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3、エンディング、結ばれたお話☆

21、繋がる日☆(楓視点)

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21、繋がる日☆

 れいと同棲をして大分つ――すっかり家族というか、人生のパートナーみたいになった彼と、夜を過ごしている。今日は最後までする、と事前に決めていたから、緊張がすごい。
 
「ン……」 
 キスを繰り返しながら、パジャマの前のボタンが順に外されて乱されていく。
 口内で絡み合う舌が唾液を混ぜあわせながら熱く絡み合う。
 愛情を舌先で教え合うみたいに互いの舌を愛撫して、息を荒げていく。口が離れて息をつく互いの間に、唾液が糸を引いた。
「ん――ふ、」 
 鼻に抜けたような声がれたのは、首の筋が浮き上がったラインを羽みたいに優しいタッチで撫でられて。
 
「か……かえで……」
「っン、」  
 のどにイタズラに噛み付くみたいに口を開けて唇を寄せられ、舌がねっとりと肌をなぶる感覚にぞくぞくとする。
 胸の突起が指で摘んで摩擦されると、想像してたよりずっと感じてしまって焦燥感がく。

「あっ、や! ……」
かえで、乳首気持ちいいの……? 嬉しいな。感じてくれてるんだ」
 
 ――はっきり言われると、恥ずかしい!
「れ、零っ」 

「もっと感じさせたい……」 
 二人きりのベッドルームに乱れる息と甘い声が響いて、否応いやおうなしにあおられる。

「ふぁ……、あ」 
 胸をいじられながら、鎖骨のあたりに舌が降りていく感触が背筋をぞわぞわさせる。
「んっ」 
 指先がスルスルと肌の表面を楽しむみたいに上から下におりて、へそをくすぐるとひくひくと肩が震えた。するっとパジャマの下が脱がされて、下着までおろされてしまう。

「綺麗だね、楓のココ」 
 ――恥ずかしい……!
「あっ、……や、やだ」
 
 思わず伸びた手首がつかまれて、音を立てて指先に口付けをされる。
 指を先から股にたどるみたいに舌がすべると、腰のあたりに熱が渦巻いて高まる感じがしてならない。
 まなじりほおが熱をいていて、全身が内側からじんじんあぶられて焦らされるみたいに熱を持ち始めていた。

「あ……すごい、」
 零の声が吐息交じりに耳をぞくぞくさせる。
「そんな顔するんだ……やば。えっちで、可愛い……」
「――ッ!!」
 
 羞恥に目を閉じていると、ローションの音がする。
「ここも固くなってる」
 高ぶりの竿さお部分を握られて、ぬるりと濡れた手で刺激されると過敏なくらいビクビクっと腰が跳ねた。
 
「ふぁッ!!」
「……、楓、可愛い……っ」
 
 根元から雁首までをやわやわともどかしいほどゆっくり可愛がられる。
 裏筋を指の腹で優しく撫でられて、陰嚢いんのうが柔らかにまれると息が乱れて、快楽によろこぶカラダに心がついていかない。
 恥ずかしい!
 イヤイヤと子供が駄々をこねるみたいに頭を振り、息を荒げる。
「ふ……っ、うっ、うう……」
 
「楓、気持ちよさそうな顔してるね? 汁もあふれてる……」
「……っ」  
 すぐに先走りがあふれ出し、それを塗り込むように先端を刺激されると、高い声がどうしようもなく口から出てしまう。
「んあぁ! やめ……ぁ、ふ……っ」
「気持ちよさそうな声……っ! 楓、一度イこうね?」
「~~ッ!!」 
 そのまま追い上げられるように刺激されて、俺は呆気なく白濁を放ってしまった。

「やばい。我慢できなくなる……可愛い」
「れ――」
「後ろ、慣らすね。いい?」
 
  潤滑油ローションでぬめった中指が後ろのつぼみをすこしくいくいとしてから、ぬぷっと侵入してくる。
 
「あ……っ!?」
 息を飲むうちに奥まで潤滑油ローションを届かせるみたいに何度か水音を足しながら指が出し入れされて、ぬぷぬぷ、くちゅくちゅと音を生み出しながら本数を増やされていく。 
 内側をほぐす指が、ある一点を押し上げた瞬間、強い快感が襲った。
「アッ!?」 

「前立腺だ。だよね? ここだね? 楓」
「あっ、あ、あ!」
 
 ――そこは、やばい! すごい、気持ちいい!
「ん、は、はふ、は、ふ、ふ……っ、アあ!」 
 逃れようとする腰を抑えるようにされて、そこばかりを刺激されると全身がビクビクして快楽におぼれてしまいそうなほど熱い感覚が身のうちに高まっていく。
「だ、だ、だめ、だめ。そこ――ダメぇっ」 
 こらえきれず、自然と出てしまう嬌声きょうせいが、止まらない。
 
