40 / 56
36話 産まれました!
しおりを挟む
あれからヨーシアさんはしょっちゅう顔を出すようになりました。
「何か手伝いましょうか!男手がいるでしょう!」
アーサーがいるから大丈夫だけど、年寄りだから無理はさせれないので、もっぱら私が用事をお願いします。畑の草むしりとか、土の掘り起こしとか。
筋肉モリモリ、強面ですからいくら使っても大丈夫ですわね!
ヨーシアさんからは、舌打ちをよくされますが気にしておりませんわ!
ヨーシアさんはランさんの長男で、弟さんはオーシオさんと言われます。
ヨーシアさんとは真反対の優男に見えます。身体もスリムです。顔もヨーシアさん見たく強面ではなく、ハンサムさんです。
ヨーシアさん曰く、村で二番目にモテるらしいです。一番モテるのはやっぱり村長さんの息子だそうです。
奥さんになったらお金持ちになりますものね。見た目もなかなかのイケメンさんだそうですが、
二人共に婚約者がおられるそうです。その点は安心してますわ。
ヨーシアさんは強面のせいで女性とお付き合いをしたことがないと言ってました。
「村の女はみんな、オーシオかシャロンに惚れるからこっちに回ってこやしねぇ。」
いや、それは違いますわ。強面の顔がダメなんですわ。
でも生活は誠実そうでいい方だと思いますわ。
人間、顔だけではありませんわ!
でもお母様はダメです!
お母様が玄関から顔を出してきました。
「ヨーシアさん、いつもありがとうございます。良かったらパンケーキ焼きましたの、食べませんか?」
ヨーシアさんは顔を赤くして
「いただきます!」
すぐにお母様のそばへ行きました。
現金な方ですわね···。
私も腰を上げて屋敷に入ろうとしたら
「フレアちゃん!」
名前を呼ばれて振り向いたら、オーシオさんでした。
「兄さん来てるかな?」
「来てますわ。今、お母様がパンケーキ焼いたので食べにお誘いして屋敷へ入ったところですわ。」
「そっかあ····」
オーシオさんはじっとこちらを見てます。
······分かりましたわ···
「よろしければオーシオさんも一緒にいかがですか?」
お誘いしました。
オーシオさんは二つ返事で屋敷の中へ。
オーシオさんもまさかお母様を?···
オーシオさんは婚約者がいるから大丈夫だと思ってますが···。
私は頭を振り、余計なことは考えずパンケーキを食べに屋敷へ入って行きました。
食堂へ行くと、眉間にシワを寄せたヨーシアさんと、ニコニコしているオーシオさんが椅子に座ってました。
三人がたわいもない話しをしながら(ヨーシアさんが主に)、パンケーキを食べました。
パンケーキ美味しかったですわ!
そしてお二人は帰って行きました。
オーシオさんは何しに来たのでしょう···。
畑はあと少しだったので、アーサーに任せて、私はハンカチを縫いました。
魔法の勉強もしないと···。
明日は少し畑を手入れしたらお勉強しましょう。
自分の部屋に入り、夕食までに時間があったので少しお勉強をすることにしました。
すると、いつも抱っこ紐で抱えている卵ちゃんから、コツンコツンと言う音が聞こえました。
「うん?」
私は急いで抱っこ紐を解き、卵ちゃんをベッドの上に下ろした。
するとコツンコツンという音と共にグラグラと左右に揺れている。
もしかして!?産まれる?
しばらく、コツンコツン、グラグラとしているのをじっと見ていました。
すると、コツン、ピキッ!
少しヒビが入ってきました。
頑張って!卵ちゃん!
そこからは早くて
パリパリとヒビが全体に入って、
バリバリバリと卵が割れました!
すると中から
「ピィーピィー」
という鳴き声が聞こえて、ひょっこりと全身真っ白なうぶ毛をした10センチくらいのひよこが出てきた。
「かっ!可愛いー!」
私はすぐにそのひよこを手のひらに乗せました。
うぶ毛がモコモコしてますぅ!
ひよこちゃんは
「ピィーピィー」
と鳴いて、近づけた私の唇を嘴でつついてきました。
ちょっと痛かったですが、くりくりのお目目をしたひよこちゃんを見ると気になりませんわ!
