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第一章 建国前夜編
42話 最悪な知らせ
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ゴライアスとグロウと話をしてから三日、キックオーズの街には南部地域一帯から傭兵が集まった。
当初1000人ほどは集まるであろうという見通しに対して、1500人の傭兵が集まりキックオーズの街は賑わっていた。
この警戒期間中の傭兵に対する依頼料の発生はないにもかかわらず、これだけの人数が集まったのは伝説的傭兵のゴライアスから依頼が出されているっていうことと、南部地域に対する地元意識みたいなものが影響しているんだと思う。
1500人という人数は、南部の傭兵ギルドに登録してる傭兵の役8割にあたる人数らしく、これだけ集まるのは何十年に一度のレベルらしい。
「いや、そういうことなら尚更指揮を取るのはタケル以外無理だろ?実績が物語ってると思うけどな。」
「それが悪いと言いたいわけじゃなくて、ゴライアスさんの指示の方が全員納得しやすいだろって話だよ!」
「今は納得できるできないのレベルで行動を決める状況じゃないだろ!負けたら終わりなんだ、腹括って臨むべきだろうが!」
傭兵が一通り集まったこともあり、俺たちはB 級以上の高ランク者で今後の体制について話し合いを重ねていた。
俺は正直誰が指揮を取るとかどうでもいいとは思っているが、カインがやたらと俺を推してくる。
確かに過去一緒に受けた依頼で、数十人以上の傭兵が集まる依頼の時は、気づいたら俺が指揮を取ってるってことが多くあった。
でも、それは俺が望んでのことではなく、流れで仕方なくみたいなところがあるから、今回みたいに最初から指名されるのはちょっと抵抗があるな。
「いずれにしても今回の依頼はゴライアス名義で出されているんだ、ゴライアス自身に決めてもらうのが妥当だろう。」
グロウが意見を一蹴して、会議の場にいるものの視線がゴライアスへと向かう。
「んー、指揮を取りたくないわけではないが、ある程度自由に動ける方が自分の特徴を活かせるからな!だから今回はタケルに頼もうと思う!ガッハッハ!」
相変わらず何が面白いんだこのおっさんは。
こうして俺が1500人の傭兵隊の指揮を、有事の際は取ることになった。
まあ、王国の騎士団も来るだろうし、総指揮はまた別のやつになるだろう。
ドンドンドン!!
会議室のドアが慌ただしくノックされる。
「たっ、大変です!!最悪なことになりました!!」
慌てて男が入ってきた。
こいつは確か、情報管理を任されてるギルド職員だ。
何か情報が入ってきたんだろう。
「最悪とはなにがあったんだ!!」
ゴライアスが慌てて聞き返す。
「小国家連合がクルセイブ南部に向け兵を発しました!その数およそ一万!」
「思ったよりも多いな…。だが、それだけで最悪ってことはないだろ?他に何があった。」
「王国が…、南部一帯の放棄を決定しました…。」
「な、なんだと!?」
会議室が一瞬静まり返り、直後動揺からざわつき始めた。
「グロウ、なんで王国は南部を放棄するんだ?その意図が全く見えないんだが。」
ざわつく会議室内では、まさか、とか、やっぱりか、みたいな声が聞こえてくるが、元々この世界の住人じゃないからだと思うが、俺には放棄の理由が全く理解できない。
だから動揺以前に疑問の方が強く、思わずグロウに問いかけた。
当初1000人ほどは集まるであろうという見通しに対して、1500人の傭兵が集まりキックオーズの街は賑わっていた。
この警戒期間中の傭兵に対する依頼料の発生はないにもかかわらず、これだけの人数が集まったのは伝説的傭兵のゴライアスから依頼が出されているっていうことと、南部地域に対する地元意識みたいなものが影響しているんだと思う。
1500人という人数は、南部の傭兵ギルドに登録してる傭兵の役8割にあたる人数らしく、これだけ集まるのは何十年に一度のレベルらしい。
「いや、そういうことなら尚更指揮を取るのはタケル以外無理だろ?実績が物語ってると思うけどな。」
「それが悪いと言いたいわけじゃなくて、ゴライアスさんの指示の方が全員納得しやすいだろって話だよ!」
「今は納得できるできないのレベルで行動を決める状況じゃないだろ!負けたら終わりなんだ、腹括って臨むべきだろうが!」
傭兵が一通り集まったこともあり、俺たちはB 級以上の高ランク者で今後の体制について話し合いを重ねていた。
俺は正直誰が指揮を取るとかどうでもいいとは思っているが、カインがやたらと俺を推してくる。
確かに過去一緒に受けた依頼で、数十人以上の傭兵が集まる依頼の時は、気づいたら俺が指揮を取ってるってことが多くあった。
でも、それは俺が望んでのことではなく、流れで仕方なくみたいなところがあるから、今回みたいに最初から指名されるのはちょっと抵抗があるな。
「いずれにしても今回の依頼はゴライアス名義で出されているんだ、ゴライアス自身に決めてもらうのが妥当だろう。」
グロウが意見を一蹴して、会議の場にいるものの視線がゴライアスへと向かう。
「んー、指揮を取りたくないわけではないが、ある程度自由に動ける方が自分の特徴を活かせるからな!だから今回はタケルに頼もうと思う!ガッハッハ!」
相変わらず何が面白いんだこのおっさんは。
こうして俺が1500人の傭兵隊の指揮を、有事の際は取ることになった。
まあ、王国の騎士団も来るだろうし、総指揮はまた別のやつになるだろう。
ドンドンドン!!
会議室のドアが慌ただしくノックされる。
「たっ、大変です!!最悪なことになりました!!」
慌てて男が入ってきた。
こいつは確か、情報管理を任されてるギルド職員だ。
何か情報が入ってきたんだろう。
「最悪とはなにがあったんだ!!」
ゴライアスが慌てて聞き返す。
「小国家連合がクルセイブ南部に向け兵を発しました!その数およそ一万!」
「思ったよりも多いな…。だが、それだけで最悪ってことはないだろ?他に何があった。」
「王国が…、南部一帯の放棄を決定しました…。」
「な、なんだと!?」
会議室が一瞬静まり返り、直後動揺からざわつき始めた。
「グロウ、なんで王国は南部を放棄するんだ?その意図が全く見えないんだが。」
ざわつく会議室内では、まさか、とか、やっぱりか、みたいな声が聞こえてくるが、元々この世界の住人じゃないからだと思うが、俺には放棄の理由が全く理解できない。
だから動揺以前に疑問の方が強く、思わずグロウに問いかけた。
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