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枕は水洗い可能ですか?★

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 筋張った男らしい手が、シーツを握りしめる。ついさっきまで幼い娘の背中を撫でていた、父親の手だ。
 その手は一生懸命快感に耐えているのか、カタカタと震えていた。時々強い波が押し寄せてくるのか、指先に力が入る。猫の前足みたいで、凄く可愛い。

 俺は今、うつ伏せで尻だけ高くあげたフレデリックの、剥き出しになった尻穴を眺めながら彼の陰茎を弄っていた。


「っ……! んっ、ふ、う……ん」

「あの、フレデリック。ちゃんと息してくださいね? 声なら我慢しなくて大丈夫ですよ。しっかり防音魔法かけましたから」

「そ、っ、そう、言、われても、ぁ、あっ、っ」


 やっぱり陰茎を刺激された方が気持ちいいらしく、腹に力が入って尻穴がぷっくりと盛り上がる。かと思えばきゅっと窄まって、くぱくぱと呼吸するかのように蠢く。その一連の動きを特等席で鑑賞しつつ、尿道口を爪で引っ掻いてやると、驚いたように腰がビクリと跳ねた。


「っあ、あ、ぁ、っぐ、ぅ、うぅ!」


 枕に顔を埋めて必死に耐えている姿が、とても健気で可愛らしい。しかし声を我慢することに慣れている様子が、痛ましくもあった。
 きっと今まで大怪我をしたときも、こうして周囲を気にして声を上げないようにしていたのだろう。我慢強いと言えばいいのか、意地っ張りと言えばいいのか。俺の前で我慢なんてしなくていいのに。


「そろそろお尻に指入れますね。痛かったら言ってください」

「っ……ぅ、いっ」

「フレデリック?」


 話しかけても枕から顔を上げる気配がない彼の様子に、戸惑った俺は横から顔を覗き込もうと寝そべった。そして顎に指を添えて横を向かせ、顔を見る。
 唇の端に、血が付いていた。


「ちょっ、え、血! 血! きゅ、救急車!」


 どうしようどうしようフレデリックが死んでしまう。ちんちん弄ってたら血吐きましたって救急車の人に言えばいいのかな。ていうかこの世界救急車ねぇわ。どうしよう。俺のよわよわ治癒魔法でどうにかなるかな。ならねぇな。でもなんで? もしかして傷でも開いた? いつの? どこの?

 俺が一人であたふたとテンパっていると、俺に顎を掴まれたままのフレデリックが苦笑した。


「勢いよく噛んで切ってしまった。すまない。大丈夫だから落ち着いてくれ」

「か、噛んだってどんだけ強く噛んだんですか……。とりあえず、傷見せてください。多分それくらいなら俺でも治せます」


 薄く開いたままの唇に指を添えて、顔を近づけて傷を見る。確かに小さい傷からじんわりと血が滲んできている。痛そうだ。
 治癒魔法をかけながら、ふとそのまま口腔内に目を向けると、ちょこんと尖っている白い犬歯を見つけた。

 うわ、どうしよう。可愛い。

 THE・牙! って感じじゃなくて、ちょこっとだけ尖ってるのがまた可愛い。大口開けないと見えないくらいの大きさだから、今まで全然気がつかなかった。


「あれん?」


 唇を押さえられているせいで、少しだけ舌足らずに俺を呼ぶ声。可愛い。どうしよう。
 いつも綺麗に撫で付けている前髪は乱れて全部下りていて、その隙間から覗く菫色の瞳が不思議そうに瞬きをしている。こうして見ると、幼い印象になる。可愛い。
 このままキスをして、尖った犬歯を舌でなぞってやりたい。でも多分びっくりさせてしまうから、ここは我慢しよう。いや、でもな。
 俺が理性と欲望の間で戦っているとは思いもしないのか、原因である張本人は眉尻を下げて、恥ずかしそうに微笑んだ。そして俺の指を唇から離すと、まるで猫のように頬を擦り付けてきた。


「ありがとう。きみの魔法はやっぱり凄いな」


 ガコンッ! という音をたてて、心の天秤が欲望に傾いた。
 でも、これは俺悪くないと思う。自分の魅力を一ミリも理解してないこの人が悪いんだ。なんでこんな可愛い仕草を平然とやっちゃうんだろう。二児の父親だっていう自覚あるのかな。あるんだよな。ある上でコレだから余計タチが悪いんだ。