ひよこちゃんは私の手のひらから飛び降り、卵の殻のところへ行って、殻をつついて食べ始めました。
こんな固いの食べて大丈夫なのかしら···
と思いましたが、平気な顔をでパリパリ食べてます。
私はその間にお母様に報告に行くことにしました。
急いで階段を降り、リビングへ向かった。
お母様はベネッチェとアーサーとお茶を飲んでました!
「お母様!卵が孵りましたわ!」
お母様達は驚いた顔をしてすぐに私の部屋と一緒に向かいました。
部屋に入ると
「ピィー!ピィー!」
と、先ほど聞いた鳴き声より大きい鳴き声でベッドの上で走り回ってました。
私を見つけると、
「ピィッ!ピィッ!」
と甘えた鳴き声をしてきました。
食事をしていたが、どうやら私が居なくなったのに気付き、殻も食べ終わってないのに、寂しかったのか不安だったのか、私を探してたみたいです。
私はすぐに手のひらに乗せて顔に近づけて
「ごめんね。」
と言ったら
ひよこちゃんは私の手のひらの上から私の顔にスリスリしてきた。
かっ!可愛いですぅ!
私もひよこちゃんにスリスリしました!
それをみてお母様はクスリと笑い
「おめでとう。フレア。無事に産まれて良かったわね。」
「はい!お母様!」
「本当にグリピーツフォンだ。」
アーサーは驚いたように、マジマジとひよこちゃんを見る。
確かに顔はグリちゃんと同じような顔をしています。つぶらな瞳が···。
「グリピーツフォン自体もあまり見ん。警戒心が強いからのう。なかなか人間の前には出てこん。 頭のいい魔物だから人間にもよっぽどのことがない限り悪させんから大丈夫だろう。」
アーサーはひよこちゃんの頭を撫でながら教えてくれた。
「本当に可愛いですね。」
ベネッチェも触っている。
そしてアーサーは
「 グリピーツフォンの羽とかは綺麗でドレスや装飾とかに使われている。しかも警戒心が強いし、魔物としてもそこそこの強さじゃ。なかなか仕留めれんから人気の素材じゃ。捕まらんように気を付けんとな。」
と、警戒するように注意してくれましたわ。
もちろんですわ!
幸い、街中ではないので大丈夫だとは思いますが。
ひよこちゃんは安心したのか、また手のひらから降りて卵の殻を食べ始めました。
ひよこちゃんは私がそばに居ないと鳴くので、お風呂では脱水所まで連れていき、ひよこちゃんにここにいるよ!って声をかけながら入りました。
寝るときは、潰してはいけないので、今まで卵を入れていた籠へ入れましたが、すぐに私のそばへくるので、仕方ないのでそのままで寝ることにしました。
潰さないように気を付けなくては。
ひよこちゃんは寝床を決めるのにうろうろしてましたが、私の顔を肩の間に入り瞳を閉じた。
ひよこちゃんのうぶ毛が顔に当たり
うふふふ。うぶ毛がふかふか♪
もふもふ感を味わいながら私も瞳を閉じた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ピィーピィーとひよこちゃんの鳴き声で目が覚めました。
どうやら潰さなかったみたいでほっとしました。
私は起き上がり、ひよこちゃんをしこたまもふもふ撫で撫でしてから床に下ろしました。
ひよこちゃんは少しビビってましたが、恐る恐ると歩き出し、大丈夫だと分かると、ピィー♪ピィー♪と鳴きながら部屋中を歩き回ってます。
歩いているときのお尻フリフリが可愛いです!
しばらくしてお母様から、朝食の用意が出来たと呼びにきましたので、ひよこちゃんを連れて食堂へ向かいました。
ひよこちゃんは私が食事中のときはお膝の上で大人しくしてくれてます。そして食べ物をじっと見てます。
グリピーツフォンは雑食なので、人間が食べる物でも食べるみたいですが、昨日産まれたばかりのひよこにあげるのはやっぱりダメですよね···。
お母様が言うには、グリちゃんはひよこの時は虫などを食べてたとのこと。
畑にはたくさん虫がいるので、作業中にあげることにしました。
そうそう!名前は決めましたわ!
ピィーちゃんです!
