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47話 今の所は順調です?
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「アリア様、ナタリア様よりドレスの購入の許可の申請がきております。」
ネネがそっと私の前に白い一枚の紙を差し出した。
「またなの?先週も申請がきたばかりじゃない。」
私は一つため息をついて、その紙を見た。
「前のが着れなくなったと書かれてますね。再来週にある夜会に着ていく為とも·····。」
「私の方は却下で出しておいて。あとはルイス殿下の判断に任せるわ。」
私は却下と大きな字で書いて自分のゴム印をその書類に押し、ネネに渡した。
「承知いたしました。」
ネネはお辞儀をして、その書類を受け取り封筒に入れて部屋から出て行った。
あの旅行の出来事から三年半年の月日が過ぎていた。
あれからララベルは第一皇女となる女の子を出産。
ルイス殿下は帰国するとすぐにララベルを軟禁しようとした。だけど、まだ実行もされてないのに可哀想過ぎる!出産してからでも遅くない!と、私は懇願し、なんとかルイス殿下を宥めることに成功したのだ。
その半年後にナタリアが第一皇子となる男の子を出産した。ナタリアが第一皇子を出産した時には国全体で凄いお祝いモードになり、お祭り騒ぎとなったのは今は記憶している。第一皇子を出産したナタリアは後宮ではNo.1の地位に着いた。おかげでやりたい放題。全く迷惑だわ!
一方ララベルの方は、ママイヤ国の期待通りにはいかず、出産したのは女の子だったので、あの時聞いた陰謀の実行はされていない。
ちょっとホッとしたわ。
ただ今はまだ実行されていないだけで、モッコロ王国との密接な関係を続けているのは確認しているらしい。その為、ララベルは軽い軟禁状態ではあるけれど別の塔で暮らしている訳ではない。勿論ルイス殿下の寵愛もなくなったので、地位はかなり落ちている。今は子供とひっそり暮らしている。
モッコロ王国と言えば、皇女が嫁いでくる予定だったのを様子を見るために、どうやったのか一年遅れて嫁いできた。
ルイス殿下の側妃は八人になっていた。
······これは仕方のないことだと思っている(思うようにしている)。
何故ならばナタリアの故郷 マターナルヤ国と 第四側妃アナラーナの故郷ザンビア国が裏切る可能があるからだ。
両国ともに、とうとう一年くらい前からきな臭い動きをしているとルイス殿下が言っていた。
いざという時のために親好国を増やす為に娶ったのだ。
·····嫌だけどね·····。でも好都合とも言える!
おかげで、私の元に通ってくるのは週に一回になったもの!ルイス殿下はナタリアやアラナーラの元にも一応通ってる。
まだ祖国が裏切った訳ではないから。とはいえ、月に一回か二回だけどね。でもやはりナタリアやアナラーナからはもっと通ってくださいと言われているみたい。
今、寵愛を受けているのはリビア国から半年前に嫁いできたナディア。
とても可愛い子。年齢は私より一つ下の17歳。とても素直な子で私になついてくれている。
17歳と言えば、ランディの婚約者のマリンベルとの仲が微妙というか······本当だったらランディとマリンベルは結婚してるはずなんだけど、二年前にランディが婚約破棄の申し入れをムラサーラ公爵にしたのだ。
私も含め周りは大慌て!ムラサーラ公爵候もかなり憤慨し、一時期はホーン公爵候との仲も悪くなったとか。
ランディ曰く
「マリンベルは自分の奥さんになるより、違う方に嫁いだ方がいい。マリンベルは我慢をしない。私は公爵家に産まれたが跡取りではない。身分もないようなものだ。今みたいにマリンベルのワガママを聞いて欲しい物など買ってやれないだろうし、私は騎士だから寂しい思いもさせるだろうから。」
だそうだ。
少し遠回しないい方だどね。
周りに少し聞いても、マリンベルは可愛いけどワガママだからランディが嫌がったのではないかと噂しているらしい。
前に····とは言え私がリンカーヌ王国に来たての頃にランディに聞いた時はそんな感じがしなかったけれど、どこかで何かあったのかな。訳を聞いても教えてくれないんだよね。
マリンベルには二回ほど夜会で会ったことがあった。その時はマリンベルはランディにべったりで、好き好きアピールしていたと思うし、ランディに寄ってくる年頃の女性を牽制してた。因みに私にもだけど。その時はランディに注意されてたわね。
まあ、そんな感じでランディは両方の親に説得されて妥協案というか条件を出した。
それは
・ワガママを直す
・自分のことはある程度出来るようになる。侍女のお手伝いは極力避ける。
・平民になると自覚する
・平民のことを勉強する。
など·····。まだあるらしいけれど。
これをクリア出来たらマリンベルが18歳になった年に結婚をするとのこと。
ランディは当初、この条件を出したらマリンベルは断ってくると思っていたらしい。だけどマリンベルはこの条件を呑んで今、一生懸命頑張っている。
マリンベルには頑張って欲しいわ!そしてランディと一緒に幸せになって欲しい!
