天使の翼 〜生徒会長が最強すぎて部下の出る幕がありません〜

saku

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21章

生徒会合宿が近づいている中、黒山たちはあの事件があったショッピングモールに黒山たちは買い出しに来ている。
確か記憶ではそうだ。
創神はアイス屋の店員をしながら考える。
このバイトは時間潰しだ。
私を異術師にするにはまだ月単位で時間がかかるようでやることがない。
この時間で今私はやることは待つだけだ。
そして何故暇つぶしがアイス屋なのかというと。
「…そうか。進捗はなしか」
目の前に居る客は自分と全く同じ容姿をした異人。
奏臣だった。
「私としては問題はない」
そう言って創神はアイスを数個手渡す。
記憶であったのだがこの買い出しのときに何故かアイスの店員をしてた未来の自分がいたからだ。
その時の自分は何でアイス屋なのかと思ったが当事者になってみると特に意味はなかったらしい。
「…貴様の言うことが正しいなら合宿で黒山は死ぬんだな?」
と確認のようなことを聞いてきた。
確か私もそれを確認して自分なりに解決法を考えた。
結果は変わらなかったがな。
その失敗もすべて教えてもらったが結果は変わらず。
今回も教えたが多分結果は変わらないだろう。
今回の合宿を取りやめるということも不可能だ。
あそこに行かなくてはいけないことがあるから。
事実を伝えると奏臣は「…そうか…すまない」と言ってアイスを虚空間に入れてその場を去っていった。
アイス屋のカウンターから創神が顔を出して
「変わらない事象っていうことは何か重大な意味がある。最後の戦いに天使の体を持った黒山が必要になるってことだ」
と言う。
それから数分経ってまた奏臣がアイス屋に来た。
今度は何かと思ったが何やら神妙な顔つきで
「…あいつに真実を伝えても結果は変わらないか?」
と聞いてきた。
記憶を辿ると確かこの前に黒山に伝えようとしたが結果が悪い方に傾くかもしれないと思って言えていなかった。
そして同じことを未来の奏臣に聞いた気がする。
「変わらない。できることは何もない」
と残酷な現実を突きつける。
私も自分なりに行動したが黒山の死は世界のルールで決められているからな。
奏臣はもう一度「…そうか…たびたびすまない」と謝り、その場を後にした。
少し気になっため店を開けて奏臣の様子を見に行く。
ショッピングモールを探している最中、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
創神は帽子を深くかぶって柱の影から声のした方を見る。
そこにはアイスを持った黒山と話す奏臣その後ろに櫻木が居た。
誰もこっちには気づいていない。
その様子を見て「結局話さなかったのか」と思い、やはり自分と全く同じ道を辿ってるなと運命というレールのようなものを見た。
そしてすぐにアイス屋に戻った。

合宿を開始した生徒会。
その様子を創神も見ていた。
これも暇つぶし。
この時間軸のメイクによると
「普通の異人を秘術師にするのはまだできるけど天使そのものが秘術師になるのはもう少し研究を進めないと…というか今の技術では不可能」らしい。
予想はしていたが難しいな。
そう言う創神の頭の中では秘術をどうにか自分に植え付けられないか何回も試行している。メイクが。
今のところ成功はないが。
ただ秘術を手に入れ、元の時間軸に戻り惨劇を回避したとしてどうやってゴッズに勝つか。
悪意の力は強大だ。
奇跡というガソリンに悪意という火が着火すればたちまち燃え広がる。
能力の暴走は無効化すら跳ね返す。
悪意をどうにかしいて分散させないといけないのか。
そうこう考えているうちに夜になった。
卓球上から台風のような音が聞こえてきたが気のせいだろう。
そういえばこの後は肝試しをするんだったな。
「黒山があの札をちゃんと取るか確認しておかないと」
そう思い、創神は森の中へ入っていった。
森の中に入ってしばらく隠れていると黒山たちが懐中電灯をもって歩いてきた。
その後を付けるべく影から見守っていると。
幽美がこっちを見た。
見つかったか!?と思った。
黒山が「なんだ?何かいたのか?」と幽美に聞くと幽美が「いえ何か生きてるものが見えた気がしました」と言ったためやべと感じ。
透過神体を使い透明化し反対側の草むらに逃げようと黒山たちの後ろを通った。
が。
「やっぱりいますね。今度は後ろに」
あいつ透明なら何でも感じれるのか!?と驚愕する。
しょうがない。
と思い、彼らに姿を現す。
確か昔の自分のしゃべり方は…。
牙忍が創神に気づいて「あれ、会長も来たんですか?」と聞いてきた。
よし気づかれてはいない。
と安心し「…少し心配になってな。様子を見に来たんだ」と自分になりきって返す。
怪しまれてないな。
ここまで来てしまったらこれでもう通すしかない。
「…さっさと行くぞ」と強引にその場を押し進めた。
しばらく進むと開けた場所に着いた。
たまに来るあの場所だ。
そして黒山と少し話し、お札を取ってフランマが黒山に憑いたところでスタタタタと退散する。
ばれないように完全に気配を消してから。

「やっと解析終わったよ」
それから数日たった後、頭の中のメイクが言った。
ようやくか。
ようやくあいつらを救える。
「いやほんとにライってやつ天才だね。時間がかかったとはいえ奇跡を扱うことができるなんて」
それは確かに。
異人とはいってもあいつの知識はただの人間だ。
ただの人間が奇跡に触れることなんてそうそうないし、ましてや奇跡を操って秘術師を大量に作るなんてほとんど不可能に近かったのに。
「まぁそれほど私のことを愛してくれたのだろう」
あいつの気持ちなんてまるわかりだ。
最初見てしまったときは申し訳なくなった。
だが愛してくれたおかげであいつに対抗できる手段ができた。
感謝を伝えたい。
「んでどうするの。元の時間に戻っても世界は吸い込まれたまんまだけど」
メイクはそんなことを聞いてきた。
もちろん計画は建てている。
時間はたくさんあったからな。
「まず私が時間に取り残されたのは能力が暴走したからだ。今の私が時間を進ませれば私と言う存在は進んだ時間の創神と同一化する」
ん?とメイクは疑問の声を発する。
「でもそしたら世界のルールで記憶は引き継げないんじゃないの?また同じルートを辿るだけだと思うけど」
世界のルールで時間を進んだとしても記憶はすべてリセットされるルールになっている。
そこも考えている。
「そもそもあの穴が生み出されるのは確定した事象だと私は見ている。よってあの時間に戻っても世界が行き着く先は全て同じだ」
メイクは少し考えた後まさか…。と驚愕する。
「そのまさかだよ。私はこの世界を丸ごと作り変える」
そんなことができると思ってるの?
メイクが呆れてものをいう。
「もちろん本気だ。メイクお前も異術師ならわかるだろ?異術師は本来存在するはずがない。だからその力は未知数。誰にも計れないんだよ。希望はまだある」
「…はぁ本当にこの人は…」
メイクがため息をついて言った。
そして
「どうやって作り変えるの」
と聞いてきた。
「ありがとう」と創神は言って説明する。
それを聞いてメイクは
「もう一度聞くけどできると思ってるの?暴走状態のゴッズを取り込むって。私たちの体が先に壊れるんじゃない?」
そう世界を作り変えるためにはゴッズの力と私たちの力が要る。
そのためにあの穴からゴッズを見つけて取り込み、強制的に儀式を行う。
それが目標。
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