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第8話 言葉ではなく
尋ね人 Episode:07
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「明日は明日で、ご馳走にすればいいじゃない?
あれならいっくらだって掏れるもの、ちょっと多めに取ればすぐ貯まるよ」
「言うじゃないか。頼りにしてるよ」
昔ここにいたころと、変わらない会話。
「どしたの? なにが可笑しいの?」
あたしが苦笑したのに気付いて、こいつが不思議そうに訊いてきた。
「いやさ、けっきょくあたしは、ここから離れられないなと思って」
学院はスラムに比べりゃ天国だけど、やっぱここのほうがいい。
「じゃぁさ、学院辞めちゃえば? あたしはどっちだっていいもん」
「そうもいかないだろ?」
あたしとナティが学院へ入学したのには、それなりのわけがあった。
だからおいそれと、辞めるわけにゃいかない。
「傭兵隊かぁ。めんどくさいな~」
「そう言いつつちゃんとAクラスにいるの、どこのどなただい?」
「――シーモアが頑張るんだもん」
ちょっとはにかみながら笑って、ナティがまたスープに口をつけた。
あたしも食べるほうに専念する。
なにせこの人数の上に、ほとんどが男子だ。うかうかしてるとあっというまに食うものがなくなっちまう。
その時、呼び鈴が鳴った。
「なんでぇ。せっかくメシ食ってるってのによ」
当番のケインがしぶしぶ立ち上がって、玄関のほうへ行く。
「こんな時間に誰だろうね?」
「さぁ。まぁおおかた、誰か戻ってきたんじゃないか」
今日は家に泊まりとか言いながら、戻ってくるやつも時にはいるもんだ。
けどケインの言葉は、もっと意外だった。
「おい、どうする? さっきのガキどもがまた来たぜ」
合言葉を言う前に、一応のぞき窓から確かめたら、部外者だったってことらしい。
「さっきのガキって……ルーフェイアとイマド?」
「名前はしらねぇけど、金髪で太刀持ったとびっきりの美少女と、その連れだよ」
「んじゃ間違いないね」
あいつら二人、追い返したのに性懲りもなく、舞い戻ってきたらしい。
「ガルシィ、どうする?」
みんなが一斉にリーダーのガルシィを見た。
「まったく、お前に似てダチってのも懲りないやつらしいな。まぁ放っとけ。そのうち諦めて帰るだろう。
シーモア、ナティエス、それでいいな?」
「ああ」
「しょうがないもんね」
明日祭りだってのに、部外者を入れておくわけにはいかない。
あいつら二人には可哀想だけど、無視するしかないってやつだ。
「どうせすぐ諦めるさ。さ、早く食っちまおうぜ」
「うん♪」
じつ言うとこのときあたしとナティは、ルーフェイアがどれほど強情か、きっちり忘れきってた。
あれならいっくらだって掏れるもの、ちょっと多めに取ればすぐ貯まるよ」
「言うじゃないか。頼りにしてるよ」
昔ここにいたころと、変わらない会話。
「どしたの? なにが可笑しいの?」
あたしが苦笑したのに気付いて、こいつが不思議そうに訊いてきた。
「いやさ、けっきょくあたしは、ここから離れられないなと思って」
学院はスラムに比べりゃ天国だけど、やっぱここのほうがいい。
「じゃぁさ、学院辞めちゃえば? あたしはどっちだっていいもん」
「そうもいかないだろ?」
あたしとナティが学院へ入学したのには、それなりのわけがあった。
だからおいそれと、辞めるわけにゃいかない。
「傭兵隊かぁ。めんどくさいな~」
「そう言いつつちゃんとAクラスにいるの、どこのどなただい?」
「――シーモアが頑張るんだもん」
ちょっとはにかみながら笑って、ナティがまたスープに口をつけた。
あたしも食べるほうに専念する。
なにせこの人数の上に、ほとんどが男子だ。うかうかしてるとあっというまに食うものがなくなっちまう。
その時、呼び鈴が鳴った。
「なんでぇ。せっかくメシ食ってるってのによ」
当番のケインがしぶしぶ立ち上がって、玄関のほうへ行く。
「こんな時間に誰だろうね?」
「さぁ。まぁおおかた、誰か戻ってきたんじゃないか」
今日は家に泊まりとか言いながら、戻ってくるやつも時にはいるもんだ。
けどケインの言葉は、もっと意外だった。
「おい、どうする? さっきのガキどもがまた来たぜ」
合言葉を言う前に、一応のぞき窓から確かめたら、部外者だったってことらしい。
「さっきのガキって……ルーフェイアとイマド?」
「名前はしらねぇけど、金髪で太刀持ったとびっきりの美少女と、その連れだよ」
「んじゃ間違いないね」
あいつら二人、追い返したのに性懲りもなく、舞い戻ってきたらしい。
「ガルシィ、どうする?」
みんなが一斉にリーダーのガルシィを見た。
「まったく、お前に似てダチってのも懲りないやつらしいな。まぁ放っとけ。そのうち諦めて帰るだろう。
シーモア、ナティエス、それでいいな?」
「ああ」
「しょうがないもんね」
明日祭りだってのに、部外者を入れておくわけにはいかない。
あいつら二人には可哀想だけど、無視するしかないってやつだ。
「どうせすぐ諦めるさ。さ、早く食っちまおうぜ」
「うん♪」
じつ言うとこのときあたしとナティは、ルーフェイアがどれほど強情か、きっちり忘れきってた。
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