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15話 これはどういうことですの!?
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これは一体どういうこと?
すぐにランクス副隊長が隣にいた恰幅のいい女性に話しかけて聞いてくれた。
「あの、ルイス皇太子様の両隣にいた女性の方は?」
その女性はちゃんと教えてくれた。
「お二人とも、ルイス皇太子様の妃様だよ。」
「妃?」
私達四人はその女性の言葉に驚いた。
その女性は頷き
「そうだよ。一人はローゼンリタ様というお方でこの国で五本の指入る有力な公爵家のお嬢様で、もう一人はナタリア様と言ってマターナルヤ国のお姫様だよ。」
「いつから娶ってるんですか?」
私はその女性にすがりつくように聞いた。
女性は私の必死さに困惑しながらも教えてくれた。
「お二人とも今年だよ。この国では15才から結婚できるからね。ローゼンリタ様は元々ルイス皇太子様の恋人だったんだよ。」
「恋人!?」
その言葉にまたもや驚愕する。
「そうだよ。ナタリア様はルイス皇太子様が外交でマターナルヤ国に行かれた時にナタリア様が惚れたようで熱烈に迫られたって話だよ。」
「「「「········」」」」
「何せあの色男だろ?モテて当たり前だわさ!わっはっはっは!」
女性は豪快に笑う。
「ルイス皇太子様は政務には立派な方だけど、女性には手が早いって有名だからね!ルイス皇太子様のお手つきのお嬢様はかなりいるって噂だよ。じゃあ私は教会に行くから!」
女性は急ぎ足でその場を離れた。
「ありがとうございました!」
急ぎ行く女性に私は一応お礼を言った。
私の頭の中は混乱していた。
恋人って!?
妃って!?しかも二人も既に娶ってるって!?
私はショックでその場から動けずにいた。
その場に立ちすくんで、どれくらい時間が経ったのだろう·····。
ふと周りを見ると私達四人しかその場に居なかった。
「アリア様·····」
ネネが戸惑ったように話しかけてくる。
「ネネ······」
三人は黙って私についていてくれていた。
「ルイス殿下は私しか愛さない、私一人だけだとか言ってたのに····あの言葉は嘘だったのかしら·····」
私はいつの間にか涙を流していた。
「これはアリア様、いや、サマヌーン国に対する裏切りですね。」
ランクス副隊長は怒ったように言う。
「アリア様、このあとどうしますか?予定では教会に行くことになってますが····」
キース隊長は一応確認をしてくる。ネネとランクス副隊長には睨まれてましたが。
「今は宿に帰りたいわ·····」
私の言葉で一旦宿に戻ることにした。
帰り道は私も足が思うように動かず、フラフラと歩いていた。その為休み休みで宿へ向かっていた。
「アリア様、せっかく外にいますので少しお茶をして帰りましょう」
ネネが気を使ってくれたので、近くにある喫茶店に入った。
店員が注文を取りに来たので、まずは私が紅茶を注文し、それぞれに注文していく。
隣には40代くらいの男性が三人座っており、先ほどの国王様のご一行のことで話しが盛り上がっていた。
「やはりルイス皇太子様はいいよな!」
「ああ、側妃様にも気を使ってたしな!ローゼンリタ様はルイス皇太子様にベタ惚れしてるしな!」
「ああ!ナタリア様もそうだ!いつも寵を競っているらしいぞ!ナタリア様も強引に妃に来たからな!」
私はその話しを聞いて、ますます落ち込んだ。
「ナタリア様はマターナルヤ国のお姫様なのに何故正妃じゃないんだ?」
「お前知らないのか?ルイス皇太子様かサマヌーン国のお姫様と六歳の時に婚約したからだよ。」
私はドキッとした。
「でもサマヌーン国よりマターナルヤ国の方が国も大きいし、交流も深い。リンカーヌ王国としてはサマヌーン国のような小さな国のお姫様より、マターナルヤ国のナタリア様を正妃した方が良くないか?」
「そうだな。俺もそう思うんだが、それはルイス皇太子様が却下したそうだ。正妃にはサマヌーン国のお姫様じゃないと嫌だと言ったらしい。恋人だったローゼンリタ様にもその事を言われたらしいが側妃でもいいからとルイス皇太子様に嫁いでいかれたんだと。」
