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解説・イラスト系

キャラクターや地名、世界設定の補足資料

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 作中に出てくるキャラクターや地名、世界設定・過去エピソードの補足資料です。
 時間があるときに加筆するかもしれません。

●世界観
 中世ヨーロッパ風ファンタジー世界にあるひとつの大陸、その北西の国『エインヘリア』がこの物語の主な舞台となっています。
 物語の時代の大陸は『人と妖精の時代』となっており、人間種族と妖精種族が共存しています。

・妖精種族
 羽根の生えた小さな妖精や、森妖精(いわゆるエルフ)、妖狐、人魚などなど、多種多様な幻想の生き物たちです。妖精種族は妖精界という別の世界をメインに生きている生き物ですが、人間界にも気軽に行き来して、ずっと人間界で暮らす者も少なくありません。
 妖精種族は、魔法が使える点と、音楽を愛し、人間のつく嘘を嫌う特徴があります。
・古妖精
 妖精の中でも長い年月を生きていて、強い力を持つ妖精。

●大陸にある主要な国(記載した以外にも小さな国は幾つかあります) 
・北西の国『エインヘリア』
 古妖精フェアグリンの遊び場と言われる王権妖授与国王権を妖精が与える国。元々荒れていた国ですが、フェアグリンが戯れに敷いた王権を巡るシステム(フェアグリンが魔法をかけた指輪『覇者の指輪』を得た者が皇帝になるシステム)上、常に争いの絶えない不安定な国となっています。
 
・南西の国『アイザール』
 褐色肌や浅黒い肌の人種が多い南国気質の共和制国家。皇族は象徴的な存在といいつつ、野心家揃いで象徴の域を越えた活動をしがち。
 高名な将軍『グリエルモ』が南西の陸地を遊び場にしていた古妖精を倒してしまったため、アイザールは妖精種族との仲がとても悪いです。

・東方の国『クレストフォレス』
 森妖精が盟主の国で、妖精の数がとても多いです。
  
・中央の国『ファーリズ』
 王族を守る『竜』という強い力を持つ生き物により守られ「自分たちは特別」と強気外交で閉鎖的だった(過去形)王国。
 竜は白竜と黒竜がいましたが、現在は共に不在となっています。

●術について
・呪術
 世界の法則にのっとり、世界に働きかける権限に応じて事象を変化させる術。
 中央の国で発達した技術であり、竜がまるで神様の奇跡のように扱う術でもあります。
 虚空に文字を綴って施行するのが特徴。

・魔法
 妖精が使う理屈なしの才能だけで使う奇跡の力。
 混血の人間の中には使える者もいますが、かなり少ないです。

・魔術
 混血人間の中で魔法が余り安定して使えない理屈っぽい学者肌の術者が「安定して魔法を使うには」と試行錯誤して編み出した術。
 魔法より弱いですが、魔法よりも安定して使えるようです。混血の人間の中で、魔法が苦手で、かつ全く使えないわけではなく、魔術理論を学んだ者だけが使用します。 
   
●キャラクター(作中に名前が出てくるキャラクター)
・クレイ
 中央の国の王甥。現ファーリズ王アーサーの妹ラーシャ姫(故人)の子。ラーシャ姫はアーサー王と王位継承をした末にアーサー王の忠臣アクセル(コルトリッセン公爵)に降嫁させられた経緯があります。ラーシャ姫は黒竜アスライトに守られており、クレイも黒竜の守護対象となっていますが、黒竜は厭世的で、クレイとの関係はいまいち良好ではありません。
 儚げで庇護欲をそそる見た目のクレイは、黒竜を呼び出せなかったためにラーシャ姫の子ではないのではないかと疑われ、アクセルから「自分は義務を果たしたのだ、竜を呼んで証明せよ」と責められました。ラーシャ姫の派閥だった中央貴族『紅薔薇』勢はそれに気付いてクレイを保護し、クレイを「我らの殿下」と旗頭にしてラーシャ姫亡き後の忠誠の対象にしました。
 アーサー王はそれに対抗するようにクレイを自分の第二王子エリックの学友とし、忠誠心を植え付けました。
 能力的には実技がさっぱり、座学はできるトロくさくて可愛い坊ちゃん。血統を重んじる社会で蔑まれるような身元不確かなごろつきや、落ちている変なものや行き場のないかわいそうなものを拾ってなでなでするのが趣味。その理由は「自分もラーシャの子かどうかわからなくて身元不明(だと思っていた)から」。
 紅薔薇勢と王位をめぐるどろどろの権謀術数劇に影響され、公家公家しくちょっと偉そうでおっとりした振る舞いと、ちょっと拗らせた悲劇嗜好・自己犠牲の根暗ボーイとなっております。