名前のセンスがないとかの苦情は受付しませんわ!
まだオスかメスか分かりませんもの!ピィーちゃんならどっちでもいける名前だと思いますわ!
それに!マリア伯爵夫人もグリちゃんですもの!
アーサーと畑仕事に行くことにしました。
私は花壇にお花の種を植えるつもりです。
その時に土を掘るので、ピィーちゃんを横に下ろし、作業を始めました。
出る出る!ミミズが。こちらの世界はサームと言いますが、前世の言葉のミミズでいいですわ!
ピィーちゃんはミミズを見つけるとパクっと食べてます。
ピィーちゃんは私も周りを走り回り、パクパクと虫を美味しそうに食べてます。
···ピィーちゃんの食べ物には困りませんわね。
午前中でピィーちゃんは、真っ白なうぶ毛が、土で真っ茶色になってしまいました。
私も汚れたので、お昼ご飯の前にお風呂に入ることにしました。
ピィーちゃん、洗っても大丈夫かしら?
一応お風呂場に連れてきましたが···
ピィーちゃんはトテトテとお風呂場を探検してます。
「ピィーちゃん、おいでー。」
私が呼ぶと、トテトテと私のところにきました。
「ピィーちゃん、ちょっとお水かけてるね。」
私はピィーちゃんに話しかけて、少しの水をチョロっとかけてみました。
「ピィッ!」
ピィーちゃんはお水にびっくりしてはね上がりましたが、その一瞬だけで、じっとしてます。
私はもう少しお水をかけてみましたが、じっとしてます。
「ピィーちゃん、大丈夫みたいですね。じゃあ綺麗にしましょうね。」
私は頭以外の全身に水をかけて、石鹸でこちょこちょと洗いました。
ピィーちゃんはおりこうにじっとしてます。
石鹸を洗い流したら、ピィーちゃんがブルブルと身体の水分を飛ばした。
水に濡れたピィーちゃんは、うぶ毛がベッタリしてかなり貧相な身体になってましたが、水分を飛ばしたら少しモコモコを取り戻しました。
ピィーちゃんは水が大丈夫そうなので、私は桶に少し水を入れて、そこにピィーちゃんを入れてみました。
ピィーちゃんは桶の水に浮かぶように座りました。
私はピィーちゃんをそのままにして、身体をサッと洗い湯船に浸かりました。
するとピィーちゃんはすくっと立ち、ピィーピィー鳴き出した。
どうやらお湯が気になっている感じでした。
私は少しお湯をかけて上げました。
反応はお水と一緒で「ピィッ!」と鳴いて大人しくなりました。
桶に入ってた水を捨て、お湯を入れて上げました。
ピィーちゃんはまたお湯に浮かぶように座り、瞼を閉じました。
···ピィーちゃん、気持ち良さそうですわ。お水どころかお湯にまで物怖じしないなんて···
しかもお湯を気に入った様子ですし···変な魔物ですわね。
私はしばらくお湯に浸かって、お風呂を出て、ピィーちゃんを風魔法で乾かしました。
ピィーちゃんは、元の真っ白でふわふわなうぶ毛に戻りました。
そして私はもふもふをしてからお昼ご飯を食べました。
午後もピィーちゃんは、元気に走り回り、餌を取り巻くってまた真っ茶色になったのは言うまでもありませんわ。
ふふふ。
いっぱい遊んで、いっぱい食事をして大きくなってくださいね!
「何か手伝いましょうか!男手がいるでしょう!」
アーサーがいるから大丈夫だけど、年寄りだから無理はさせれないので、もっぱら私が用事をお願いします。畑の草むしりとか、土の掘り起こしとか。
筋肉モリモリ、強面ですからいくら使っても大丈夫ですわね!
ヨーシアさんからは、舌打ちをよくされますが気にしておりませんわ!
ヨーシアさんはランさんの長男で、弟さんはオーシオさんと言われます。
ヨーシアさんとは真反対の優男に見えます。身体もスリムです。顔もヨーシアさん見たく強面ではなく、ハンサムさんです。
ヨーシアさん曰く、村で二番目にモテるらしいです。一番モテるのはやっぱり村長さんの息子だそうです。
奥さんになったらお金持ちになりますものね。見た目もなかなかのイケメンさんだそうですが、
二人共に婚約者がおられるそうです。その点は安心してますわ。
ヨーシアさんは強面のせいで女性とお付き合いをしたことがないと言ってました。
「村の女はみんな、オーシオかシャロンに惚れるからこっちに回ってこやしねぇ。」
いや、それは違いますわ。強面の顔がダメなんですわ。
でも生活は誠実そうでいい方だと思いますわ。
人間、顔だけではありませんわ!
