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第8話 言葉ではなく
知らせ Episode:19
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「ううん、いいの。だってあたしたち……ほんとは関係ないから……」
部外者が乗り込むってことの意味を、意外にもルーフェイアのヤツ、分かってるらしい。
それを指摘されたのと、でも行きたいのとで、板ばさみで泣いたっぽかった。
つかコイツ、言い返す代わりに泣く。
「けど、けど……シーモアもナティエスも、友達だから……」
「姉ちゃん、オイラが悪かった。ごめん、謝る」
あっさり、ガキが謝った。
もちっと生意気だと思ってたから、これには俺も驚く。
ルーフェイアのヤツも驚いたらしくて、泣くのを忘れてガキを見る。
「その……ンな理由でさ、それもスラムの外で育ったヤツが来てくれるなんて、オイラ考えたこともなかったんだ。
――姉ちゃんたち、すっげぇいい人なんだね」
「そんなことないわ」
間髪いれずにルーフェイアのヤツが否定したけど、説得力はゼロだ。
俺はともかく、コイツの人の好さは並外れてる。
「ま、そゆやつもいるってことさ」
俺の言葉に、何度もガキが頷いた。
それから、いちばん肝心な事を思い出す。
「そういやお前、名前なんてんだ?」
「え? あ、そか、言ってなかったっけ。オイラ、ウィンってんだ」
胸を張って答えたガキに、ルーフェイアのヤツが返す。
「いい、名前だね」
「え、それほどでも……」
耳まで赤くなってるあたり、ルーフェイアの美少女ぶりにアテられたんだろう。けっこうマセたガキだ。
「とりあえずお前、シャワーでも浴びてこいよ。その頭だと、ずっと身体洗ってねーだろ」
「え……」
ガキがあとずさった。
「オイラ、そういうのはさ、えーと別に、死なないからいいじゃん」
「入ってこい。じゃないと、甲板から海に捨てっぞ」
頭に虫でもつけてそうなヤツと、同室はさすがに願い下げだ。
「ウィンくん……入ったほうが、いいよ。
んと、そしたらあたしが、洗って……あげようか?」
「いいっ! オイラひとりで入るっ!」
ルーフェイアの「親切」に、ガキが身を翻してシャワー室へ駆け込んだ。
さすがに素っ裸を女子に見せるのは、ヤなんだろう。
「他人が洗ったほうが、きれいになるのに……」
さすがにここまでくると、ガキが可哀想になる。
「やらせとけよ。つかさ、学院のガキならあの年なら、だいたいの事はひとりでやるぜ?」
「あ、そっか」
やっと納得したらしい。
俺はソファに腰掛けた。
部外者が乗り込むってことの意味を、意外にもルーフェイアのヤツ、分かってるらしい。
それを指摘されたのと、でも行きたいのとで、板ばさみで泣いたっぽかった。
つかコイツ、言い返す代わりに泣く。
「けど、けど……シーモアもナティエスも、友達だから……」
「姉ちゃん、オイラが悪かった。ごめん、謝る」
あっさり、ガキが謝った。
もちっと生意気だと思ってたから、これには俺も驚く。
ルーフェイアのヤツも驚いたらしくて、泣くのを忘れてガキを見る。
「その……ンな理由でさ、それもスラムの外で育ったヤツが来てくれるなんて、オイラ考えたこともなかったんだ。
――姉ちゃんたち、すっげぇいい人なんだね」
「そんなことないわ」
間髪いれずにルーフェイアのヤツが否定したけど、説得力はゼロだ。
俺はともかく、コイツの人の好さは並外れてる。
「ま、そゆやつもいるってことさ」
俺の言葉に、何度もガキが頷いた。
それから、いちばん肝心な事を思い出す。
「そういやお前、名前なんてんだ?」
「え? あ、そか、言ってなかったっけ。オイラ、ウィンってんだ」
胸を張って答えたガキに、ルーフェイアのヤツが返す。
「いい、名前だね」
「え、それほどでも……」
耳まで赤くなってるあたり、ルーフェイアの美少女ぶりにアテられたんだろう。けっこうマセたガキだ。
「とりあえずお前、シャワーでも浴びてこいよ。その頭だと、ずっと身体洗ってねーだろ」
「え……」
ガキがあとずさった。
「オイラ、そういうのはさ、えーと別に、死なないからいいじゃん」
「入ってこい。じゃないと、甲板から海に捨てっぞ」
頭に虫でもつけてそうなヤツと、同室はさすがに願い下げだ。
「ウィンくん……入ったほうが、いいよ。
んと、そしたらあたしが、洗って……あげようか?」
「いいっ! オイラひとりで入るっ!」
ルーフェイアの「親切」に、ガキが身を翻してシャワー室へ駆け込んだ。
さすがに素っ裸を女子に見せるのは、ヤなんだろう。
「他人が洗ったほうが、きれいになるのに……」
さすがにここまでくると、ガキが可哀想になる。
「やらせとけよ。つかさ、学院のガキならあの年なら、だいたいの事はひとりでやるぜ?」
「あ、そっか」
やっと納得したらしい。
俺はソファに腰掛けた。
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