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親直前の2月

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ー2012年2月1日ー    馬鹿様「なあ、優美には甘えないの?」    恥ずかしいからいやだなあ。    やっと体力と筋力が向上して、家事の料理以外を出来る様になった。   お義母さん「こんにちは」    悠ちゃん「こんにちは。お義母さん」   お義母さん「お義母さんって呼ばれるのは良いわね。実は息子も欲しかったの」   昼間は母やお義母さんが様子を見にくる。   お義母さん「もう少しで赤ちゃんが産まれるけど、大丈夫?」   悠ちゃん「大丈夫ですよ。優美さんも協力してくれますから」   お義母さん「そうね。優美ちゃんもいるし、昼間は家政婦さんも来るから大丈夫よね」   悠ちゃん「はい」   お義母さん「ケーキ買ってきたから食べましょうね」   実は美紗の両親には可愛がられている。   夜にはお義父さんも来て、俺の父や美紗や優美と酒を飲む。   未来も来年には高校受験をするつもりらしく、勉強と家事を励んでいる。   

悠ちゃん「美紗さん講習は?」
馬鹿様「美紗は時間無いから知識だけ俺が入れた」

美紗「そういう事。悠は知識だけじゃなくて実践出来る様に頑張って受けてよ」

悠ちゃん「俺にも知識だけでも入れてくれれば良いのに。本当気が利かねーな」

馬鹿様「入れてやっても良かったけど……人形で実践練習する時以外は暇になるだろ? お前疲れてるからウトウトするだろうからな」

優美「私は友達の子で練習したから大丈夫だよ。元々子供好きだから独学で勉強もしたからね」

悠ちゃん「そうか。じゃあ美紗さんが落としたり風呂に沈めそうかな」

美紗「んな訳ないでしょ。あんたこそ大丈夫なの?」
馬鹿様「悠ちゃんは実は講習会でも一番上手いぞ」

本当に美紗に世話が出来るか心配になってきた。 

悠ちゃん「美紗さん。1度だけでも講習会出て人形で実践練習受けてきてほしい」 

優美「私も受けた方が良いと思うよ? 知識だけだと危ないかも。それに、思ったよりも難しいから」

美紗「優美がそう言うなら……面倒だなあ」

俺の忠告では聞かないつもりだったのか。 
結局、講習会に出たものの、やはり知識だけでは上手く行かなかったらしく、自信喪失して不味いヤバイと慌て始める美紗。

悠ちゃん「ほら、やっぱり知識だけじゃ不味いんだよ。サイズとか重みとか手足動かすから危ないんだから」 

美紗「どうしよう……落とすかも……!」
悠ちゃん「慌てふためく美紗さんもなかなか良いね。クールなキャラ台無しで良い感じだよ」 

美紗「悠。今日は久し振りに躾けてあげるからね」     泣かされてしまった。
馬鹿様「しょうがねえなこの番は……悠ちゃん。小さくなってもらうぞ」

悠ちゃん「あ……ゃ……やめ……っ!!」 
見る見るうちに小さくなった俺はパニックを起こしながらも呂律が回らなかった。

馬鹿様「終わったぞ」 
美紗は、放心状態で俺を見ている。 
馬鹿様「大丈夫だって。終わったら元に戻る。縮小しただけだから拡大すれば良いだけなんだから」

じゃあ良いや。  落とすなよ。   絶対に! 
美紗「可愛いー!」 目をキラキラさせて俺を見る。ペタペタと敏感になってる身体を触る。

悠ちゃん「触るのはやめて……! あぅ……!」
美紗「ごめんごめん。でも可愛いー! おいで!」  
バスタオルに包まれて、そっと抱き抱えられる。

悠ちゃん「やめて! 急に抱き抱えられたら怖い!」 
美紗「ごめん。ゆっくり立つからね……」    
     ゆっくりと立ち上がる。
美紗「フフフ。怖いの?」 悠ちゃん「怖い……」
美紗「怖がった顔も可愛い。優美に見せよ」

そうですか。 見せ物ですかオモチャですか。
      お人形遊びですか?
美紗「優美。見て。神様が悠を小さくしてくれた!」テンション高いな。 そんなに嬉しいなら我慢しようかな。 ただ、耳が口に近いからうるさい。  

優美「ホントだ! 可愛いー!」
女2人でキャッキャキャッキャと。 しかし、抱かれているのも良い物だな。 

優美「抱かせて! お願い!」
美紗「良いよ。ほら」
俺の意見を聞かないの?  序列低いのではないか?