でもお母様はダメです!
お母様が玄関から顔を出してきました。
「ヨーシアさん、いつもありがとうございます。良かったらパンケーキ焼きましたの、食べませんか?」
ヨーシアさんは顔を赤くして
「いただきます!」
すぐにお母様のそばへ行きました。
現金な方ですわね···。
私も腰を上げて屋敷に入ろうとしたら
「フレアちゃん!」
名前を呼ばれて振り向いたら、オーシオさんでした。
「兄さん来てるかな?」
「来てますわ。今、お母様がパンケーキ焼いたので食べにお誘いして屋敷へ入ったところですわ。」
「そっかあ····」
オーシオさんはじっとこちらを見てます。
······分かりましたわ···
「よろしければオーシオさんも一緒にいかがですか?」
お誘いしました。
オーシオさんは二つ返事で屋敷の中へ。
オーシオさんもまさかお母様を?···
オーシオさんは婚約者がいるから大丈夫だと思ってますが···。
私は頭を振り、余計なことは考えずパンケーキを食べに屋敷へ入って行きました。
食堂へ行くと、眉間にシワを寄せたヨーシアさんと、ニコニコしているオーシオさんが椅子に座ってました。
三人がたわいもない話しをしながら(ヨーシアさんが主に)、パンケーキを食べました。
パンケーキ美味しかったですわ!
そしてお二人は帰って行きました。
オーシオさんは何しに来たのでしょう···。
畑はあと少しだったので、アーサーに任せて、私はハンカチを縫いました。
魔法の勉強もしないと···。
明日は少し畑を手入れしたらお勉強しましょう。
自分の部屋に入り、夕食までに時間があったので少しお勉強をすることにしました。
すると、いつも抱っこ紐で抱えている卵ちゃんから、コツンコツンと言う音が聞こえました。
「うん?」
私は急いで抱っこ紐を解き、卵ちゃんをベッドの上に下ろした。
するとコツンコツンという音と共にグラグラと左右に揺れている。
もしかして!?産まれる?
しばらく、コツンコツン、グラグラとしているのをじっと見ていました。
すると、コツン、ピキッ!
少しヒビが入ってきました。
頑張って!卵ちゃん!
そこからは早くて
パリパリとヒビが全体に入って、
バリバリバリと卵が割れました!
すると中から
「ピィーピィー」
という鳴き声が聞こえて、ひょっこりと全身真っ白なうぶ毛をした10センチくらいのひよこが出てきた。
「かっ!可愛いー!」
私はすぐにそのひよこを手のひらに乗せました。
うぶ毛がモコモコしてますぅ!
ひよこちゃんは
「ピィーピィー」
と鳴いて、近づけた私の唇を嘴でつついてきました。
ちょっと痛かったですが、くりくりのお目目をしたひよこちゃんを見ると気になりませんわ!
ひよこちゃんは私の手のひらから飛び降り、卵の殻のところへ行って、殻をつついて食べ始めました。
こんな固いの食べて大丈夫なのかしら···
と思いましたが、平気な顔をでパリパリ食べてます。
私はその間にお母様に報告に行くことにしました。
急いで階段を降り、リビングへ向かった。
お母様はベネッチェとアーサーとお茶を飲んでました!
「お母様!卵が孵りましたわ!」
お母様達は驚いた顔をしてすぐに私の部屋と一緒に向かいました。
部屋に入ると
「ピィー!ピィー!」
と、先ほど聞いた鳴き声より大きい鳴き声でベッドの上で走り回ってました。
私を見つけると、
「ピィッ!ピィッ!」
と甘えた鳴き声をしてきました。
食事をしていたが、どうやら私が居なくなったのに気付き、殻も食べ終わってないのに、寂しかったのか不安だったのか、私を探してたみたいです。
私はすぐに手のひらに乗せて顔に近づけて
「ごめんね。」
と言ったら
ひよこちゃんは私の手のひらの上から私の顔にスリスリしてきた。
かっ!可愛いですぅ!
