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王と煙

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15章

黒山たちの高校の生徒会室にて毎朝生徒会の集まりが行われている。
これは昔からの伝統だそうで、生徒会はそのために少し早く学校へ行かなくてはいけない。
そしてその生徒会の会長は半年に1回全校生徒からの投票で選ばれる。投票権は1年生から3年生すべてが対象だ。その選ばれた生徒会長が全校生徒の中から数人選び生徒会メンバーになり生徒会が完成する。
選ぶ基準は生徒会長に委ねられ、一般生徒はその全てを了承するというルールがある。
しかしこれは建前である。
実際選ばれるのは自分の力を制御できる異人のみ。
異人が生徒会長になることで生徒会以外の異人を抑えることが可能、さらに物事を行うときに異人のほうが都合がいいのだ。
そのため異人が生まれてから生徒会はすべて異人で構成されている。そして、それを知る者はほんの一部のみ。
そして現生徒会メンバーである異人、黒山信二は1つ疑問を感じていた。それは
「今の会長は何歳か」だ。
一応黒山がこの学校に入ってきたときから生徒会長をやっている。普通に考えたら黒山の一個学年上ということになるが、俺と牙忍と愛花と咲川と幽美が全員2年生で他の学年の異人が居ないのだ。
それと歴代生徒会長名簿とやらをこっそりと覗いたことがあって、そこには会長がもう4年も生徒会長をやっていると書いてあった。
そこでもう明らかにおかしい。体が成長しないと言っても学年は上がるだろうし、今ここにいるのはおかしいだろうと思っていた。
そこで黒山は思い切って聞いてみることにした。
今日は月曜日でいつもどおり朝の集まりがある。そこで会長とは絶対に会うはずだ。そのときに聞こうと黒山は考えていた。
が、今日会長は学校には居なかった。
なにか連絡一本を黒山にして会長が休むと言ったことは過去にも何回かあったが今回は違う。
そもそも生徒会室の扉が施錠されている。中に入ることすらできない。
黒山と櫻木が来たときには牙忍と幽美ももう生徒会室前に居て、扉の前で二人で話していた。
そしてその後咲川も来たがそのまま朝の時間は生徒会室が開くことはなかった。
咲川は会長と一緒に住んでいるため会長は朝いたか聞いたが咲川が起きた頃には会長はおらず、ただ机の上にラップを掛けられた朝食が置いてあるだけだったという。

「会長どこ行ったんだよー。結局今日は会長を見なかったし、ただサボってるだけなのかなぁ」
「黒山が言ってることもなくもなさそうだがあの人が連絡もなしに学校を休む人だとは思えないぜ」
帰りに途中下車してゲーセンに牙忍と行き、2人で音ゲーをやりながら話す。
ちなみにショッピングモールのゲーセンではない。
2人のノーツを叩くシャンシャンという音がゲーセンに響く。
「でも例えばよ、また組織のやつが出てきたとかいう話だったらありそうじゃないか?実際メイクの秘術ってやつからは逃げられなかったみたいだし。あ、その譜面最後に3連トリル来るぞ」
「組織の線は濃いかもな。最近組織の動きが活発になってきてるし、その緊急対処で仕方なく連絡無しで休んだのかもな。おっと危ねぇ、忠告がなかったら絶対に抜けるわ」
フルコンボ!の声が2人の筐体で同時に発せられる。
リザルト画面を見ると2人は床に置いてあった荷物を取り、筐体を離れる。そのままゲームセンターを出ると既に時間は夕方になっていた。
少し離れた駅に2人は向かう。駅まで向かう道は大通りで周りを見渡すほど高い建物が沢山立っているのが見える。
「そういえば生徒会室ぐらいでしか櫻木とお前が一緒にいるのをを見たことないが櫻木とはうまく行ってるのか?」
「まぁな、少しめんどくさいところはあるけどうまく行ってるよ。俺にはもったいないぐらいだ」
「ならいい」
個人的な考えだが櫻木があの性格なのを知ったらお前以外離れていくと思うがな。それを言ったら黒山にも櫻木にも殺されそうなので黙っておこう。と牙忍は考える。
