私のお腹の子は~兄の子を身籠りました~

妄想いちこ

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3話 由紀 14歳

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「由紀!今日は部活もないし、一緒に遊ばない?」

「うん!遊ぼう!帰ったら恭子の家に行くね!」

「了解!」


今日は学校が有ったんだけど、季節外れのインフルエンザが流行り、とうとうクラスの半分の人数が休んでしまい、急遽学級閉鎖になりました。


「朝の職員会議でクラス閉鎖が決まった!給食食べたらすぐ下校するぞ!3日間休みだ!来週の月曜日までは家庭学習をするように!くれぐれも遊びに出るなよ!」

担任の先生の言葉に皆ははしゃいだ。

「「「やったー!」」」

「こら!騒ぐな!ちゃんと宿題はたっぷり出してやるからな!」

「「「えー!」」」

「いらねぇ!」

宿題には大顰蹙をかってたけど!


で、冒頭に戻る。

恭子こと、橋田恭子は私の幼馴染みでもあり、親友!二年になってクラスも一緒になってラッキーだった。
部活も一緒の弓道部で頑張ってる。

学校から一緒に帰って、途中で別れて急いで家に向かった。



家に着き鍵を開けて入ったら

「あれ?お兄ちゃんの靴がある。」

そう言えば今日からテストがあって、早く学校が終わるって言ってたな。

だけど、兄の靴すぐ隣には見慣れない靴があった。

女性の物のローファーだった。

「······。」

私は気にしないようにして、家に上がり、二階の自分の部屋へ向かった。

そして兄の部屋に差し掛かった時に声が聞こえた。

私はイケないと思いつつも、ドアのぶを回し少しドアを開けた。

「あんっ!あんっ!」

女性の喘ぎ声。

兄はベッドの上で女の子とセックスをしていた。

兄はバックから激しく腰を動かしていた。
片手は激しく女の子の胸を揉んでいる。

そんな荒々しい兄を見るのは初めてだった。

「悟くんー!気持ちいいよー!あんっ!あんっ!もっとちょうだいー!」

女の子は気持ちよさそうに喘ぎ、腰を動かしている。

そんな彼女を兄は少し冷めた目で見ていた。

あんな顔をしてるお兄ちゃん見るの初めて···。

今、私はここに居てはいけない!と思い、そっとドアを閉めて制服のまま外へ出た。


私は兄の情事を目の当たりをしショックだった。
頭が真っ白になり、フラフラと近くの公園にいって、ベンチに座った。

まだ昼過ぎだからか、公園には誰も居なかった。


「お兄ちゃん彼女いたんだ···。」

知らなかった。
いるなら教えてくれれば良かったのに。

そうか、お姉ちゃんが知ったら邪魔するもんね···。

私は邪魔なんてしないよ?

凄く寂しいけど···。

ずっと週末は私たちの相手してくれてて、彼女には申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

凄く寂しいけど···凄く寂しいけど!

お兄ちゃん離れをしなくちゃイケない時がきたんだね···


私は悲しくなり、涙が出てきて公園で声を殺しながら泣いた。


しばらくして落ち着いてきたので、恭子の家に行くことにした。

恭子は私が制服なのに驚いていたけど、家の鍵がなかったからだと嘘をついた。

恭子と宿題したり、恋バナしたりした。

「由紀さあ、好きな人いないの?」

好きな人····

「うーん、居ないなあ。」

「やっぱりお兄さんがハイスペックだし、格好いいもんねー!でも、お兄さんみたいな人はいないよ?」

「うん。判ってるよ。」

「お兄さんを基準にしちゃだめ!」

恭子は人差し指を私の鼻に押し当てツンツンとした。

好きな人か···今まではお兄ちゃんしか見えてなかった。
これからはちゃんと他の人に目を向けないとね!

「うん!いい人いる?」

「意外に山本晃太とか人気あるよー!サッカーしてるとこなんて超格好いいし!オススメ!でさー···」


私たちは男子の話で盛り上がった。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「ただいまー。」

私が家に帰り靴を脱いでいると

「お帰り。今日は遅かったね。」

兄が出迎えてくれた。

私は兄の顔を見ると昼の情事を思い出してしまい顔を反らしてしまう。

「うん。ちょっと恭子の家で宿題してたの。」

私は兄の顔を見ずに横を通り抜けて、走って自分の部屋に入った。

お兄ちゃんに感じ悪い態度しちゃった。
でもあの時の事を思い出して、まともに見れないよー!