「んっ……! っ、ふ」


 キスをして、そのまま舌で唇をこじ開けてやると、フレデリックは一瞬驚いたように目を丸くしたが、抵抗らしい抵抗はしてこなかった。そのまま尖った犬歯に舌先で触れてやると、俺の舌を噛まないように気遣ったのか、口を大きく開けてくれた。唇の端から垂れた一筋の唾液が、枕に染みを作る。
 ほんとどうしよう。可愛い。


「あの、フレデリック。せっかくなので、そのまま口を開けといてください。また唇とか舌とか噛んだら大変なので。主に俺が」


 俺はフレデリックを失うことを何より恐れている。竜を倒したあの夜、目の前で血を吐かれたことが結構トラウマになってたりするのだ。
 あと一歩遅かったら間に合わなかったかもしれない。そう思うと、今でもゾッとする。
 おかげでさっきみたいに、口元に血が付いてるだけで大騒ぎしてしまう。舌なんか噛まれたら多分俺の心臓の方が止まる。

 俺は俺の心の安寧の為にそう言ったが、フレデリックは治癒魔法の負担的な意味だと受け取ったらしい。真剣な顔をして頷いてくれた。


「わ、わかった。努力しよう。噛んで傷を作るたびにきみに魔法で治してもらうわけにはいかないからな」


 ほんと、変なところでド天然なんだよな。
 口を開けっぱなしにしておけば喘ぎ声も我慢できないだろう、という俺の下心に一切気づいていない。すごい真面目で真っ直ぐな目だ。浄化されそう。
 本当のこと言ってしまえば、俺のしょぼい治癒魔法で消費する魔力なんて微々たるものだけど、せっかくだから黙っておくことにした。


「じゃあお尻解しますけど、ちゃんとお願い聞いてくださいね」


 そう言って俺はもう一度身を起こし、高く上げられたままのお尻の中心にある蕾に、油で濡らした中指をゆっくりと差し入れた。そのまま腹側に向けて関節を曲げると、フレデリックが声を上げた。


「あ! ぁあっ、はぁ、あ、あっ、あ」


 本当にお願い聞いてくれてる。可愛い。
 頑張って口を開けてるせいで「あ」しか言えなくなっててすごい可愛い。そのまま解し続け、指を増やしていくと、声もどんどん大きくなっていった。


「もうそろそろいいですかね。挿れますよ」


 俺が股間の肉棒を取り出して穴に擦り付けると、肩甲骨を浮かせて震えているフレデリックが小さく頷いた。
 前回みたいな失敗はしないように、できるだけゆっくりを心掛けてズプズプと突き立ていく。狭い肉穴は皺が完全になくなるくらい拡がりきっていて、俺の肉棒の太さを見せつけている。

 みちっ、ずっ、ぐちゅっ。
 卑猥な音をたてながら、尻穴はどんどん俺のモノを飲み込んでいく。しかしまだあと数センチ残したところで、フレデリックから待ったの声がかかった。


「ま、待っ、待って、くれ。たの、む。く、くる、しっ、ぁ、あぁ、はっ、はぁ、は、ぁ、っく、るしぃ」

「大丈夫です。ちゃんと落ち着くまで待ってますから」


 やっぱり、俺のものを全て飲み込むのは結構負担があるらしい。苦しそうに息継ぎをしているフレデリックの、震えている腰をさすってやる。
 前回は不可抗力とはいえ、コレを一気に無理矢理ねじ込んじゃったんだもんな。そりゃパニックを起こして当たり前だろう。本当に可哀想なことをしてしまった。
 このまま苦しさが解消されないときは、残念だけど抜いてあげよう。俺がそう心に決めて様子を観察していると、少し呼吸の落ち着いたフレデリックがチラリと俺の顔を見た。


「はっ、はぁ、は。すまな、い。も、ぅ、大丈夫、だから」

「本当に大丈夫ですか?」


 コクンと小さく頷いたのを確認して、再度腰を前に進める。ふと、使われずぶら下がっているだけの陰茎に目を向けると、さっきまで勃ち上がっていたはずのソレが、少し元気を失くしていることに気づいた。
 もしかして、実は今結構痛いのかもしれない。普段排泄にしか使わない穴をここまでミチミチに拡げられれば、痛みも出てくるだろう。この穴は、つい先日まで処女だったんだ。


「っあ!? ぁ、あっ、あ! な、なに、なにを」

「前も触った方が気持ちイイでしょう? いきなりお尻だけで気持ち良くなってほしい、なんて言いませんから」


 ぐっ、くぷっ、ずっ、ぐぷんっ。
 俺の太い肉棒が最後まで入りきる頃には、フレデリックはシーツをぎゅっと握りしめて、陰茎からの快楽に鳴いていた。肉棒という異物を詰め込まれた腹は、無意識にそれを排出しようとしているのか、へこへこと腹筋を動かして尻穴に力を入れている。そのせいで余計俺の肉棒を締め付けてしまい、フレデリックは涙も唾液も垂れ流しで喘いでいた。