悠ちゃん「恥ずかしい……」 初めて優美と触れた。優美「恥ずかしがって可愛いー!」 満面の笑みだ。
悠ちゃん「あ、美紗さんより安定してるし良い」 
美紗「ええ? 何でよ? 貸して」オモチャです。

悠ちゃん「左腕もう少し動かして。あ、それそれ」美紗「こうね。結構難しい……」 
優美「上手いね。お風呂も練習しようよ」 
悠ちゃん「怖い! お風呂は怖いって!」
美紗「大丈夫。ほら、落ち着いて」
優美「安心して」

頭を撫でられると、途端に眠気が襲ってくる。
気付くとベビーバスに入れられていた。

美紗「起きちゃった? もう少しで終わるからね」 濡らしたタオルで身体を撫でられる。
心地良さに、また目を閉じた。 
朝に起きると、自分のベッドで元のサイズに戻っていた。  服もちゃんと着ている。 
馬鹿様「おはよう悠ちゃん。昨日はぐっすりだったじゃないか。そんなに気持ちよかったか?」

悠ちゃん「疲れてたからな。それにしても、身体が楽になってるよ」

馬鹿様「風呂にも入れてもらったしな」
身体を起こすと、やはり身体が軽い。 良い1日になりそうで、朝から楽しい。

美紗「昨日は可愛いなったなあ。悠、今日1日はまた赤ちゃんサイズになってよ」

悠ちゃん「あれ気持ち良くて癖になるから嫌だ。駄目人間になるよ」  優美「可愛かったのに…」

美紗「そんなに良かったの?」 
悠ちゃん「温もりと安心感と心地良さが混じった感じが凄い。そりゃ赤ん坊も寝るよ」

美紗「そう。じゃあ、またストレス溜まったらしてあげるから。ちゃんと頼みなさいよ」

悠ちゃん「そうする」
美紗の優しく微笑む顔が、俺は好きだ。

馬鹿様「産まれて医者が処置している。処置が終わったらベビーベッドに移すからな。子供達が泣いたら眠気も無く自動的に起きれるよ。おめでとう、お父さん」    赤ん坊の泣き声がして目が醒めた。
ベビーベッドは俺の部屋に置いてある。
3人分の泣き声の大合唱は、父親になった福音に聞こえる。 ベッドから出て、中を覗くと3人が並んでいる。   何と言えば、良いか。
顔を見て、父親になったという気持ちと、こんな喜ばしい事に悩んでいた自分が愚かだと思う。

服は着せられて長女、次女、3女と書いてある。

悠ちゃん「元気だな、お前ら。俺が父だぞ」
馬鹿様「お父さん。皆お腹空いてるぞ」
悠ちゃん「そうか。じゃあ、長女から先にやろう」

途端に胸が張った。 服を脱いで、長女を抱き上げると、温かった。
悠ちゃん「ほら、飲め」   乳首を泣いて口を入れると、吸って飲む。 
馬鹿様「どうだ?」   悠ちゃん「悪くないよ」

可愛らしい生き物だ。 悠ちゃん「もう飲まないな。こんなもんか」

馬鹿様「腹いっぱいみたいだ。さ、美紗と優美を起こして母乳をやらせろよ」 悠ちゃん「うん」

悠ちゃん「待ってろよ。お母さん連れて来てやるから待っててな」   泣いてる子供達を撫でた。
笑顔から顔が元に戻らないまま、部屋を出た。 
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