できればランクスのようにはなって欲しくない。
ランクスと言えば私の故郷、サマヌーン国で宰相としての手腕を振るっている。他の国との貿易に積極的に取り組んでいて、国や街も活気づいているらしい。ますますムシュムシュの糸や布が品薄になって、何年待ちになっているとか·····。若者の育成にも力を入れているらしい。
年に何回か、このリンカーヌ王国に来ているけど、ますます男っぷりが上がっていて、リンカーヌ王国でも人気!こちらの五大公爵家もランクスに結婚の打診をしていると聞いた。それだけじゃなくて、他の国からも結婚の打診がきていて、断るのに苦労しているとランクスの愚痴をこぼしていたとキースが言っていた。
ランクスが結婚しないのって、私のせい!?····なんてね!意識過剰かな。
そしてネネはあれから無事に男の子を出産!
可愛いのー♪
名前はフレディ。三歳になってちゃんとした言葉をしゃべれるようになった。
「アーリーしゃま!」
と呼んでくれてる。まだアリアと言えないけれど無邪気になついてくれるフレディに私はメロメロよ!ふふふ。
毎日の日課はフレディのぷにぷに頬っぺたと触ること。
ネネもすっかり母親になってて、たまに昔に返ったように私を小さい子に接するように注意される。
それはないんじゃない?ネネさん!
私はいうと、避妊は成功中!
フレディを見ていると、正直、自分の赤ちゃんが欲しいけれど······。
今はフレディが我が子のように可愛いから、それで満足している。
ルイス殿下は相変わらずだけど、皇太子として毎日奮闘していて、リンカーヌ王国がますます豊かになってきている。ちょっぴりカッコいいなって思うこともある。
私は念願だった孤児院の増設や予算をアップすることにも成功した。
私なりに毎日忙しくしている。
ピューマも元気にしている。今では子供に大人気になった。散歩も昼間に出かけると子供たちが
「ピューマだ!」
と寄ってきて触りまくる。抱きついてもふもふする!
ピューマは嬉しそうに、大人しくなすがままにされている。
·····そろそろピューマに奥さんをとは思っているんだけど·····。
そんなこんなでも、今は平和に暮らしている。
あと二年!このままでいれたらと私は自由になれる!って思っていた·····ううん!信じていた!
だが、確実に闇は動き始めていた·····。
そしてこの王宮でも問題が勃発していた。
ネネがそっと私の前に白い一枚の紙を差し出した。
「またなの?先週も申請がきたばかりじゃない。」
私は一つため息をついて、その紙を見た。
「前のが着れなくなったと書かれてますね。再来週にある夜会に着ていく為とも·····。」
「私の方は却下で出しておいて。あとはルイス殿下の判断に任せるわ。」
私は却下と大きな字で書いて自分のゴム印をその書類に押し、ネネに渡した。
「承知いたしました。」
ネネはお辞儀をして、その書類を受け取り封筒に入れて部屋から出て行った。
あの旅行の出来事から三年半年の月日が過ぎていた。
あれからララベルは第一皇女となる女の子を出産。
ルイス殿下は帰国するとすぐにララベルを軟禁しようとした。だけど、まだ実行もされてないのに可哀想過ぎる!出産してからでも遅くない!と、私は懇願し、なんとかルイス殿下を宥めることに成功したのだ。
その半年後にナタリアが第一皇子となる男の子を出産した。ナタリアが第一皇子を出産した時には国全体で凄いお祝いモードになり、お祭り騒ぎとなったのは今は記憶している。第一皇子を出産したナタリアは後宮ではNo.1の地位に着いた。おかげでやりたい放題。全く迷惑だわ!
一方ララベルの方は、ママイヤ国の期待通りにはいかず、出産したのは女の子だったので、あの時聞いた陰謀の実行はされていない。
ちょっとホッとしたわ。
ただ今はまだ実行されていないだけで、モッコロ王国との密接な関係を続けているのは確認しているらしい。その為、ララベルは軽い軟禁状態ではあるけれど別の塔で暮らしている訳ではない。勿論ルイス殿下の寵愛もなくなったので、地位はかなり落ちている。今は子供とひっそり暮らしている。
モッコロ王国と言えば、皇女が嫁いでくる予定だったのを様子を見るために、どうやったのか一年遅れて嫁いできた。
ルイス殿下の側妃は八人になっていた。
······これは仕方のないことだと思っている(思うようにしている)。
何故ならばナタリアの故郷 マターナルヤ国と 第四側妃アナラーナの故郷ザンビア国が裏切る可能があるからだ。
両国ともに、とうとう一年くらい前からきな臭い動きをしているとルイス殿下が言っていた。
いざという時のために親好国を増やす為に娶ったのだ。
·····嫌だけどね·····。でも好都合とも言える!
