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最初の1歩
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ついに露店を開く時がやって来た。
テントや机の貸し出しも行っていると露店の手続きをする時に受け付けのお姉さんに教えて貰っていたため、まずは商業ギルドへ向かい、合わせて銀貨4枚の支払いをして手続きをした。
場所は割と端の方で人通りが穏やかな方。
先日購入した串焼き屋が近い場所だ。
ラークと言えば、結局は来ていない。
昨夜帰ったウィンスは、ラークは今一時的に孤児院居るとの事。そして思わぬ急な変化で戸惑っているから今日1日待って欲しいと言った。
何を話したのか、どうして出ていったはずの孤児院に居るのかは物凄く気になるところだがその言葉を飲み込んで私は頷いた。
露店に商品を搬入すれば、次々と並べていく。
昨日作ったかいがあり、
ヘアバンドも10個
あみぐるみは 5個
ミサンガは作り方が簡単とあって20本も作ってしまった。
お陰で毛糸も糸も無くなりかけだ。
値段はカゴとミサンガが商業ギルドと同じ大銅貨1枚。
ヘアバンドは少し高めに3枚。
あみぐるみは高めに銀貨1枚にした。
「楽しみだね!」
わくわくとさせた目をする子供達は先日私がプレゼントした服を身に纏っていた。
昨日とは違い嬉しそうな顔をする横顔達に、ラークの姿も此処にあったらいいのにとぼんやり考えているうちに露店は開かれた。
「来ないね…」
予想はしていたが早速の閑古鳥でピアンは不服そうだった。
時折女性や子供が足を止めるが、あみぐるみを見て悩んで去っていく。
「最初は仕方ないよ。」
そう言いつつも、問題点に私は気付いていた。
「皆から見てこの商品達はどう見える?」
「僕が作ったやつ」
即答したキャメルに思わず笑みが零れた。
「じゃあ、お客さんから見たら何に見える? 」
「お客さんから…?」
ピアンに困惑の表情が映る中後ろのキャメルは僕が作ったやつ。とまた即答している。
ウィンスと言えば少し悩んだ後、露店から道へ出て近くの女性に話し掛けた。
「すみません、少しお伺いしたいのですが。」
「あら、どうしたの?迷子?」
「えっ!あ、いえ、あのお店の商品の事なんです…。」
少し恥ずかしそうに下を向きながら話すウィンスは初めて見たかもしれない。
話し掛けられた女性も微笑ましそうに笑っておりそれがまたウィンスを赤くさせた。
「あ、あの商品何に見えますか?」
ウィンスがヘアバンドを指させば女性は首を傾げる。
「あら、何かしら…編み物?」
「えっと、じゃあこっちは…」
ミサンガを指させば、綺麗な糸の束ねぇ、と返ってくる。
「何に使うのかしら。」
その言葉に隣のピアンははっとした顔をしキャメルは、あぁ…と納得した顔をしていた。
「こちらはこの子のしている物の色違いになります。こう、後ろで結んで…」
ピアンを見本にウィンスが話しかけてくれた女性に折角だからと売り込む。
「あら!素敵ね。こちらの赤色のものを購入するわ。」
女性にヘアバンドを手渡せば、お手伝い偉いわね。とウィンスに告げて去って行った。
再び赤くなった彼を残して。
私はにやにやした顔を戻せないまま、ウィンスを見つめた。
視線を感じた彼が顔を上げ、うっと顔を強ばらせる。
「み、皆で何なの…」
どうやらそうした顔をしていたのは私だけでは無いようだった。
今のウィンスがいいなぁ。
昨日のウィンスを思い出しては、今日のウィンスと見比べて
何処かほっとする私が居た。
テントや机の貸し出しも行っていると露店の手続きをする時に受け付けのお姉さんに教えて貰っていたため、まずは商業ギルドへ向かい、合わせて銀貨4枚の支払いをして手続きをした。
場所は割と端の方で人通りが穏やかな方。
先日購入した串焼き屋が近い場所だ。
ラークと言えば、結局は来ていない。
昨夜帰ったウィンスは、ラークは今一時的に孤児院居るとの事。そして思わぬ急な変化で戸惑っているから今日1日待って欲しいと言った。
何を話したのか、どうして出ていったはずの孤児院に居るのかは物凄く気になるところだがその言葉を飲み込んで私は頷いた。
露店に商品を搬入すれば、次々と並べていく。
昨日作ったかいがあり、
ヘアバンドも10個
あみぐるみは 5個
ミサンガは作り方が簡単とあって20本も作ってしまった。
お陰で毛糸も糸も無くなりかけだ。
値段はカゴとミサンガが商業ギルドと同じ大銅貨1枚。
ヘアバンドは少し高めに3枚。
あみぐるみは高めに銀貨1枚にした。
「楽しみだね!」
わくわくとさせた目をする子供達は先日私がプレゼントした服を身に纏っていた。
昨日とは違い嬉しそうな顔をする横顔達に、ラークの姿も此処にあったらいいのにとぼんやり考えているうちに露店は開かれた。
「来ないね…」
予想はしていたが早速の閑古鳥でピアンは不服そうだった。
時折女性や子供が足を止めるが、あみぐるみを見て悩んで去っていく。
「最初は仕方ないよ。」
そう言いつつも、問題点に私は気付いていた。
「皆から見てこの商品達はどう見える?」
「僕が作ったやつ」
即答したキャメルに思わず笑みが零れた。
「じゃあ、お客さんから見たら何に見える? 」
「お客さんから…?」
ピアンに困惑の表情が映る中後ろのキャメルは僕が作ったやつ。とまた即答している。
ウィンスと言えば少し悩んだ後、露店から道へ出て近くの女性に話し掛けた。
「すみません、少しお伺いしたいのですが。」
「あら、どうしたの?迷子?」
「えっ!あ、いえ、あのお店の商品の事なんです…。」
少し恥ずかしそうに下を向きながら話すウィンスは初めて見たかもしれない。
話し掛けられた女性も微笑ましそうに笑っておりそれがまたウィンスを赤くさせた。
「あ、あの商品何に見えますか?」
ウィンスがヘアバンドを指させば女性は首を傾げる。
「あら、何かしら…編み物?」
「えっと、じゃあこっちは…」
ミサンガを指させば、綺麗な糸の束ねぇ、と返ってくる。
「何に使うのかしら。」
その言葉に隣のピアンははっとした顔をしキャメルは、あぁ…と納得した顔をしていた。
「こちらはこの子のしている物の色違いになります。こう、後ろで結んで…」
ピアンを見本にウィンスが話しかけてくれた女性に折角だからと売り込む。
「あら!素敵ね。こちらの赤色のものを購入するわ。」
女性にヘアバンドを手渡せば、お手伝い偉いわね。とウィンスに告げて去って行った。
再び赤くなった彼を残して。
私はにやにやした顔を戻せないまま、ウィンスを見つめた。
視線を感じた彼が顔を上げ、うっと顔を強ばらせる。
「み、皆で何なの…」
どうやらそうした顔をしていたのは私だけでは無いようだった。
今のウィンスがいいなぁ。
昨日のウィンスを思い出しては、今日のウィンスと見比べて
何処かほっとする私が居た。
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