【R18】普通の私が英雄に見初められました。平凡に暮らしたいので諦めてもらえませんか?

妄想いちこ

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29話 お兄様が倒れた!?

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 「ミチルダ!おはよう!」


 私が学校まで歩いていると、後方からマリアの馬車が来て、小窓を開けてマリアが挨拶をしてくれました。

 「おはようございます!マリア!」 


 私は挨拶を返し、学校までそんなに距離はありませんでしが、マリアに一緒に馬車に乗って行こうと誘われたので、今回はお言葉に甘えることにしました。

 休み明けの学園はダン様とエンジェレ様のことで騒然としていました。 


 「ダン様がエンジェレ様と婚約って本当ですの?」 
 「私もお父様に聞いても初耳と凄く驚いていたわ。」 
 「悔しいですが、ダン様のお相手がエンジェレ様なら納得いきますわ....」



 
 学園全体が、勉強所ではない感じです。

 私達が教室に入ると一斉にこちらを振り向き、待ってましたと言わんばかりのギラギラした目で(特に女生徒が)私達を見ています。 


「うむ~...獲物を狙ってる目ね。ミチルダ頑張って!」 


  え?私? 思わず少し後退りしてしまいました。 

「ミチルダさん、ちょっとよろしいかしら?」


 サバラリン様が私を睨みながらこちらに向ってきますが、先生が教室に入ってきたので、こちらに来ることは叶わなかった。私達も急いで席に着きました。 

  朝のホームルームが始まりましたが、本日はフローラはまだ学園に来ておらず、この時間に来てないということはお休みのようです。 


  先生は出席を取っただけでまた教室から出ていってしまいました。 

  そしてマリアに私は教室の隅っこの方に連れて行かれました。 


「で、実際はどうなの?」 

  マリアは興味津々で聞いてきました。 

「ケージーお兄様が言うには.....」 


  私は一昨日の朝にお兄様から聞いた話をマリアにしました。 


「まあ、要するにエンジェレ様の早とちりってやつなのね。なのにあんなに大騒ぎして迷惑だわ。」 


  マリアは呆れたように言った。 

  私はマリアの言葉に苦笑してしまいました。
 エンジェレ様も一人の恋する乙女なのですね。
 ダン様はなぜ仮とは言え、エンジェレ様との婚約を破棄したのかしら?美男美女で、お似合いですし、家柄も合うと思うのですが.... それをマリアに言うと 

「ダン様が可哀想になってきた」 とため息をつれました。 


  何故??


 そんなやり取りをした後直ぐに先生が教室に入ってきたので、慌てて席に付きました。
 先生は生徒皆を顔を見て切り出しました。 



「金曜日に行ったマリンベール学園のレポートを書いて提出するように。このレポートはマリンベール学園の先生方も拝見するからきっちり書くこと!いい評価が貰えたらマリンベールの入学も夢じゃないぞ!」

 先生のその言葉に皆様が歓喜の声をあげました。 先生はその歓喜の声を静止し、続けた。 


「またマリンベール学園であった事だが、正式に王室から謝罪がきた。まあ...エンジェレ様の言った言葉は事実ではないとのことだ。」


  女生徒は別意味で歓喜の声をあげました。 

「ではどうして、エンジェレ様はダン様と婚約破棄といったのでしょうか?本当に婚約は事実ではないのでしょうか?」

 サバラリンがものすごい形相で詰め寄りました。 サバラリンのあまりの迫力のせいか、先生は少し後退りしました。

  「サバラリン、落ち着きなさい。王室が言うにはエンジェレ様が勘違いをなさっていたとのことだ。アンドリエ公爵との婚約は事実ではないとはっきりと伝達がきた。また、生徒の皆にも迷惑を掛けたと謝罪文も頂いている。」

 実際は仮が付きますが婚約はしていたらしいのですが、流石にそれはおおやけにはできませんわね。

  サバラリンはまだ聞きたそうにしていましたが、先生はこれでこの件は終わり!といい、授業に入りました。

  昼休みになると、お二人の騒動は少し落ち着いてきたようでした。

  明日にはもっと落ち着いているもいいけれど....。 この時の私はそんなことを考えていた。

 まさかこんなことになるなんて思いもしなかったのです。

   ー放課後ー 


  マリアと帰り支度していると、クラスの男子から、私を誰かが呼んでいて玄関口で待っていると言われました。

 その男子にどなたが呼んでるか聞きましたが、知らないと言われました。 

 マリアに心配され 

「一緒に行こうか?」

   と、言われましたが、まだ帰りのホームルームも終わってないので、直ぐ戻ってくると言い、急いで階段を降りて玄関口へ向かいました。 

  玄関口にはまだ帰りのホームルームが終わってないので誰も生徒は居ない。

  そこにはポツンとマリンベール学園の方の男性の方がいらっしゃいました。 襟部分が緑色...お兄様の二学年は青色だから...三年生の方かしら...。 

「お待たせ致しました。お呼びでしょうか?」 

  その方は私の言葉にこちらを向いた。ブラウン色の髪をした身なりのとても良い方でした。 

「貴女が、ケージー・ハン・ルカーサー様の妹君のミチルダ嬢ですか?」




「はい。ケージー・ハン・ルカーサーの妹、ミチルダです。何かご用でしょうか?」

 「実は兄上様のケージー様が倒れられました。急ぎ一緒に来ていただきたく、お迎えに参りました。」

 「え?」

   お兄様が!? 一瞬目の前が真っ暗になりました。

 「では、急いでお荷物を取ってきます!」

  私が急いで教室に戻ろうとしたら、手首を掴まれました。 

「急いでますので、お荷物は後で他の者に取りに来させます。」

  手に力を入れたのか、手首が痛いですわ。少し顔を歪める。 

「ミチルダ!!」

   呼ばれた方を見ると階段を早足で降りてくるマリアがいました。 

「さあ、行きましょう!」

   私はいきなり引っ張られ走らされました。

 「ミチルダ!」 

  マリアが叫んで心配そうにな顔で追いかけてくる。 

「お兄様が倒れたらしいの!マリンベール学園に行ってくるわ!」 


  マリアにそう伝えて、私は転けそうになりながらでも走り、待っていた馬車へと乗り込んだ。
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感想 18

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みんなの感想(18件)

田中
2020.11.25 田中

今日追いつきました!
最高です…
口を滑らせたアーサーについ「ナイス!」って言ってしまいました。笑
忙しいみたいですが更新楽しみにしてます😌😌

解除
れんちゃん
2020.05.09 れんちゃん

楽しみにしていた更新…
また始めから読み直しました😆

自分の気持ちがわからないダンと天然のミチルダ…個性的な仲間たち

王女との婚約破棄後にはラブラブ💓なふたりの話になるのか⁉️
楽しみにしています❣️

解除
リアナ
2020.05.02 リアナ

この作品大好きです!
フレアの方の作品が非公開になって残念。。。
ミチルダちゃんとダンのこれからが気になって何回も読み直ししてました♪
フレアの方のお話ではミチルダは、ダンの愛妾に傷つけられていたのでこちらはどうなって行くのか気になっていて仕方がありません!笑っ
あまり更新されてなくてショック。。。
更新されるのを楽しみにしてます♪
頑張ってください!

2020.05.03 妄想いちこ

この作品を好きと言って頂きありがとうございます。
なかなか更新できず申し訳ございません。

今週には更新できると思いますのでお待ち頂けたらと思います。
フレアのお話はまだ手直ししておりませんが、徐々に公開しますね。
よろしければご観覧ください。

解除

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