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1章、悪役は覆水を盆に返したい。
1、晨星落落~幻惑の悪が滅びる日(回避したい未来)
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天に月座す行合いの夜に、山が燃えている。
尚山と呼ばれる魔人の巣窟が燃やされている。
葉を合わせて眠る夜合樹の下、羽扇の先を闇に差し向け、諸葛家の世子が王手を告げる。
「悪逆罪禍は尚山にあり」
戦旗は夜風を孕んで忙しなく布音を立て、地には兵士らの進軍の靴音が連なりて。
船のように夜空を漂うあの白月へ届けとばかりに、天も割れるかと思われるほどの喊声が湧く。
正義を掲げる人の気配が、緑豊かな山を震わせる。
【黒道の魔教主『音繰』を討て!】
この夜、諸葛の旗本に集いし勇士らは『正派連盟』。
歴史書は彼らを正義と記し、彼らに滅ぼされる者たちを悪とする。
――夜空を双星が滑り堕ちる。
「我が友よ、最後の音合わせを楽しもうではないか」
黒衣と白衣の老賢人が二人並んで簫と琴の音を合わせている。
片や、邪派の元教主。片や、正派の元副総帥。
音楽で心を通わせ密やかに育んだ二者は、人生の終幕を共に迎えることにした。
燃え盛る炎から互いの楽器を守り、最後の瞬間まで音を寄り添わせて。
――星も凍える紅い夜、老賢人に幕は下る。
「はぁ、はぁっ……」
屈強な狼獣人が二人、山頂に続く道を守ろうと息を乱して奮闘している。
「我ら、生まれた時は違えど死ぬ時は共に!」
敵兵に囲まれて満身創痍となって、けれど闘気は衰えず、息の合った連携で互いの隙を補い合い、背を守り合い。
二人が慕う兄弟子音繰のために命を賭して、その逃げる時間を稼ごうとしている。
「この先には行かせるものか」
「ああ、絶対に……」
言いかけた狼獣人がハッとした。
「病気のお母ちゃんが寝てるんだ。正派は山から出て行け! 出て行けったら!」
短刀を手に敵に向かう小さな子供に、正義の刃が振り下ろされる。
「――やめろぉ……っ!」
決河の勢いで跳ぶ狼獣人が、空中で無数の矢を受ける。
瞬きするほどの時間、最期に振り絞った魔功は子供を守るために使われた。
――吹く風は妖鳥の鳴くごとし。
蘿月を天に頂く森の中、妖狐の兄が血塗れの弟を背負い、逃げている。
自身も浅くはない傷を負いながら、弟を助けようと駆けている。
「兄やん、ごめんなぁ。ごめんなぁ。ボクがヘタ打って見つかってしもて」
そんな風に弱々しく謝罪の言葉を繰り返していた弟は、先ほどから異様に静かだ。呼吸の気配すら感じない。
冷たい体温を背に意識しながら、兄は懸命に弟に声をかけ続けた。
「大丈夫やで。兄やんはノロマの道士にゃ捕まらへん。大丈夫や……」
足元には二人分の大量の血が流れ、追跡者に居場所を教えている。
「いたぞ! 妖狐だ!」
道士が次々と白い紙の符を放つ。
虚空で符が式神の獣の姿に変じて、狩るべき獲物へと牙を剥く。
――花が踏み荒らされて、蔦と一緒に燃えていく。
科戸の風に夢亡ぶ。
可能性に挑み続けた瀕死の研究者が命の残り時間を惜しむように這いずり、彼の大切な棺に体温を寄せる。
「私の研究……私の夢……愛しいあなた……」
棺に手を伸ばして縋ろうとした自分の血濡れた手が視えて、研究者は手を引っ込めた。
……自分の手が、とても汚れている。
なんだかとても、そう思ったから。
棺の中には、状態保存の術をかけた遺体が――いつか復活させようと研究を続けていた愛しい人がいるのだ。
気が遠くなるほど遠い昔に失ったその生命を、蘇らせたかったのに。
……もう、立ち上がって棺の中を覗くこともできない。
「いたぞ! 『疯狂』だ!」
「矢を放て!」
壁にもたれ掛かるようにして愛しい人の棺を見上げながら最期の時を待っていた研究者は、飛来した火矢に悲鳴をあげた。