ふっと黒山が唐突に後ろへ振り向いた。牙忍も釣られて振り返るが後ろには建物以外なにも見えない。
「どうした黒山。何か人の気配でもしたか?」
牙忍は黒山に聞いたが、牙忍が見た黒山の顔は険しい。
それに黒山は緊張感がある声で
「お前は気づかないのか?」と返した
何に?と聞き返したところで牙忍は周りに違和感を覚える。
「ここは大通りだぞ。人が俺たち以外に居ないなんてありえないじゃないか」
黒山たちが今いる道はまるで人類が黒山たち以外全滅してしまったのかと思えるほど静かだった。
牙忍の感じた違和感の正体は声の響き方だ。普段は車や行き交う人の音で話し声は少し小さくなるはずが、妙に周りに響いている。
「敵襲か、会長からメイクが人爽の能力を奪ったと聞いた。ということはこの異常な人気の無さは人爽の能力の複製だな」
「人気がないっていうかほぼ0に等しいんだけど」
そこは今関係ないと牙忍に軽くこづかれる黒山。
そんな2人に2人の男と覆面集団が近づいてきた。
そしてその男の片方には見覚えがあった。
最初の襲撃者。栄光なる処刑という名の秘術師。だるそうにしている姿勢。
「キング…」
「お、覚えててくれてたのか。ま、覚えててくれてたからと言って感謝するようなことはしないけどな異人」
あの時と変わらない姿でキングはそこに居た。
あのときの圧倒的な力を黒山は思い出す。
男のうちキングではないほうが口を開く。
「全く、異人程度に負けるとはお前も落ちぶれたものだなぁ」
「黙れスモッグ。俺はこいつらには負けてない。負けたのはあのイラつく生徒会長だ。あいつにはお前も勝てないぜ」
「負け惜しみだな。異人なんて大抵弱いものばかりだろう。大まかな体の作りは人と変わらないのだから」
「ったく。だからこいつと同じ任務なんてやりたくなかったのに」
「私も同じだよキング」
スモッグとキングはお互いににらみ合う。スモッグはキングより背が高いためスモッグがキングを見下しているような構図だが。
何故か敵同士で火花が散っている。
こいつらもしかして仲が悪いのか?と黒山は思った。
スモッグがふと思い出したように黒山たちの方を見て自己紹介をする。
「はじめまして異人のお2人。私は組織幹部のスモッグと申します。以後お見知りおきを」
自己紹介を聞き終えるとおもむろに牙忍が一歩前に踏み出しスモッグに問う。
「組織がこんなに兵力をかけてここにきたということは俺たちを殺しに来たっていうことだよな」
「部分的には正解ですね」
「部分的ってどういうことだ?」
黒山がスモッグに問う。その問いにスモッグは黒山を指差しながら言う。
「あなたの能力が少し気になりましてね。あなただけは拘束して実験体になってもらいます。あ、そこのチャラい異人は殺します。普通の異人には興味がありません」
誰が普通の異人だ!自分の能力を制御できる方が珍しいんだぞ!と牙忍が喚いているがスモッグはそれを気にしない。
スモッグは悪い笑みを浮かべ黒山に向かって話す。
「あなたが抵抗せずに実験体になってくれたらチャラい異人は見逃しますけどどうしま
「それは俺がお断りだ」
牙忍がスモッグの話を遮って話す。
一番驚いていたのはスモッグではなく黒山だ。
「どうせ俺をこの場で見逃してもお前らの目標は異人の抹殺だろ。見逃すのはこの場だけで後々俺を殺すつもりに決まってるさ」
その言葉を聞くとスモッグの悪い笑みが消えて真顔になる。
「はっ、お前の考え全部読まれてるじゃねぇかよ。俺と大差ないな」
キングがスモッグに突っかかる。一応味方同士なはずなのに。
「口には気をつけなさいキング。お前は負けた。私はただ考えを読まれただけで、大差ないという言葉は聞き捨てならないですね」
また2人は睨み合い火花が散る。
後ろで待機している覆面集団が気まずそうにこっちを見ている。
今のうちに、と黒山たちはコソコソと逃げようとする。
「ならいい考えが浮かんだぜ」
キングが逃げようとしている黒山たちの背を指で指し、スモッグに提案する。
