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4章、差別と極夜の偶像崇拝
46、イスファリアの戦いと生まれながらの非人間と人間たち
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ランゲ一族の紋章は、円環の外周に鋭い棘が生えたデザインだ。
円環は単体で指輪を想起させ、その外周の棘は指輪の周囲に陣取る攻撃的な騎士のように見える。
あるいは、全体として王冠を象徴しているようにも見える――そんなデザインだ。
そんな紋章旗を堂々と掲げて、火矢は放たれた。
「我が一族は先祖代々この地に根差して血脈を紡ぎ、慣習や伝統にも明るく、何度かは王も輩出したこともある名門ぞ!」
甲高く傲慢で居丈高に言い放つ声が、薄明の都市に響いた。
「その我らが剣をおさめて歩み寄り、出自も知れぬ遍歴の騎士に後ろ盾になってやろうと手を差し伸べしものを、かの成り上がりの浮浪者めは拒絶したどころか若君にフェーデを仕掛けて身代金なぞ吹っかけよった!」
実際、決闘と言い出したのは『若君』の側なのだが、真実とは語る側の都合よく歪められるものであった。
「――正義だ!」
ゆえに、彼らは自分たちが正義だと吠えるのである。
「正義は我らにあり! かの指輪を獲り、それを証明してみせよう!!」
――こうしてこの日、『イスファリアの戦い』と呼ばれる小競り合いが勃発したのだった。
46、イスファリアの戦いと生まれながらの非人間と人間たち
その日、『偽騎士王』の中身を務めていたのは、『歩兵』のテオドールだった。彼らが束の間の拠点と定めた創造多神教の教会に信者たちが礼拝に訪れ、祈りの言葉を捧げるのに合わせて祈りの仕草を繰り返す。
ご主人様であるクレイはともかく、テオドール自身には信心なんてカケラもない。
テオドールは罪人同士の間に生まれた子で、生まれながらに『人ではない』という身分で育ったのだ。
そんな身で『神々が愛を持って貴方という存在を生かしてくださる。神の愛を感じよ』と言われたとしても、『神様、不遇の生まれにしてくれてありがとう』とならないのは当然だった。
『坊ちゃん』に拾われて衣食住不自由なき厚遇と気の知れた仲間に囲まれる最近は『自分は幸運に出会った』と思っているが、その感謝が神に向くかと問われればそんなことはなかった。
神様が愛とやらを注いでくれるなら、最初から罪人同士の子として生まれさせないで欲しかった――それは心の根にある消えることのない理不尽な世界への怒りで、どんな美辞麗句で宥められても、決して消えることはない深い傷なのだった。
もし感謝を唱えるならば、その対象は自分に謝りながらも愛を注いでくれて亡くなった母に。
仲間に。
そして、あのご主人様に唱えるのであって、何もしてくれなかった神には何も捧げるものはない――それがテオドールの考えだった。
「我らが『騎士王』……」
「北西の太陽」
それにしても、信者たちからの尊崇の念が向けられるのが面白い。
ボロを着て愛想良く笑顔を向けても蔑んだ目で石を投げてくるであろう『生まれながらに人間』の身分で育った人間たちが、偶像の騎士鎧を着ただけで神様や王様を見るような目をして、敬ってくれるのだ。
何ひとつ言葉を発することなく、顔も見せずに偉そうにふんぞり返っているだけだというのに。
(くだらねえ、こんなのくだらねえや)
中身なんてどうでもいいんだ。
ボロを着たテオドールが「母ちゃんが病気なので恵んでくだせえ」と頭を下げてまわっても金をくれないどころか汚物を見るような目をされたり、「病気がうつるからあっちへ行け」と石が投げられるであろうが、鎧を着たテオドールが「献金せよ」と言えば、大喜びで金を入れてくれるに違いない。
この『偽騎士王』ごっこというのは、どうもそんなムカムカした気がしてならないのだった。
「陛下~、大変ですぜ~」
仲間の『歩兵』扮する『偽混沌騎士団』がやってくる。
なんとなくのほほんとして締まりがないのは『歩兵』のノリだが、実際の混沌騎士団もテオドールが知っている限りそれほどキリッとしているわけではないから、構わないだろう。
さて、『偽騎士王』は喋らない。
ゆえに、テオドールは仲間に偉そうに頷いてみせた――申せ、と。
その頷きひとつで意思が通じたのかは知らないが、報告が続く。
「フェアグリンです。フェアグリンが光の雨を降らせて変な牛や馬と追いかけっこしてやがります!」
「火事です! なんかわからんがあちこちめっちゃ燃えてます!」
「ええ……」
テオドールは思わず呻くように声を漏らした。
――なんだそりゃ!