私もひよこちゃんにスリスリしました!
それをみてお母様はクスリと笑い
「おめでとう。フレア。無事に産まれて良かったわね。」
「はい!お母様!」
「本当にグリピーツフォンだ。」
アーサーは驚いたように、マジマジとひよこちゃんを見る。
確かに顔はグリちゃんと同じような顔をしています。つぶらな瞳が···。
「グリピーツフォン自体もあまり見ん。警戒心が強いからのう。なかなか人間の前には出てこん。 頭のいい魔物だから人間にもよっぽどのことがない限り悪させんから大丈夫だろう。」
アーサーはひよこちゃんの頭を撫でながら教えてくれた。
「本当に可愛いですね。」
ベネッチェも触っている。
そしてアーサーは
「 グリピーツフォンの羽とかは綺麗でドレスや装飾とかに使われている。しかも警戒心が強いし、魔物としてもそこそこの強さじゃ。なかなか仕留めれんから人気の素材じゃ。捕まらんように気を付けんとな。」
と、警戒するように注意してくれましたわ。
もちろんですわ!
幸い、街中ではないので大丈夫だとは思いますが。
ひよこちゃんは安心したのか、また手のひらから降りて卵の殻を食べ始めました。
ひよこちゃんは私がそばに居ないと鳴くので、お風呂では脱水所まで連れていき、ひよこちゃんにここにいるよ!って声をかけながら入りました。
寝るときは、潰してはいけないので、今まで卵を入れていた籠へ入れましたが、すぐに私のそばへくるので、仕方ないのでそのままで寝ることにしました。
潰さないように気を付けなくては。
ひよこちゃんは寝床を決めるのにうろうろしてましたが、私の顔を肩の間に入り瞳を閉じた。
ひよこちゃんのうぶ毛が顔に当たり
うふふふ。うぶ毛がふかふか♪
もふもふ感を味わいながら私も瞳を閉じた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ピィーピィーとひよこちゃんの鳴き声で目が覚めました。
どうやら潰さなかったみたいでほっとしました。
私は起き上がり、ひよこちゃんをしこたまもふもふ撫で撫でしてから床に下ろしました。
ひよこちゃんは少しビビってましたが、恐る恐ると歩き出し、大丈夫だと分かると、ピィー♪ピィー♪と鳴きながら部屋中を歩き回ってます。
歩いているときのお尻フリフリが可愛いです!
しばらくしてお母様から、朝食の用意が出来たと呼びにきましたので、ひよこちゃんを連れて食堂へ向かいました。
ひよこちゃんは私が食事中のときはお膝の上で大人しくしてくれてます。そして食べ物をじっと見てます。
グリピーツフォンは雑食なので、人間が食べる物でも食べるみたいですが、昨日産まれたばかりのひよこにあげるのはやっぱりダメですよね···。
お母様が言うには、グリちゃんはひよこの時は虫などを食べてたとのこと。
畑にはたくさん虫がいるので、作業中にあげることにしました。
そうそう!名前は決めましたわ!
ピィーちゃんです!
名前のセンスがないとかの苦情は受付しませんわ!
まだオスかメスか分かりませんもの!ピィーちゃんならどっちでもいける名前だと思いますわ!
それに!マリア伯爵夫人もグリちゃんですもの!
アーサーと畑仕事に行くことにしました。
私は花壇にお花の種を植えるつもりです。
その時に土を掘るので、ピィーちゃんを横に下ろし、作業を始めました。
出る出る!ミミズが。こちらの世界はサームと言いますが、前世の言葉のミミズでいいですわ!
ピィーちゃんはミミズを見つけるとパクっと食べてます。
ピィーちゃんは私も周りを走り回り、パクパクと虫を美味しそうに食べてます。
···ピィーちゃんの食べ物には困りませんわね。
午前中でピィーちゃんは、真っ白なうぶ毛が、土で真っ茶色になってしまいました。
私も汚れたので、お昼ご飯の前にお風呂に入ることにしました。
ピィーちゃん、洗っても大丈夫かしら?