赤黒い正義の焔が舌を伸ばし、綺麗な棺を呑み込んでいく。
「ああ……」
棺に火が。燃える。燃えてしまう。
「や、やめて……やめてください……彼を燃やさないで……」
ほろほろと溢れる涙に滲む視界で、彼の全てが灰燼に帰す。
灰と化して、何もかもがさらさらと降るのだ――まるで粉雪のように、儚く、脆く。
――舞い散る命は虚ろな塵芥のごとし。
晨星落落――山中の至る所で、生命が狩られて失われていく。
水鏡に映る無数の悲劇――邪派、黒道魔教の敗戦を俯瞰しているのは、孤高の魔人。
黒道の魔教主『音繰』だ。
「――師よ」
低く唸るような声は、音もなく近付いてきた彼の弟子から発せられた。
弟子は、名を憂炎という。
憂炎は、幼少の頃に死にかけていたところを『音繰』に拾われた。
そして憂炎という名前をつけてもらい、直弟子として育てられた。
「師よ……魔人よ。魔教の主よ。私の悲願が達成される時が来たようだ」
弟子はこの時、正派の道士服を身にまとっていた。
「……」
振り返る師匠『音繰』は、美しい魔人だった。
夜空を溶かし流したような髪は、漆黒。
雪を欺く白い肌と互いに引き立て合うようで、妖しくも清かにも感じさせる。
形の佳い丹花の唇は原罪の苹果を想起させるような蠱惑的な色香を漂わせている。
藍晶石の彩を魅せる瞳は熱を宿さぬ湖水めいていて、弟子が知る限りどんなに柔和な表情を浮かべていても音繰の瞳には人間らしい温かな情が覗いた試しがない。
凍月の君、冷血の魔人――外道の門派総帥に君臨する彼を、人々はそう呼んでいる。
夜を背負うように佇む音繰の姿は、眩暈を誘うほどに綺麗だった。
音繰は、自らの弟子が清冽な気を佩く長剣を抜くのを無感動に見つめた。
弟子が明確な殺意を浮かべて白刃の切っ先を音繰に向けても、動揺する様子がなかった。
「音繰……私は、かつて魔教に滅ぼされた緋家の生き残りだ。今日この瞬間のために魔教に身を置き、貴方の弟子でいたのだ」
憂炎が凛然とした声で真実を告白しても、焦燥を浮かべることもなければ憤激する気配もなかった。
ただいつものように、自分に話しかけまとわりつく弟子に厭わしそうな視線を向けるのみ。
――静かだ。
「貴方の首は他の者には渡さない……我が師、麗しの魔人の君、音繰。その御命、私が頂戴する」
何を言われても惑わされぬという毅然とした眼を魅せる弟子へと、師の妖しい唇が言葉を贈る。
「 」
声が響くのとほとんど同時に、刃は踊っていた。
憂炎の踏み込みは地を抉るほど苛烈で、夜を裂くように曳かれる剣閃は潔く、鮮やかだった。
――緞帳めいた雲が、夜空で丸く大きい月を横切った。
地上では、刃が命に触れてしとどに濡れていた。
命が流れる色は甘美で、哀しかった。
『憂炎、君は復讐してもいい。私が許す』
師は、最期にそう呟いた。
師は、抵抗する素振りもみせなかった。
凍える月光に照らされる音繰の頬は血脂に濡れて、触れる憂炎の指先は冷えて震えていた。
息を紡がぬ師の唇に精気を吹き込もうというように弟子の唇がそっと近づき、触れるか触れないかの瀬戸際で止まる。
数瞬の逡巡ののちに、触れぬままその顔は離れた。
悲願を果たした男の鼻腔に甘い香りが感じられたのは、その時だった。
近づいてくる気配は、番のもの。
魔教の研究者の実験台にされて発情の病を患った、あわれな道士。
憂炎は、数か月前にその発情にあてられて、獣めいた本能に突き動かされ、彼を犯した。
そして、番となったのだ。
「……」
月は雲の向こう側に隠れてしまった。
眠りゆく陽色の瞳は、亡き血族の幻を視て淡々と終幕を宣言する。
「父上。母上。血族の皆……私は復讐を果たしました」
義務を果たした。
そんな調子で虚しく言葉を落として、血濡れた剣が自分自身の首に向けられる。
――昏い黒い、射干玉の夜。