私は「ふう」とため息を付き、部屋着に着替えている最中に

コンコン
とノックのする音がして

「由紀?今日は何かあった?」

お兄ちゃん!

「なっ、何もないよ。」

「···そうか···ちょっと部屋に入ってもいいかな?」

「ダメ!今着替えてるし!」

「···なら後でね···。」

兄が去って行った。


夕御飯はなるべく兄の顔みないように、姉にばかり話かけていた。
兄も会話に入ってきたときには、びくっと身体が反応してしまい、上手い受け答えが出来なかった。

···きっとお兄ちゃん、変に思ってるよね···。

明日からは気持ちを切り替えないと!

それから兄がまた来て話がしたいと言われたけど、疲れたから寝ると言って断ってしまった。

また変な態度しちゃったよー!
お兄ちゃんは悪くないのに、ごめんなさい!

明日からはちゃんとするから!

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

あれから二週間が経った。

兄の情事を目撃した次の日からは、何とか普通に対応できたと思う。
でもお兄ちゃんは私の様子がおかしいと思っているようで、前より話かけてくるようになった。

姉は兄と同じ高校に合格しました。
奇跡に近いです!姉が兄と同じ高校に絶対に行くんだと意気込んで猛勉強して、執念で合格をもぎ取ったって感じ。

毎朝、お兄ちゃんと一緒に高校いけるのでお姉ちゃんはルンルンだった。

私はいつも兄達の後に10分ほど経ってから家を出る。

「いってきまーす!」

私はお母さんに声をかけて出た。ちょっと歩いたところで

「由紀」

と声をかけられて、振り向くとお兄ちゃんが立っていた。

「お兄ちゃん!」

どうしてここにいるの?ちゃんとお姉ちゃんと出掛けたはずなのに···。

「お兄ちゃんどうしたの?忘れもの?」

兄は首をかしげて

「うーん、違うかな。由紀を待ってた。」

「え?でもお姉ちゃんは?」

私はキョロキョロと姉を探した。

「友美には、忘れ物したから先に行ってと言ったからいないよ。」

「お兄ちゃん、私に何か用なの?」

「そうだね。学校まで送ろうと思って。」


へ?何で?

「え?あの···」

「さあ行こう。」

兄は私の言葉遮り、手を繋いで歩きだした。

「····。」

歩いている間は、お互いに無言だったけど、兄はニコニコして歩いている。

やっぱりお兄ちゃんが何を考えているのか聞かなくちゃ。

「お兄ちゃん···いきなり学校に送ってくれるってどうしたの?」

「由紀と一緒に中学校行った事ないなって思ってさ。それに··最近お兄ちゃんと一緒に居てくれなくなっただろ?寂しくってね。」

そんなことで?

「でも、お兄ちゃんが学校に遅刻しちゃうよ。だからここまででいいから!」

私が繋いだ手を離そうとしたら、繋いでた手にぎゅっと力を入れて離そうとしなかった。

「由紀、別に僕は一回位遅刻しても構わないよ。だからこのまま送るよ。」

兄は笑った···でも目は笑ってなかった。有無を言わせない顔だった。

その時初めて、兄を少し怖いと思った···。

私たちは学校まで手を繋いで歩いていた。
私は学校が近くなる度、何度も手を離してと言ったけど、聞き入れてもらえなかった。
いつものお兄ちゃんならきっと私が嫌がったら手を離してくれるのに···。
何か変だよ、お兄ちゃん。

