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第一章 建国前夜編
47話 懐かしい顔
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俺たちは休みなく夜通しでキックオーズへと向かった。
俺がゴブの集落まで行くのに一日かかっていたから、城塞小国家連合が攻めてくるまであと二日しかなかったからだ。
このペースでいけば、戦闘が始まる前日にはなんとか砦建設地まではいけそうなペースだと思う。
森を抜けてそんな計算をしていたら少し先に200人ほどの集団が見えた。
避難民か?
それにしてはこんなところを通って避難する街はないはずだが…。
敵…?
ってことはないか。
こんなところまで敵が侵入してたらとっくに戦闘になってるはずだ。
集団に近づいていくと、懐かしい顔がそこにあった。
ドラグーンのライだ。
よく見ると集団はドラグーンの集団だった。
「ライ!ライじゃないか!こんなところで何してるんだ!?」
「タケル!久しぶりだな!タケルを待ってたんだよ!」
「俺を待ってたって?何かあったのか?」
「何かあったのはタケルの方だろう?」
「まさか増援に来てくれたのか!?」
驚いた…。
まさかライ達まで駆けつけてくれるなんて…。
「人間同士がどうなろうが全く興味ないが、ゴルティアの人たちとタケルに何かあるのは流石の俺たちも無視できないからな。」
「そうか、ありがとう、ドラグーンが加勢してくれたら百人力だ、心強いよ。」
「でもこの軍勢を見ると余計なお世話だったか?正直タケルにこんなツテがあるとは思わなかったよ。」
ライが引いているのが伝わってくる。
ゴブリンキングを含む完全武装したゴブリンの軍勢は亜人から見ても異様な軍勢のようだ。
でもここに1人が100人に値するほどの力を持つと言われているドラグーンがこんなにも加わってくれるんだから、正直もう怖いものはないと言ってもいいくらいだ。
ちなみにこの表現はあくまでドラグーンの強さを伝えるための比喩で、実際のところは人間の5人分くらいの戦力らしい。
「なんかあの頃よりも人数が増えてないか?」
「この半年、隣国を含めて奴隷にされているドラグーンを密かに解放して回ってたんだ。今は200人ほどになったよ。」
つまり、これで1000人分の戦力を得たようなものだ。
ゴブリンの軍勢と合わせて、敵を足止めして時間を稼ぐくらいはもう余裕でできそうなくらいの戦力が整った。
口惜しいのはもう少し戦力があればそのまま勝てる可能性すらあるってことだ。
だがこれ以上頼れるものはないし、王国の騎士団も当てにできない以上、この戦力でできる最善の選択をとっていくしかない。
ライはゴブと簡単に挨拶を交わし、そのままゴブリンの隊列に合流して国境を目指すことになった。
多分今日の夜には一番後方の砦に辿り着けるはずだ。
そこで上位ランクを集めて一度配置について相談を行おう。
あれから二日、どこまで砦の構築が進んでいるか不安はあるが、街の男達もギリギリまで手伝ってくれることになっているからある程度は進んでいるだろう。
カイン達はきっと驚くだろうな、まさかゴブリンがこんな軍勢を持ってると思ってもいないだろうし、ドラグーンまでいたら心底驚くはずだ。
歩兵を置いて行かない程度に俺たちは速度を上げて行軍した。
これ以上の増援は見込めないと思っていたが、道中で少人数ではあるが亜人のグループが複数合流してきた。
いずれも傭兵として活動してる時に助けた亜人達で、知らせを聞いて駆けつけくれたようだ。
思えばこの半年間あっちこっちで掌握スキルが発動しまくってたから、俺を慕ってくれる人たちが増えていたんだなと改めて実感した。
そうした亜人グループの他に傭兵登録はしていないが戦闘可能な冒険者や魔法ギルド所属のもの、それから引退した傭兵達なども街に届いた知らせをもとに義勇兵を組織して向かっているのを見つけては次々に隊列へと加わえて行った。
みんなこの軍勢を見て驚きはしていたが、さすが亜人に慣れている南部の人間だけあって、すぐに受け入れてくれた。
こうして俺たちは総勢3000人ほどの軍勢となり、後方の砦へとたどり着いた。
俺がゴブの集落まで行くのに一日かかっていたから、城塞小国家連合が攻めてくるまであと二日しかなかったからだ。
このペースでいけば、戦闘が始まる前日にはなんとか砦建設地まではいけそうなペースだと思う。
森を抜けてそんな計算をしていたら少し先に200人ほどの集団が見えた。
避難民か?
