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こんにちわ、孤独

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門の前まで到着すると門番らしき男とメディスがやり取りをしているのを呆然と見つめた。
そのあとカードの様なものを手渡した後、銅貨を渡し荷馬車は再び動く。

「嬢ちゃん、どうせ身分証明書何て無いだろ?門番には通行料払っといたから。
まずは・・・そうだな」

身分証明書は無いことは無いのだか、此処では通用しないであろう学生証しか生憎持ち合わせていない。
メディスの親切心に、昨日まで疑っていた事を恥じた。
最初は2人が可笑しくて、違う世界なんて事はないと信じたくは無かった。

アイーリを上から下まで眺めたメディスに
まずはその格好からだな、と洋服屋にアナシアと共に引き釣りこまれる事となる。

アナシアに選んでもらった服は洋風の村娘の様な格好だった。

「あとはギルドカードだが、身分証明書の代わりになる。
商業ギルドか冒険者ギルドで登録出来るが、まぁ多少金は掛かるが商業ギルドの方が嬢ちゃんには向いてるな。」

冒険者ギルドでは簡単な採取等もあるが、
この世界にはモンスターと言われるものも居るらしい。
まるでゲームのようでふわふわと思考は彷徨い続ける。

アナシアは護衛の任務完了報告に行くと行って離れて行き、アイーリは商業ギルドで銀貨5枚を払い商業ギルドカードを手に入れた。

商業ギルドは物作りから開発したものまで売ったり登録したりとする事等出来、商売には欠かせないそうだ。

「ものづくり・・・」


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ギルドカードを登録し終えた後は、メディスさんに宿屋の場所を教えて貰い、何かあった時はユーリ商会に来いと言われて別れた。

何から何まで頭を下げっぱなしだった。
アナシアさんにお礼は言えなかったがこの街を中心にしているらしく、それならばいずれ会えるだろう。

そして私は今、教えられた宿屋の前で立ちすくんで居る。

何となく、何となくだが入りずらい。
初めての店はただえさえ緊張が入り交じるのに、別の世界とあってはどんな人が居るかもわからない。

覚悟を決めて引き戸をぐっと掴みドアを開ける。

「いらっしゃい!お泊まり?お食事?
あ、初めてのお客さんだね!」

想像とは違い華奢な茶髪の少女が受付をしておりほっとした。
疲れも溜まって食欲もないので夕食は断り銀貨2枚を払って2階の部屋へと案内される。

1人になると、心細さが湧いた。





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