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第6話 立ち上がる意思

海原 Episode:02

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「すみません先輩、こいつが迷惑かけたみたいで」
「おやおや、まるで保護者ですね」
「あー、それ、こいつのお袋に頼まれてんで」

 ルーフェイアのお袋さん、かなり過保護だ。
 最初のときはもちろん、ルーフェイアのヤツが学院来てからも、俺のほうになんやかや話回してくる。他にも、学院長辺りにもいろいろ言ってるらしいし。

 ただ当のルーフェイアには分かんねぇようにするのが、ちょっと面白いとこだった。
 それに俺からしても、常識がいろいろヤバいルーフェイアは、かなり見てて危なっかしい。

「つか、こいつ野放しとか、けっこう怖いですよ?」
「それは否定できませんね。まぁ不要な傷を作らないように、彼女の背中を守ってあげるのですね」

 こいつの背中取れるヤツって、そう言ってる当の先輩だけじゃねぇのかな、と思う。
 たしか傭兵やってる親もとれないとかなんとか、俺、聞いた気がするし。

 って、ルーフェイアのやつが泣いてるし。

「こんどは何だ?」
「あ、ごめん……。平気、もう、泣かない……」
「ムリすんな。しばらく泣いてろ」

 なんかよく分かんねぇけど、何かに感動して泣いてるっぽいから、そのままにする。
 と、今度はいきなり、嬌声ともいえる声が響いた。

「あ~、ルーフェイアいたいた!」

 シーモアたちだ。

「やっぱり、いっしょに泳ごうと思ってさ」
「さっきはごめんね? ……って、どうしたの?」
「あ、タシュア先輩こんにちは~♪」
「こんにちは、ミルドレッド=セルシェ=マクファディ」
「タシュア先輩に泣かされたのかい?」
「うそぉ……よく、ミルのフルネーム……」
「や~ん、先輩ってすごぉい♪」

 一気に周囲が騒々しくなる。

「さっきは悪かったよ、置いてったりしてさ。さ、もう泣くのは止めなよ」
「あ、ちがうの。そうじゃなくて……」
「ルーフェイア、泣いてもカワイイ~♪」
「みんなでお昼食べて、いっしょに泳ごう?」

 それにしても女子ってのは、よく喋るな……。

「では迎えも来たようですし、私はこれで失礼します」
「え~、いっちゃうんですかぁ? いっしょにお昼食べましょうよ~♪」

 おい、ミル……。普通この状況で、タシュア先輩誘うか?


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