よりによって俺が『偽騎士王』の時に変な騒ぎが起きなくてもいいだろうがよ!
こんな不運があるから、神なぞ信じたくなくなるのだ――。
「今『騎士王』様のお声を俺は聞いたぞ!」
「『ええ』と仰ったわ! 私にもきこえたの!」
近くにいた人々がどうでもいいことで盛り上がっている。
(やっべえ、声出しちまった。怒られる……)
冷や汗をかきつつ、テオドールは近くに仲間のベルンハルトを招き、「よきにはからえ~」と囁いた。
すると、ベルンハルトは「お前、迂闊なやつめ。喋りやがって」と小声で説教を垂れてから「『騎士王』陛下は自らこの異変にご対応くださると仰せだ!」と大声で叫んだ。
(あっ、俺、ここで座ってるだけじゃダメなのか)
――ワッと歓声が起きて、テオドールの耳がくわんくわんとする。
異様な期待の眼差しと歓声の中、仲間に促され、『偽騎士王』に扮するテオドールはひとまず外へと『逃げる』のであった。
薄暗い雪景色に偽の旗が掲げられる。
帝国の旗と、『光の』フェアグリンを讃える旗だ。
周囲の耳目を気にしながら、教会を背に『偽混沌騎士団』が集まり、相談をする。
「フェアグリンはなんで遊んでんだ。飼い主の公子にフェアグリンを大人しくさせろって言えよ」
「おいお前、それは違う。飼い主がフェアグリンで公子はフェアグリンのペットだ」
「聞き捨てならねえな。それだと公子に飼われてる坊ちゃんとその坊ちゃんに飼われてる俺らはペットのペットのペットってことになるじゃねえか」
「お前ら、そんなことより役に立つことを相談しろよ!」
やいのやいのと中央語で『会議がまわらない』状態で言い合う『歩兵』らを尻目に、最近拾われたキンメリア族のフレルバータルがまともなことを言っている。
「まず消火だ。原因も調べろ」
キンメリア族の扮する『偽混沌騎士団』が都市のあちらこちらへと走り出す。
「教会に引きこもってる連中も手伝え!」
「そ、それはもちろん……!」
フレルバータルが吠えるように言えば、信者たちも我先にと駆け出した。主に自分の家の方向に。
「かーちゃん、無事かー!」
黒煙を上げる家の方向に走りながら必死に叫ぶ青年を見て、テオドールの胸には過去の己が蘇った。
「都市の南方に武装した一団がいるようですぜ。そいつらが火を放ったのを見たって声もあるようで」
『歩兵』のアドルフが知らせを中央語と北西語で繰り返す。
混沌騎士団に扮する『歩兵』たちは顔を見合わせ、それぞれの剣に手をかけた。
「んじゃ俺らは武装集団のところに行きましょうかね『騎士王』様」
呪術師メルシムがそんな彼らの背に声をかける。
「皆さま、ご武運を。私は公子にフェアグリンを止めるように要請してまいります」
吹雪が激しく吹き付ける中、赤と橙の焔が黒煙を吐いている。
乾燥した空気を喰らい、めらめら育つ炎が積雪を溶かし、水蒸気と水を生む。
雪解け水の周辺は火勢を弱めて、延焼はある程度自然に防がれるようだった。
それでも、被害はなしとはいかない。
「冬の備蓄が燃えた!」
「保管していた薪木が!」
あちらこちらから悲鳴が上がる。
内側に火が回り、内から炙られ焦げた屋根の耐久性が下がって上に積もっていた雪の重みに耐えかね、ぐしゃりと潰れる家もあった。
子供の泣き声と、大人の怒号が充ちている。
「手伝ってくれ、おれの家が燃えてるんだっ」
「倒壊した家にうちのばあちゃんが!!」
「『騎士王』はどこだ!」
旗を誇るように揺らして吠えるランゲ一族に、混沌騎士団になりすましたベルンハルトが明朗な声を響かせた。
「ここにおわすぞ!」
視線が一気に集まり、注がれる先にはテオドールがいた。
(うひょお、俺はとんだ貧乏くじを引いちまったな! こりゃ大変だぞ……え、なに、一騎討ちとかするの? 俺?)
テオドールは剣を抜いた。
相手が何か名乗っている。
こんな時、本物は口上を返したりするのだろうか――喋るときは喋るらしいが。
(俺はご立派な方々の決闘のルールなんて知らねえぞお!)