··········。
「ルイス皇太子様が結婚できるお年になったから、あちこちの国から結婚の申し込みが殺到しているらしいぞ!」
「やっぱりか!」
男性達の会話は続いているが、私は耐えきれず立ち上がった。
「ごめんなさい。やはり調子が悪いので早く宿へ戻りたいわ。」
ネネも立ち上がり私の手を取る。
「さあ、アリア様行きましょう。」
紅茶をほとんど飲んでないのにお店の人には申し訳ないけど出た。キース隊長もランクス副隊長も後を追ってきた。
その日は心身ともに疲れ果て、今までの旅の疲れも出たのもあり熱を出してしまった。
次の日には熱も下がったが、ルイス王子には逢う気にもならず。
私の体調が良くなり次第、リンカーヌの王都を出発した。
キース隊長とランクス副隊長が、私に代わりサマヌーン国から持ってきた品物をルーブス商会と懇意にしている商会へ売り込んでくれた。
ムシュムシュの糸を使ったドレスなどは中古にも関わらずかなりの値段で売れたとのことだった。
持ってきた品物は完売したと報告を受けた。
帰りの道中もちょくちょくと体調が悪くなり、早く帰国したいのにその度に私の回復を待って移動と繰り返しをしていたので、サマヌーン国へ帰国したのはリンカーヌの王都を出てから1ヶ月を要した。
帰国後は、帰国の報告をする為にお父様と謁見した。その際にあまりにも予定より帰国が遅かったので、お父様にかなり怒られてしまった。部屋にはお母様とアベルトお兄様がいた。
まずはピューマのことを報告した。とても驚いていたが王城で自由にさせない。王城で散歩、または連れて歩くときはリードをつける。王城から外に出さないなど条件付きで飼うことを許された。
ピューマは私の膝の上で大人しくしていた。
お父様達はピューマはまだ怖いらしく、
「触ってみてください!」
と言っても首を振って断られた。
ちょっとピューマは淋しそうな顔をしていた。
またその際に帰国の道中に考えていたことをお父様に聞いた。
「お父様、ルイス殿下はすでに妃を二人も娶っておりました。」
お父様も初耳だったようで驚いていた。
「·····そうか。」
「ルイス殿下は私一人を愛してると言っておりました。妃は自分一人だけと信じておりました。しかも私にそんなことを言っておきながら恋人までおられたようでした。裏切られた気分です。」
「······。」
お父様は黙って聞いている。
「ルイス殿下との婚約を破棄したいのです。」
その言葉にお父様も、お母様もアベルトお兄様も驚いている。
そしてすぐにお父様は首を振り
「アリア、それは無理だ。」
「お父様!何故ですの?ルイス殿下が私を裏切ったのですよ!」
「アリア、ルイス殿はリンカーヌ王国の皇太子だ。側妃がいるのは当然だぞ。私にもいる。国と国を友好にするために、その国の姫などを娶らなければならぬ時もある。」
「でも!」
それでも私は!
「それにお前はこの大陸では一番大きい国の正妃にと望まれておる。側妃なら何とかなるかもしれんが。側妃がいるからとくだらない理由で断ることは不可能だ。」
「·······」
くだらない理由·····
「もし断ってこの国が攻められたら、我が国は太刀打ちはできぬ。この国が本当に無くなってしまったらどうするんだ?」
「·····」
「国の為に嫁ぐのだ。婚約破棄は許さん。リンカーヌ王国は大きい。きっとこれからも妃は増えるだろう。我慢しろ。それが大国に嫁ぐ者の定めだ。」
私はお母様を見るが、ただ悲しそうに私を見ているだけだった。
「側妃くらい我慢しなさい。」
お父様はそう言って立ち上がり部屋から出て行った。
お母様は私の隣に座り諭すように言ってくる。
「アリア、貴女は側妃ではなくて正妃なのよ。妃の中で一番の地位よ。しかもルイス皇太子に望まれてよ。身分が低くても構わないなんてこんないい話しはないわ。割りきるのよ。」
お母様は身分で苦労していらっしゃるからね·····
でもお母様の言葉は私の心には響かなかった。
私には割りきることなんて出来ないわ!
私は自分の部屋に帰り、ベッドの上で泣きまくってしまった。
何か悔しさもあり、何よりも裏切られたことが傷付いていた。
もう何も考えたくない!
誰か私をどこか知らない土地へ連れてって!
こんな思いをするならリンカーヌ王国に行くんじゃなかった!