「師よ。憂炎は冥府にお供いたします」
番の香りに疼く本能に抗うように弟子は自害して、その骸を師の隣に横たえたのだった。
尚山と呼ばれる魔人の巣窟が燃やされている。
葉を合わせて眠る夜合樹の下、羽扇の先を闇に差し向け、諸葛家の世子が王手を告げる。
「悪逆罪禍は尚山にあり」
戦旗は夜風を孕んで忙しなく布音を立て、地には兵士らの進軍の靴音が連なりて。
船のように夜空を漂うあの白月へ届けとばかりに、天も割れるかと思われるほどの喊声が湧く。
正義を掲げる人の気配が、緑豊かな山を震わせる。
【黒道の魔教主『音繰』を討て!】
この夜、諸葛の旗本に集いし勇士らは『正派連盟』。
歴史書は彼らを正義と記し、彼らに滅ぼされる者たちを悪とする。
――夜空を双星が滑り堕ちる。
「我が友よ、最後の音合わせを楽しもうではないか」
黒衣と白衣の老賢人が二人並んで簫と琴の音を合わせている。
片や、邪派の元教主。片や、正派の元副総帥。
音楽で心を通わせ密やかに育んだ二者は、人生の終幕を共に迎えることにした。
燃え盛る炎から互いの楽器を守り、最後の瞬間まで音を寄り添わせて。
――星も凍える紅い夜、老賢人に幕は下る。
「はぁ、はぁっ……」
屈強な狼獣人が二人、山頂に続く道を守ろうと息を乱して奮闘している。
「我ら、生まれた時は違えど死ぬ時は共に!」
敵兵に囲まれて満身創痍となって、けれど闘気は衰えず、息の合った連携で互いの隙を補い合い、背を守り合い。
二人が慕う兄弟子音繰のために命を賭して、その逃げる時間を稼ごうとしている。
「この先には行かせるものか」
「ああ、絶対に……」
言いかけた狼獣人がハッとした。
「病気のお母ちゃんが寝てるんだ。正派は山から出て行け! 出て行けったら!」
短刀を手に敵に向かう小さな子供に、正義の刃が振り下ろされる。
「――やめろぉ……っ!」
決河の勢いで跳ぶ狼獣人が、空中で無数の矢を受ける。
瞬きするほどの時間、最期に振り絞った魔功は子供を守るために使われた。
――吹く風は妖鳥の鳴くごとし。
蘿月を天に頂く森の中、妖狐の兄が血塗れの弟を背負い、逃げている。
自身も浅くはない傷を負いながら、弟を助けようと駆けている。
「兄やん、ごめんなぁ。ごめんなぁ。ボクがヘタ打って見つかってしもて」
そんな風に弱々しく謝罪の言葉を繰り返していた弟は、先ほどから異様に静かだ。呼吸の気配すら感じない。
冷たい体温を背に意識しながら、兄は懸命に弟に声をかけ続けた。
「大丈夫やで。兄やんはノロマの道士にゃ捕まらへん。大丈夫や……」
足元には二人分の大量の血が流れ、追跡者に居場所を教えている。
「いたぞ! 妖狐だ!」
道士が次々と白い紙の符を放つ。
虚空で符が式神の獣の姿に変じて、狩るべき獲物へと牙を剥く。
――花が踏み荒らされて、蔦と一緒に燃えていく。
科戸の風に夢亡ぶ。
可能性に挑み続けた瀕死の研究者が命の残り時間を惜しむように這いずり、彼の大切な棺に体温を寄せる。
「私の研究……私の夢……愛しいあなた……」
棺に手を伸ばして縋ろうとした自分の血濡れた手が視えて、研究者は手を引っ込めた。
……自分の手が、とても汚れている。
なんだかとても、そう思ったから。
棺の中には、状態保存の術をかけた遺体が――いつか復活させようと研究を続けていた愛しい人がいるのだ。
気が遠くなるほど遠い昔に失ったその生命を、蘇らせたかったのに。
……もう、立ち上がって棺の中を覗くこともできない。
「いたぞ! 『疯狂』だ!」
「矢を放て!」
壁にもたれ掛かるようにして愛しい人の棺を見上げながら最期の時を待っていた研究者は、飛来した火矢に悲鳴をあげた。
赤黒い正義の焔が舌を伸ばし、綺麗な棺を呑み込んでいく。
「ああ……」
棺に火が。燃える。燃えてしまう。
「や、やめて……やめてください……彼を燃やさないで……」