とりあえず戦えばいいんだろう、とテオドールが剣を抜けば、それを合図にしたように炎上市街地を舞台として、混沌騎士団とランゲ一族との乱闘が始まるのであった。
円環は単体で指輪を想起させ、その外周の棘は指輪の周囲に陣取る攻撃的な騎士のように見える。
あるいは、全体として王冠を象徴しているようにも見える――そんなデザインだ。
そんな紋章旗を堂々と掲げて、火矢は放たれた。
「我が一族は先祖代々この地に根差して血脈を紡ぎ、慣習や伝統にも明るく、何度かは王も輩出したこともある名門ぞ!」
甲高く傲慢で居丈高に言い放つ声が、薄明の都市に響いた。
「その我らが剣をおさめて歩み寄り、出自も知れぬ遍歴の騎士に後ろ盾になってやろうと手を差し伸べしものを、かの成り上がりの浮浪者めは拒絶したどころか若君にフェーデを仕掛けて身代金なぞ吹っかけよった!」
実際、決闘と言い出したのは『若君』の側なのだが、真実とは語る側の都合よく歪められるものであった。
「――正義だ!」
ゆえに、彼らは自分たちが正義だと吠えるのである。
「正義は我らにあり! かの指輪を獲り、それを証明してみせよう!!」
――こうしてこの日、『イスファリアの戦い』と呼ばれる小競り合いが勃発したのだった。
46、イスファリアの戦いと生まれながらの非人間と人間たち
その日、『偽騎士王』の中身を務めていたのは、『歩兵』のテオドールだった。彼らが束の間の拠点と定めた創造多神教の教会に信者たちが礼拝に訪れ、祈りの言葉を捧げるのに合わせて祈りの仕草を繰り返す。
ご主人様であるクレイはともかく、テオドール自身には信心なんてカケラもない。
テオドールは罪人同士の間に生まれた子で、生まれながらに『人ではない』という身分で育ったのだ。
そんな身で『神々が愛を持って貴方という存在を生かしてくださる。神の愛を感じよ』と言われたとしても、『神様、不遇の生まれにしてくれてありがとう』とならないのは当然だった。
『坊ちゃん』に拾われて衣食住不自由なき厚遇と気の知れた仲間に囲まれる最近は『自分は幸運に出会った』と思っているが、その感謝が神に向くかと問われればそんなことはなかった。
神様が愛とやらを注いでくれるなら、最初から罪人同士の子として生まれさせないで欲しかった――それは心の根にある消えることのない理不尽な世界への怒りで、どんな美辞麗句で宥められても、決して消えることはない深い傷なのだった。
もし感謝を唱えるならば、その対象は自分に謝りながらも愛を注いでくれて亡くなった母に。
仲間に。
そして、あのご主人様に唱えるのであって、何もしてくれなかった神には何も捧げるものはない――それがテオドールの考えだった。
「我らが『騎士王』……」
「北西の太陽」
それにしても、信者たちからの尊崇の念が向けられるのが面白い。
ボロを着て愛想良く笑顔を向けても蔑んだ目で石を投げてくるであろう『生まれながらに人間』の身分で育った人間たちが、偶像の騎士鎧を着ただけで神様や王様を見るような目をして、敬ってくれるのだ。
何ひとつ言葉を発することなく、顔も見せずに偉そうにふんぞり返っているだけだというのに。
(くだらねえ、こんなのくだらねえや)
中身なんてどうでもいいんだ。
ボロを着たテオドールが「母ちゃんが病気なので恵んでくだせえ」と頭を下げてまわっても金をくれないどころか汚物を見るような目をされたり、「病気がうつるからあっちへ行け」と石が投げられるであろうが、鎧を着たテオドールが「献金せよ」と言えば、大喜びで金を入れてくれるに違いない。
この『偽騎士王』ごっこというのは、どうもそんなムカムカした気がしてならないのだった。
「陛下~、大変ですぜ~」
仲間の『歩兵』扮する『偽混沌騎士団』がやってくる。
なんとなくのほほんとして締まりがないのは『歩兵』のノリだが、実際の混沌騎士団もテオドールが知っている限りそれほどキリッとしているわけではないから、構わないだろう。
さて、『偽騎士王』は喋らない。
ゆえに、テオドールは仲間に偉そうに頷いてみせた――申せ、と。
その頷きひとつで意思が通じたのかは知らないが、報告が続く。
「フェアグリンです。フェアグリンが光の雨を降らせて変な牛や馬と追いかけっこしてやがります!」
「火事です! なんかわからんがあちこちめっちゃ燃えてます!」
「ええ……」
テオドールは思わず呻くように声を漏らした。
――なんだそりゃ!