私の中では後悔しかなかった。
すぐにランクス副隊長が隣にいた恰幅のいい女性に話しかけて聞いてくれた。
「あの、ルイス皇太子様の両隣にいた女性の方は?」
その女性はちゃんと教えてくれた。
「お二人とも、ルイス皇太子様の妃様だよ。」
「妃?」
私達四人はその女性の言葉に驚いた。
その女性は頷き
「そうだよ。一人はローゼンリタ様というお方でこの国で五本の指入る有力な公爵家のお嬢様で、もう一人はナタリア様と言ってマターナルヤ国のお姫様だよ。」
「いつから娶ってるんですか?」
私はその女性にすがりつくように聞いた。
女性は私の必死さに困惑しながらも教えてくれた。
「お二人とも今年だよ。この国では15才から結婚できるからね。ローゼンリタ様は元々ルイス皇太子様の恋人だったんだよ。」
「恋人!?」
その言葉にまたもや驚愕する。
「そうだよ。ナタリア様はルイス皇太子様が外交でマターナルヤ国に行かれた時にナタリア様が惚れたようで熱烈に迫られたって話だよ。」
「「「「········」」」」
「何せあの色男だろ?モテて当たり前だわさ!わっはっはっは!」
女性は豪快に笑う。
「ルイス皇太子様は政務には立派な方だけど、女性には手が早いって有名だからね!ルイス皇太子様のお手つきのお嬢様はかなりいるって噂だよ。じゃあ私は教会に行くから!」
女性は急ぎ足でその場を離れた。
「ありがとうございました!」
急ぎ行く女性に私は一応お礼を言った。
私の頭の中は混乱していた。
恋人って!?
妃って!?しかも二人も既に娶ってるって!?
私はショックでその場から動けずにいた。
その場に立ちすくんで、どれくらい時間が経ったのだろう·····。
ふと周りを見ると私達四人しかその場に居なかった。
「アリア様·····」
ネネが戸惑ったように話しかけてくる。
「ネネ······」
三人は黙って私についていてくれていた。
「ルイス殿下は私しか愛さない、私一人だけだとか言ってたのに····あの言葉は嘘だったのかしら·····」
私はいつの間にか涙を流していた。
「これはアリア様、いや、サマヌーン国に対する裏切りですね。」
ランクス副隊長は怒ったように言う。
「アリア様、このあとどうしますか?予定では教会に行くことになってますが····」
キース隊長は一応確認をしてくる。ネネとランクス副隊長には睨まれてましたが。
「今は宿に帰りたいわ·····」
私の言葉で一旦宿に戻ることにした。
帰り道は私も足が思うように動かず、フラフラと歩いていた。その為休み休みで宿へ向かっていた。
「アリア様、せっかく外にいますので少しお茶をして帰りましょう」
ネネが気を使ってくれたので、近くにある喫茶店に入った。
店員が注文を取りに来たので、まずは私が紅茶を注文し、それぞれに注文していく。
隣には40代くらいの男性が三人座っており、先ほどの国王様のご一行のことで話しが盛り上がっていた。
「やはりルイス皇太子様はいいよな!」
「ああ、側妃様にも気を使ってたしな!ローゼンリタ様はルイス皇太子様にベタ惚れしてるしな!」
「ああ!ナタリア様もそうだ!いつも寵を競っているらしいぞ!ナタリア様も強引に妃に来たからな!」
私はその話しを聞いて、ますます落ち込んだ。
「ナタリア様はマターナルヤ国のお姫様なのに何故正妃じゃないんだ?」
「お前知らないのか?ルイス皇太子様かサマヌーン国のお姫様と六歳の時に婚約したからだよ。」
私はドキッとした。
「でもサマヌーン国よりマターナルヤ国の方が国も大きいし、交流も深い。リンカーヌ王国としてはサマヌーン国のような小さな国のお姫様より、マターナルヤ国のナタリア様を正妃した方が良くないか?」
「そうだな。俺もそう思うんだが、それはルイス皇太子様が却下したそうだ。正妃にはサマヌーン国のお姫様じゃないと嫌だと言ったらしい。恋人だったローゼンリタ様にもその事を言われたらしいが側妃でもいいからとルイス皇太子様に嫁いでいかれたんだと。」
··········。
「ルイス皇太子様が結婚できるお年になったから、あちこちの国から結婚の申し込みが殺到しているらしいぞ!」
「やっぱりか!」
男性達の会話は続いているが、私は耐えきれず立ち上がった。
