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閑話④ ぬいぐるみの秘密

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ここはヘーバンス大陸と言って4つの王国がある。オーディフェンス王国、
ローインデリア王国、ギィオリンク王国、カンチス王国がある。

私の名は、フレア・ファン・ストローンは4つの国の中で一番大きいオーディフェンス王国に住んでいる。

「こ·····これは大変だわ!!実家に行かなくちゃ!」

産まれたばかりの息子グレイスを抱っこして、女の子と男の子の二人の子供に実家に行くことを告げる。

「ローフラ、キルース、アンドリエのお婆様の所に行きましょう!」

「「きゃー!!」」

子供二人はとても喜んでいます。
そして部屋の窓を開けて、庭にいる私のお友達の グリピーツフォンいう鳥に似た魔物のピィーちゃんに声をかけました。

「ピィーちゃん!アンドリエ家に行くけどピィーちょんも行くかしらー?」

ピィーちゃんは全身綺麗なエメラルドグリーンの色をしており、メスの証である背中の真ん中にピンクの縦線をフリフリ動かしながら、お食事のミミズ取りに夢中だったのを中断し

「クルル~♪」

と嬉しそうに返事をしてくれた。





私は急いで実家に向かった。
あっ、私の旧姓はフレア・フィン・アンドリエと申します。このオーディフェンス国内で一番の有力貴族であるアンドリエ家の娘でした。
父は英雄とうたわれ、この国の宰相。一番上の兄はこの国の魔術団のトップであり父と同じように英雄と言われている、二番の兄はカンチス王国の宰相。二番目の姉はこの国の第二皇子の側妃。
なかなかの家族構成でしょ?

ちなみに私の旦那様はこの国の騎士団のトップをしてます。



王都の真ん中辺にある大きなお屋敷は私の実家。
馬車が着くとすぐに私と分かるので、門番が門を開けてくれる。何せ頻繁に来てますので·····。

馬車を降りると、庭の方からバシュッ! カンッカンッ!と音が鳴り響いていた。
音がする方を見ると、私の年の離れた弟のダシャンが、剣術を習っていた。

それを見た私の二人の子供達は「ダシャンだ!」と言って弟の方へ走って向かった。

ダシャンはこちらへ気付きニッコリと笑う。
本来なら爽やかな少年·····いや、爽やかなんだけど、顔は正直格好いいとは言えない。
アンドリエ家はお父様がかなりの美形で私の兄姉は父親に似て皆美形で美人。お母様の方は普通。決して不細工ではないわ!·····が普通。一重瞼に、目鼻立ちは平坦。ただ雰囲気が癒し系というか····。私とダシャンは母親似て平凡な顔をしている。
兄姉がうらやましいけれど、こればかりは仕方がない。それによいこともある。母親のミチルダは胸が豊満なのだ。私の兄姉は男三人、女四人の七人兄妹だ。姉三人も私もお母様の胸を譲り受けかなり大きいおっぱ·····ゴホンッ!胸をしている。
なので、本日、他の大陸のお友達のネネさんからお礼の品物を贈ってくれたその中に黄色のドレスがあったのだけれど、凄く気に入ったのに····胸の部分が入らなかったのだ。胸の部分だけ修正したくても、変わった布で出来ない。残念。娘がもう少し大きくなったら着せようかと思う。

それより!早くお父様に会わなくちゃ!

ダシャンと周りの者に息子を任せることにして、一緒に来たピィちゃんとそのつがいのグリちゃんに声をかける。

「ピィちゃん、グリちゃん、あの子たちをお願いね。」

二匹は元気よく、任せて!と言ってるかのように「クルー!」と鳴き、子供たちの元へと向かった。私はそれを見届けてから、グレイスと一緒にお父様の元へと向かった。


今日は日曜日だからいるはず!
そう思い、お父様の書斎へ向かったが居らず。
と、いうことはあそこね。それはお母様の部屋か作業場!お母様はお裁縫が得意でドレスや服などを縫い、お店をしているお友達の所へ卸したり、弧児院に寄付したりしていた。


ドアをノックし声をかけた。

「お母様、フレアです。」

「フレア?どうぞ。」

部屋に入ると·····べったりとお母様にくっついているお父様もいた。

やっぱり······。

お父様はもう50歳に手を届く年齢になるのに、それを感じさせないイケメンダンディーだ。
一見みたら細身だが、服の下はかなりがっちりしている。腹筋も割れているし、この年齢になると贅肉も目立ち始めるがお父様には全くない!

いまだに老若男女に人気がある。昔は妾が三人いて愛人までいたが、今は全てを精算しお母様一人だけとなっていた。

お父様はお母様にぞっこんなのだ。昔は色々あったのだけれど、今はこの夫婦は遅ればせながらバカップルになっている。
今もお母様の肩を持って、お母様の顔をガン見しています。

そんなことより!

「お父様!実は大変なんです!」

私が焦った口調で言うとお父様はゆっくりを私の方を顔を向けた。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



私の話を黙って聞いていたお父様は難しい顔をして考え込んでいる。

私はグレイスを揺りかごに寝かせ、ユラユラと揺りかごを動かしている。グレイスは気持ちいいのかぐっすりと眠っていた。
私はグレイスを見ながらお父様に話しかけた。

「ネネさんの大陸には魔法がないと言っていたから、こちらの大陸からか、どこか魔法のある大陸から、何らかの拍子にあちらへ流れて行ったのではないかと思うの。」


「···········。それは否定できないだろう。もしかしたらカンチス王国の戦でどさくさに紛れて逃亡している奴もいるだろうからな。幾人か貴族やら騎士団、魔術団の上の者の所在が分からないのがいる。亡命しても何も出来ないと思ってほっといていたが。シャベールに調べさせるか。」

「シャベールお兄様ですか!?」

なっ、なるべくシャベールお兄様には頼りたくないのですが·····。

前にお父様がおられなかったので急遽ハヤバトと、ネネさんのあるじに渡すためのペンダントとお願いして、大変な目に合いました(泣)

「うむ。カンチス王国に攻めて蹴散らしたのはシャベールだからな。その際に逃した奴が他の国、大陸へ逃げ込んだのなら、あやつは責任を持って行動しなければならぬ。」

そう言うとお父様はドアの方に向かい

「セバンを呼べ」

と、この家の執事の名前を叫んだ。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



       後書き
今回は閑話です。
こちらからアップした方がいいかなと思いまして····。
しかも長くなりそうでしたので、分けることにしました。

本編をお待ちの方、申し訳ありません。



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