よりによって俺が『偽騎士王』の時に変な騒ぎが起きなくてもいいだろうがよ!
こんな不運があるから、神なぞ信じたくなくなるのだ――。
「今『騎士王』様のお声を俺は聞いたぞ!」
「『ええ』と仰ったわ! 私にもきこえたの!」
近くにいた人々がどうでもいいことで盛り上がっている。
(やっべえ、声出しちまった。怒られる……)
冷や汗をかきつつ、テオドールは近くに仲間のベルンハルトを招き、「よきにはからえ~」と囁いた。
すると、ベルンハルトは「お前、迂闊なやつめ。喋りやがって」と小声で説教を垂れてから「『騎士王』陛下は自らこの異変にご対応くださると仰せだ!」と大声で叫んだ。
(あっ、俺、ここで座ってるだけじゃダメなのか)
――ワッと歓声が起きて、テオドールの耳がくわんくわんとする。
異様な期待の眼差しと歓声の中、仲間に促され、『偽騎士王』に扮するテオドールはひとまず外へと『逃げる』のであった。
薄暗い雪景色に偽の旗が掲げられる。
帝国の旗と、『光の』フェアグリンを讃える旗だ。
周囲の耳目を気にしながら、教会を背に『偽混沌騎士団』が集まり、相談をする。
「フェアグリンはなんで遊んでんだ。飼い主の公子にフェアグリンを大人しくさせろって言えよ」
「おいお前、それは違う。飼い主がフェアグリンで公子はフェアグリンのペットだ」
「聞き捨てならねえな。それだと公子に飼われてる坊ちゃんとその坊ちゃんに飼われてる俺らはペットのペットのペットってことになるじゃねえか」
「お前ら、そんなことより役に立つことを相談しろよ!」
やいのやいのと中央語で『会議がまわらない』状態で言い合う『歩兵』らを尻目に、最近拾われたキンメリア族のフレルバータルがまともなことを言っている。
「まず消火だ。原因も調べろ」
キンメリア族の扮する『偽混沌騎士団』が都市のあちらこちらへと走り出す。
「教会に引きこもってる連中も手伝え!」
「そ、それはもちろん……!」
フレルバータルが吠えるように言えば、信者たちも我先にと駆け出した。主に自分の家の方向に。
「かーちゃん、無事かー!」
黒煙を上げる家の方向に走りながら必死に叫ぶ青年を見て、テオドールの胸には過去の己が蘇った。
「都市の南方に武装した一団がいるようですぜ。そいつらが火を放ったのを見たって声もあるようで」
『歩兵』のアドルフが知らせを中央語と北西語で繰り返す。
混沌騎士団に扮する『歩兵』たちは顔を見合わせ、それぞれの剣に手をかけた。
「んじゃ俺らは武装集団のところに行きましょうかね『騎士王』様」
呪術師メルシムがそんな彼らの背に声をかける。
「皆さま、ご武運を。私は公子にフェアグリンを止めるように要請してまいります」
吹雪が激しく吹き付ける中、赤と橙の焔が黒煙を吐いている。
乾燥した空気を喰らい、めらめら育つ炎が積雪を溶かし、水蒸気と水を生む。
雪解け水の周辺は火勢を弱めて、延焼はある程度自然に防がれるようだった。
それでも、被害はなしとはいかない。
「冬の備蓄が燃えた!」
「保管していた薪木が!」
あちらこちらから悲鳴が上がる。
内側に火が回り、内から炙られ焦げた屋根の耐久性が下がって上に積もっていた雪の重みに耐えかね、ぐしゃりと潰れる家もあった。
子供の泣き声と、大人の怒号が充ちている。
「手伝ってくれ、おれの家が燃えてるんだっ」
「倒壊した家にうちのばあちゃんが!!」
「『騎士王』はどこだ!」
旗を誇るように揺らして吠えるランゲ一族に、混沌騎士団になりすましたベルンハルトが明朗な声を響かせた。
「ここにおわすぞ!」
視線が一気に集まり、注がれる先にはテオドールがいた。
(うひょお、俺はとんだ貧乏くじを引いちまったな! こりゃ大変だぞ……え、なに、一騎討ちとかするの? 俺?)
テオドールは剣を抜いた。
相手が何か名乗っている。
こんな時、本物は口上を返したりするのだろうか――喋るときは喋るらしいが。
(俺はご立派な方々の決闘のルールなんて知らねえぞお!)
とりあえず戦えばいいんだろう、とテオドールが剣を抜けば、それを合図にしたように炎上市街地を舞台として、混沌騎士団とランゲ一族との乱闘が始まるのであった。
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