おかげで、私の元に通ってくるのは週に一回になったもの!ルイス殿下はナタリアやアラナーラの元にも一応通ってる。
まだ祖国が裏切った訳ではないから。とはいえ、月に一回か二回だけどね。でもやはりナタリアやアナラーナからはもっと通ってくださいと言われているみたい。
今、寵愛を受けているのはリビア国から半年前に嫁いできたナディア。
とても可愛い子。年齢は私より一つ下の17歳。とても素直な子で私になついてくれている。
17歳と言えば、ランディの婚約者のマリンベルとの仲が微妙というか······本当だったらランディとマリンベルは結婚してるはずなんだけど、二年前にランディが婚約破棄の申し入れをムラサーラ公爵にしたのだ。
私も含め周りは大慌て!ムラサーラ公爵候もかなり憤慨し、一時期はホーン公爵候との仲も悪くなったとか。
ランディ曰く
「マリンベルは自分の奥さんになるより、違う方に嫁いだ方がいい。マリンベルは我慢をしない。私は公爵家に産まれたが跡取りではない。身分もないようなものだ。今みたいにマリンベルのワガママを聞いて欲しい物など買ってやれないだろうし、私は騎士だから寂しい思いもさせるだろうから。」
だそうだ。
少し遠回しないい方だどね。
周りに少し聞いても、マリンベルは可愛いけどワガママだからランディが嫌がったのではないかと噂しているらしい。
前に····とは言え私がリンカーヌ王国に来たての頃にランディに聞いた時はそんな感じがしなかったけれど、どこかで何かあったのかな。訳を聞いても教えてくれないんだよね。
マリンベルには二回ほど夜会で会ったことがあった。その時はマリンベルはランディにべったりで、好き好きアピールしていたと思うし、ランディに寄ってくる年頃の女性を牽制してた。因みに私にもだけど。その時はランディに注意されてたわね。
まあ、そんな感じでランディは両方の親に説得されて妥協案というか条件を出した。
それは
・ワガママを直す
・自分のことはある程度出来るようになる。侍女のお手伝いは極力避ける。
・平民になると自覚する
・平民のことを勉強する。
など·····。まだあるらしいけれど。
これをクリア出来たらマリンベルが18歳になった年に結婚をするとのこと。
ランディは当初、この条件を出したらマリンベルは断ってくると思っていたらしい。だけどマリンベルはこの条件を呑んで今、一生懸命頑張っている。
マリンベルには頑張って欲しいわ!そしてランディと一緒に幸せになって欲しい!
できればランクスのようにはなって欲しくない。
ランクスと言えば私の故郷、サマヌーン国で宰相としての手腕を振るっている。他の国との貿易に積極的に取り組んでいて、国や街も活気づいているらしい。ますますムシュムシュの糸や布が品薄になって、何年待ちになっているとか·····。若者の育成にも力を入れているらしい。
年に何回か、このリンカーヌ王国に来ているけど、ますます男っぷりが上がっていて、リンカーヌ王国でも人気!こちらの五大公爵家もランクスに結婚の打診をしていると聞いた。それだけじゃなくて、他の国からも結婚の打診がきていて、断るのに苦労しているとランクスの愚痴をこぼしていたとキースが言っていた。
ランクスが結婚しないのって、私のせい!?····なんてね!意識過剰かな。
そしてネネはあれから無事に男の子を出産!
可愛いのー♪
名前はフレディ。三歳になってちゃんとした言葉をしゃべれるようになった。
「アーリーしゃま!」
と呼んでくれてる。まだアリアと言えないけれど無邪気になついてくれるフレディに私はメロメロよ!ふふふ。
毎日の日課はフレディのぷにぷに頬っぺたと触ること。
ネネもすっかり母親になってて、たまに昔に返ったように私を小さい子に接するように注意される。
それはないんじゃない?ネネさん!
私はいうと、避妊は成功中!
フレディを見ていると、正直、自分の赤ちゃんが欲しいけれど······。
今はフレディが我が子のように可愛いから、それで満足している。
ルイス殿下は相変わらずだけど、皇太子として毎日奮闘していて、リンカーヌ王国がますます豊かになってきている。ちょっぴりカッコいいなって思うこともある。
私は念願だった孤児院の増設や予算をアップすることにも成功した。
私なりに毎日忙しくしている。
ピューマも元気にしている。今では子供に大人気になった。散歩も昼間に出かけると子供たちが
「ピューマだ!」
と寄ってきて触りまくる。抱きついてもふもふする!
ピューマは嬉しそうに、大人しくなすがままにされている。
·····そろそろピューマに奥さんをとは思っているんだけど·····。
そんなこんなでも、今は平和に暮らしている。
あと二年!このままでいれたらと私は自由になれる!って思っていた·····ううん!信じていた!
だが、確実に闇は動き始めていた·····。
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