「ごめんなさい。やはり調子が悪いので早く宿へ戻りたいわ。」
ネネも立ち上がり私の手を取る。
「さあ、アリア様行きましょう。」
紅茶をほとんど飲んでないのにお店の人には申し訳ないけど出た。キース隊長もランクス副隊長も後を追ってきた。
その日は心身ともに疲れ果て、今までの旅の疲れも出たのもあり熱を出してしまった。
次の日には熱も下がったが、ルイス王子には逢う気にもならず。
私の体調が良くなり次第、リンカーヌの王都を出発した。
キース隊長とランクス副隊長が、私に代わりサマヌーン国から持ってきた品物をルーブス商会と懇意にしている商会へ売り込んでくれた。
ムシュムシュの糸を使ったドレスなどは中古にも関わらずかなりの値段で売れたとのことだった。
持ってきた品物は完売したと報告を受けた。
帰りの道中もちょくちょくと体調が悪くなり、早く帰国したいのにその度に私の回復を待って移動と繰り返しをしていたので、サマヌーン国へ帰国したのはリンカーヌの王都を出てから1ヶ月を要した。
帰国後は、帰国の報告をする為にお父様と謁見した。その際にあまりにも予定より帰国が遅かったので、お父様にかなり怒られてしまった。部屋にはお母様とアベルトお兄様がいた。
まずはピューマのことを報告した。とても驚いていたが王城で自由にさせない。王城で散歩、または連れて歩くときはリードをつける。王城から外に出さないなど条件付きで飼うことを許された。
ピューマは私の膝の上で大人しくしていた。
お父様達はピューマはまだ怖いらしく、
「触ってみてください!」
と言っても首を振って断られた。
ちょっとピューマは淋しそうな顔をしていた。
またその際に帰国の道中に考えていたことをお父様に聞いた。
「お父様、ルイス殿下はすでに妃を二人も娶っておりました。」
お父様も初耳だったようで驚いていた。
「·····そうか。」
「ルイス殿下は私一人を愛してると言っておりました。妃は自分一人だけと信じておりました。しかも私にそんなことを言っておきながら恋人までおられたようでした。裏切られた気分です。」
「······。」
お父様は黙って聞いている。
「ルイス殿下との婚約を破棄したいのです。」
その言葉にお父様も、お母様もアベルトお兄様も驚いている。
そしてすぐにお父様は首を振り
「アリア、それは無理だ。」
「お父様!何故ですの?ルイス殿下が私を裏切ったのですよ!」
「アリア、ルイス殿はリンカーヌ王国の皇太子だ。側妃がいるのは当然だぞ。私にもいる。国と国を友好にするために、その国の姫などを娶らなければならぬ時もある。」
「でも!」
それでも私は!
「それにお前はこの大陸では一番大きい国の正妃にと望まれておる。側妃なら何とかなるかもしれんが。側妃がいるからとくだらない理由で断ることは不可能だ。」
「·······」
くだらない理由·····
「もし断ってこの国が攻められたら、我が国は太刀打ちはできぬ。この国が本当に無くなってしまったらどうするんだ?」
「·····」
「国の為に嫁ぐのだ。婚約破棄は許さん。リンカーヌ王国は大きい。きっとこれからも妃は増えるだろう。我慢しろ。それが大国に嫁ぐ者の定めだ。」
私はお母様を見るが、ただ悲しそうに私を見ているだけだった。
「側妃くらい我慢しなさい。」
お父様はそう言って立ち上がり部屋から出て行った。
お母様は私の隣に座り諭すように言ってくる。
「アリア、貴女は側妃ではなくて正妃なのよ。妃の中で一番の地位よ。しかもルイス皇太子に望まれてよ。身分が低くても構わないなんてこんないい話しはないわ。割りきるのよ。」
お母様は身分で苦労していらっしゃるからね·····
でもお母様の言葉は私の心には響かなかった。
私には割りきることなんて出来ないわ!
私は自分の部屋に帰り、ベッドの上で泣きまくってしまった。
何か悔しさもあり、何よりも裏切られたことが傷付いていた。
もう何も考えたくない!
誰か私をどこか知らない土地へ連れてって!
こんな思いをするならリンカーヌ王国に行くんじゃなかった!
私の中では後悔しかなかった。
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