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28話 残党処理
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「カンチス王国の残党はあそこだな」
「ああ、間違いない。」
俺、カールマイヤーは今、カンチス王国の戦犯の残党を追って、国境近くの深い森の中に来ていた。
「全く、こんな所に潜伏してるなんてな。」
ジューディスはパクりと木の実を口の中へ入れる。
オーディエンスの王都から早馬で飛ばして一週間ほどの北部末端に位置するほとんど国境の境。木々が覆い茂りかなり強い魔物も勿論出る。ほとんど休みまずに、魔物を蹴散らしながら追いかけてきた。
「ざっと50人ってところだな。楽勝だな」
ラドラベルはフフンと余裕な笑いを見せた。
「ああ。ちゃんと魔物避けの魔道具置いてる。よくあの混乱の中で持ち出せたもんだよ。」
「本当に幹部ってクズだよな。下の者が一緒懸命カンチス王国の復活の為に村を狙って襲ってるのに、自分等は安全な場所でのうのうとしてるんだから。てか、ここにいたら安全って思ってる?」
ジューディスはイライラしてるのか、木の実の殻を右手で握る潰した。
「まっ、これから俺らに殺殺られるんだから安全ではないよね。」
俺はクスッと笑いながら、戦犯の行く末を思い描いた。
さっさと、こんな任務終わらせてみんなが待ってる所へ帰らないとな....とは思うが、帰りたくもない。別に好きでもない人が家にいるというだけで憂鬱だ。しかも妊娠中で、ヤレない。ストレスが溜まるばかりだ。
まあ、帰ったらミチルダちゃんに会って癒してもらおうっと!
「さてと、とっとと殺っちゃいますか!」
俺の言葉に二人は頷いた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「めっちゃ呆気なかったな。」
「全くもって、拍子抜けもいいところだ。」
ジューディスもラドラベルも、あまりの手応えのなさにガッカリしている。
俺達は直ぐ奇襲を駆けた。 相手も、安心仕切ってたのか何の対策もしてなく、慌てて攻防してきたが、すでに遅し。あっという間に俺達は勝利した。 幹部クラスのやつ以外は殲滅した。幹部クラスは全部で三人いた。 リストでは五人だったはずなので、あとの二人は別行動だったようだ。
幹部クラスの三人は取り敢えず、殺さず捕らえている。 とてもうるさいので、ジューディスがキレて一発ずつ殴りお眠りいただいている。
「まあ、一応こっちは解決したから連絡だな。この三人をどうするかも聞かないといけないしね。」
「早くしないと魔物が血の臭いで寄ってくるぞ」
まあ、寄ってきても食べる物はいっぱい転がってるから大丈夫だろう。
でも死体の処理はしないとな。
俺はラドラベルに死体を一ヶ所に集めて、纏めて焼くように言った。
俺は報告をするため、通信機である首に掛けてあるペンダントを手に取り魔力を注いだ。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「はあ....」
俺は通信機であるペンダントを握り締め、ため息を付いた。
「どうした?」
ラドラベルは死体を一ヶ所集めていた手を止めて聞いてきた。
「どうやら別行動の残党が村をまた襲ってるらしい。」
「なるほど....嫌な予感しかないのだが...」
「正解だ。応戦に行けとお偉いさんに言われた。」
「本当か?最悪だ。」
ラドラベルは顔に手を当てて唸っている。
その時に周辺捜査に行っていたジューディスが帰ってきた。 ジューディスも帰れないと分かると憤慨していた。
「もう!溜まりまくってるんだけど!?一週間は女の子抱きまくってやるんだ!」
ジューディスらしいな、どうぞお好きなように帰ったらいっぱい女の子を侍らせてくれ。
「で、この三人はどうするだ?」
「応戦しに行かないといけないから一人だけ残して、あとはサヨナラだそうだ。」
「なるほど。」
ラドラベルはニヤリと気を失っている三人を見た。
「で、誰を残すの?」
ジューディスは指をポキポキ鳴らしている。ヤル気満々だ。
「ちょうど宰相がいる。それを残すことにする。」
真ん中に倒れている一番高級な服を着ているやつがいた。カンチス王国は宰相だけに受け継がれる指輪がある。国旗の蛇を彫り込んでルビーが埋め込まれている。 そいつの指にはまさしくその指輪をしていた。多分こいつがそうだろう。
「「了解」」
脳筋の二人は残酷な笑顔を見せた。
しかし、誰が考えたデザインなのか趣味が悪すぎるだろ....俺は頼まれても嵌めたくないな!
さてさて、早く済ませて、ミチルダちゃんの笑顔を見に行かないとね。 俺はこれから応戦に行く旨を言うため、もう一度通信機のペンダントに魔力を注いだ。
ミチルダちゃん、どうしてるかな?などと思いながら...
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
その頃ミチルダは......
