、口割らせれば……」
みんなの瞳がなんだか輝き出す。
――分かる分かる。
こーゆーの、楽しいものね。
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