・ニュクスフォス/オスカー 
 中央の国の南地方の公子が、国を出て子分らと国盗りした結果エインヘリアの『覇者の指輪』を獲得して国主になった『騎士王』を名乗る美形の青年。
 『騎士王』は二つ名で、おおやけに名前は公開していません。また、全身騎士鎧で顔も隠していることが多く、出自も素性も積極的には明らかにはしていません。
 成り上がる前の名前はオスカー・ユンク。アイザール人の母をもち、アイザール人の特徴である外見をしていることで中央系貴族からは差別的な扱いを受けたこともあるようです。
 そのため、幼少期には「騎士の高貴さは血統によらず人格による」という言葉を気に入り、ストイックな騎士に憧れていたのだとか。
 しかし、よく言えば陽気で自由な気質のユンク家の親兄弟は「お前は金と権力がある一族なのだからストイックなんてやめろやめろ、YOU欲望のまま好き放題しちゃいなよ!」「他人は踏み台にして美味いとこを持って行くんだぞ!」なノリで唆しまくったため、公子はあまり自分の思うストイックな自己実現ができないまま「遊び人」「適当ばかり」といわれるちゃらいお兄さんに育ったのでした。
 クレイと知り合った当初、最初はクレイに取り入るように言われて近付き「黒竜を見てみたいなー、危険な目にあわせたら見れるかな」と思っていましたが、根は善人なので「この子どもは弱者だ」と思いなんとなく守護対象に意識を切り替えていきます。そして、自分を「いらない」と言って紅薔薇勢や『歩兵』ら、理想の体現者のような騎士フィニックスと遊んでいるクレイを見て、「クレイのヒーローになりたい」「俺が玉座に座らせてやったらどんな顔をするか」と思い、過去の自分を捨てて『騎士王』になりました。正体を隠す変身ヒーロー的なのをイメージするとわかりやすいかもしれません。
 『騎士王』になってみるとクレイ本人は正体不明の『騎士王』にめちゃくちゃ憧れて慕ってくれつつ「友達のオスカーが死んでしまった」と泣いてくれて、「僕はオスカーが好きだった」と言ってくれました。
(困っているクレイを保護したところお父さまと呼ばれるようになり、ファーリズの玉座に座らせようとするとエインヘリアに帰りたいと言われたことから、玉座に座らせるのを断念してアーサー王におねだりし、自分の婚約者としてお持ち帰りしました)
 ついでに騎士の誓いも受け入れてもらい、クレイの騎士になれました。

・アクセル
 クレイの実父、アーサー王の忠臣。コルトリッセンの名は、由緒正しき忠臣の名。
 元は王族だった初代は、臣下にくだる時に時の王が名を賜ったのを大切に名乗って、その家を絶やすまい、名を穢すまいと誓った。
 絶える名家の多い中、脈々と血は継がれて子孫は徹底して王室への忠誠心を叩き込まれた。
 王国一の忠臣、血統優れし名門にて、誇り高き公爵家はいついかなる時も王家の懐刀であれかし、其は覆らぬ白の臣にて、如何なる昏迷の時代であろうとも、どんなに王位が近かろうとも、ゆめゆめ野心に溺れて王家をないがしろにすることなかれ――、
 ――『我らは誇り高き臣である。覆らぬ白の臣であれノーブレス・オブ・リージュ』。
 それが名門の名句。
 その家名を名乗る者は、絶対的なファーリズ王家の臣下なのである。
 クレイ曰く「王位を競ったりした敗者王族の血を覆らぬ白の臣で封じている」。
  
・レネン
 クレイにずっと仕えている大陸最高峰の腕を誇る呪術師。詳しい情報はよく知られていない謎の人。30代という噂。
 いつも黒ローブをすっぽり着ていて、フードで顔を覆っているので、顔を見たことのある人は少ない。

・フィニックス
 中央の国の元王太子シリルに忠誠を誓っている騎士。『鮮血』という二つ名があり、大陸中に高名が知れ渡っている有名人。
 その忠誠心は一途にシリルに注がれており、ブレない。

・ユージェニー
 クレイの異母妹。アクセルの妻は二人とも亡くなっており、本物のユージェニーも亡くなったが、亡き妹によく似た「ユージェニー」は孤児院で拾われてきて、妹に成りすますよう言われて現在までユージェニーのふりをしている。クレイはそれを知りつつ、本当の妹として兄の愛情を持って「兄さんは絶対にユージェニーの味方」というスタンスでいる。
 なお、クレイに「お兄さまはオスカーを攻略するといいです」とすすめた過去がある。

・エリック
 中央の国の第二王子。とてもハイスペックで白竜に溺愛レベルで守護されている。クレイの従弟であり、クレイが4歳の時からの学友である。
 『ぼくときみの間は、飾らぬ仲であれかし』
 『すなわち、きみはぼくを呼び捨てで呼んで構わないし、敬語も使わなくてよろしい。仲良くしようじゃないか、我が友よ!』
 『クレイは俺のワイストンだ』(ワイストン=伝説の勇者の相棒魔法使いの名)
 ギスギスしたり争ったりするけれど、互いに親友だと思っている間柄。

・テオドール
 クレイに拾われた元盗賊団の『歩兵』。『歩兵』の中では感性やリアクションが一番クレイ好みで、気に入られている。

・マナ
 クレイに拾われたメイド。混血妖精。『歩兵』と同じ出身で、『歩兵』のアドルフは「兄さん」。

●乙女ゲーム
 作中にたまに出てくる乙女ゲームについて。
 中央の国ファーリズは、神々が使ったゲームの舞台でした。元は勇者主役のRPG、続編で何百年か後の乙女ゲーム、となっています。
 乙女ゲームはもう終わりましたが、クレイの妹ユージェニーはヒロイン枠、クレイは王道王子様キャラエリックの対になるキャラで、妹相手の禁断の愛担当のお兄さんキャラ。
 オスカーは設定資料に『撫でポできゅん』『ただしイケメンに限る』と書いてあるぐいぐい迫ってきて甘い言葉を囁く系のフランス男系ナンパキャラ。
 ちなみにクレイはオスカーを攻略して落とす寸前まで好感度を高めた上で「こいつは王族と騎士ごっこしたいんだ。血筋のあやしい僕よりエリックの方が相応しい」「一緒にエリックに仕えよう」とエリックに押し付け、隠しキャラフィニックスとエンディングを迎えました。
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