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第8話 言葉ではなく
古巣 Episode:10
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◇Seamore
――ったく、まいったね。
正直それが、いちばんの感想だ。
まさかチビどもとすれ違った挙句に、この騒ぎをルーフェイアに知られちまうなんて。
ルーフェイアは優しい。そのうえ人のこととなると、自分のことなんざお構いなしに助けに入る性格だ。
だから何も言わずにおいたってのに。
てかこのことに関しちゃ、ケインも悪い。
チビたちをシエラに逃がすって話しないまま、こっちにヘルプ出すんだから、行き違わないワケがない。
せめてそれを一言言ってくれりゃ、チビたち何とかしてから、学院を出れたってのに。
挙句にチビどもを保護したのが、ルーフェイアだったもんだから、いろいろ知られちまった。
まぁチビたちをあたしが保護してからでも、ルーフェイアに知られた可能性はあるっちゃあるけど……まだ、やりようあったろう。
そんなこんなで、この騒ぎだ。
なんせ海越えて大陸を半分横断して、追いかけてくるってんだからハンパじゃない。
ルーフェイアのお人好しにもホドがある。
「けど、もしも、もしも……シーモアたちが……」
ここまで来た上、そう言って目の前でぽろぽろ涙こぼして泣いてちゃぁ、さすがに冷たくできなかった。
成り行きとはいえ、二人をアジトに入れたケインに、文句言いたいとこだ。
「――わかった。帰るわけにはいかないけど、そのワケ話すよ。
ともかくそれで勘弁してもらえないか?」
ついそんな言葉が口をついちまう。ホントは部外者にこういうこと言うのはご法度だけど、まぁ理由が理由だから、リーダーのガルシィも許してくれるだろう。
「理由……?」
びっくりしたのか、ルーフェイアのやつが顔を上げた。
「ああ。
ただ約束してくれないか? これ聞いたあとは、あたしらに干渉しないってね」
「………」
あ~、そんな顔するなって!
困り果てた上目使いされちゃ、自分がエラく悪いことしてる気分になっちまう。
けど幸いこの子が尋ねた先は別で、一緒に来たイマドの方を振り向いた。
ルーフェイアの視線を受けた彼氏が頷くのを見て、マジでほっとする。
大人しい性格のルーフェイアは、イマドの言うことに逆らったりしない。
「O.K.分かったみたいだし、話すよ。
ま、そうは言ってもざっとだけどさ。そもそも言うこと自体、掟破りだしね」
そう言ってあたしは話し出した。
――ったく、まいったね。
正直それが、いちばんの感想だ。
まさかチビどもとすれ違った挙句に、この騒ぎをルーフェイアに知られちまうなんて。
ルーフェイアは優しい。そのうえ人のこととなると、自分のことなんざお構いなしに助けに入る性格だ。
だから何も言わずにおいたってのに。
てかこのことに関しちゃ、ケインも悪い。
チビたちをシエラに逃がすって話しないまま、こっちにヘルプ出すんだから、行き違わないワケがない。
せめてそれを一言言ってくれりゃ、チビたち何とかしてから、学院を出れたってのに。
挙句にチビどもを保護したのが、ルーフェイアだったもんだから、いろいろ知られちまった。
まぁチビたちをあたしが保護してからでも、ルーフェイアに知られた可能性はあるっちゃあるけど……まだ、やりようあったろう。
そんなこんなで、この騒ぎだ。
なんせ海越えて大陸を半分横断して、追いかけてくるってんだからハンパじゃない。
ルーフェイアのお人好しにもホドがある。
「けど、もしも、もしも……シーモアたちが……」
ここまで来た上、そう言って目の前でぽろぽろ涙こぼして泣いてちゃぁ、さすがに冷たくできなかった。
成り行きとはいえ、二人をアジトに入れたケインに、文句言いたいとこだ。
「――わかった。帰るわけにはいかないけど、そのワケ話すよ。
ともかくそれで勘弁してもらえないか?」
ついそんな言葉が口をついちまう。ホントは部外者にこういうこと言うのはご法度だけど、まぁ理由が理由だから、リーダーのガルシィも許してくれるだろう。
「理由……?」
びっくりしたのか、ルーフェイアのやつが顔を上げた。
「ああ。
ただ約束してくれないか? これ聞いたあとは、あたしらに干渉しないってね」
「………」
あ~、そんな顔するなって!
困り果てた上目使いされちゃ、自分がエラく悪いことしてる気分になっちまう。
けど幸いこの子が尋ねた先は別で、一緒に来たイマドの方を振り向いた。
ルーフェイアの視線を受けた彼氏が頷くのを見て、マジでほっとする。
大人しい性格のルーフェイアは、イマドの言うことに逆らったりしない。
「O.K.分かったみたいだし、話すよ。
ま、そうは言ってもざっとだけどさ。そもそも言うこと自体、掟破りだしね」
そう言ってあたしは話し出した。
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