「ぁ゛、あっ、はぁ゛ぁ、あぁ、あ、あ゛ぁ」

「はは。もう枕ぐっちゃぐちゃですね」


 そのまま陰茎を弄りつつ、肉棒をゆっくり引き抜いていく。そして完全に抜かないまま、もう一度奥に沈める。さっきと比べて、だいぶスムーズに入っていった。前立腺を押しつぶすように腰を打ち付けると、フレデリックは黒髪を乱しながら首を横に振った。


「やめ、やめっ、て、ぁ、ぁ、ぁ、あ゛っ、あ、ぁ゛ぁあぁあ゛ぁ!」


 俺の手の中の陰茎から、勢いよく精液が飛び散った。射精の瞬間、尻穴がぎゅうっと締まって穴と直腸が俺の肉棒を包み込む。これがめちゃくちゃ気持ちイイ。
 このままではナカに出してしまう、と思い慌てて肉棒を引き抜いた。


「!? ぁ゛がっ、ぁ、あ! ぁ゛ぁぁあぁ゛ぁあ!」

「っ!」


 引き抜いた瞬間、フレデリックの白い背中が仰け反った。足先もびくんと跳ね、腰はそのまま真横に倒れてしまった。
 ぎっちり咥えていたものをいきなり抜かれた穴は、まるで驚いているかのようにくぱっくぱっと開閉を繰り返している。正直めちゃくちゃ股間にクる。
 俺はシーツの上に射精すると、余韻で全身をピクピクと痙攣させているフレデリックの顔を覗きこんだ。


「ぅ、ぅあ、ぁ、ぁ、ぁ、ぁ」


 口を薄く開けっぱなしにして、いろんな体液でぐちゃぐちゃになったフレデリックの顔は、それでも綺麗だった。目尻の涙を拭ってやると、潤んだ瞳が俺の顔を見つめた。


「ぁ、っふ、ふぅ。き、きみ、は、出せた、のか?」

「今回はちゃんと外に出しました。前回みたいな失敗はもうしません!」


 ここまで来て俺の心配をしてくれるなんて、本当に優しくて可愛い人だ。
 もっとよく顔が見たくて前髪を掻き分けてやると、フレデリックがフッと口角を上げた。


「っ、ふふ。わたし、も。今、回はちゃんと、起きて、るぞ。どうだ?」


 気絶しなかったことを誇らしげにしている。可愛い。でもここで「可愛いです」は回答として間違っているだろう。
 俺がどう返そうかと考えていると、フレデリックは仰向けに転がって更に続けた。


「それ、に。ちゃん、と、きみのお、ねがい、聞けた、んだ。すごい、だろう?」

「っそ、そう、デスネ」


 あれだけ掘られてもまだ酔いが覚めてないのか、笑顔のまま自分の唇をトントンと人差し指でつついてる。唾液に濡れた唇がやらしい。ずっと見てると股間の塔が復活しそうで非常にマズい。

 ああ、ラビニア。我が前世の推しよ。
 きみのお父さんヤバいよ。何がヤバいって、ヤバいよ。可愛い。


「しかし、その、せいで……きみ、に。きたな、い声を、聞かせ、てしまったな」

「なっ! いや、いやいやいや!! 汚いどころか、可愛い声が聞けて俺は満足です! ありがとうございます! おかげで俺の股間は幸せです!」


 俺も酔ってるな。もう何を言ってるかわからない。でもいいか。全部事実だし。
 俺の頓珍漢な感謝の言葉に、フレデリックはきょとんと目を丸くした後、眉尻を下げて微笑んだ。


「ふふ。そうか」


 微笑む唇にキスをして、俺はフレデリックの隣に寝そべった。裸の身体に毛布をかけてやり、自分も一緒に包まる。もう今日はこのまま寝てしまおう。


「片付け、は」

「明日……起きたら、頑張ります」


 枕もシーツもありとあらゆる体液でどえらいことになっているが、もうコレは明日の俺に任せよう。水魔法で洗えばきっと大丈夫だ。枕は……ちょっとわからないけど。えっ、コレ洗える?

 枕は水洗い可能ですか?

 物によっては“YES”だった……はず。いや、洗えなかったらどうしようかな。
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