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第7話 力の行方

任務 Episode:07

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「言葉が出来ればエライってんなら、どこぞの言語学者がいちばんエラいんじゃないかい?
 血筋? それがどうしたのさ。2000年も遡りゃ、あんたたちだって馬の骨だろ」

 うーん、いつ聞いてもさすが♪ このキレがいいのよね~。

 ちなみにお嬢さんたち、絶句。
 ちょうどいいから、あたしも乗ってみたりして。

「シーモア、その辺にした方がいいよ。このお嬢さんたち口で言うわりには、”庶民の”あたしたちと同じにしか、喋れないみたいだもの。
 適当にしてあげないと、きっとショックで心臓麻痺おこしちゃう」

 学院の生徒なんてみんな、数か国語喋ってあたりまえなんだけど。あたしだって、3つや4つは喋るし。

 ルーフェイアなんて、この大陸のメジャーな言語のほとんどと、ユリアス語がまるでネイティブ。
 ヴァサーナの言葉――これはどこで覚えたんだろ?――もそこそこできて、挙句にローム語に古代ローム語っていうんだから、出来ない言葉の方が少ないの。

「あなたたち、なんの権利があって――」
「権利? んなもの、あんたたちだってないだろうに」

 シーモアってば険悪~♪
 けどこの面白いイベント、殿下遮っちゃったの。

「その女子は僕の警護の者だ。手を出さないでもらえないか」

 せっかくの言い合いだったのに、止められちゃって。

「ですが殿下、この者たちときたら、礼儀というものを知りませんわ」
「そうです。だいいち警護でしたら、いつものSPでよろしいのではなくて? こんな素性の知れない者を学内に入れるなど、この名門の名折れですよ」

 ――えーと。

 お嬢さんたちの話聞いてると、これ、もしかして?

「僕のすることに口出しするのか? だいいちお前のような新興貴族など、この娘のことを言える立場とは思えないが」

 あ、もしかしてこっちも?
 そりゃ、ルーフェイアって、可愛いもんね。

 でも殿下って、争うほどイイ相手かなぁ……。
 お金はたしかにありそうだけど、あたしはハッキリ言って、願い下げかな。

 そのとき外から、何かが派手にぶつかった音がしたの。

「なんだ?」

 シーモアと一緒に、窓から外を覗いてみて。

「事故……?」

 見えたのは、学校の塀に突っ込んでる車だった。かなりの勢いだったみたいで、前のあたりがひしゃげてる。
 話が聞こえたみたいで、殿下も他の女子も、窓へ寄ってみんなで野次馬。
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