マリンベール学園でダンとエンジェレ騒動の真っ只中にいた....。
カールマイヤー達は応戦する前、その出来事を聞いて、「何故俺たちはその場にいなかったんだ!見たかった!」と面白可笑しく悔しがり、三人とも八つ当たりで大暴れしたのはいうまでもない。
「ああ、間違いない。」
俺、カールマイヤーは今、カンチス王国の戦犯の残党を追って、国境近くの深い森の中に来ていた。
「全く、こんな所に潜伏してるなんてな。」
ジューディスはパクりと木の実を口の中へ入れる。
オーディエンスの王都から早馬で飛ばして一週間ほどの北部末端に位置するほとんど国境の境。木々が覆い茂りかなり強い魔物も勿論出る。ほとんど休みまずに、魔物を蹴散らしながら追いかけてきた。
「ざっと50人ってところだな。楽勝だな」
ラドラベルはフフンと余裕な笑いを見せた。
「ああ。ちゃんと魔物避けの魔道具置いてる。よくあの混乱の中で持ち出せたもんだよ。」
「本当に幹部ってクズだよな。下の者が一緒懸命カンチス王国の復活の為に村を狙って襲ってるのに、自分等は安全な場所でのうのうとしてるんだから。てか、ここにいたら安全って思ってる?」
ジューディスはイライラしてるのか、木の実の殻を右手で握る潰した。
「まっ、これから俺らに殺殺られるんだから安全ではないよね。」
俺はクスッと笑いながら、戦犯の行く末を思い描いた。
さっさと、こんな任務終わらせてみんなが待ってる所へ帰らないとな....とは思うが、帰りたくもない。別に好きでもない人が家にいるというだけで憂鬱だ。しかも妊娠中で、ヤレない。ストレスが溜まるばかりだ。
まあ、帰ったらミチルダちゃんに会って癒してもらおうっと!
「さてと、とっとと殺っちゃいますか!」
俺の言葉に二人は頷いた。
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「めっちゃ呆気なかったな。」
「全くもって、拍子抜けもいいところだ。」
ジューディスもラドラベルも、あまりの手応えのなさにガッカリしている。
俺達は直ぐ奇襲を駆けた。 相手も、安心仕切ってたのか何の対策もしてなく、慌てて攻防してきたが、すでに遅し。あっという間に俺達は勝利した。 幹部クラスのやつ以外は殲滅した。幹部クラスは全部で三人いた。 リストでは五人だったはずなので、あとの二人は別行動だったようだ。
幹部クラスの三人は取り敢えず、殺さず捕らえている。 とてもうるさいので、ジューディスがキレて一発ずつ殴りお眠りいただいている。
「まあ、一応こっちは解決したから連絡だな。この三人をどうするかも聞かないといけないしね。」
「早くしないと魔物が血の臭いで寄ってくるぞ」
まあ、寄ってきても食べる物はいっぱい転がってるから大丈夫だろう。
でも死体の処理はしないとな。
俺はラドラベルに死体を一ヶ所に集めて、纏めて焼くように言った。
俺は報告をするため、通信機である首に掛けてあるペンダントを手に取り魔力を注いだ。
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「はあ....」
俺は通信機であるペンダントを握り締め、ため息を付いた。
「どうした?」
ラドラベルは死体を一ヶ所集めていた手を止めて聞いてきた。
「どうやら別行動の残党が村をまた襲ってるらしい。」
「なるほど....嫌な予感しかないのだが...」
「正解だ。応戦に行けとお偉いさんに言われた。」
「本当か?最悪だ。」
ラドラベルは顔に手を当てて唸っている。
その時に周辺捜査に行っていたジューディスが帰ってきた。 ジューディスも帰れないと分かると憤慨していた。
「もう!溜まりまくってるんだけど!?一週間は女の子抱きまくってやるんだ!」
ジューディスらしいな、どうぞお好きなように帰ったらいっぱい女の子を侍らせてくれ。
「で、この三人はどうするだ?」
「応戦しに行かないといけないから一人だけ残して、あとはサヨナラだそうだ。」
「なるほど。」
ラドラベルはニヤリと気を失っている三人を見た。
「で、誰を残すの?」
ジューディスは指をポキポキ鳴らしている。ヤル気満々だ。
「ちょうど宰相がいる。それを残すことにする。」
真ん中に倒れている一番高級な服を着ているやつがいた。カンチス王国は宰相だけに受け継がれる指輪がある。国旗の蛇を彫り込んでルビーが埋め込まれている。 そいつの指にはまさしくその指輪をしていた。多分こいつがそうだろう。
「「了解」」
脳筋の二人は残酷な笑顔を見せた。
しかし、誰が考えたデザインなのか趣味が悪すぎるだろ....俺は頼まれても嵌めたくないな!
さてさて、早く済ませて、ミチルダちゃんの笑顔を見に行かないとね。 俺はこれから応戦に行く旨を言うため、もう一度通信機のペンダントに魔力を注いだ。
ミチルダちゃん、どうしてるかな?などと思いながら...
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
その頃ミチルダは......
マリンベール学園でダンとエンジェレ騒動の真っ只中にいた....。
カールマイヤー達は応戦する前、その出来事を聞いて、「何故俺たちはその場にいなかったんだ!見たかった!」と面白可笑しく悔しがり、三人とも八つ当たりで大暴れしたのはいうまでもない。
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