「イイんだね、楓。すごいエロい声……たまらなくなる……っ、その声」 
「っ、は、あ、あン……! ……ぁ、」 
 
 ヒクつく後孔から指が抜かれて、ゴムを付けた熱いペニスが押し当てられる。
「――れるよ」
 意識して呼吸を繰り返すと、一気に奥までぐいっと挿入された。
 
「ふ、アあ!!」 
 圧倒的な異物感に目尻に涙が浮かぶ。
「……ッ、挿いった……」 
「は、は、……」
「か、楓……中、すごい。熱い、……ぐちょぐちょしてる……っ、締まる――」
「れ……、れいくん……れいくん……っ」
 泣きそうになりながら名前を呼ぶと、切ない吐息と一緒に腰が使われる。 
「ん、ん、あ、あ、あ、アア」 
 中を犯すピストンは前立腺へ狙いを定めたようで、潤滑油ローションを馴染ませるように緩急つけて揺すられる。
 
「ンあ、アアッ!!」
「……ふ、い、イイ……」
 熱を吐き出すように囁かれて、耳朶じだに甘く歯を立てられる。
 
「~~っ」
「す、好き……、かえで、好きだ。好きだ……っ、好きだよ……ッ」
 
 そのまま吐息を送られれば、腰がいっしょになって揺れてしまう。
 
「あ、あ、ぅ……っ、お、俺も、すき。れいく……、好きぃっ」
「――かえでッ!」 
「んっ! やっ、あっ、あぁ……! は、ぁあ、っ!! やーー!!」
  
 動きが激しくなっていく。
 もたらされる快感に身も心も溺れるみたいになっていく――どんどん、熱が高まって、獣みたいに突かれるたびに喘ぎ声が出て、止まらない。
 大きなストロークに中がかき乱されて、濡れた音をぐちゅぐちゅと鳴らしている。

「あ、あ、あっ、あああ! んあああ!!」 
 激しく前立腺を抉られて、めちゃくちゃに中を擦られ、犯される。
「アア、アア、アアア!」
 脚が震え、腰が動いて自分が自分でないみたいに激しく乱れてしまっている。
 ガクガクと震える全身が乱暴に揺すられるのが嬉しくてたまらない――抽挿ピストンのスピードが早くなると、野生の獣になったみたいに息を荒げてすがりついて、もう何も考えられなくなる。

 ――限界だ。
 イきたい。イきたい……!

 繋がったところから溢れる潤滑油ローションがぬるりと尻から脚に伝っていく。
 目じりから涙を溢れさせてすすり泣くようにして、夢中でがる。口がいやらしくはしたなく開いて、唾液が端から零れていて――そんな自分に構う余裕もなく、一心に快楽を貪って、意味もなさない喘ぎ声、わけのわからない嬌声を悲鳴みたいにあげていた。

「ぃく……いくっ……いくぅっ……! れいく、イっ、――おねがいっ、あ、もう、あ、」
 熱い手に前を扱かれ、追い詰められる。
「ああああ!!」 
 勢いよく前立腺を突き上げられ、目の奥に火花が散るみたいに何かが弾けた。

 絶頂に精が吹き出す。びゅくり、ぴゅくりと出した瞬間、凄まじい快感があった――気持ちよかった。

「……――っ」 
 びくんびくんと全身が快感に震えて、その後しばらく余韻が脳を浸した。

 息を二人で繰り返す音が心臓の音と一緒に室内を浸している。
 重なる体が一緒に呼吸のうごきで揺れていて、体温と鼓動と汗が感じられて、すごく幸せな気分になった。

「は、は、は……っ」
「か、かえで……」    
 抱きしめられて、優しく頭や背が撫でられている。とても気持ちいい。

「俺、繋がれて嬉しい……」
 零が恍惚と言って、軽いキスをしてくれる。
「ん……零……」  
 頬にキスが落とされる。肩に手が移動して、肩のラインから背の肩甲骨のあたりまでが優しくあたたかく撫でられる。
 ぽかぽかする。

「俺も、嬉しい。だいすき……大好き」
「ま、また、しようね」
「うん……」

 二人だけの部屋で見つめ合って、一緒の気持ちでにっこりとする。
「ずっと、一緒だよ」 
 零がそう言って、その顔が幼かった彼に重なる。

(ああ、……れーくん)
 胸がいっぱいになって、俺はぎゅっと零にしがみついた。

「あ、明日も、明後日も、」
 
 ――覚えてるかな?
 俺は、おぼえてる……。

 泣きそうになりながら言えば、零は嬉しそうにぎゅっと抱きしめかえしてくれた。
 
「うん。何年後になっても、ずっと、ずっと――今度は、はなれないよ」 



 何度も何度もキスをして、一緒にシャワーを浴びて、お互いにお互いをまたすこし撫でたり笑ったりして、眠いねって言ったりして……、やがて部屋を暗くして、一緒にベッドにはいる。

 カーテンにさえぎられた窓の向こうでは都市の高層ビルが面いっぱいにあるたくさんの部屋の灯りを点々とともしていて、そのひとつひとつに人生がある。
 ……そんな都市の、『全体の一部』――俺たちの部屋の灯りが、ふわりと消える。

 体温と鼓動を感じながら眠りにつく。
 この一緒に眠るひとと、これからもずっと生きていくのだと、そう思いながら。


 朝が来ると「おはよう」と言って、
 夜は「おやすみ」と言って、
 なんでもないような日々を共に歩いていく。

 ――こうして、俺たちは今度こそ、ずっと一緒に離れることのない二人の日々を手に入れたのだった。

 
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