一応お風呂場に連れてきましたが···
ピィーちゃんはトテトテとお風呂場を探検してます。
「ピィーちゃん、おいでー。」
私が呼ぶと、トテトテと私のところにきました。
「ピィーちゃん、ちょっとお水かけてるね。」
私はピィーちゃんに話しかけて、少しの水をチョロっとかけてみました。
「ピィッ!」
ピィーちゃんはお水にびっくりしてはね上がりましたが、その一瞬だけで、じっとしてます。
私はもう少しお水をかけてみましたが、じっとしてます。
「ピィーちゃん、大丈夫みたいですね。じゃあ綺麗にしましょうね。」
私は頭以外の全身に水をかけて、石鹸でこちょこちょと洗いました。
ピィーちゃんはおりこうにじっとしてます。
石鹸を洗い流したら、ピィーちゃんがブルブルと身体の水分を飛ばした。
水に濡れたピィーちゃんは、うぶ毛がベッタリしてかなり貧相な身体になってましたが、水分を飛ばしたら少しモコモコを取り戻しました。
ピィーちゃんは水が大丈夫そうなので、私は桶に少し水を入れて、そこにピィーちゃんを入れてみました。
ピィーちゃんは桶の水に浮かぶように座りました。
私はピィーちゃんをそのままにして、身体をサッと洗い湯船に浸かりました。
するとピィーちゃんはすくっと立ち、ピィーピィー鳴き出した。
どうやらお湯が気になっている感じでした。
私は少しお湯をかけて上げました。
反応はお水と一緒で「ピィッ!」と鳴いて大人しくなりました。
桶に入ってた水を捨て、お湯を入れて上げました。
ピィーちゃんはまたお湯に浮かぶように座り、瞼を閉じました。
···ピィーちゃん、気持ち良さそうですわ。お水どころかお湯にまで物怖じしないなんて···
しかもお湯を気に入った様子ですし···変な魔物ですわね。
私はしばらくお湯に浸かって、お風呂を出て、ピィーちゃんを風魔法で乾かしました。
ピィーちゃんは、元の真っ白でふわふわなうぶ毛に戻りました。
そして私はもふもふをしてからお昼ご飯を食べました。
午後もピィーちゃんは、元気に走り回り、餌を取り巻くってまた真っ茶色になったのは言うまでもありませんわ。
ふふふ。
いっぱい遊んで、いっぱい食事をして大きくなってくださいね!
0
お気に入りに追加
1,743
あなたにおすすめの小説
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
忘れられた妻
毛蟹葵葉
恋愛
結婚初夜、チネロは夫になったセインに抱かれることはなかった。
セインは彼女に積もり積もった怒りをぶつけた。
「浅ましいお前の母のわがままで、私は愛する者を伴侶にできなかった。それを止めなかったお前は罪人だ。顔を見るだけで吐き気がする」
セインは婚約者だった時とは別人のような冷たい目で、チネロを睨みつけて吐き捨てた。
「3年間、白い結婚が認められたらお前を自由にしてやる。私の妻になったのだから飢えない程度には生活の面倒は見てやるが、それ以上は求めるな」
セインはそれだけ言い残してチネロの前からいなくなった。
そして、チネロは、誰もいない別邸へと連れて行かれた。
三人称の練習で書いています。違和感があるかもしれません
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
乙女ゲームの悪役令嬢は断罪回避したらイケメン半魔騎士に執着されました
白猫ケイ
恋愛
【本編完結】魔法学園を舞台に異世界から召喚された聖女がヒロイン王太子含む7人のイケメンルートを選べる人気のゲーム、ドキ☆ストの悪役令嬢の幼少期に転生したルイーズは、断罪回避のため5歳にして名前を変え家を出る決意をする。小さな孤児院で平和に暮らすある日、行き倒れの子供を拾い懐かれるが、断罪回避のためメインストーリー終了まで他国逃亡を決意。
「会いたかったーー……!」
一瞬何が起きたか理解が遅れる。新聞に載るような噂の騎士に抱きすくめられる様をみた、周囲の人がざわめく。
【イラストは自分で描いたイメージです。サクッと読める短めのお話です!ページ下部のいいね等お気軽にお願いします!執筆の励みになります!】
【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。
なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。
本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる