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真実
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50章
おおよそ500年前。
私がまだ天使として元の居場所である天上に住んでいたときの話。
そのとき私は天上で2番目に地位が高く。天上のボスである神天使に唯一話ができる存在だった。
神天使というのはあの世とこの世の境目をすべるその名の通り神のような存在。時には閻魔にもなり罪を裁き、時には神としてこの世を維持させていた。
私もその神天使に尊敬の念を抱き、天使としての仕事を全うしていた。
そんな暮らしを私の存在が形成されてからずっと行ってきた。
あるときにこの世の人間が能力に目覚め始め、能力を使って世界を混乱させ始めた。
それが異人だ。
普通の人間が能力に目覚めるのは人為的なものじゃないとあり得ない。
そう考え原因を探れば神天使が自身の持つ奇跡を意図的にこの世に漏らし、それを体に受けた人間が能力に覚醒していたことがわかる。
私はそれについて神天使を問い詰めた。
普通の人間が能力を持ってしまったら争いのレベルが飛躍的に上昇し、世界を壊しかねないと私は神天使に言った。
だが神天使はそれを理解したうえで行っていた。
曰く、「人間の世界ってよく考えたら要らないよね?私だって疲れるの。だから人間の世界を壊してしまえば私たちが存在する意味もなくなり無に還れるでしょ?そしたらもう人間の悪意に触れることもなくなる」だそうだ。
これを聞いたとき私は一番に驚きの感情が追し寄せた。
そして同時に私の憧れはもう居ないんだなと悟った。
神天使が動かないなら私たちが動くしかない。
そう考えた私は他の四大天使を収集して漏れでた奇跡を回収しにこの世に向かった。
だがそれすらも神天使は読んでいた。
私たちが奇跡を回収しながらこの世の空を飛行していると
地上から何かが放たれて四大天使のうち2人が地上に落下していってしまった。
もちろん私はそれを助けに飛んでいったが神天使の権限によって天上に戻されてしまった。
しかも落下していった2人は居なかった。
私は神天使になぜ2人を見放したのかを聞いた。
それに神天使は「あの2人がいたらあなたが暴れる。だからよ」と言い放つ。
その後私は何回も1人で2人を探しに行こうとしたがことごとく神天使に止められてしまった。
今から約100年前。
私は最後の手段を使うことにした。
それは自身の天使の肉体を破壊して神天使の束縛から逃れることだった。
それを行うと四大天使から堕ちてしまうがそんなことはもうどうでもいい。
既に天上には未練も何も残っていない。
実行し、私は魂でこの世をさまよった。
最初は破壊した体の修復に時間がかかった。
だが力を振るうにはまたあの体を作り直すしか方法がない。
その時の私の目的は2人の天使を救出して神天使をあの座から引きずり下ろすことだった。
目的のためには力が振るえるあの体が必要。
数十年かけて体を修復したが元の力は戻ってこなかった。
元の力の1万分の1程度。
そのうち戻ってくるだろうと考えた私はとあるごく普通の家庭の中に自身を宿らせた。
天使の体は修復できたが力をこの世で扱うためにはさらにこの世の体が必要。
そして奏臣は人間として生活を始めた…。
「…とまぁ、あらましはこんな感じだ」
奏臣はティーカップで紅茶を飲んで言った。
その後の話はメイクが黒山に話した内容と同じ。
その話を彼らは真剣に聞いていた。
「…黙っていたことは悪かった。だが話したところで信じてはくれないだろうと思っていた。だから時が来るまでは黙っていよう決めていたんだ」
奏臣はそう言った。
当たり前の話だろう。唐突に天使うんぬんの話をされても信じれない。
それは昔の話だが。
「じゃあ話したってことはそれがあの光線と関係してるって事ですよね?」
牙忍が奏臣に聞いた。
それに奏臣はうなずく。
「…あれは神天使の放った光線だ。あの威力をだせるのはあいつしか居ない。しかもあれは私の戦闘力を測るための試し打ちだ。弱体化してるとわかれば攻めてくるのはもうすぐだろう」
あの威力。
あいつしかいない。
奏臣の言葉で格の違いを理解する生徒会。
しかもそんなやつが攻めてくるなんて。
勝てる見込みなんてあるのだろうか。
「会長でもダメならそのこっちに落ちちゃった天使さんを探せばいいんじゃないの?戦力になりそうだし」
櫻木がそう思いついたように言った。
確かにいい案かもしれないと牙忍は思った。
会長と一緒に空を行動できるレベルならまだ希望は。
「…その件だが」
奏臣は重い声で言う。
「…実はもうその天使のうち1人は亡くなっている」
そんなことを言った。
生徒会全員は混乱する。
「え、だってどこにいるかわからないんじゃないんですか?」
櫻木が混乱しながら奏臣に聞く。
「やっぱり僕の見解は正しかったようだ」
研究室でレキは自身のレポートを見て感嘆の声を漏らす。
でもこれを立証するには今よりもっと現実味がないことを仮定しないと立証できない。また調べ直さないとな。
そんなことを考えていると入り口から誰かが入ってくるのが見えた。
見るとそれはメイクだ。
「おーお疲れ様。その様子じゃまた失敗したみたいに見えるよ」
レキがメイクに向かって笑いながら言う。
しかしメイクはそれを無視してレキの元へ駆け足で近づく。
レキは結果が見たいのかなと予想してレポートをメイクに向けると予想はあっていたようでメイクはレポートを手にとって読んでいく。
「一応結果は出たけどこれじゃあ現実に起こり得るかって言われたら否に限りなく近くて、多分間違ってるんと思う」
とレキは言ったが、
メイクは変な顔もせずに首を横に振る。
「いや正しいよ。あの子達の正体はね」
生徒会室に静寂と衝撃が走る。
それは奏臣がさっき発した一言によって。
「黒山と櫻木が…行方不明の天使だった…?一体何言ってるんですか会長」
牙忍が声を震わせながら奏臣に聞く。
最近入ったばかりの追人と人爽も詳しくはわからないが周りの反応によって何かとんでもないことが起きているのはわかっている。
「…そもそもなんで2人は地上に落下したか。それは神天使が2人から天使の能力を弱体化させたからだ。そのせいで飛べなくなり地上に落下していった。天使の能力を失った2人の魂は体と分離し、精神生命体となって外界をさまよっていた」
そこで一旦紅茶を口に運び喉を潤す。
「…実態を持たない2人は何かを依り代にして実態を得ようとした。それが今の2人の体だ」
「そして残った体、いや残った天使の力が詰まっている体だったものをライがどこからか見つけてきて秘術用に依代化して秘術を作り出した」
メイクはレキにそう説明する。
「ということは今あそこにあるのは彼らが元々入っていた体だったということ?」
レキはそう質問する。
それにメイクは頷く。
これが答えだった。
レポートにはこう結果が出てきていた。
「秘術の源の球体と櫻木愛花からは同じエネルギーが発せられている」と
ここから出せる結論は秘術の源と櫻木は同一個体であるということだった。
球体は2つある。
球体と櫻木が同一個体であるいうことは櫻木と関係があることは間違いない。
そしてキングからは死の能力は2人で同化しているらしいと聞いた。
ということはやつしかいない。
今は死んでしまっている黒山だ。
櫻木が驚きの表情を浮かべたまま動かない。
当たり前だろう。自分が全く知らない事実を突きつけられてるからだ。
「…2人が能力を共有できたのもそこに原因がある」
更に続けて今まで明かしていなかった事実も語っていく奏臣。
「…天使たちはお互いの決めた相手にすべてを繋げ合う儀式を行うことが出来る。そして天使時代に黒山と櫻木はその儀式を行って全てを繋げあっている。能力を共有できたのはその儀式が落ちてからも継続していたのだろう」
淡々と説明する。
奏臣は2人と出会ったときから全てわかっていた。
2人が天使だったことも、なんで能力を共有できたのかも。
だから天使としての力を覚醒させるために様々な試練を行わせた。
その過程で黒山が死んでしまったのは予測外だったが。
「じゃあ…私と信二くんは天使だったときも一緒に過ごしてたってこと?」
櫻木は奏臣に聞いた。
あんまり頭は回らなかったがそれだけは聞きたかった。
奏臣は頷く。
「…あぁよく話していたが2人が一緒に居ない時を見ることがなかった。相当愛し合っていたんだな」
と奏臣は話す。
それを聞くと「そっかぁ」と嬉しそうな表情をして顔を少し赤らめる櫻木。
「実は私がこのディストに入ったのはあの人の指示なんだ」
メイクはレキに突然そう告白した。
レキはあまりにも突然なことで飲んでいたコーヒーをカップごと床に落とす。
「それはどういうことだ?」
レキがメイクに聞く。
このディストが異人を殺すための組織だ。
指示されて入ったということが信じられなかった。
そこでメイクと奏臣は同一個体であることを話す。
レキが全て聞き終わると頭を抱えて座り込む。
「何だそういうことだったのか」
そう言って自身の手を見る。
この力は異人と同じ能力。
自分たちも迫害されるかもしれない対象だった。
「私たちの最終目的はあの神天使を殺すこと。そして世界から天使の力を消し去ること。そのために戦力を育ててきた。あの生徒会もこのディストっていう組織も」
今更語られてもな。とレキは思う。
自分たちは異人を殺している。
世界から異人が消えてしまったらそれはもう殺人鬼でしか無い。
「それ、本当かよ」
後ろから違う人物の声が聞こえる。
メイクは後ろを振り向く。
「君たちか」
それはディストの幹部たちだった。
それも全員。
「ということはあなたたちの計画にために私たちはいいように扱われてたってことですかね?」
スモッグが手袋をはめながらメイクに聞く。
メイクは頷く。
「それに関してはごめんって思ってる」
「申し訳ないで済むのならよいのじゃがな」
マニアルがペットの氷虎を連れて言う。
誰が見ても幹部全員が戦闘態勢に入っているのが一目瞭然だ。
「なんのために私を殺すの?」
メイクが幹部たちに聞く。
ここで殺すことには意味がないと思っているのだが。
「殺しはしない。捕らえてやつらをここにおびき出す」
リンシャが両手に磔車輪を構える。
「まぁいいよかかってきな。手加減はしないよ」
メイクはそう言ってため息を付いた。
おおよそ500年前。
私がまだ天使として元の居場所である天上に住んでいたときの話。
そのとき私は天上で2番目に地位が高く。天上のボスである神天使に唯一話ができる存在だった。
神天使というのはあの世とこの世の境目をすべるその名の通り神のような存在。時には閻魔にもなり罪を裁き、時には神としてこの世を維持させていた。
私もその神天使に尊敬の念を抱き、天使としての仕事を全うしていた。
そんな暮らしを私の存在が形成されてからずっと行ってきた。
あるときにこの世の人間が能力に目覚め始め、能力を使って世界を混乱させ始めた。
それが異人だ。
普通の人間が能力に目覚めるのは人為的なものじゃないとあり得ない。
そう考え原因を探れば神天使が自身の持つ奇跡を意図的にこの世に漏らし、それを体に受けた人間が能力に覚醒していたことがわかる。
私はそれについて神天使を問い詰めた。
普通の人間が能力を持ってしまったら争いのレベルが飛躍的に上昇し、世界を壊しかねないと私は神天使に言った。
だが神天使はそれを理解したうえで行っていた。
曰く、「人間の世界ってよく考えたら要らないよね?私だって疲れるの。だから人間の世界を壊してしまえば私たちが存在する意味もなくなり無に還れるでしょ?そしたらもう人間の悪意に触れることもなくなる」だそうだ。
これを聞いたとき私は一番に驚きの感情が追し寄せた。
そして同時に私の憧れはもう居ないんだなと悟った。
神天使が動かないなら私たちが動くしかない。
そう考えた私は他の四大天使を収集して漏れでた奇跡を回収しにこの世に向かった。
だがそれすらも神天使は読んでいた。
私たちが奇跡を回収しながらこの世の空を飛行していると
地上から何かが放たれて四大天使のうち2人が地上に落下していってしまった。
もちろん私はそれを助けに飛んでいったが神天使の権限によって天上に戻されてしまった。
しかも落下していった2人は居なかった。
私は神天使になぜ2人を見放したのかを聞いた。
それに神天使は「あの2人がいたらあなたが暴れる。だからよ」と言い放つ。
その後私は何回も1人で2人を探しに行こうとしたがことごとく神天使に止められてしまった。
今から約100年前。
私は最後の手段を使うことにした。
それは自身の天使の肉体を破壊して神天使の束縛から逃れることだった。
それを行うと四大天使から堕ちてしまうがそんなことはもうどうでもいい。
既に天上には未練も何も残っていない。
実行し、私は魂でこの世をさまよった。
最初は破壊した体の修復に時間がかかった。
だが力を振るうにはまたあの体を作り直すしか方法がない。
その時の私の目的は2人の天使を救出して神天使をあの座から引きずり下ろすことだった。
目的のためには力が振るえるあの体が必要。
数十年かけて体を修復したが元の力は戻ってこなかった。
元の力の1万分の1程度。
そのうち戻ってくるだろうと考えた私はとあるごく普通の家庭の中に自身を宿らせた。
天使の体は修復できたが力をこの世で扱うためにはさらにこの世の体が必要。
そして奏臣は人間として生活を始めた…。
「…とまぁ、あらましはこんな感じだ」
奏臣はティーカップで紅茶を飲んで言った。
その後の話はメイクが黒山に話した内容と同じ。
その話を彼らは真剣に聞いていた。
「…黙っていたことは悪かった。だが話したところで信じてはくれないだろうと思っていた。だから時が来るまでは黙っていよう決めていたんだ」
奏臣はそう言った。
当たり前の話だろう。唐突に天使うんぬんの話をされても信じれない。
それは昔の話だが。
「じゃあ話したってことはそれがあの光線と関係してるって事ですよね?」
牙忍が奏臣に聞いた。
それに奏臣はうなずく。
「…あれは神天使の放った光線だ。あの威力をだせるのはあいつしか居ない。しかもあれは私の戦闘力を測るための試し打ちだ。弱体化してるとわかれば攻めてくるのはもうすぐだろう」
あの威力。
あいつしかいない。
奏臣の言葉で格の違いを理解する生徒会。
しかもそんなやつが攻めてくるなんて。
勝てる見込みなんてあるのだろうか。
「会長でもダメならそのこっちに落ちちゃった天使さんを探せばいいんじゃないの?戦力になりそうだし」
櫻木がそう思いついたように言った。
確かにいい案かもしれないと牙忍は思った。
会長と一緒に空を行動できるレベルならまだ希望は。
「…その件だが」
奏臣は重い声で言う。
「…実はもうその天使のうち1人は亡くなっている」
そんなことを言った。
生徒会全員は混乱する。
「え、だってどこにいるかわからないんじゃないんですか?」
櫻木が混乱しながら奏臣に聞く。
「やっぱり僕の見解は正しかったようだ」
研究室でレキは自身のレポートを見て感嘆の声を漏らす。
でもこれを立証するには今よりもっと現実味がないことを仮定しないと立証できない。また調べ直さないとな。
そんなことを考えていると入り口から誰かが入ってくるのが見えた。
見るとそれはメイクだ。
「おーお疲れ様。その様子じゃまた失敗したみたいに見えるよ」
レキがメイクに向かって笑いながら言う。
しかしメイクはそれを無視してレキの元へ駆け足で近づく。
レキは結果が見たいのかなと予想してレポートをメイクに向けると予想はあっていたようでメイクはレポートを手にとって読んでいく。
「一応結果は出たけどこれじゃあ現実に起こり得るかって言われたら否に限りなく近くて、多分間違ってるんと思う」
とレキは言ったが、
メイクは変な顔もせずに首を横に振る。
「いや正しいよ。あの子達の正体はね」
生徒会室に静寂と衝撃が走る。
それは奏臣がさっき発した一言によって。
「黒山と櫻木が…行方不明の天使だった…?一体何言ってるんですか会長」
牙忍が声を震わせながら奏臣に聞く。
最近入ったばかりの追人と人爽も詳しくはわからないが周りの反応によって何かとんでもないことが起きているのはわかっている。
「…そもそもなんで2人は地上に落下したか。それは神天使が2人から天使の能力を弱体化させたからだ。そのせいで飛べなくなり地上に落下していった。天使の能力を失った2人の魂は体と分離し、精神生命体となって外界をさまよっていた」
そこで一旦紅茶を口に運び喉を潤す。
「…実態を持たない2人は何かを依り代にして実態を得ようとした。それが今の2人の体だ」
「そして残った体、いや残った天使の力が詰まっている体だったものをライがどこからか見つけてきて秘術用に依代化して秘術を作り出した」
メイクはレキにそう説明する。
「ということは今あそこにあるのは彼らが元々入っていた体だったということ?」
レキはそう質問する。
それにメイクは頷く。
これが答えだった。
レポートにはこう結果が出てきていた。
「秘術の源の球体と櫻木愛花からは同じエネルギーが発せられている」と
ここから出せる結論は秘術の源と櫻木は同一個体であるということだった。
球体は2つある。
球体と櫻木が同一個体であるいうことは櫻木と関係があることは間違いない。
そしてキングからは死の能力は2人で同化しているらしいと聞いた。
ということはやつしかいない。
今は死んでしまっている黒山だ。
櫻木が驚きの表情を浮かべたまま動かない。
当たり前だろう。自分が全く知らない事実を突きつけられてるからだ。
「…2人が能力を共有できたのもそこに原因がある」
更に続けて今まで明かしていなかった事実も語っていく奏臣。
「…天使たちはお互いの決めた相手にすべてを繋げ合う儀式を行うことが出来る。そして天使時代に黒山と櫻木はその儀式を行って全てを繋げあっている。能力を共有できたのはその儀式が落ちてからも継続していたのだろう」
淡々と説明する。
奏臣は2人と出会ったときから全てわかっていた。
2人が天使だったことも、なんで能力を共有できたのかも。
だから天使としての力を覚醒させるために様々な試練を行わせた。
その過程で黒山が死んでしまったのは予測外だったが。
「じゃあ…私と信二くんは天使だったときも一緒に過ごしてたってこと?」
櫻木は奏臣に聞いた。
あんまり頭は回らなかったがそれだけは聞きたかった。
奏臣は頷く。
「…あぁよく話していたが2人が一緒に居ない時を見ることがなかった。相当愛し合っていたんだな」
と奏臣は話す。
それを聞くと「そっかぁ」と嬉しそうな表情をして顔を少し赤らめる櫻木。
「実は私がこのディストに入ったのはあの人の指示なんだ」
メイクはレキに突然そう告白した。
レキはあまりにも突然なことで飲んでいたコーヒーをカップごと床に落とす。
「それはどういうことだ?」
レキがメイクに聞く。
このディストが異人を殺すための組織だ。
指示されて入ったということが信じられなかった。
そこでメイクと奏臣は同一個体であることを話す。
レキが全て聞き終わると頭を抱えて座り込む。
「何だそういうことだったのか」
そう言って自身の手を見る。
この力は異人と同じ能力。
自分たちも迫害されるかもしれない対象だった。
「私たちの最終目的はあの神天使を殺すこと。そして世界から天使の力を消し去ること。そのために戦力を育ててきた。あの生徒会もこのディストっていう組織も」
今更語られてもな。とレキは思う。
自分たちは異人を殺している。
世界から異人が消えてしまったらそれはもう殺人鬼でしか無い。
「それ、本当かよ」
後ろから違う人物の声が聞こえる。
メイクは後ろを振り向く。
「君たちか」
それはディストの幹部たちだった。
それも全員。
「ということはあなたたちの計画にために私たちはいいように扱われてたってことですかね?」
スモッグが手袋をはめながらメイクに聞く。
メイクは頷く。
「それに関してはごめんって思ってる」
「申し訳ないで済むのならよいのじゃがな」
マニアルがペットの氷虎を連れて言う。
誰が見ても幹部全員が戦闘態勢に入っているのが一目瞭然だ。
「なんのために私を殺すの?」
メイクが幹部たちに聞く。
ここで殺すことには意味がないと思っているのだが。
「殺しはしない。捕らえてやつらをここにおびき出す」
リンシャが両手に磔車輪を構える。
「まぁいいよかかってきな。手加減はしないよ」
メイクはそう言ってため息を付いた。
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