当然、兄が中学校に現れたら大騒ぎになり、すぐ兄の周りに人だかりが出来た。兄の手が弛んだ隙に手を離して逃げた。

「由紀!」

呼ばれたけど走って教室に向かった。

後で、色々と兄の事を聞かれたのは言うまでもない。

そして恭子にはバッチリ手を繋いでたところを見られており、
「仲が良いのは分かるけど、兄妹であれは引くわー!キモいよ!」

と、言われた。

今まで、外では兄と手を繋いでたので、その言葉はショックだった。
私たちはそれが常識だったから。

現実は他人から見れば、高校生と中学生の兄妹が手を繋ぐのはあり得ないことだと認識した。


その日の夜

「由紀はひどいな。僕をおいてさっさと教室に行くなんて。」

「ごめんなさい。だって人がいっぱいきたし···」

「まあ、いいや。今度の土曜日は映画に行く?それとも海でも見に行くかい?」

兄はニコニコと土曜日の予定を聞いてきた。

「私、恭子と会うつもりなの。」

私の言葉に、

「どうして?恭子ちゃんとは日曜日に会えばいいと思うけど。」

兄は不思議そうに言ってきた。

「うん···でも約束したし。」

「···なら日曜日に行こうか?友美が土曜日でいいかな?」

姉に予定変更を聞く。

「えー!別にいいけど。」

姉は高校でもバドミントン部に入っているが、例の如く土日は休みで、高校からは土曜日は私、日曜日は姉の相手を兄はしてくれていた。

「お兄ちゃん!私の相手はもういいから!だから1日は自分の為に使ってね!」

兄は驚いた顔になり

「いきなりどうしたんだ?」

「それに、私はもっと友達と遊んだりしようと思って。」

「なら今まで通り日曜日だけでも大丈夫だろ?」

「···でも、もうお兄ちゃんとは遊びに出ないことにしたから!」

「えー!マジ!?やったー!なら土日両方私と遊びに行こうよ!お兄ちゃん!」

姉は嬉しそうにしている。
私は彼女さんの為に言ってるのに意味ないじゃん!

「由紀、そんな寂しいこと··」

私は兄の言葉を遮り

「そういうことだから!」

走って部屋に戻った。

そして鍵を閉めてベッドに寝転がる。

「はー。言っちゃった。」

まだ心臓がドキドキしてる。
でもこれで良かったのよ。いつまでもお兄ちゃんを縛りつけちゃいけないし、お兄ちゃん離れするって決めたんだから!


コンコン

「由紀?ちょっといいかな?」

「···」

私は鍵を開けて、兄を部屋の中へ入れた。

「由紀、どうしたんだ?最近本当におかしいよ。お兄ちゃんのことが嫌いになった?悪いところを直すから言って欲しい。」

どこまでも優しいお兄ちゃん···

私は思いきって言うことにした。

「お兄ちゃんのこと嫌いだなんて!大好きだよ!でも··二週間前、うちのクラス、インフルエンザで三日間休みだったでしょ?実は前日からだったの。前日は急遽給食食べてから帰宅になって帰ってきたの。」

「二週間前?」

兄は考え込んでいる

「お兄ちゃん、テストだったよね?帰ったらお兄ちゃんは居て、知らない靴が玄関にあったの。」

兄は思い出したようで、顔が強張っている。

「お、お兄ちゃんは女の人とセックスしてて···」

「由紀それは!」

「彼女がいるなら言って欲しかった!私知らなくてお兄ちゃんを独占しちゃって彼女さんに申し訳ないことしてた!」

「由紀!僕には彼女なんていないよ!」

「え?でも···」

「あまり追及されたら困るけど、その人はただの友達だよ。」

「····。」

「だからそんな心配は入らないよ。」

兄は私に諭すように言ってくる。

「お兄ちゃん、友達とセックスするの?」

「····僕も男だからね···誘われたらたまにしたくなるんだよ。」

知らない兄を見た気がした。

「···でもいい機会だと思う!私はそろそろお兄ちゃん離れをしようと思ってるから!」

「由紀···」

「でもやっぱりお兄ちゃんに甘えちゃうかもだけど。そんときはごめんなさい。そういうことだから!」

私は兄の背中を押して部屋から追い出し、ドアの鍵を閉めた。

「由紀!開けるんだ!」

ドンドンとドアを叩く。
私は耳をふさいで布団に潜った。

暫くしたら音が止み、スリッパの音が遠退いていった。

私はホッとし、いつの間にかそのまま寝てしまっていた。
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