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第一章 建国前夜編
26話 出陣
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琥珀亭に戻って詳細の確認を終え、俺たちは飯を食って早々に部屋に戻った。
明日は長距離の移動になるから早めに休んだほうがいいとカインが提案したからだ。
不思議なことにこの日はすぐに寝ることができた。
寝不足だったのもあるけど、現実味が増して覚悟を決めたって言うのもあるのかもしれない。
朝起きて、食堂へ行き朝食をかき込む。
俺が起きて食堂に行くとカインはもう食事を済ませた後で、俺のことを待っているようだった。
「すまん待たせた、行こうか。」
水で朝食を流し込み、カインと共に琥珀亭を出た。
ドンッドンッドンッ
街の入り口に向かうと外から太鼓の音が響き渡っていた。
出陣に向けた準備が進んでいるようで、そこら中から大声が聞こえる。
数千人単位の武装した集団を目の当たりにするのなんて当然初めてだし、異様な緊張感を放ってるしで
正直俺自身の緊張感も高まってきた。
「カイン!タケル!こっちだ!!」
この騒音の中でもハッキリ聞こえる程の大声で呼ばれ、声のする方を見ると周りから頭ひとつ抜け出てる巨漢がいた。ゴライアスだ。
「あそこが俺らの隊だな。」
カインがそう言い兵士をかき分けて向かう。
俺もその後を追っていく。
「もうそろそろ隊列が整う、すぐ出発になると思うぞ!!タケル、初の依頼だ気負わずに行こう!がっはっは!!」
俺の気も知らずゴライアスが豪快に笑う。
まあ、これくらいの感じで来てくれたほうが気が紛れるし助かるけどな。
ドドン!ドドン!ドンドンドン!!
太鼓の叩き方が変わり、隊列の先頭に漆黒のヘルムと鎧を纏った騎士が馬に跨り現れた。
俺が並んでる位置はだいぶ後方だが、ここから見てもとてつもない威圧感を感じる。
「漆黒の天使カナ…、第一騎馬騎士連隊の総隊長だ。あいつが傭兵だったら絶対にS級だよ。」
カインが眉を顰めて言う。
S級…そのレベルか…。
ゴライアスやグロウよりもさらに上、全く想像できないな。
しかも名前からして女だよな?
「クルセイブの兵達よ!」
高く澄んだ声が響き、辺りが静まり返る。
「これよりゴルティアへ発つ!クルセイブ人の安全の確保とドラグーンの殲滅が作戦目標だ!クルセイブ国の誇りにかけて反国の意を根絶やしにするぞ!進めー!!」
その声に合わせ一斉に歓声が上がり、数千人からなる隊列はまるで巨大な生き物のようにゆっくりと進み始めた。
「目的のゴルティアまではここから2日ほどだ。おそらく途中にある草原地帯で野営に入り、明日の夕方にはゴルティア近辺の主戦場予定地に着くと思う。」
カインが俺の緊張をほぐすように声をかけてくれる。
「ドラグーンの数はどれくらいなんだ?」
「今のところわかってるのは100人。」
「たったそれだけか?」
「たったそれだけの人数でも、この規模の軍を投入しなきゃならないくらいやばい種族ってことだよ。まあ流石に今回のこっち側のメンツもやばすぎるメンツだから負けることは絶対にありえないと思うけど。」
100対6900って、いったいどれだけ強いんだよそのドラグーンっていう種族は。
後方支援でよかった、前線だったら異世界に来て数日で第二の人生が終わるところだったかもな。
その後俺たちはただひたすらゴルティアに向けて歩き続けた。
明日は長距離の移動になるから早めに休んだほうがいいとカインが提案したからだ。
不思議なことにこの日はすぐに寝ることができた。
寝不足だったのもあるけど、現実味が増して覚悟を決めたって言うのもあるのかもしれない。
朝起きて、食堂へ行き朝食をかき込む。
俺が起きて食堂に行くとカインはもう食事を済ませた後で、俺のことを待っているようだった。
「すまん待たせた、行こうか。」
水で朝食を流し込み、カインと共に琥珀亭を出た。
ドンッドンッドンッ
街の入り口に向かうと外から太鼓の音が響き渡っていた。
出陣に向けた準備が進んでいるようで、そこら中から大声が聞こえる。
数千人単位の武装した集団を目の当たりにするのなんて当然初めてだし、異様な緊張感を放ってるしで
正直俺自身の緊張感も高まってきた。
「カイン!タケル!こっちだ!!」
この騒音の中でもハッキリ聞こえる程の大声で呼ばれ、声のする方を見ると周りから頭ひとつ抜け出てる巨漢がいた。ゴライアスだ。
「あそこが俺らの隊だな。」
カインがそう言い兵士をかき分けて向かう。
俺もその後を追っていく。
「もうそろそろ隊列が整う、すぐ出発になると思うぞ!!タケル、初の依頼だ気負わずに行こう!がっはっは!!」
俺の気も知らずゴライアスが豪快に笑う。
まあ、これくらいの感じで来てくれたほうが気が紛れるし助かるけどな。
ドドン!ドドン!ドンドンドン!!
太鼓の叩き方が変わり、隊列の先頭に漆黒のヘルムと鎧を纏った騎士が馬に跨り現れた。
俺が並んでる位置はだいぶ後方だが、ここから見てもとてつもない威圧感を感じる。
「漆黒の天使カナ…、第一騎馬騎士連隊の総隊長だ。あいつが傭兵だったら絶対にS級だよ。」
カインが眉を顰めて言う。
S級…そのレベルか…。
ゴライアスやグロウよりもさらに上、全く想像できないな。
しかも名前からして女だよな?
「クルセイブの兵達よ!」
高く澄んだ声が響き、辺りが静まり返る。
「これよりゴルティアへ発つ!クルセイブ人の安全の確保とドラグーンの殲滅が作戦目標だ!クルセイブ国の誇りにかけて反国の意を根絶やしにするぞ!進めー!!」
その声に合わせ一斉に歓声が上がり、数千人からなる隊列はまるで巨大な生き物のようにゆっくりと進み始めた。
「目的のゴルティアまではここから2日ほどだ。おそらく途中にある草原地帯で野営に入り、明日の夕方にはゴルティア近辺の主戦場予定地に着くと思う。」
カインが俺の緊張をほぐすように声をかけてくれる。
「ドラグーンの数はどれくらいなんだ?」
「今のところわかってるのは100人。」
「たったそれだけか?」
「たったそれだけの人数でも、この規模の軍を投入しなきゃならないくらいやばい種族ってことだよ。まあ流石に今回のこっち側のメンツもやばすぎるメンツだから負けることは絶対にありえないと思うけど。」
100対6900って、いったいどれだけ強いんだよそのドラグーンっていう種族は。
後方支援でよかった、前線だったら異世界に来て数日で第二の人生が終わるところだったかもな。
その後俺たちはただひたすらゴルティアに向けて歩き続けた。
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