「あの不死の異人を先に捕まえたほうが勝ちで、負けた方は何でも言うことを聞くっていう賭けをしようぜ」
「ふむ、それは面白そうですね。いいでしょう」
普通にバレてるし、対決ってなったから俺が逃げられなくなってしまった。絶対に地の果てまでおってくるぞこいつら。そういえばなんか対決って似たようなこと最近俺たちもやったよな。
「何ボケっとしてやがる黒山!」
牙忍が黒山に向かって叫ぶ。
後ろを振り返るとすでにあの2人が俺のことを追ってきている。2人で言い合いをしながら。
すぐに逃げなきゃと思い、能力を本気で使う。
音速の壁を超えた。
早すぎて周りが止まっているように見える。早すぎて牙忍がついてこられているか心配になったが、牙忍も並列上に着いてきているのが横目で見えた。
これなら振り切れる。
そう思っていた。
ズドン
空から降ってきた槍で黒山が撃ち落とされた。
道路がゴガガガガガガとものすごい音ともにえぐれていく。
「けほっけほっ何だこれ!」
見ると黒山の体に槍が突き刺さっていて道路に縫い付けられている。引き抜こうと手で持ち上げるが完全に刺さっているため抜けない。
牙忍が黒山のもとに降りてきて槍を抜こうとする。少しズズッと動いた気がした。がその時。
黒山は自分たちの真上からなにか煙が迫ってきているのが見えた。牙忍は引き抜くのに必死で煙の存在に気づいていない。
「牙忍!」と声を出そうとしたがその前に槍が黒山の顔面に落ちてきた。顔が一瞬潰れるが槍が刺さった場所より少しずらすとすぐに再生した。
だがその時既に煙が黒山たちを覆っていた。
牙忍が「何だこれ!」と言っている様子が見えたが、言った直後にバタンと死んだように倒れた。
黒山も声を出そうとするが口が思うように動かない。なにか体の伝達がおかしくなってしまったかのように。
これは…麻痺…。
その思考を最後に黒山の意識は途切れた。
完全に意識が落ちる前にうっすら彼が見たのはただただこっちに歩いてくる2人組の姿だった。

「…くっ遅かったか」
強い衝撃を受けて道路がえぐれている場所の直ぐ側に奏臣は立っていた。
既に黒山たちは連れ去られたあとでこの場にはここが戦場だった跡しか残っていない。
「…私がメイクの思惑にはまっていなければこんなことにはっ」
奏臣は拳を握る。その力が強すぎて手のひらから血が出てしまうほどに。
…黒山に命令を聞かせるために人質として牙忍もついでに連れて行ったのだろう。あいつらが好きそうなやり方だ。と奏臣は考える。
奏臣はさっきまでメイクと戦っていた。
夢の中でメイクは出てきた。
そのメイクは本物で奏臣に「この場所に来なければお前の大事なものを壊す」と脅しをかけてきた。
目を覚ますとそれが夢ではない証拠に枕の下に1枚の紙が入っていた。これは相性がいい相手と行うと夢の中で会えるというおまじないのようなものだった。いつかはわからないがメイクが入れたのだろう。
指定された場所はあの事件が起きた場所の真ん中だった。
すぐに指定された場所に向かうと、そこにはメイクが立っていた。
「よくきたな」という表情で。
そこでメイクを止めるために戦った。決着は全くつかず最後にメイクからこれはおびき寄せだと言うことを言われるまで黒山たちに迫っていた危機に気づくことができなかったのだ。
「…私は生徒会長どころか異人失格だな」
悲しそうに奏臣は呟く。
昔からこうだ。
私は強大な力を持っているのにそれを他人に使うことができないし他人を守ることもできない。数十年間人助けというものを行おうとしたが何1つできていない。
これでは昔の過ちなんて到底償えないだろう。
正直黒山と櫻木の関係が羨ましい。
互いに強大な力を持っていてそれを共有できる。それが私の理想。
異人と人間が手を取り合って平和な未来を作ることができる世界。そんな夢物語はいつになれば完成するのだろうか。
奏臣は1人考え、悩む。
そして黒山たちを助けるために動き出す。
その後ろから3つの影がついてきていることに気づいては居ないが。
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