自力で始める異世界建国記

第一章 建国前夜編

11話 スキルレベル

ゴブがそっと母親を支え、口元に丸薬を一つ持っていき、水と一緒に飲ませ、そのままベットに寝かせた。

するとその直後奇妙なことが起こった。
王妃の全身から薄い黄色のオーラのようなものが出てきて発光しだしたのだ。

え…、何か作成手順でもミスったか？
ちょっとしたパニックになった俺はベットの横にいるゴブと目を見合わせた。

10秒位その光が続き収まったと思ったら、ベットの上の王妃が少し動いた。

「なんでかしら、身体が急に軽くなったわ。」

そう言うと、王妃がベットの上で上体を起こして目をパチクリさせている。

なんでだ、1ヶ月は経過確認って言ってなかったか？

そんな疑問を抱いている俺を、ゴブとバースが信じられないとでも言うような目で見てくる。

「いや、そんな目で見られても、俺だってなんでこんなことになってるかなんてわからないぞ」

「タケル様…、薬学のスキルレベルはどれくらいですか？」

困惑する俺にバースが問いかけてくる。

「4だけど…、そんなに高くもないだろ？」

「4…、4ですか！？」

バースがスキルレベル聞いて驚きの表情を浮かべている。

「タケル様、薬学スキルはスキルのレベルアップ方法が解明されておらず、歴史上レベル2が最大なのではないかと言われています…。それが4だなんて…、恐らくそのレベルの高さから認知されている以上の効果が出たのかと。」

なんだよそれ、当然にレベルは10段階か100段階が上限値だと思っていたから、そこまで高くないと認識してたけど、もはやチート級のレベルだったのか…？
前世で発達した薬学を学んでいたからなのか？

「タケル様…とお呼びすればいいのかしら？命を諦めかていたのにこんなに回復して…、どんなお礼をしても足りないくらいの恩をいただきありがとうございます。」

バースとのやりとりを遮って王妃がそっと口を開いた。

「私の名前はスベリア、この部族の族長代理を務めるものです。このお礼は部族をあげてさせていただきます。」

いや、そう言われても、もうすでに部族をあげて歓迎してもらってるし、これ以上は何も望むものはないんだが…。

「と言っても先程から下が賑やかなのを考えると、もうすでに部族をあげての歓迎の宴が開かれているのかしら。」

スベリアは察したのか微笑みながらゴブの顔を見る。

「もしこの先、タケル様が望むのならば、我が部族全てがタケル様の味方として立ち上がります。それくらいの恩を与えたと思っていただいて結構です。本当にありがとうございます。」

「いや、友達のゴブのためだし、そこまで恩に感じることもないですよ。本当、気にしないでください。」

そう俺が言い返すと、スベリアはゴブの方に向き直った。

「ゴブ、ゴブという名前をいただいたのですね。ゴブ、あなたもこの恩を忘れてはなりませんよ。」

そうスベリアが言うと万遍の笑みでゴブは頷いた。
ゴブが嬉しそうで良かった。

ひとまず、スベリアを安静にさせるために、俺たちは部屋を出て宴会が行われてる1階の大広間へと戻ることにした。

部屋を出るときにスベリアが、万が一のことが再び起きないとも限らないから、族長就任の儀をすぐにでも行いますよ。とバースに伝えていた。

ゴブは族長になるのか。