それにしてはこんなところを通って避難する街はないはずだが…。
敵…?
ってことはないか。
こんなところまで敵が侵入してたらとっくに戦闘になってるはずだ。
集団に近づいていくと、懐かしい顔がそこにあった。
ドラグーンのライだ。
よく見ると集団はドラグーンの集団だった。
「ライ!ライじゃないか!こんなところで何してるんだ!?」
「タケル!久しぶりだな!タケルを待ってたんだよ!」
「俺を待ってたって?何かあったのか?」
「何かあったのはタケルの方だろう?」
「まさか増援に来てくれたのか!?」
驚いた…。
まさかライ達まで駆けつけてくれるなんて…。
「人間同士がどうなろうが全く興味ないが、ゴルティアの人たちとタケルに何かあるのは流石の俺たちも無視できないからな。」
「そうか、ありがとう、ドラグーンが加勢してくれたら百人力だ、心強いよ。」
「でもこの軍勢を見ると余計なお世話だったか?正直タケルにこんなツテがあるとは思わなかったよ。」
ライが引いているのが伝わってくる。
ゴブリンキングを含む完全武装したゴブリンの軍勢は亜人から見ても異様な軍勢のようだ。
でもここに1人が100人に値するほどの力を持つと言われているドラグーンがこんなにも加わってくれるんだから、正直もう怖いものはないと言ってもいいくらいだ。
ちなみにこの表現はあくまでドラグーンの強さを伝えるための比喩で、実際のところは人間の5人分くらいの戦力らしい。
「なんかあの頃よりも人数が増えてないか?」
「この半年、隣国を含めて奴隷にされているドラグーンを密かに解放して回ってたんだ。今は200人ほどになったよ。」
つまり、これで1000人分の戦力を得たようなものだ。
ゴブリンの軍勢と合わせて、敵を足止めして時間を稼ぐくらいはもう余裕でできそうなくらいの戦力が整った。
口惜しいのはもう少し戦力があればそのまま勝てる可能性すらあるってことだ。
だがこれ以上頼れるものはないし、王国の騎士団も当てにできない以上、この戦力でできる最善の選択をとっていくしかない。
ライはゴブと簡単に挨拶を交わし、そのままゴブリンの隊列に合流して国境を目指すことになった。
多分今日の夜には一番後方の砦に辿り着けるはずだ。
そこで上位ランクを集めて一度配置について相談を行おう。
あれから二日、どこまで砦の構築が進んでいるか不安はあるが、街の男達もギリギリまで手伝ってくれることになっているからある程度は進んでいるだろう。
カイン達はきっと驚くだろうな、まさかゴブリンがこんな軍勢を持ってると思ってもいないだろうし、ドラグーンまでいたら心底驚くはずだ。
歩兵を置いて行かない程度に俺たちは速度を上げて行軍した。
これ以上の増援は見込めないと思っていたが、道中で少人数ではあるが亜人のグループが複数合流してきた。
いずれも傭兵として活動してる時に助けた亜人達で、知らせを聞いて駆けつけくれたようだ。
思えばこの半年間あっちこっちで掌握スキルが発動しまくってたから、俺を慕ってくれる人たちが増えていたんだなと改めて実感した。
そうした亜人グループの他に傭兵登録はしていないが戦闘可能な冒険者や魔法ギルド所属のもの、それから引退した傭兵達なども街に届いた知らせをもとに義勇兵を組織して向かっているのを見つけては次々に隊列へと加わえて行った。
みんなこの軍勢を見て驚きはしていたが、さすが亜人に慣れている南部の人間だけあって、すぐに受け入れてくれた。
こうして俺たちは総勢3000人ほどの軍勢となり、後方の砦へとたどり着いた。
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