ほろほろと溢れる涙に滲む視界で、彼の全てが灰燼に帰す。
灰と化して、何もかもがさらさらと降るのだ――まるで粉雪のように、儚く、脆く。
――舞い散る命は虚ろな塵芥のごとし。
晨星落落――山中の至る所で、生命が狩られて失われていく。
水鏡に映る無数の悲劇――邪派、黒道魔教の敗戦を俯瞰しているのは、孤高の魔人。
黒道の魔教主『音繰』だ。
「――師よ」
低く唸るような声は、音もなく近付いてきた彼の弟子から発せられた。
弟子は、名を憂炎という。
憂炎は、幼少の頃に死にかけていたところを『音繰』に拾われた。
そして憂炎という名前をつけてもらい、直弟子として育てられた。
「師よ……魔人よ。魔教の主よ。私の悲願が達成される時が来たようだ」
弟子はこの時、正派の道士服を身にまとっていた。
「……」
振り返る師匠『音繰』は、美しい魔人だった。
夜空を溶かし流したような髪は、漆黒。
雪を欺く白い肌と互いに引き立て合うようで、妖しくも清かにも感じさせる。
形の佳い丹花の唇は原罪の苹果を想起させるような蠱惑的な色香を漂わせている。
藍晶石の彩を魅せる瞳は熱を宿さぬ湖水めいていて、弟子が知る限りどんなに柔和な表情を浮かべていても音繰の瞳には人間らしい温かな情が覗いた試しがない。
凍月の君、冷血の魔人――外道の門派総帥に君臨する彼を、人々はそう呼んでいる。
夜を背負うように佇む音繰の姿は、眩暈を誘うほどに綺麗だった。
音繰は、自らの弟子が清冽な気を佩く長剣を抜くのを無感動に見つめた。
弟子が明確な殺意を浮かべて白刃の切っ先を音繰に向けても、動揺する様子がなかった。
「音繰……私は、かつて魔教に滅ぼされた緋家の生き残りだ。今日この瞬間のために魔教に身を置き、貴方の弟子でいたのだ」
憂炎が凛然とした声で真実を告白しても、焦燥を浮かべることもなければ憤激する気配もなかった。
ただいつものように、自分に話しかけまとわりつく弟子に厭わしそうな視線を向けるのみ。
――静かだ。
「貴方の首は他の者には渡さない……我が師、麗しの魔人の君、音繰。その御命、私が頂戴する」
何を言われても惑わされぬという毅然とした眼を魅せる弟子へと、師の妖しい唇が言葉を贈る。
「 」
声が響くのとほとんど同時に、刃は踊っていた。
憂炎の踏み込みは地を抉るほど苛烈で、夜を裂くように曳かれる剣閃は潔く、鮮やかだった。
――緞帳めいた雲が、夜空で丸く大きい月を横切った。
地上では、刃が命に触れてしとどに濡れていた。
命が流れる色は甘美で、哀しかった。
『憂炎、君は復讐してもいい。私が許す』
師は、最期にそう呟いた。
師は、抵抗する素振りもみせなかった。
凍える月光に照らされる音繰の頬は血脂に濡れて、触れる憂炎の指先は冷えて震えていた。
息を紡がぬ師の唇に精気を吹き込もうというように弟子の唇がそっと近づき、触れるか触れないかの瀬戸際で止まる。
数瞬の逡巡ののちに、触れぬままその顔は離れた。
悲願を果たした男の鼻腔に甘い香りが感じられたのは、その時だった。
近づいてくる気配は、番のもの。
魔教の研究者の実験台にされて発情の病を患った、あわれな道士。
憂炎は、数か月前にその発情にあてられて、獣めいた本能に突き動かされ、彼を犯した。
そして、番となったのだ。
「……」
月は雲の向こう側に隠れてしまった。
眠りゆく陽色の瞳は、亡き血族の幻を視て淡々と終幕を宣言する。
「父上。母上。血族の皆……私は復讐を果たしました」
義務を果たした。
そんな調子で虚しく言葉を落として、血濡れた剣が自分自身の首に向けられる。
――昏い黒い、射干玉の夜。
「師よ。憂炎は冥府にお供いたします」
番の香りに疼く本能に抗うように弟子は自害して、その骸を師の隣に横たえたのだった。
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